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タケノハナミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タケノハナミ
欧字表記 Takeno Hanami[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1982年4月29日[1]
死没 2008年8月4日(26歳没)[2]
ハードツービート[1]
ヒカルカマタ[1]
母の父 アイアンリージ[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 昭和牧場[1]
馬主 伊坂重昭
伊坂重憲[1]
調教師 藤原敏文美浦[1]
競走成績
生涯成績 21戦5勝[1]
獲得賞金 6271万7000円[1]
勝ち鞍
GII ローズS 1985年
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タケノハナミ(欧字名:Takeno Hanami1982年4月29日 - 2008年8月4日)は、日本競走馬繁殖牝馬[1]。主な勝ち鞍に1985年ローズステークス

競走馬時代

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デビュー前

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1982年4月29日北海道浦河町の昭和牧場にて生まれる。

のちにこの馬の馬主となる伊坂重憲は、父で同じく馬主の伊坂重昭が所有馬を預けていた藤原敏文に誘われて昭和牧場を訪れた[3]。そこでタケノハナミを目にした重憲は、素人目にも1頭抜けていたというこの馬を「これは絶対にほしい」と思ったという[3]。しかし、当時馬主資格を有していなかった重憲は父にこの馬を購入してもらい[3]、デビューさせることとなった。

現役時

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1984年、3歳時は2戦したが未勝利。翌1985年、東京競馬場ダート1600メートル戦と芝2400メートル戦で勝利を挙げ[4]優駿牝馬に挑戦したが13着と敗れる[5][2]。夏に北海道へ遠征し、札幌競馬場のダート1500メートル戦を勝ったあと函館競馬場オープン馬を相手に2戦したが7、5着であった[6]

ローズステークスでは岩元市三が騎乗した。単勝12番人気の評価であった[2]が、管理調教師である藤原敏文の指示により先行策を取り[7][2]、逃げた桜花賞エルプスを半馬身抑えて勝利した。藤原は勝因について「仕上がりのよさ、だったと思いますね」[7]と振り返っている。

その後、馬主資格を取得した重憲の名義に変更したのちに[3]エリザベス女王杯に出走。4番人気に推されたが13着と敗れ[8]、その後は1987年に札幌競馬場のダートの特別競走で1勝を挙げる[9]にとどまった。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[10]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1984.12.02 中京 3歳新馬 芝1200m(良) 10 3 3 009.00(3人) 02着 R1:12.3 -0.1 0国兼正浩 53 ジョーレグノ
0000.12.16 中京 3歳新馬 芝1200m(良) 9 8 9 002.20(1人) 09着 R1:14.3 -1.9 0国兼正浩 53 レオナルドシチー
1985.01.06 中山 4歳未勝利 ダ1200m(良) 16 1 2 009.50(3人) 05着 R1:14.4 -0.9 0小林常泰 53 ハツカゼシロー
0000.01.26 東京 4歳未勝利 ダ1600m(良) 11 4 4 006.10(2人) 01着 R1:40.3 -0.4 0小林常泰 53 (ダイナフリージア)
0000.03.02 中山 桃花賞 400万下 芝1600m(不) 14 3 3 006.90(2人) 03着 R1:37.9 -1.0 0郷原洋行 53 ミスタテガミ
0000.03.23 中山 もくれん賞 400万下 芝2000m(重) 12 1 1 016.30(5人) 05着 R2:06.0 -0.8 0郷原洋行 53 モンテジャパン
0000.04.21 東京 八重桜賞 400万下 芝1600m(稍) 16 8 15 015.70(6人) 09着 R1:39.0 -0.9 0郷原洋行 53 シャダイハマナス
0000.05.03 東京 4歳400万下 芝2400m(良) 6 6 6 002.80(1人) 01着 R2:29.2 -0.4 0郷原洋行 53 (ヨシノディクタス)
0000.05.19 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 28 7 24 033.7(14人) 13着 R2:33.2 -2.5 0的場均 55 ノアノハコブネ
0000.06.16 札幌 4歳上900万下 ダ1800m(良) 9 5 5 007.80(3人) 03着 R1:52.7 -0.5 0郷原洋行 53 トムソンシロー
0000.06.29 札幌 4歳上900万下 ダ1500m(良) 8 3 3 002.70(1人) 01着 R1:32.6 -0.2 0郷原洋行 53 (ウメノウインザー)
0000.08.04 函館 巴賞 OP 芝1800m(良) 9 8 9 016.70(4人) 07着 01:49.6 -2.8 0郷原洋行 52 ノビアボニータ
0000.09.08 函館 UHB杯 OP 芝1800m(不) 9 2 2 024.40(9人) 05着 01:53.5 -2.3 0郷原洋行 52 ドミナスローズ
0000.10.13 京都 ローズS GII 芝2000m(良) 14 8 14 061.3(12人) 01着 R2:02.2 -0.1 0岩元市三 55 エルプス
0000.11.03 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2400m(良) 20 4 7 014.50(4人) 13着 R2:29.3 -2.5 0郷原洋行 55 リワードウイング
1987.04.11 中山 船橋S 1400万下 芝1800m(稍) 12 6 8 054.8(10人) 09着 01:50.7(38.0) -1.9 0郷原洋行 56 シンボリカール 476
0000.05.09 東京 薫風特別 1400万下 芝1800m(良) 7 2 2 007.00(5人) 07着 01:49.6(48.9) -0.9 0郷原洋行 55 アイアンシロー 470
0000.06.20 札幌 支笏湖特別 900万下 ダ1800m(良) 8 7 7 002.60(2人) 01着 R1:52.5(37.8) -0.7 0郷原洋行 55 (グレンツェンド) 470
0000.07.12 札幌 道新杯 OP ダ1500m(不) 7 7 7 005.10(3人) 07着 01:32.5(40.1) -2.9 0郷原洋行 53 インターネイティブ 480
0000.08.09 函館 巴賞 OP 芝1800m(重) 13 5 6 031.2(12人) 08着 01:51.5(38.6) -1.7 0津曲浩二 54 ベルベットグローブ 480
0000.08.23 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 14 8 14 063.3(12人) 14着 R2:02.9(39.2) -2.7 0津曲浩二 53 ウインドストース 476

