スーパースリー (アニメ)
スーパースリー The Impossibles | |
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ジャンル | 変身ヒーロー |
アニメ | |
原作 | ウィリアム・ハンナ ジョセフ・バーベラ |
製作 | ハンナ・バーベラ・プロダクション |
放送局 | CBS NETテレビ(現:テレビ朝日)他 |
放送期間 | 1966年9月 - 1967年1月 |
話数 | 全36話 |
テンプレート - ノート |
スーパースリー(原題: The Impossibles)は、1966年にアメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションにより制作された全36話のテレビアニメ。アメリカのCBSで1966年9月から1967年1月まで放映された。日本では、日本語吹き替え版として、NET(現・テレビ朝日)系列、東京12チャンネル(現・テレビ東京)系列、日本テレビ系列の子供向けテレビ番組、『おはよう!こどもショー』内で放映された。
他に『スーパースリー』の中間で放映されたロボットアニメ『フランケンロボ』(原題: Frankenstein Jr.)がある。本項目ではこれら2作品を順に解説する。
スーパースリー
[編集]登場人物
[編集]ロックバンド・スーパースリー
[編集]普段は3人組のロック・ミュージシャン。悪者が暴れているなどの情報をもとにしたチーフからの指令で、ヒーローに変身し現場に急行、退治しに行く。変身のプロセスや、なぜ能力を持っているのかについては言及されていない。日本語版では「秘密諜報部員」とされており、主題歌でもそう歌われている。
担当楽器は3人とも絵からエレクトリックギターとわかる。高いヒールのブーツと長い髪、ビビッドな色使いは、典型的な1960年代のミュージシャン。演奏時にドラマーやベーシストはおらず、ブラス・セクションが入っている曲であっても、彼ら以外の演奏者はいない。ミュージシャンとしての活動時は、英語版タイトル「The Impossibles」のロゴが入った簡素な舞台で演奏をし、楽器のケーブルもこの舞台につながれている。変身すると、舞台も車などの移動手段として変形する。
- コイル(Coil Man 通称 Coily)
- 声 - 関敬六/英 - ハル・スミス
- 二つ名はボヨヨンのコイル。腕と脚がバネでできているバネ人間。ジャンプ、体全体を使ったドリル、攻撃を跳ね除ける柔軟性などの能力を持つ。ギターは左利きで構えている。肥満体型。
- フリー(Fluid Man 通称 Fluey)
- 声 - 石川進/英 - ポール・フリーズ
- 二つ名はスイスイのフリー。スーパースリーのリーダー。体が液体でできており、自由に変形できる、隙間があればどこにでも侵入出来る、水道を伝って移動する、 雨雲に変身するなどの能力を持つ。英語版ではイギリス英語、日本語版ではオネエ言葉でしゃべる。
- マイト(Multi Man 通称 Multi)
- 声 - 愛川欽也/英 - ドン・メシック
- 二つ名はバラバラのマイト。自分の分身を無限に発生させることができる。 橋の代わりとして分身したり、高い所へ梯子のように移動したり、敵を撹乱するなどの能力を持つ。モップのような髪型で目は完全に隠れている。身長が高く、演奏時のギターの構えは非常に低い。
- チーフ("Big D")
- 声 - 小杉幸司 /英 - ポール・フリーズ
- 情報部の上司。本名は不明。コイルのヘッドに埋め込まれているテレビモニターから指令を出すので、現場には登場しない。チーフの指令無しでもスーパースリーが活躍する話がある。
主な敵
[編集]種類は異なるが主人公たちと同程度の特殊能力があり、それが強調されたネーミングになっているなどの特徴がある。これらは『スーパーマン』『バットマン』などアメリカのヒーロー物作品によく見られる特徴である。
- テレビック(Tele-visitron) - リモコンを使ってテレビがあるあらゆるところへ移動できる。また、スーパースリーのメンバーを遠くに飛ばしてしまう。
- ゴムフーセン(The Bubbler) - 壊れない泡を射出できる銃を持ち、敵を閉じ込めたり、泡に乗って移動する。
- もぐらのサブ(The Burrower) - 頭にドリルがついている。地中を掘り進む掘削マシンを操り、銀行の金庫に忍び込む。
- ガリガリー(Fero, the Fiendish Fiddler) - 敵をテレポートさせる効果を持った音色を出すバイオリンを操る。暴君ネロを風刺した姿で描かれている(FeroはNeroのもじり)。
- 怪人パズラー(The Puzzler) - 体がブロック状のパズルのパーツで形成されており、組み替えることで自由に形を変らられる。
- ペーパーマン(The Perilous Paper Man) - 体が紙で出来ており、紙飛行機に変身して移動するなど、紙製のあらゆるものに変身できる。
- アドバルーンキング(The Insidious Inflator) - 特別な光線銃から出る光線で、ゴム風船で出来たものに生命を与えることが出来る。
その他
[編集]- ナレーター
- 声 - 鈴木やすし/英 - 不明
各話リスト
[編集]No. | 邦題タイトル | 原題タイトル |
