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ブール・メートル・ドテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブール・メートル・ドテル
Beurre maître d'hôtel
ニューヨークストリップステーキの上に乗せたブール・メートル・ドテル
種類 コンパウンドバター
発祥地 フランス
提供時温度 冷製、又は温製(溶融)
主な材料 バター、パセリ、レモン汁、食塩、コショウ
派生料理 甘みを付けたものもある
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サーモンステーキの上に乗せたブール・メートル・ドテル

ブール・メートル・ドテル (フランス語: Beurre Maître d'Hôtel) は、フランス料理が起源のコンパウンドバターの1つである。バターパセリレモン果汁、食塩コショウから作る。ステーキなどの肉料理(シャトーブリアンステーキソースにも用いられる)や料理、野菜料理、その他に使われる。ソースの代わりに用いることで、料理の風味が格段に上がる。甘みを付けたものもある。通冷えたものを円盤状に切って食材の上に乗せることが多いが、調味料として脇に添えることもある。

語源

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Beurre Maître d'Hôtelという名前は、そのレストランメートル・ドテル (maître d'hôtel) が、食卓において一から調理することに由来する[注釈 1]maître d'hôtel butterと呼ばれることもある[2][3]

作り方

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柔らかくしたバターにみじん切りにしたパセリ、レモン果汁、食塩、コショウを混ぜる[1][4][5]。割合として、テーブルスプーン約1.5杯分のパセリを2オンスのバターに加える[6]。その他、エシャロットウスターソースを加えることもある[7][8]。まれにを加えることもある[2]カイエンペッパーを加えることもある[9]。混ぜた後、クッキングシート食品用ラップフィルムで巻いて、冷やし固める[7][8][10]

利用

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ブール・メートル・ドテルは、冷たくして円盤状に切り出し、様々な食材の上に乗せて食べる[7]。ステーキ等の肉のグリルや魚料理の他、また、野菜、ジャガイモパンにも添えられる[7][10][11]砂糖を入れた甘いものは、パンケーキに添えられる[7]。トッピングする場合は、料理を提供する直前に乗せる[2]。調理の最後の数分間で食材に乗せ、溶かした状態で提供することもある[12]。ソースの代わりに用いられることもあり[7]、少量で料理全体の風味が格段に良くなる[1]

シャトーブリアンステーキのソース

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ブール・メートル・ドテルは、シャトーブリアンステーキのソースを作るのにも用いられる[13][14]。ソース作りの最終段階でソースを濾した後にブール・メートル・ドテルで仕上げる[13][14]。みじん切りにしたタラゴンを加えることもある[13][注釈 2]

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 大部分のコンパウンドバターは塩味であり、恐らく最も有名なものはブール・メートル・ドテルである。これは、しばしばレストランのメートル・ドテルがテーブル横で作るためにこう呼ばれる[1]
  2. ^ モスリンで濾し、4オンスのブール・メートル・ドテルを加えて火から外し、そこにみじん切りのタラゴンを少し加えることもできる」[14]

出典

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  1. ^ a b c Neman, Daniel (August 22, 2015). “Compounding makes butter better”. Naples Daily News. November 15, 2015閲覧。
  2. ^ a b c Tasty Way To Butter Up Steak And Potatoes”. Chicago Tribune (March 16, 1986). November 15, 2015閲覧。
  3. ^ Virion, C. (1972). Charles Virion's French Country Cookbook. Hawthorn Books. p. 100. https://books.google.com/books?id=n5nyAAAAMAAJ&q=Beurre+Maitre+d%E2%80%99Hotel 
  4. ^ Sinclair, C.G. (1998). International Dictionary of Food and Cooking. Fitzroy Dearborn. p. 60. ISBN 978-1-57958-057-5. https://books.google.com/books?id=fnveo8cyxKkC&pg=PA60 
  5. ^ How to Make Beurre Composé”. The Wall Street Journal (September 20, 2013). November 15, 2015閲覧。
  6. ^ David, E.; Child, J.; Renny, J. (1999). French Provincial Cooking. Penguin twentieth-century classics. Penguin Publishing Group. p. 133. ISBN 978-1-101-50123-8. https://books.google.com/books?id=_-WZjjQsKzAC&pg=PA133 
  7. ^ a b c d e f Leto, M.J.; Bode, W.K.H. (2006). The Larder Chef. Taylor & Francis. p. 92. ISBN 978-0-7506-6899-6. https://books.google.com/books?id=35CESNLtg8gC&pg=PA92 
  8. ^ a b Ruhlman, M.; Ruhlman, D.T. (2011). Ruhlman's Twenty: 20 Techniques, 200 Recipes, A Cook's Manifesto. Chronicle Books LLC. p. 133. ISBN 978-1-4521-1045-5. https://books.google.com/books?id=FjJlEqT3iRIC&pg=PA133 
  9. ^ Cracknell, H.L.; Kaufmann, R.J. (1999). Practical Professional Cookery. Cengage Learning. p. 20. ISBN 978-1-86152-873-5. https://books.google.com/books?id=l2Om8L3diTQC&pg=PA20 
  10. ^ a b Leslie Bilderback, CMB (2007). The Complete Idiot's Guide to Spices and Herbs. The Complete Idiot's Guide. DK Publishing. p. 165. ISBN 978-1-4406-2631-9. https://books.google.com/books?id=FosoTPUCwDAC&pg=PA165 
  11. ^ Dusoulier, C.; Josserand, M. (2014). Edible French: Tasty Expressions and Cultural Bites. Penguin Publishing Group. p. pt46. ISBN 978-0-698-15735-4. https://books.google.com/books?id=_6QTAwAAQBAJ&pg=PT46 March 8, 2016閲覧。 
  12. ^ Van Buren, S. (1890). Good-living: A Practical Cookery-book for Town and Country. Putnam. p. 252. https://archive.org/details/goodlivingpracti00vanb 
  13. ^ a b c Sinclair, C. (2009). Dictionary of Food: International Food and Cooking Terms from A to Z. Bloomsbury Publishing. p. 285. ISBN 978-1-4081-0218-3. https://books.google.com/books?id=Mdwm7jI9J10C&pg=PA285 
  14. ^ a b c Escoffier, A. (1941). The Escoffier Cook Book: A Guide to the Fine Art of Cookery. International Cookbook Series. Crown. p. 35. ISBN 978-0-517-50662-2. https://books.google.com/books?id=OO7NVyLhiSYC&pg=PA35 

関連文献

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外部リンク

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