繁殖牝馬時代

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引退後は1988年から繁殖牝馬となり[2]、8頭の産駒を残した。1995年には双子を受胎したが、片方を潰すことなくどちらも出産。牡馬のキーオブライフは競走馬としてデビューし、牝馬のオペラハナミは競走馬デビューこそしなかったが、繁殖牝馬としてイエロージャケット(2006年若草賞[11]スプリングカップ[12][13])、ツクシヒメ(2009年黒潮盃[14][15]TCKディスタフ[16])を産んだ。

また、1998年に出産したシングンオペラは、2000年船橋競馬場岡林光浩厩舎へ入厩[17]。2戦目で初勝利を挙げ、4戦目から中央競馬の指定交流競走に挑戦し、のちに中央競馬の高市圭二厩舎へ移籍[17]共同通信杯4着[17]青葉賞5着[17]アルゼンチン共和国杯3着[17]と重賞で善戦したが2勝目は挙げられず[17]、故障を発症し現役を引退。2003年から生まれ故郷の沖田牧場で重賞未勝利ながら種牡馬入りし、J・GI中山大障害など障害重賞を3勝し、2019年JRA賞最優秀障害馬に選出されたシングンマイケルの父となった[18]

タケノハナミ自身は、2000年12月付で用途変更[19]、繁殖牝馬を引退した[20]。その後は功労馬として門別町にあった名馬のふるさとステーションに繋養され、2003年に同施設が閉鎖されたあとは静内郡静内町(2006年より日高郡新ひだか町)にあるローリングエッグスクラブステーブルへ移動した[21]。その後、2008年8月4日、病気のため死亡[2][20]。26歳没。

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績・備考 出典
初仔 ナオミュトス 1989年 鹿毛 スルーザドラゴン 美浦藤原敏文 伊坂重憲 (未出走・繁殖) [22]
2番仔 テンショウゴールド 1990年 鹿毛 ロイヤルスキー 美浦・藤原敏文
新潟・向山勝
伊坂重憲
→岩村忠太
27戦2勝(引退) [23]
3番仔 テンショウメイジン 1991年 黒鹿毛 リドヘイム 美浦・藤原敏文
→美浦・高市圭二
伊坂重憲 34戦2勝(引退) [24]
4番仔 リヴリアリリー 1993年 鹿毛 リヴリア 小林・三坂盛雄 (未出走・繁殖) [25]
5番仔[注 1] キーオブライフ 1995年 黒鹿毛 オペラハウス 美浦・内藤一雄 1戦0勝(引退) [26]
オペラハナミ 鹿毛 (未出走・繁殖) [27]
7番仔 ナイトオブローズ 1996年 黒鹿毛 クリスタルグリッターズ 美浦・尾形充弘
北海道楠克己
伊坂重憲 45戦4勝(引退) [28]
8番仔 シングンオペラ 1998年 黒鹿毛 オペラハウス 船橋岡林光浩
→美浦・高市圭二
16戦1勝(引退・種牡馬 [29]