---|---|---|
1 | 冠ぬすまれおかんむり | The Spinner |
2 | 泥棒は郵便で送れ | The Perilous Paper Doll |
3 | ピッチカソの名画 | Beamatron |
4 | 風船にのった誘拐魔 | The Bubbler |
5 | 空へもぐったもぐら | The Burrower |
6 | タイムマシンで世界征服 | Timeatron |
7 | クロスモッグの蒸発 | Smogula |
8 | 動物園のノミ逃走 | The Sinister Speck |
9 | 月夜にひびくガリガリー | Fero, The Fiendish Fiddler |
10 | 魔法使いと四十人のドロボー | Mother Gruesome |
11 | 指名手配のテレビック | Televisatron |
12 | ドロボー絵描き | The Diabolical Dauber |
13 | おれの水鉄砲はすばやい | Aquator |
14 | 悪漢ゴムチューブ | The Wretched Professor Stretch |
15 | 逃げた車はなぜ速い | The Devilish Dragster |
16 | 犬もくわないクモドロボー | The Return Of The Spinner |
17 | パイナップル爆弾 | Satanic Surfer |
18 | プーッとふくれりゃ熱が出る | The Puzzler |
19 | 笑ってられないケラケラマン | The Scheming Spraysol |
20 | 石頭泥棒カチカチ | The Scurrilous Sculptor |
21 | 四流バイオリン弾き | The Artful Archer |
22 | 刑務所の風船売り | The Insidious Inflator |
23 | ドロボー灯台 | The Dastardly Diamond Dazzler |
24 | ペーパーマンに火がついた | The Return Of The Perilous Paperman |
25 | 猫にされた魔法使い | Cronella Critch The Tricky Witch |
26 | 怪盗はつむじ風に乗って | The Terrible Twister |
27 | 悪漢ゴムチューブの脱獄 | Professor Stretch Bounces Back |
28 | 電線に乗ったどろぼう | The Terrifying Tapper |
29 | ドロボーはつらいよ | The Anxious Angler |
30 | ビリー・ザ・キッドの孫の孫 | Billy The Kidder |
31 | 赤ちゃんにされたドロボー | The Fiendish Dr. Futuro |
32 | インスタント・ギャング | The Infamous Mr Instant |
未放送 | ||
- | 邦題無し | The Rascally Ringmaster |
The Crafty Clutcher | ||
The Bizarre Battler | ||
The Not So Nice Mr Ice |
主題歌と名フレーズ
[編集]番組のオープニングとしてだけでなく、スーパースリーの演奏シーンでも歌われる。英語版ではシーンに合わせて様々な曲が演奏され歌われているが、日本語版は全て声優による日本語版主題歌が使われ、各キャラの説明の歌詞はソロで、他はユニゾンによる合唱で歌っている。日本語歌詞の作詞者は「高見一」とクレジットされているが、当時朝日ソノラマに勤務していた橋本一郎は、自身のツイッターで作詞を担当したと語っている[1]。作曲者は不詳だが、前述の橋本のツイートは広瀬健次郎と推測している[2]。
2003年にはサントリー「スパチュー」の、2017年にはカルピスの「カラダカルピス」のCMソングに使われた。2019年4月からはテレビ東京系列の『ひねくれ3』のテーマ曲に使用されている。
主題歌・劇中で多用される「ラリホー」という、威勢のいいニュアンスでの掛け声が、主題歌のなかでは「ラリルレロン」とつながれたことにより、コミカルな語感として受け取られ、『ドラゴンクエストシリーズ』の呪文に使われたり、「ちびまる子ちゃん」原作で主人公のまる子が歌ったりと発展を生み出した。音響監督の高桑慎一郎は、「ラリホー」は自分の造語だと著書『ケンケンと愉快な仲間たち』の中で述べているが、元々英語版に存在するもので、綴りは「Rally-Ho!」である。コイルの口癖「ムッシュムラムラ!」は、吹き替えの関敬六がよく使ったアドリブだが、このフレーズもダチョウ倶楽部がギャグとして使うなど、後年いろいろな所で耳にする名フレーズとなった。
関連作品
[編集]- スーパー・グローブトロッターズ(The Super Globetrotters) - エキシビション・バスケットボール・チームの『ハーレム・グローブトロッターズ』をハンナ=バーベラがアニメ化した「en:Harlem Globetrotters (TV series)」を、さらにパワーアップした、1979年制作のヒーロー物アニメ。Liquid Man、Multi Man、Spaghetti Manという、フリー、マイト、コイルの特徴を持ったキャラクターが登場する。
