アンドレ・ファーブル
アンドレ・ファーブル(André Fabre、香港表記:費伯華、1945年12月9日 - )は、フランスの調教師。1987年~2007年まで21年連続、2010~15年にかけて6年連続、そして2017~19年と計30度もフランスのチャンピオントレーナーの座に就き、凱旋門賞を8勝するなど、フランスを代表するホースマンの一人である。
人物
[編集]西ドイツ駐在の外交官の息子として生まれ、20代前半まで西ドイツで生活した。大学で法律を学んだがファーブルは競馬界に入り、障害競走の調教師であるアンドレ・アデールの厩舎のスタッフとなった。その後ファーブルは障害競走の騎手となりパリ大障害などを制した。アデールが死ぬとその後を引継ぎ調教師となった。まず障害競走で頭角を表し、続いて平地競走でも成功した。
1987年に初めてフランスのリーディングトレーナーになると、それから現在までその座を守り続ける。1993年から大馬主ダニエル・ウィルデンシュタインの所有馬を預かり、またオリビエ・ペリエを主戦騎手にした。このトリオで輩出した馬としてパントレセレブルが挙げられる。2001年にはダニエル・ウィルデンシュタインと確執の末に決別し、2003年にはオリビエ・ペリエが離れ、主戦騎手がクリストフ・スミヨンに変わる。2006年の凱旋門賞には3頭を出走させ、その中の1頭レイルリンクが日本から参戦したディープインパクトなどを破り勝利した。2007年にアーガー・ハーン4世と決別し、さらに主戦騎手のクリストフ・スミヨンも離れてしまった。主戦騎手のピエールシャルル・ブドー騎手が2021年5月14日から騎乗停止となり翌2022年11月8日に騎手免許取消、2023年ドイツリーディングジョッキーのバウルジャン・ムルザバエフ騎手が主戦騎手になることが決まった。なおハーリド・ビン・アブドゥッラーが率いるジュドモントグループ(名義はアブドゥッラー殿下)の所有馬を預かっており、フランスの調教師の中でもアブドゥッラー殿下のフランスでの専属調教師で知られている。
主な管理馬
[編集]- クリスタルグリッターズ(1984年イスパーン賞)
- ソヴィエトスター(1987年プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー)、サセックスステークス、フォレ賞、1988年ジュライカップ、ムーラン・ド・ロンシャン賞)
- トランポリーノ(1987年凱旋門賞)
- ダンスホール(1989年パリ大賞典)
- ジェイドロバリー(1989年グラン・クリテリウム)
- インザウイングス(1990年コロネーションカップ、サンクルー大賞、ブリーダーズカップ・ターフ)
- スボーティカ(1991年パリ大賞典、1992年ガネー賞、凱旋門賞)
- アルカング(1993年イスパーン賞、ブリーダーズカップ・クラシック)
- アップルツリー(1992年オイロパ賞、1993年ターフクラシック招待、1994年コロネーションカップ、サンクルー大賞)
- ザフォニック(1992年モルニ賞、サラマンドル賞、デューハーストステークス、1993年2000ギニー)
- イントレピディティ(1993年サンタラリ賞、オークス、ヴェルメイユ賞)
- スキーパラダイス(1994年ムーラン・ド・ロンシャン賞)
- カーネギー(1994年凱旋門賞、1995年サンクルー大賞)
- ペニカンプ(1994年サラマンドル賞、デューハーストステークス、1995年2000ギニー)
- サガミックス(1998年凱旋門賞)
- ザミンダー(1996年カブール賞、ダルジナ・ザルカヴァなどの父)
- パントレセレブル(1997年ジョッケクルブ賞(仏ダービー)、パリ大賞典、凱旋門賞)
- サンデーピクニック(1999年クレオパトル賞、日本の森秀行厩舎へ移籍)
- ダンシリ(2000年ミュゲ賞、レイルリンク・ハービンジャーなどの父)
- ヴァオリミクス(2001年プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー)、ジャック・ル・マロワ賞)
- バンクスヒル(2001年コロネーションステークス、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ、2002年ジャック・ル・マロワ賞)
- ヴァリクシール(2005年イスパーン賞、クイーンアンステークス)
- シロッコ(2005年ブリーダーズカップ・ターフ、2006年コロネーションカップ)
- ハリケーンラン(2005年アイリッシュダービー、凱旋門賞、2006年タタソールズゴールドカップ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス)
- マンデュロ(2007年イスパーン賞、プリンスオブウェールズステークス、ジャック・ル・マロワ賞)
- レイルリンク(2006年パリ大賞典、凱旋門賞)
- キャヴァルリーマン(2009年パリ大賞典)
- ロペデヴェガ(2010年プール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー)、ジョッケクルブ賞(仏ダービー))
- プールモア(2011年エプソムダービー)
- アンテロ(2013年ジョッケクルブ賞(仏ダービー))
- フリントシャー(2013年パリ大賞典、2014年香港ヴァーズ)
- ニューベイ(2015年ジョッケクルブ賞)
- タリスマニック(2017年ブリーダーズカップ・ターフ)
- ヴァルトガイスト(2016年クリテリウムドサンクルー、2018年サンクルー大賞、2019年ガネー賞、凱旋門賞)
- アースライト(2019年モルニ賞、ミドルパークステークス)
- ソジー (2024年パリ大賞)