コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジェットエアウェイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェットエアウェイズ
Jet Airways
IATA
9W
ICAO
JAI
コールサイン
JET WAYS
設立 1992年4月
ハブ空港 チャットラパティー・シヴァージー国際空港
インディラ・ガンジー国際空港
ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港
チェンナイ国際空港
ケンペゴウダ国際空港
マイレージサービス Jet Privilege
会員ラウンジ Jet Lounge
保有機材数 121機
就航地 63都市
本拠地 インドの旗 インド ムンバイ
代表者 Naresh Goyal
外部リンク http://www.jetairways.com/
テンプレートを表示

ジェットエアウェイズJet Airways)は、インド航空会社。資金難により2019年4月18日から全便の運航を停止し[1]、インド倒産法による清算手続きが始まった。2021年9月現在、2022年第1四半期からの運航再開が計画されていると報じられている[2]

概要

[編集]

2019年4月18日より、すべての国内線と国際線の運航を停止している。

ムンバイをハブ(本拠地)とし、インドの民間航空会社の中では大手であった[3]

航空券の座席予約システム(CRS)はSABREを利用していた[4]

歴史

[編集]

1992年4月1日に設立されたジェットエアウェイズは、1993年5月5日に4機のボーイング737-300で商業運航を開始した。ヨーロッパ・北米路線を就航させ、インド第2の航空会社となるなど、国営航空会社のみであったインドの航空業界に少なからず影響をもたらしたといわれている。

インドでは、同国国営のフラッグ・キャリアであるエア・インディアが主要エアラインであったが、欠航率や延着率が高いことがネックとなっていた。これに対し、ジェットエアウェイズは高い定時性を売りに、ビジネスマンなど時間に余裕のない顧客から支持を得て、2007年のインド国内における航空シェアは24.2%でトップとなった。翌2008年の調査ではキングフィッシャー航空エア・デカンの合併の影響で22.7%と若干シェアを落としたものの、エア・インディアの14.7%をしのぎ、インド国内でのトップシェアを守った[5]格安航空会社が台頭する近年においても、2013年4月の調査では子会社を含めて22.6%となっており、IndiGoに続く2位につけていた[6]

2006年にエア・サハラを買収してジェットライトに社名変更した。2012年3月には、自社の格安航空部門であるジェットエアウェイズ・コネクト(Jet Airways Konnect)と統合し[7]、「ジェットコネクト(JetKonnect)」に再変更している。

2008年4月からは香港へも就航した。また、インドと北米を結ぶ路線に関しては、従来からのヨーロッパ経由に加え、アジア太平洋経由での上海経由サンフランシスコ線を運航していた(後に運休)[8]

2013年11月、エティハド航空がジェットエアウェイズの株式を取得後は同社との連携を強化、2014年10月に立ち上げた“エティハド航空パートナーズ”にも参加した[9]。なお、他国の航空会社との連携に関し、ジェットエアウェイズがスターアライアンスに加盟する可能性も報じられていた[10][11]

2014年12月からは単一ブランド戦略に伴い、ジェットコネクトについてもフルサービスに転換した[12]

2019年4月17日深夜(ムンバイ時間)、燃料費や各サービスにかかる費用を調達できなくなったため、すべての国内線、国際線の運航を4月18日から停止すると発表した[13]。ジェットエアウェイズの声明では運航停止は一時的としていたものの、資金不足に陥っており、つなぎ資金を調達できない限り運航は不可能であった[1]。最終便は、アムリトサルを発ち、4月18日にムンバイに到着したフライトだった[14]

2019年6月20日、同社はインド倒産法(the Insolvency and Bankruptcy Code)による清算手続きに入った[15]

2021年9月、ジェットエアウェイズが2022年第1四半期から国内線および近距離国際線の運航再開を計画していることが報じられた[16]

2024年、インド最高裁判所がJETAIRWAYSに対し解散を命令。

保有機材

[編集]
ボーイング777-300ER
エアバスA330-200型機

2020年3月現在、全機運用停止となっている。

ジェットエアウェイズ 保有機材[17]
機材名 保有数 発注数 座席数 特記
F B Y
エアバスA320neo 0 20 TBA 運行再開後納入予定
ボーイング 737-800 2 12 156 168 一部機材はスパイスジェット及びビスタラが購入
ボーイング 737-900 1 28 138 166
ボーイング 777-300ER 5 8 30 308 346
合計 14

路線

[編集]