フランケンロボ
[編集]登場人物
[編集]- ジュニアくん(Buzz Conroy)
- 声 - 太田淑子[3][4][5]/英 - ディック・ビールス
- チビッ子天才博士でフランケンロボの生みの親。特別なリモコン指輪を使い、フランケンロボを呼ぶことができる。またフランケンロボが戦いでダメージを受け故障すると、指輪の光線で応急修理が可能。
- フランケンロボ(Frankenstein Jr. 通称 Frankie)
- 声 - 今西正男[6][7][8]/英 - テッド・キャツビー
- ジュニアくんの作ったロボット。ジュニアくんの言うことを聞いて悪者たちと戦う。
- ロングシタィン博士(Professor Conroy)
- 声 - 青野武[9][10][11]/英 - ジョン・スティーブンソン
- ジュニアくんの父親。同じ博士でジョニアくんのことを理解し、一緒に研究の仕事をしたり、サポートしたり、一緒に悪者たちの事件を追う。悪者に捕まることもあるが、その都度ジュニアくんとロボに救い出される。
- ナレーター
- 声 - 鈴木やすし/英 - 不明
- 両作品共通のナレーター。
各話リスト
[編集]No. | 邦題タイトル | 原題タイトル |
---|---|---|
1 | ショック博士の電気怪物 | The Shocking Electrical Monster |
2 | スパイのスパイダー | The Spyder Man |
3 | バケモノトリオ退治 | Menace from the Wax Museum |
4 | 宇宙動物園(1) | Alien Brain from Outer Space part 1 |
5 | 宇宙動物園(2) | Alien Brain from Outer Space part 2 |
6 | 宇宙征服者ザーゴン | UFO: Unidentified Fiendish Object |
7 | よみがえったばけもの草 | Unearthly Plant Creatures |
8 | 金庫盗賊ガラクータ | Colossal Junk Monster |
9 | ドクタードウデモスルの怪光線 | The Incredible Aqua-Monsters |
10 | 新バグダッドの盗賊 | Gigantic Ghastly Genie |
11 | 空の海賊ブラックバード | The Birdman |
12 | 宇宙の大魔王 | Invasion of the Robot Creatures |
13 | スパイのブラックリスト | The Manchurian Menace |
14 | モンスター博士のわるだくみ | The Mad Monster Maker |
15 | 化け物の手下はたよりにならない | Pilfering Putty Monster |
16 | お化け退治 | The Spooktaculars |
未放送 | ||
- | 邦題無し | Deadly Living Images |
The Monstermobile |
日本語版スタッフ
[編集]- 演出 - 高桑慎一郎
- 翻訳 - 岡真一
- 制作 - 千代田プロダクション
NET系 金曜19:30 - 20:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
スーパースリー
(1967.9.8 - 1968.1.5) |
脚注
[編集]- ^ hashimotoichi23のツイート(762737016219971584)
- ^ hashimotoichi23のツイート(854966681575149568)
- ^ 『声優事典』キネマ旬報社、1994年、200頁。ISBN 4-87376-089-5。
- ^ 『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年、363頁。ISBN 4-87376-160-3。
- ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、50頁。ISBN 4-415-00878-X。
- ^ 『声優事典』キネマ旬報社、1994年、25頁。ISBN 4-87376-089-5。
- ^ 『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年、40頁。ISBN 4-87376-160-3。
- ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、361頁。ISBN 4-415-00878-X。
- ^ 『声優事典』キネマ旬報社、1994年、10頁。ISBN 4-87376-089-5。※「ハイシュタイン博士」と表記
- ^ 『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年、10-11頁。ISBN 4-87376-160-3。※「ハイシュタイン博士」と表記
- ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、328頁。ISBN 4-415-00878-X。 ※「ハイシュタイン博士」と表記