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ファストフレンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファストフレンド
2001年4月30日 笠松競馬場
欧字表記 Fast Friend
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1994年5月12日
アイネスフウジン
ザラストワード
母の父 ノーザンテースト
生国 日本の旗 日本北海道門別町
生産者 中前義隆
馬主 竹崎大晃
調教師 高市圭二美浦北
競走成績
生涯成績 38戦15勝(通算)
24戦7勝(中央競馬
14戦8勝(地方競馬
獲得賞金 6億6126万8000円
勝ち鞍
GI 帝王賞 2000年
GI 東京大賞典 2000年
GII エンプレス杯 1999年・2000年
GII 東海ステークス 2000年
GII 東海菊花賞 2000年
GIII マリーンカップ 1999年
GIII スパーキングレディーC 1999年
GIII クイーン賞 1999年
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ファストフレンド(欧字名:Fast Friend1994年5月12日 - )は日本競走馬繁殖牝馬である[1]。現役時はダートで活躍し、砂の女王と呼ばれた[2]

戦歴

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デビューは遅く、1997年5月の未勝利戦(芝1600m)に出走し9着だった。これが最初で最後の芝レースとなり、以降はダートに専念する。3戦目で未勝利を勝ち上がり、その後900万条件まではトントン拍子に勝ったがここで成績が頭打ちになり、1998年終了時点では13戦4勝とどこにでもいる条件馬に過ぎなかった。

変わり身を見せたのは5歳となった1999年4月のマリーンカップ。ここで重賞初挑戦を初勝利で飾り、さらにこの年スパーキングレディーカップエンプレス杯クイーン賞に勝ち、年末の東京大賞典でも2着と好走、瞬く間にダート戦線の中心馬となった。

明け6歳となった2000年川崎記念フェブラリーステークスと連続3着の後東海ステークスをレコード勝ちし、帝王賞へと出走。人気薄のドラールアラビアンをハナ差抑えて勝利し、初のGI勝ちを飾る。この後さらにエンプレス杯連覇、東海菊花賞レコード勝ち、東京大賞典で2度目のGI制覇と大活躍。NARグランプリ特別表彰馬に選出された。また、この年施行された第1回ジャパンカップダートでは1番人気に支持されている(結果は5着)。

2001年は精彩を欠き1勝もできず、オグリキャップ記念ではこれが引退レースとなった地元笠松の逃げ馬ハカタビッグワンに逃げ切りを許している。その後、帝王賞11着を最後に現役を引退。

ジャパンカップダート当日の11月24日、東京競馬場にて引退式が行われた[3]。帝王賞を制した時のゼッケン「5」を身に着け、蛯名正義が騎乗し、芝コースでキャンターを行った[3]