2020年2月現在、全ての便の運航を停止している。

ジェットエアウェイズ 就航都市 (2018年8月現在)
州・国名 都市 空港名 特記
インドの旗 インド 国内線
デリー首都圏 デリー インディラ・ガンディー国際空港 ハブ空港
アッサム州 グワーハーティー ロクプリヤ・ ゴピナート・ボルドロイ国際空港
ジョールハート ジョールハート空港
シルチャル シルチャル空港
ビハール州 パトナ ジャイ・プラカシュ・ナラヤン国際空港
チャンディーガル連邦直轄領 チャンディーガル チャンディーガル空港
チャッティースガル州 ラーイプル スワミ・ヴィヴェカナンダ空港
ゴア州 ゴア ダボリム空港
グジャラート州 アフマダーバード サルダール・ヴァッラブバーイー・パテール国際空港
ブジ ブジ空港
ラージコート ラージコート空港
ヴァドーダラー ヴァドーダーラー空港
ジャンムー・カシミール州 レー クショク・バクラ・リンポチェ空港
シュリーナガル シュリーナガル空港
カルナータカ州 ベンガルール ケンペゴウダ国際空港 ハブ空港
マンガロール マンガロール国際空港
ケーララ州 コーチ コーチ国際空港
コーリコード カリカット国際空港
ティルヴァナンタプラム トリバンドラム国際空港
マディヤ・プラデーシュ州 ボーパール ボーパール空港
インドール デーヴィー・アヒリヤー・バーイー・ホールカル空港
カジュラーホー カジュラーホー空港
マハーラーシュトラ州 アウランガーバード アウランガーバード空港
ムンバイ チャトラパティ・シヴァージー国際空港 ハブ空港
ナーグプル ドクター・バーバー・サーハブ・ アンベードカル国際空港
ナーシク ナーシク空港
プネー プネー国際空港
マニプル州 インパール インパール国際空港
ミゾラム州 アイゾール レンプイ空港
パンジャーブ州 アムリトサル シュリー・グル・ラーム・ダース・ジー国際空港
ラージャスターン州 ジャイプール ジャイプール国際空港
ジョードプル ジョードプル空港
ウダイプル マハラナ・プラタップ国際空港
タミル・ナードゥ州 チェンナイ チェンナイ国際空港 ハブ空港
コインバトール コインバトール国際空港
マドゥライ マドゥライ国際空港
ティルチラーパッリ ティルチラーパッリ国際空港
テランガーナ州 ハイデラバード ラジーヴ・ガンディー国際空港
ウッタラーカンド州 デヘラードゥーン ジョリー・グラント空港
ウッタル・プラデーシュ州 ラクナウ チョードリー・チャラン・シン空港
ヴァーラーナシー ラール・バハードゥル・シャーストリー空港
西ベンガル州 シリグリ(バグドグラ) バグドグラ空港
コルカタ ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港 ハブ空港
国際線
アジア圏
バーレーンの旗 バーレーン マナーマ バーレーン国際空港 ムンバイ線
バングラデシュの旗 バングラデシュ ダッカ シャージャラル国際空港 デリー、コルカタ、ムンバイ線
香港の旗 香港 香港 香港国際空港 デリー、ムンバイ線
クウェートの旗 クウェート クウェート クウェート国際空港 ムンバイ線
ネパールの旗 ネパール カトマンズ トリブバン国際空港 デリー、ムンバイ線
オマーンの旗 オマーン マスカット マスカット国際空港 デリー、コーチ、ムンバイ、ティルヴァナンタプラム線
カタールの旗 カタール ドーハ ハマド国際空港 デリー、コーチ、コーリコード、ムンバイ、ティルヴァナンタプラム線
サウジアラビアの旗 サウジアラビア ダンマーム キング・ファハド国際空港 デリー、ハイデラバード、コーチ、コーリコード、ムンバイ、ティルヴァナンタプラム
ジッダ キング・アブドゥルアズィーズ国際空港 ムンバイ線
リヤド キング・ハーリド国際空港 デリー、ムンバイ線
シンガポールの旗 シンガポール シンガポール シンガポール・チャンギ国際空港 チェンナイ、ベンガルール、デリー、ムンバイ線
スリランカの旗 スリランカ コロンボ バンダラナイケ国際空港 ベンガルール、ムンバイ線
タイ王国の旗 タイ バンコク スワンナプーム国際空港 デリー、ムンバイ線
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 アブダビ アブダビ国際空港 デリー、ゴア、ハイデラバード、コーチ、ラクナウ、マンガロール、ムンバイ、プネー線
ドバイ ドバイ国際空港 デリー、コーチ、マンガロール、ムンバイ線
シャールジャ シャールジャ国際空港 コーチ線
アジア外
フランスの旗 フランス パリ シャルル・ド・ゴール国際空港 チェンナイ、ムンバイ線
オランダの旗 オランダ アムステルダム アムステルダム・スキポール空港 ベンガルール、デリー、ムンバイ、トロント線
イギリスの旗 イギリス ロンドン ロンドン・ヒースロー空港 デリー、ムンバイ線
マンチェスター マンチェスター国際空港 2018年11月5日就航予定
カナダの旗 カナダ トロント トロント・ピアソン国際空港 アムステルダム、デリー線
休止路線
アーンドラ・プラデーシュ州 ラージャムンドリー ラージャムンドリー空港
ティルパティ ティルパティ空港
ヴィジャヤワーダ ヴィジャヤワーダ空港
ヴィシャーカパトナム ヴィシャーカパトナム空港
ダマン・ディーウ連邦直轄領 ディーウ ディーウ空港
グジャラート州 バーヴナガル バーヴナガル空港
カンドラ カンドラ空港
ケショード ケショード空港
ポールバンダル ポールバンダル空港
ジャンムー・カシミール州 ジャンムー ジャンムー空港
ジャールカンド州 ラーンチー ブリサムンダ空港
オリッサ州 ブヴァネーシュヴァル ビジュー・パトナイク国際空港
トリプラ州 アガルタラ アガルタラ空港
ウッタル・プラデーシュ州 ゴーラクプル ゴーラクプル空港
アンダマン・ニコバル諸島連邦直轄領 ポートブレア ビアー・サバーカー国際空港
中華人民共和国の旗 中国 上海 上海浦東国際空港
 ベトナム ホーチミンシティ タンソンニャット国際空港
ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル ブリュッセル国際空港
イタリアの旗 イタリア ミラノ ミラノ・マルペンサ空港
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 ヨハネスブルク O・R・タンボ国際空港
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 サンフランシスコ サンフランシスコ国際空港
ニューアーク ニューアーク・リバティー国際空港
ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港
国内線43都市 国際線20都市 計63都市