血統表

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タケノハナミ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ファリス系

*ハードツービート
Hard to Beat 1969
鹿毛 イギリス[7]
父の父
*ハーディカヌート
*ハードリドン Hard Sauce
Toute Belle
Harvest Maid Umidwar
Hay Fell
父の母
Virtuous
Above Suspicion Court Martial
Above Board
Rose of India Tulyar
Eastern Grandeur

ヒカルカマタ 1967
鹿毛 北海道浦河町
*アイアンリージ Bull Lea Bull Dog
Rose Leaves
Iron Maiden War Admiral
Betty Derr
母の母
*コランディア
Auriban Pharis
Arriba
Arlanza Djebel
Pharyva
母系(F-No.) コランディア系(FN:9-e) [§ 2]
5代内の近親交配 Bull Dog=Sir Gallahad 4・5(母内)、Pharos 5・5(母内)、Tourbillon 5・5(母内) [§ 3]
出典
  1. ^ [30]
  2. ^ [30]
  3. ^ [31]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 双子を出産。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o タケノハナミ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年6月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f ローズS勝ち馬、 タケノハナミが死亡” (公益社団法人日本語軽種馬協会). netkeiba.comJBISサーチ. ネットドリーマーズ (2008年8月8日). 20122022-06-1205閲覧。
  3. ^ a b c d 優駿』、中央競馬ピーアール・センター、2020年4月、73頁。 
  4. ^ 大橋巨泉『巨泉の重賞競走予想全書』(第1刷)ミデアム出版社、1992年3月、1085頁。ISBN 4944001290 
  5. ^ 競走成績 第46回 優駿牝馬(GI)”. 日本中央競馬会. 2012年6月12日閲覧。
  6. ^ 『巨泉の重賞競走予想全書』、1796頁。 
  7. ^ a b c d e f 「今月の記録室 第3回ローズS (GII) タケノハナミ」『優駿』1985年12月、132-133頁。 
  8. ^ 競走成績 第10回 エリザベス女王杯(GI)”. 日本中央競馬会. 2012年6月12日閲覧。
  9. ^ 「新馬・特別レース勝馬一覧」『優駿』1987年8月、154頁。 
  10. ^ タケノハナミの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2024年4月23日閲覧。
  11. ^ 若草賞、イエロージャケットが人気に応え快勝”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2006年3月10日). 2012年6月12日閲覧。
  12. ^ 全国競馬情報「3月29日(水)『園田の交流戦で300万馬券』ほか」”. 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2006年3月29日). 2012年6月12日閲覧。
  13. ^ 名古屋スプリングC、イエロージャケット人気に応える”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2006年3月29日). 2012年6月12日閲覧。
  14. ^ 【黒潮盃】(南関東・大井)〜ツクシヒメが牡馬を一蹴”. 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2009年8月12日). 2012年6月12日閲覧。
  15. ^ 黒潮盃、ツクシヒメが17年ぶりの牝馬V”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2009年8月12日). 2012年6月12日閲覧。
  16. ^ ツクシヒメV、ユキチャンは3着/大井・TCKディスタフ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2009年10月21日). 2012年6月12日閲覧。
  17. ^ a b c d e f シングンオペラ産駒が初勝利”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2007年10月8日). 2012年6月12日閲覧。
  18. ^ “【東京ハイジャンプ】3番人気シングンマイケルが安定の飛越で重賞V2”. サンケイスポーツ. (2019年10月15日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20191015/ope19101514370002-n1.html 2019年10月15日閲覧。 
  19. ^ タケノハナミ(JPN) - 血統書サービス、2022年6月5日閲覧。
  20. ^ a b 引退名馬詳細情報 タケノハナミ”. 名馬.jp. 軽種馬育成調教センター. 2011年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月12日閲覧。
  21. ^ 名馬のふるさとS、繋養馬の移動先決定”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2003年12月19日). 2012年6月12日閲覧。
  22. ^ ナオミュトス - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  23. ^ テンショウゴールド - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  24. ^ テンショウメイジン - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  25. ^ リヴリアリリー - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  26. ^ キーオブライフ - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  27. ^ オペラハナミ - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  28. ^ ナイトオブローズ - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  29. ^ シングンオペラ - JBISサーチ、2022年11月29日閲覧。
  30. ^ a b 血統情報:5代血統表|タケノハナミ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月15日閲覧。
  31. ^ タケノハナミの血統表”. netkeiba.com. 2019年10月15日閲覧。

外部リンク

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