競走成績

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競走日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム差 1着馬(2着馬)
1997. 05. 24 東京 4歳未勝利 18 4 8 16.5 (5人) 09着 中舘英二 53 芝1600m(良) 1:37.7 (38.7) -1.5 エアパーム
06. 07 函館 4歳未勝利 12 5 6 09.9 (3人) 02着 柴田未崎 50 ダ1700m(良) 1:48.9 (38.7) -0.5 スージークーパー
09. 07 中山 4歳未勝利 16 4 8 08.7 (5人) 01着 中舘英二 53 ダ1800m(良) 1:54.8 (40.0) -0.2 (オースミスラッガー)
09. 27 中山 4歳上500万下 9 2 2 03.5 (2人) 02着 中舘英二 53 ダ1800m(重) 1:53.8 (39.1) -0.2 ホームメードケーキ
10. 18 東京 4歳上500万下 13 7 10 06.5 (5人) 01着 柴田未崎 51 ダ1600m(良) 1:39.4 (38.2) -0.7 (マサヒコクイーン)
11. 15 東京 4歳上900万下 13 6 9 03.9 (2人) 01着 柴田未崎 51 ダ1600m(良) 1:37.9 (37.0) -0.9 (タカラカンナ)
12. 13 中山 師走S OP 10 7 7 05.5 (4人) 06着 柴田未崎 50 ダ1800m(良) 1:52.8 (38.0) -0.4 サンエムキング
1998. 03. 08 中山 アクアマリンS 1600万下 16 6 12 07.8 (4人) 03着 柴田未崎 54 ダ1800m(良) 1:52.8 (36.9) -0.1 マウントリッチ
04. 05 中山 京葉S 1600万下 16 7 14 03.8 (2人) 06着 柴田未崎 54 ダ1800m(良) 1:52.7 (38.5) -0.4 マイネルモンスター
04. 25 東京 オアシスS OP 13 2 2 15.3 (6人) 05着 後藤浩輝 50 ダ1600m(不) 1:36.0 (36.9) -0.2 ユノペンタゴン
05. 30 東京 欅S 1600万下 16 3 5 06.0 (3人) 01着 柴田未崎 53 ダ1600m(稍) 1:36.7 (36.2) -0.2 (スペースクラウン)
12. 12 中山 北総S 1600万下 16 5 9 18.1 (8人) 07着 柴田未崎 55 ダ1800m(良) 1:52.7 (38.9) -0.7 エリモシテンオー
12. 27 中山 フェアウェルS 1600万下 16 2 4 12.9 (7人) 03着 柴田未崎 55 ダ1800m(良) 1:54.2 (37.2) -0.1 レイズスズラン
1999. 01. 09 中山 アレキサンドライトS 1600万下 16 1 2 06.2 (2人) 01着 鹿戸雄一 55 ダ1800m(良) 1:52.7 (38.1) -0.1 (ノーザンウェー)
02. 14 東京 テレビ山梨杯 1600万下 16 2 3 03.5 (2人) 04着 柴田未崎 55 ダ1600m(良) 1:36.9 (35.9) -0.1 サンデーパラダイス
03. 07 中山 アクアマリンS 1600万下 16 2 3 03.4 (2人) 04着 鹿戸雄一 55 ダ1800m(良) 1:52.8 (38.1) -0.7 アルファーリバー
04. 07 船橋 マリーンカップ GIII 9 8 9 03.2 (2人) 01着 蛯名正義 55 ダ1600m(良) 1:40.8 -0.1 (マジックリボン)
04. 24 東京 オアシスS OP 11 6 6 05.0 (3人) 03着 岡部幸雄 53 ダ1600m(不) 1:34.9 (35.7) -0.3 レイズスズラン
05. 22 東京 武蔵野S GIII 15 3 4 11.1 (6人) 03着 岡部幸雄 55 ダ2100m(良) 2:09.9 (36.0) -0.3 エムアイブラン
06. 15 川崎 スパーキングレディーC GIII 14 1 1 02.1 (1人) 01着 蛯名正義 55 ダ1600m(良) 1:40.1 -0.4 (アブクマレディー)
07. 19 川崎 エンプレス杯 GII 12 5 6 01.2 (1人) 01着 蛯名正義 55 ダ2100m(良) 2:14.2 -1.1 (アブクマレディー)
10. 06 船橋 クイーン賞 GIII 10 7 8 01.3 (1人) 01着 蛯名正義 57 ダ1800m(良) 1:52.8 (37.8) -0.0 (マジックリボン)
11. 13 東京 霜月S OP 8 3 3 04.2 (2人) 01着 蛯名正義 57 ダ2100m(良) 2:09.2 (36.9) -0.0 (ロックリズム)
12. 29 大井 東京大賞典 GI 16 5 9 (3人) 02着 横山典弘 55 ダ2000m(良) 2:05.0 (38.2) -0.1 ワールドクリーク
2000. 02. 09 川崎 川崎記念 GI 13 3 3 (1人) 03着 横山典弘 54 ダ2100m(良) 2:14.8 (38.9) -0.3 インテリパワー
02. 20 東京 フェブラリーS GI 16 1 1 10.2 (7人) 03着 蛯名正義 55 ダ1600m(良) 1:35.7 (36.2) -0.1 ウイングアロー
05. 21 中京 東海S GII 16 1 1 02.3 (1人) 01着 蛯名正義 55 ダ2300m(良) 2:24.2 (37.4) -0.0 スマートボーイ
06. 22 大井 帝王賞 GI 16 3 5 03.4 (2人) 01着 蛯名正義 55 ダ2000m(良) 2:05.6 (39.0) -0.0 (ドラールアラビアン)
07. 05 川崎 エンプレス杯 GII 7 6 6 01.1 (1人) 01着 蛯名正義 57 ダ2100m(良) 2:15.1 (38.0) -0.6 (アブクマレディー)
10. 09 盛岡 マイルCS南部杯 GI 14 6 10 (1人) 04着 蛯名正義 54 ダ1600m(良) 1:39.3 -1.0 ゴールドティアラ
11. 03 名古屋 東海菊花賞 GII 12 7 10 01.1 (1人) 01着 蛯名正義 55 ダ2500m(重) 2:40.8 -0.3 スナークレイアース
11. 25 東京 ジャパンカップダート GI 15 5 9 03.5 (1人) 05着 蛯名正義 55 ダ2100m(良) 2:08.8 (38.6) -1.6 ウイングアロー
12. 29 大井 東京大賞典 GI 16 7 13 02.2 (1人) 01着 蛯名正義 54 ダ2000m(良) 2:04.9 (38.0) -0.3 レギュラーメンバー
2001. 01. 26 川崎 川崎記念 GI 11 2 2 (1人) 02着 蛯名正義 54 ダ2100m(不) 2:13.0 (39.8) -0.1 レギュラーメンバー
02. 18 東京 フェブラリーS GI 16 1 1 10.6 (6人) 06着 蛯名正義 55 ダ1600m(良) 1:36.2 (36.0) -0.6 ノボトゥルー
04. 30 笠松 オグリキャップ記念 GII 9 6 6 (1人) 03着 蛯名正義 55 ダ2500m(不) 2:43.5 -1.3 ハカタビッグワン
05. 20 中京 東海S GII 12 4 4 02.9 (1人) 05着 蛯名正義 57 ダ2300m(良) 2:24.5 (39.0) -1.1 ハギノハイグレイド
06. 26 大井 帝王賞 GI 13 6 9 (1人) 11着 蛯名正義 55 ダ2000m(良) 2:05.9 (39.5) -1.5 マキバスナイパー