日本への就航はなかったが、全日本空輸とコードシェア及びマイレージ提携を行っていた[18][19]

マイレージサービス

[編集]

ジェット・プリヴィレッジという名前のマイレージサービスを運営していた。パートナーは以下の通り。

太字はエティハド航空パートナーズ加盟航空会社。

受賞歴

[編集]
  • 1997年7月 1996-1997年度 IATA国内ベスト航空会社
  • 1998年11月 インド国内ベストエアライン 国際ブランドサミット(International Brand Summit)
  • 2003年1月 旅行ホスピタリティー部門のインドで最も尊敬する会社に選出 (Business Weekly Businessworld)
  • 2004年2月 国内航空部門 (Business Traveller Awards)
  • 2008年 CNBC Awaaz Travel Awards 2008
    • ベスト ビジネスクラス
    • ベスト エコノミークラス
  • 2014年 CNBC Awaaz Travel Awards 2014
    • 国内線ベストエアライン


関連項目

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b “印ジェットエアウェイズ、運航を停止 銀行支援まとまらず”. CNN. (2019年4月18日). https://www.cnn.co.jp/business/35135961.html 2019年4月24日閲覧。 
  2. ^ Jet Airways to resume domestic flights early next year, starts hiring process” (英語). mint. 2021年11月22日閲覧。
  3. ^ [1]
  4. ^ Jet Airways Further Improves Operational Efficiencies with the Latest Sabre Airline Solutions Flight Operations System”. 2015年9月26日閲覧。
  5. ^ Air India sees drop in number of domestic passengers in first quarter”. The Hindu Business Line. 2015年2月8日閲覧。
  6. ^ IndiGo corners 32% of domestic market”. live mint (2014年5月20日). 2015年2月8日閲覧。
  7. ^ ジェット・エアウェイズ、LCCブランドをジェットコネクトとして統合”. フライチーム (2012年3月21日). 2015年2月8日閲覧。
  8. ^ ジェット・エアウェイズ、香港就航、5月には上海とサンフランシスコも”. トラベルビジョン (2008年4月7日). 2015年2月8日閲覧。
  9. ^ エティハド・エアウェイズ・パートナーズが始動 6社が参画”. フライチーム (2014年10月11日). 2015年2月8日閲覧。
  10. ^ スターアライアンス、インド航空会社2社の加盟を検討”. レスポンス (2013年6月5日). 2015年2月8日閲覧。
  11. ^ ライバルのエア・インディアが、全日空が所属するスターアライアンスへの加盟を保留となっていたため。2014年7月、正式に加盟した。
  12. ^ ジェットエアウェイズ、ジェットコネクトとあわせ全便でフルサービス提供”. フライチーム (2014年12月3日). 2015年2月8日閲覧。
  13. ^ インドのジェットエアウェイズ、資金難で全路線を運行停止”. フライチーム (2019年4月19日). 2019年4月22日閲覧。
  14. ^ India's Jet Airways suspends operations”. www.flightglobal.com. 20 April 2019閲覧。
  15. ^ Jet Airways to go under insolvency” (英語). India Today. 2019年6月23日閲覧。
  16. ^ Jet Airways to resume domestic flights early next year, starts hiring process” (英語). mint. 2021年11月22日閲覧。
  17. ^ Jet Airways Fleet Details and History”. www.planespotters.net. 2022年5月6日閲覧。
  18. ^ Jet Airways and ANA to commence Code Share on Mumbai-Tokyo route using ANA Business Jet - First Code Sharing Agreement Between an Indian And Japanese Carrier(英語)
  19. ^ ANAとジェットエアウェイズのコードシェアおよびマイレージ提携の開始について”. 全日本空輸、ジェットエアウェイズ (2008年4月7日). 2015年2月8日閲覧。

外部リンク

[編集]