ソフトバンク・ビジョン・ファンド2
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ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SoftBank Vision Fund 2)は、ソフトバンクグループなどが出資するテクノロジー分野に特化した投資ファンド。組成は2020年3月末までに完了する計画と言われている[1]。
概要
[編集]ソフトバンク・ビジョン・ファンドの成功を受け、2019年7月約1,080億米ドル(11.7兆円)規模の投資ファンドの設立が発表された。リミテッド・パートナーにはソフトバンクグループ(380億ドル)の他、Apple、フォックスコン・テクノロジー・グループ、マイクロソフト、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、第一生命保険、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、大和証券グループ、カザフスタン国立銀行投資公社、スタンダードチャータード銀行、匿名の台湾の大手投資家およびこのファンド経営陣による出資が見込まれている[2]。
なお2019年7月時点では前ファンドに参画したサウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド、ムバダラ開発公社、クアルコム、シャープの名前はないが出資協議は継続されている[3]。
2020年2月7日、ウォールストリート・ジャーナルは当初規模の半分未満に留まると報じた。先行するソフトバンク・ビジョン・ファンドにおけるWeWorkでの投資成績の失敗を嫌って投資家が投資を控えていると指摘している[4]。
主な投資先
[編集]出資額は同じ投資ラウンドに出資した他社分を含む場合もある。ソフトバンクグループによるブリッジ投資分およびソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資分も含む。
出資時期 | 企業名 | 所在国 | 出資額 | 出資比率 | セクター | 事業内容 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年12月16日 | Oravel Stays Private Limited(オヨ・ルームズ) | インド | 1億ドル | 27% | Consumer | ホテル予約サイト「Oyo Rooms」 | [5] |
2017年 | 9月 8日2億5,000万ドル | 42% | 企業価値8億5,000万ドル評価[6] | ||||
2018年 | 9月25日8億ドル | - | 企業価値50億ドル評価[7] | ||||
2019年 | 10月 7日8億ドル | - | 企業価値100億ドル評価[8] | ||||
2017年 | 3月20日WeWork(ウィーワーク) | アメリカ | 3億ドル | — | Real Estate | コワーキングスペース | 企業価値200億ドル評価[9] |
2017年 | 8月24日30億ドル | — | 企業価値200億ドル評価同時に子会社3社へ14億ドル出資[10] | ||||
2018年 | 8月 9日10億ドル | — | 企業価値420億ドル評価[11] | ||||
2018年11月14日 | 30億ドル | — | 企業価値420億ドル評価[12] | ||||
2019年 | 1月 8日20億ドル | — | 企業価値470億ドル評価[13] | ||||
2019年10月30日 | 95億5000万ドル | — | 企業価値80億ドル評価 支援95億ドルの内訳は出資45億ドル(ワラント15億ドル、TOB30億ドル) 融資50億ドル(優先債11億ドル、無担保債22億ドル、信用状17・5億)[14] 評価損74億ドル計上 | ||||
2017年 | 5月18日One97 Communications(ペイティーエム) | インド | 14億ドル | 20% | Fintech | 電子決済「PayTM」 | 企業価値70億ドル評価[15] |
2019年11月25日 | 10億ドル | — | 企業価値160億ドル評価[16] | ||||
2018年11月15日 | Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア) | アメリカ | 3億ドル | — | Enterprise | RPA技術 | 企業価値26億ドル評価[17] |
2019年11月22日 | 2億9000万ドル | — | 企業価値68億ドル評価[18] | ||||
2019年 | 1月19日FirstCry(ファーストクライ) | インド | 3億ドル | 42% | Consumer | ベビー用品小売業者 | 企業価値8億5000万ドル評価[19] |
2020年 | 2月 7日1億5,000万ドル | — | 企業価値12億ドル評価[20] | ||||
2019年12月20日 | Lenskart(レンズカート) | インド | 2億7,500万ドル | - | 記載なし | メガネ小売 | 企業価値15億ドル評価[21] |
2020年 | 1月31日Alto Pharmacy(アルト・ファーマシー) | アメリカ | 2億5,000万ドル | - | 記載なし | オンライン薬局 | 企業価値10億ドル評価[22] |
