シルバーチャーム
シルバーチャーム | |
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2006年9月21日撮影 | |
欧字表記 | Silver Charm |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 芦毛 |
生誕 | 1994年2月22日(30歳) |
父 | シルバーバック |
母 | ボニーズポーカー |
生国 | アメリカ合衆国 |
生産者 | メアリー・ルー・ウォットン |
馬主 | ロバート・ルイス夫妻[1] |
調教師 | ボブ・バファート(アメリカ)[1] |
競走成績 | |
生涯成績 | 24戦12勝[1] |
獲得賞金 | 6,944,369ドル[1] |
シルバーチャーム (Silver Charm) は、アメリカ合衆国の競走馬、種牡馬である。1997年のアメリカ二冠馬で、1998年のドバイワールドカップの優勝馬。2007年アメリカ競馬殿堂入り。
アメリカ・フロリダ州[1] のスコット・ダッドレイ夫妻の牧場で生まれた。主戦騎手はゲイリー・スティーヴンス[1]。
戦績
[編集]2歳となった1996年に、アメリカ合衆国でデビューした。
翌1997年5月3日、単勝2番人気で迎えたアメリカクラシック三冠緒戦のケンタッキーダービー(ケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場)では、迫る本命[2] 馬キャプテンボジットをアタマ差凌いで優勝し、バラのレイを授かった[3]。三冠2戦目となる同月17日のプリークネスステークス(メリーランド州ピムリコ競馬場)では、同じく芦毛のライバルであるフリーハウスに、ここでもアタマ差[1] 競り勝って二冠を達成。アファームド以来となる三冠の期待がかかった6月のベルモントステークス(ニューヨーク州ベルモントパーク競馬場)では本命に推されるもタッチゴールドの2着に終わり、三冠を逃した。しかし二冠が評価され、この年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出された。
古馬となった翌1998年3月にはアラブ首長国連邦のドバイワールドカップ(ドバイ、ナドアルシバ競馬場)へ遠征し、地元のスウェインに競り勝って世界最高額の優勝賞金を手にした。その後4戦して同年11月、アメリカ最大の競走であるブリーダーズカップ・クラシックに出走。同年のブリーダーズカップ・クラシックには他にもスキップアウェイ、スウェイン、ヴィクトリーギャロップ、コロナドズクエスト、オーサムアゲイン、ジェントルメンといった近年まれに見る豪華なメンバーが出走していたが、スキップアウェイに続く2番人気に支持された。レースでは再びスウェインとの叩き合い[4] となりスウェインには先着したが、3番人気のオーサムアゲインにコースの内側をすくわれ2着に終わった。
翌1999年3月、ふたたび遠征したドバイワールドカップは前年の優勝馬として期待されたが、競走中に鼻出血を発症して6着に敗れた。さらには同年6月の競走でも再び鼻出血を発症して4着に敗れ、この競走を最後に競走生活から引退した。
最後は燃え尽きたが、勝つ時はいつも競り合いを制してのもので、図抜けてはいなかったが実に勝負強く、フリーハウスやスウェインといったライバルと数多くの名勝負を残した。1999年に「ブラッド・ホース」誌が選出した「20世紀のアメリカ名馬100選」で第63位に選ばれた[1] ほか、2007年にはアメリカ競馬の殿堂入りを果たしている[1][5]。
競走成績・受賞歴
[編集]アメリカ合衆国(米)22戦11勝、アラブ首長国連邦(首)2戦1勝。
- 1996年(3戦2勝)
- 1997年(7戦3勝)
- エクリプス賞最優秀3歳牡馬
- ケンタッキーダービー(米G1)、プリークネスステークス(米G1)、サンヴィセンテステークス(米G3)
- 1998年(9戦6勝)
- ドバイワールドカップ(首G1)、サンフェルナンドブリーダーズカップステークス(米G2)、ストラブステークス(米G2)、グッドウッドブリーダーズカップハンデキャップ(米G2)、クラークハンデキャップ(米G2)、ケンタッキーカップクラシックハンデキャップ(米G3)
- 1999年(5戦1勝)
- サンパスカルハンデキャップ(米G2)
種牡馬時代
[編集]2000年にアメリカ・ケンタッキー州のスリーチムニーズファームで種牡馬となる[1]。2004年に日本中央競馬会 (JRA) に買い取られ[6]日本に輸出され、翌2005年から新ひだか町静内の日本軽種馬協会 (JBBA) 静内種馬場で供用される[1]。日本での供用初年度は102頭に種付けして[1][7]、のちに69頭が血統登録された[7]。
