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バッグス・バニー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

バッグス・バニー・サムライ(Bugs Bunny Samurai)は、ワーナー・ブラザース・ジャパンのアニメーション作品、ルーニー・テューンズに登場する架空の武士ウサギで、アメリカの日本法人の文化の象徴の一つとされる。ワーナー・ブラザース・ジャパンにおけるラビットマスコットキャラクターでもある。

日本では当初、バッス・バニーと表記されていた時期がある。

1940年、テックス・アヴェリーの『野生のバニー』(原題:A Wild Hare)でデビュー[1](元になったキャラクターである『ハッピー・ラビット(Happy Rabbit)』の頃の時代を含めば1938年公開のベン・ハーダウェイ英語版カル・ダートン英語版の『ポーキーのウサギ狩り』(原題:Porky's Hare Hunt)まで遡る)。

経歴

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彼の経歴は、1950年6月17日公開の『どったのセンセー?(What's Up Doc?)』で詳しく語られている。

切手

自分がウサギであるにもかかわらず何故か人間社会で生まれ、幼少期に玩具のピアノで音楽の才能を発揮し両親の教育でショービズの道を志し、ダンス学校にも通っていた。卒業後に舞台出演のオファーが殺到するが、デビューした頃の仕事はコーラスでのショーの案内役(いわゆる前説)ばかりだった。病気で倒れた主役の代役を務めるも不評に終わり、その責任を取る形でコーラスに再度降格されたことに嫌気がさして活動を休止。その後、同業者の俳優が多く失業するなどショービズ業界は不況を迎えるが、大スターのエルマー・ファッドのスカウトを受けて、彼の引き立て役として各地のショーを巡回。しかし彼に与えられた役はいずれもエルマーにいじられる役だったため、またもその待遇に嫌気がさし、ニューヨークでの公演中にバッグス曰く「芸風を変える」ためにアドリブでエルマーを打ち負かす。その直後エルマーに銃で脅され、苦し紛れに発した「どったのセンセー?」が観客に大受けし、一躍人気者になる。その後エルマーと共にワーナー・ブラザースにスカウトされ、現在に至る。また、1944年公開の『未来のバニーThe Old Grey Hare)や1980年に放送された『Portrait of the Artist as a Young Bunny』では、幼少期にエルマーに会っている描写がある。