2020年 | 2月24日Karius(カリウス) | アメリカ | 1億6,500万ドル | - | 記載なし | 医療診断サービス | 企業価値7億ドル強評価[23] |
2020年 | 2月24日Behavox(ビハボックス) | イギリス | 1億ドル | - | 記載なし | 従業員監視ソフトウエア | 企業価値5億ドル評価[24] |
脚注
[編集]- ^ “ソフトバンクG、ビジョンファンド2でゴールドマン起用”. bloomberg (2019年6月12日). 201-07-29閲覧。
- ^ “ソフトバンクが約12兆円でAIフォーカスの第2ビジョンファンドを立ち上げ”. techcrunch (2019年7月26日). 201-07-29閲覧。
- ^ “ソフトバンクG12兆円ファンド、サウジPIFは現時点で含まれず”. bloomberg (2019年7月26日). 201-07-29閲覧。
- ^ New SoftBank Tech Fund Falls Far Short of $108 Billion Fundraising Goal The Wall Street Journal 2020年2月7日
- ^ “ソフトバンクらから1億ドルを調達--インドのホテル予約サイト「Oyo Rooms」”. Cnet Japan (2015年12月16日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “インドの格安ホテル予約スタートアップOYO Rooms、シリーズDラウンドで2億5,000万米ドルを調達??東南アジアでの拡大を加速”. THE BRIDGE (2017年9月16日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “ソフトバンク出資の印オヨ・ホテルズ、海外事業強化へ10億ドル調達”. bloomberg (2018年9月26日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ “ソフバンクG出資の印OYO、15億ドル調達-企業価値100億ドルと評価”. bloomberg (2019年10月7日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、コワーキングスペースのWeWorkに44億ドルを投資”. TechCrunch (2017年8月25日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、コワーキングスペースのWeWorkに44億ドルを投資”. TechCrunch (2017年8月25日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、ウィーワークに10億ドル追加出資-転換社債を通じて”. Bloomberg (2018年8月10日). 2018年11月15日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、ウィーワークに30億ドルを追加出資へ”. Bloomberg (2018年11月14日). 2018年11月15日閲覧。
- ^ “米ウィーワーク:ソフトバンクが20億ドル出資、商標を変更”. bloomberg (2019年1月9日). 2019年4月28日閲覧。
- ^ “WeWork、ソフトバンクGから15億ドル受け取る-金融支援の一環”. bloomberg (2019年10月31日). 2019年12月16日閲覧。
- ^ “ソフトバンク、インド電子決済最大手ペイティーエムに投資-1550億円”. Bloomberg (2017年5月18日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “印決済大手Paytm、10億ドルを調達 ソフトバンクGなど”. 日本経済新聞 (2019年11月25日). 2019年12月16日閲覧。
- ^ “RPA startup Automation Anywhere nabs $300M from SoftBank at a $2.6B valuation”. techcrunch (2018年11月15日). 2018年11月16日閲覧。
- ^ “オートメーション・エニウェア、 2億9000万ドルのシリーズB資金調達を発表”. Automation Anywhere (2018年11月22日). 2019年11月24日閲覧。
- ^ “ソフトバンク巨大ファンドが狙う5大分野”. 日本経済新聞 (2019年3月25日). 2019年4月28日閲覧。
- ^ “インドのベビー用品向けEC企業FirstCryにソフトバンクが投資し、新たなユニコーン企業へ”. techable (2020年2月12日). 2020年2月13日閲覧。
- ^ “ソフトバンク・ビジョンファンドがインドのメガネ小売Lenskartに300億円投資”. techcrunch (2019年12月21日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ “ビジョンファンド2出資アルト・ファーマシー評価は10億ドル-ロイター”. bloomberg (2020年1月31日). 2020年1月31日閲覧。
- ^ “血液検査で新型コロナなどの病原体を特定し最適な治療法を見極めるKarius”. techcrunch (2020年2月25日). 2020年2月25日閲覧。
- ^ “ビジョンファンド2号、英監視ソフト企業に1億ドル出資へ-関係者”. bloomberg (2020年2月25日). 2020年2月25日閲覧。