ウィリアム・ピーター・ブラッティ
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ウィリアム・ピーター・ブラッティ(William Peter Blatty、1928年1月7日 - 2017年1月12日[1])は、アメリカ合衆国の作家、脚本家、映画監督。『エクソシスト』の成功によりホラー作家とされることが多いが、初期にはコメディ作品の脚本も手がけていた。
略歴
[編集]1928年、ニューヨークにてレバノン人の両親の間に生まれる。3歳の頃、父親が家を出る。熱心なカトリック信者であった母親のもとに育ち、奨学金を得てカトリック教会の修道会であるイエズス会が運営する私立学校で学ぶ。1946年にこの学校を卒業し、イエズス会の大学であるワシントンDCのジョージタウン大学に進学する。ジョージタウン大学在学中に、映画『エクソシスト』のもととなるメリーランド悪魔憑依事件の話を知る。ジョージタウン大学を卒業後、同じくワシントンDCにあるジョージ・ワシントン大学で英文学の修士号を得る。
1960年代に脚本家としてデビュー、『地上最大の脱出作戦』、『暗闇でドッキリ(ピンク・パンサーシリーズの第2作)』などのコメディ作品を手がける。
1971年にメリーランド悪魔憑依事件をもとにした小説『エクソシスト』を出版。ベストセラーとなる。同時期に映画化権が売れたため、脚本の製作にかかる。1973年映画『エクソシスト』公開。1980年に映画『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』で監督デビュー(脚本も)、ゴールデングローブ賞脚本賞を受賞した。1990年には『エクソシスト3』の製作・脚本・監督も務めた。
作品
[編集]小説
[編集]- Which Way to Mecca, Jack? (1959)
- John Goldfarb, Please Come Home (1963)
- I, Billy Shakespeare! (1965)
- Twinkle, Twinkle, "Killer" Kane (1966)
- 〈信仰の神秘〉三部作:
- Demons Five, Exorcists Nothing: A Fable (1996)
- 別天地館 (Elsewhere 1999)、夏来健次訳『999―狂犬の夏』所収、創元推理文庫、2000年
- ディミター (Dimiter 2010)、白石朗訳、創元推理文庫、2012年
- Crazy (2010)
- The Exorcist for the 21st Century (2016)
映画
[編集]- 現金お断り (The Man From the Diner's Club 1963) 脚本
- 暗闇でドッキリ (A Shot in the Dark 1964) ブレイク・エドワーズとの共同脚本
- John Goldfarb, Please Come Home (1965) 脚本
- のぞき (Promise Her Anything 1965) 脚本
- 地上最大の脱出作戦 (What Did You Do in the War, Daddy? 1966) 脚本
- 銃口 (Gunn 1967) ブレイク・エドワーズとの共同脚本
- 空かける強盗団 (The Great Bank Robbery 1969) 脚本
- 暁の出撃 (Darling Lili 1970) ブレイク・エドワーズとの共同脚本
- エクソシスト (The Exorcist 1973) 原作・製作・脚本
- サムライ・コップ~おとぼけクン~ (Mastermind 1976) 脚本(テレンス・クライン名義)
- トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン (The Ninth Configuration 1980) 原作・製作・監督・脚本
- エクソシスト3 (The Exorcist III 1990) 原作・監督・脚本
脚注
[編集]- ^ a b 『エクソシスト』原作者W・P・ブラッティ氏死去 89歳 AFP BBNEWS 2017年1月14日