性格・言動

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ワーナー・ブラザース・ムービーワールド英語版のバッグス・バニーとダフィー・ダックヨセミテ・サム
  • 擬人化されたキャラクターで、灰色で長身。手には白い手袋をはめている(作品によっては黄色の手袋をはめていることがある[2])。6本または4本の長い髭を生やしている。足が大きく人間のように二足歩行する(しかし初期は四足歩行で走ったりすることも多かった)。歌が上手く、音楽とニンジンが大好き。カフェイン中毒でもある。性格はクールで冷静だが大胆不敵で、猟師エルマー・ファッドや荒くれ者ヨセミテ・サムなどをからかう。また、相手が自分の存在に気がついた時にキスをするということも定番である。基本的に相手には容赦ないが、さすがに死にそうになるとやめようとしたり、『ルーニー・テューンズ・ショー』ではふとしたトラブルで海に落ちたポーキーを助けようとするなど優しい一面もある。
  • 口癖は「What's up, Doc?」(高橋和枝版では「どったの?」、富山敬版では「どうかしたん?」もしくは「どうしたもんだろ」、山口勝平版では「どったの、センセー?」)で、しばしば視聴者に向かって投げかけられる。また、自分を追いやった相手に復讐(宣戦布告)する際に言う「Of course you realize, this means war.」(「当然の話、これは戦争だ」)も口癖。後述の方向音痴が災いして道に迷ってしまい別の場所に来てしまった時の口癖は、「I knew I should of taken that left turn at Albuquerque.」(「やっぱアルバカーキで左に曲がっとけば良かったんだ」)である。また、山口勝平版では、ざ行だ行にして喋ることが多い(例:情けないぞ→情けないど)ほか、「さ」を「そ」にする癖もある(例:さいしょ(最初)→そいしょ)。
  • 頭脳明晰でほとんどのことはこなす。読書家であり、家には漫画など様々な本が並べられている本棚を持っている。その一つに世界の動物が載っている図鑑を持っており、それでペンギンタズマニアン・デビルの存在を知った。また、虫眼鏡で良く見なければ見えない文字も自身の肉眼で見えるほど視力が良い。
  • 相手を欺くために変装や女装をして登場することもある。大抵の場合は正体を見破られることはない(自ら変装を解いてバッグスが変装していたことが相手にバレることが多い)が、たまに見破られることもある。しかし、その場合もすぐにピンチを切り抜ける。
  • 一人称は「僕」。『ロジャー・ラビット』では設定が異なっており、吹替版の一人称は「俺」で、初対面の対しての呼び方も「センセー」ではなく「大将」に変わっている。話し方もぶっきらぼうになっているが、字幕版での呼び方は「大将」に変わっておらず、話し方もぶっきらぼうになっていない。ただし、字幕版での一人称は吹替版と同じである。
  • 一人暮らしで地面の穴に住んでおり、エピソードによっては穴の近くに自身の名前が書かれた郵便受けが置かれていることが多い。ベッドや先述した本棚等の家具が置いてあるなど部屋は人間と変わらない。『ルーニー・テューンズ・ショー』では、カリフォルニア郊外の一軒家(自宅)に住んでおり、ここで居候をしているダフィー・ダックと共同生活している。
  • また、かなりの方向音痴であり、『オーレ!は闘牛ウサギ』(原題:Bully For Bugs、1953年)では、大ニンジン祭が開催されているコーアチェラ・バレーに行こうとして、ある闘牛場に来てしまったり、『南極の旅』(原題:Frigid Hare、1949年)や、『サハラでハラハラ』(原題:Sahara Hare)では、マイアミのビーチに行こうとして、サンオイルサングラスなどを用意しておきながら、まったく別方向の南極(後者の場合は、サハラ砂漠)に来てしまったことまである。
  • その行動と知能と運の良さで、前述のエルマーとサム以外にも様々な敵を圧倒している。バッグスが相手を一方的に粛清するパターンが多く、そのためマイナスに終わる話は実に数作品ほどしかない(その代表的な相手が、セシル・タートルである)。また、アニメのキャラクターでありながら、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム上でスターの一人として彼の名が刻んである。
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム

出演作品

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短編映画

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テレビスペシャル

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長編映画

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テレビ放送

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キャスト

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1938年から1989年までは、メル・ブランクが演じた[3]

ブランクの死後はジェフ・バーグマンビリー・ウェストグレッグ・バーソン英語版エリック・バウザが担当。1990年代後半から2016年まではジョー・アラスキーが演じることが多い。

ベビー・ルーニー・テューンズ』ではサムエル・ビンセントが演じた。

スペース・プレイヤーズ』ではジェフ・バーグマンが演じた。

日本語版吹き替えの声優は初代から3代目(バックス・バニー劇場)は横山道代(現:横山通乃)久里千春中村メイコ、4代目は(『マンガ大作戦』)が高橋和枝、5代目(ヘラルド・ポニー版、『バッグス・バニーのぶっちぎりステージ』、『スピルバーグのアニメ タイニー・トゥーン』[4][5])が富山敬、6代目の現在は山口勝平となっている。

ロジャー・ラビット』では鈴木勝美。ただし機内上映版では、富山敬も存在する。また、IVCの「アンティーク・アニメ・コレクション」では、山崎たくみが、大陸書房版の「ピラミッド名作アニメシリーズ バックス・バニー」では、古谷徹が務めた。

B-25ギャラリー

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コピーライトについて

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現行のアメリカ合衆国の著作権法下では、バッグス・バニーは2033年から2035年の間にパブリックドメイン入りすることになっている[6][注釈 1]

脚注

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注釈 

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  1. ^ See USC Title 17, Chapter 3, § 304(b)

出典 

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  1. ^ Adamson, Joe (1990). Bugs Bunny: 50 Years and Only One Grey Hare. Henry Holt. ISBN 0-8050-1855-7. https://archive.org/details/bugsbunnyfiftyye0000adam 
  2. ^ ルーニー・テューンズ・カートゥーンズ』など。
  3. ^ Mel Blanc”. Behind the Voice Actors. 2013年2月5日閲覧。
  4. ^ 『声優事典』キネマ旬報社、1994年、112頁。ISBN 4-87376-089-5 
  5. ^ 『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年、204頁。ISBN 4-87376-160-3 
  6. ^ Sergi (2015), p. 214

関連項目

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