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ポリュペーモスのいる風景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ポリュペーモスのいる風景』
ロシア語: Пейзаж с Полифемом
英語: Landscape with Polyphemus
作者ニコラ・プッサン
製作年1649年
種類キャンバス油彩
寸法150 cm × 198 cm
所蔵エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

ポリュペーモスのいる風景』(ポリュペーモスのいるふうけい、: Пейзаж с Полифемом: Landscape with Polyphemus)は、1649年にフランスの巨匠ニコラ・プッサンによって描かれた後期の代表的な風景画で、画家の友人のポワンテルのために描かれた[1]。1722年にイタリアの画家アンドレア・プロカッチーニ英語版によりスペインフェリペ5世のために購入されたが[2]、後にフランスに渡った。プッサンを賞揚したディドロが推薦した結果[3]、1772年にロシアエカチェリーナ2世に購入され[3][4]、現在はサンクトペテルブルクエルミタージュ美術館の所蔵となっている[1][3][4][5]

作品

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主題はオウィディウスの『転身物語』から取られている (第13巻738節以下)。一つ目の巨人 (キュクロプス) のポリュペーモスが美しいニンフガラテイア (乳白のように白い女の意) に恋をする物語である[1][3][5]。ガラテイアに恋をしたポリュペーモスは遠景中央のアイトナー山の上に腰かけている。こちらに背を向けて牧羊神パンが作ったとされる葦笛を吹き、ガラテイアを探しているのである[2][3][5]。その音楽に魅せられて、泉の水を汲みにきたニンフたちは仕事の手を休めている。半獣のサテュロスたちは木立から出てきている[4]

ガラテイアは前景中央の右寄りにいる女性で、長い髪に手をやり、背を向けている16歳の恋人のアキスにもたれかかっている[3][5]。アキスは、ポリュペーモスが奏でる音楽に思わず振り返っている[3]。ガラテイアは、明らかにポリュペーモスに見られることを望んでいない。彼女はアキスの背に身を隠しているからである[5]

まもなく、ポリュペーモスはアキスとガラテイアを見つけ、アキスを岩で打ち殺すことになる。死んだアキスは「河」の神となって生まれ変わるが、アキスが左手に持っているのが、やがて転身しようとする「河」の神のアトリビュートの「壺」である[2][3][5]

プッサンは、愛と音楽を自然と人間関係における調和の源として提示している。そして、描かれている風景の峻厳な断崖、堅固な木々の幹、生い茂る葉は自然の荘厳な美を印象づける[4]

脚注

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  1. ^ a b c 『NHK エルミタージュ美術館 2 ルネサンス・バロック・ロココ』、1989、152-153頁。
  2. ^ a b c Miguel Morán Turina. "Colección de Felipe V" (in Spanish). www.museodelprado.es. Retrieved 2020-05-25 2022年11月14日閲覧
  3. ^ a b c d e f g h 辻邦生・高階秀爾・木村三郎、1984年、77頁。
  4. ^ a b c d Landscape with Polyphemus”. エルミタージュ美術館公式サイト (英語). 2024年10月25日閲覧。
  5. ^ a b c d e f W.フリードレンダー 1970年、182-185頁。

参考文献

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外部リンク

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