主な勝ち鞍

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重賞9勝中8勝が統一重賞である。

引退後・繁殖成績

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当初は生まれ故郷の中前牧場で繁殖生活を送っていたが、2006年からはノーザンファームで繋養された[4]。2005年産のフォーティファイド(父フォーティナイナー)は2013年大井記念、2014年金盃優勝馬。2013年にベルゲンを出産。その後、生まれ故郷に戻った。2017年アレッタ(父トランセンド)を出産後に繁殖を引退。2018年からは離乳した当歳馬のリードホースを務めている[5][6]

# 馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績・用途
1 ルックアミリオン 2003年 栗毛 フレンチデピュティ 美浦・高市圭三 竹崎大晃 16戦2勝、繁殖
2 コメンテーター 2004年 鹿毛 クロフネ 美浦・高市圭三 竹崎大晃 17戦1勝
3 フォーティファイド 2005年 栗毛 フォーティナイナー 栗東石坂正大井・藤田輝信 吉田和美→吉田勝己 61戦8勝
4 ドラゴンメッシュ 2007年 栗毛 クロフネ 美浦・久保田貴士園田・田中範雄 窪田芳郎→窪田康志 17戦1勝
5 ファストカラー 2008年 栗毛 フジキセキ 美浦・久保田貴士 キャロットファーム 6戦0勝、繁殖
6 ファストメモリー 2009年 栗毛 ゴールドアリュール 栗東・藤岡健一→大井・橋本和馬 キャロットファーム→須田靖之 19戦3勝
7 ディグニファイド 2012年 栗毛 ネオユニヴァース せん 栗東・高野友和→園田・田中一巧 シルクレーシング→星加浩一 41戦3勝
8 ベルゲン 2013年 黒鹿毛 ヴァーミリアン 未出走、繁殖
9 アレッタ 2017年 鹿毛 トランセンド 大井・的場直之 太田匡哉 15戦4勝、繁殖

血統表

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ファストフレンド血統ダークロナルド系 / Lady Angela5×4=9.38% Norseman5×5=6.25% Hyperion5×5=6.25%) (血統表の出典)

アイネスフウジン
1987 黒鹿毛
父の父
*シーホーク
Sea Hawk
1963 芦毛
Herbager Vandale
Flagette
Sea Nymph Free Man
Sea Spray
父の母
テスコパール
1976 栗毛
*テスコボーイ
Tesco Boy
Princely Gift
Suncourt
ムツミパール *Montaval
マサリュウ

ザラストワード
1987 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
1971 栗毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Vicrotia Victoria Park
Lady Angela
母の母
グロリアウェーブ
1978 黒鹿毛
*シルバーシャーク
Silver Shark
Buisson Ardent
Palsaka
*ブルーウェーブ Neanderthal
Capriann F-No.2-b


脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ ファストフレンド|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2021年3月16日閲覧。
  2. ^ ファストフレンド | 馬・牧場・施設検索 | 競走馬のふるさと案内所”. uma-furusato.com. 2024年7月26日閲覧。
  3. ^ a b 優駿』2002年1月号 120頁
  4. ^ ファストフレンドを訪ねて | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所”. uma-furusato.com. 2022年1月22日閲覧。
  5. ^ 南関魂 高橋華代子の南関東競馬ブログ 浦和と大井で、いろんなドラマ。そして、あの馬は今。”. 2022年1月22日閲覧。
  6. ^ 『週刊Gallop 2022年1月23日号』サンケイスポーツ、98頁。 

参考文献

[編集]
  • 優駿』2002年1月号、日本中央競馬会、2002年1月1日。

外部リンク

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