2007年、この年の種付けシーズン終了後、青森県にあるJBBA七戸種馬場に移動した[1][8]。
2008年、6月18日に旭川競馬場で行われたフレッシュチャレンジをシルバーカテリーナが制して、日本へ輸入後に誕生した内国産の産駒が初勝利を挙げた[7]。この年の種付けシーズン終了後、JBBA胆振種馬場に移動した。
2012年の種付けシーズン終了後にJBBA静内種馬場へ移動した。
2014年をもって種牡馬を引退。アメリカへ帰国し、オールドフレンズで功労馬として余生を過ごす[9]。
代表産駒
[編集]- 2001年産
- プリーチンアットザバー / Preachinatthebar[1][7](サンフェリペステークス〈米G2〉、東京シティカップ〈米G3〉)
- 2003年産
- スプリングワルツ / Spring Waltz(ランパートハンデキャップ〈米G2〉)
- 2006年産
- 2008年産
- マルブツシルヴァー[7](秋陽ジャンプステークス)
- 2013年産
母父としての代表産駒
[編集]- 2013年産
血統表
[編集]シルバーチャームの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | バックパサー系(トムフール系) |
[§ 2] | ||
父 Silver Buck 1978 芦毛 |
父の父 Buckpasser1963 鹿毛 |
Tom Fool | Menow | |
Gaga | ||||
Busanda | War Admiral | |||
Businesslike | ||||
父の母 Silver Tune1964 芦毛 |
Hail to Reason | Turn-to | ||
Nothirdchance | ||||
Silver Fog | Mahmoud | |||
Equilette | ||||
母 Bonnie's Poker 1982 黒鹿毛 |
Poker 1963 鹿毛 |
Round Table | Princequillo | |
Knight's Daughter | ||||
Glamour | Nasrullah | |||
Striking | ||||
母の母 What a Surprise1968 鹿毛 |
Wise Margin | Market Wise | ||
One Ripple | ||||
Militant Miss | Faultless | |||
Miss Militant | ||||
母系(F-No.) | (FN:3-l) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | War Admiral 4×5=9.38%、Frilette・Periscope 5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n “JRAサマーステージ特別企画 メイクデビュー 夏の2歳馬特集 新種牡馬紹介 シルバーチャーム”. 中央競馬ピーアール・センター (2008年). 2011年10月11日閲覧。
- ^ 単勝1番人気のこと。
- ^ ケンタッキーダービーの優勝馬に行われる慣習である。
- ^ 競走の終盤に騎手が鞭でおのおのの騎乗馬を叩いて競り合うこと。
- ^ “シルバーチャーム、サントス騎手などが米殿堂入り”. netkeiba.com (2007年8月7日). 2011年10月11日閲覧。
- ^ “アラカルト「JRAがシルバーチャームを購入」”. 競馬ニホン (2004年10月31日). 2011年10月11日閲覧。
- ^ a b c d e “新種牡馬シルバーチャーム産駒が勝ち上がり”. netkeiba.com (2008年6月18日). 2011年10月11日閲覧。
- ^ “米2冠馬シルバーチャームが青森へ移動”. netkeiba.com (2007年11月4日). 2011年10月11日閲覧。
- ^ “シルバーチャームが種牡馬引退、米国帰国が決定”. 競馬ブック (2014年11月9日). 2014年11月13日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ゴスホークケン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年2月22日閲覧。
- ^ a b “シルバーチャームの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年2月22日閲覧。
外部リンク
[編集]- シルバーチャーム - 日本軽種馬協会
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
- シルバーチャーム(USA) - 競走馬のふるさと案内所