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聖チェチリア (プッサン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『聖チェチリア』
スペイン語: Santa Cecilia
英語: Saint Cecilia
作者ニコラ・プッサン
製作年1625年ごろ
種類キャンバス油彩
寸法117.7 cm × 89 cm (46.3 in × 35 in)
所蔵プラド美術館マドリード

聖チェチリア』(せいチェチリア、西: Santa Cecilia: Saint Cecilia)は、17世紀フランスの巨匠ニコラ・プッサンが1625年ごろ[1]キャンバス上に油彩で制作した絵画である。以前、プッサン同様、ローマに居住していたフランス人画家シャルル・メラン英語版の作品とみなした研究者もいたが、現在、プッサンの作品であることに疑義を呈する研究者はいない[1]。作品の来歴はわかっていないが、ヨーロッパの美術市場で様々なプッサンの絵画を購入したフェリペ5世が購入した可能性があり、1734年のマドリードの旧王宮英語版の目録に記録されている[1]。現在、マドリードプラド美術館に所蔵されている[1]

プッサン『聖カタリナの神秘の結婚』 (1628-1629年ごろ)、スコットランド国立美術館エジンバラ

作品

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本作に描かれているのは、音楽とオルガン演奏の守護聖女聖チェチリアである。3世紀の古代ローマ時代に生きた聖チェチリアは、神に身を捧げる若い女性であった[2]。彼女は、ワレリアン (Valerian) と結婚した日に彼を真の信仰へと改宗させ、貞節な結婚へと導いた[1][2]。伝説によると、2人はともに殉教した[2]。後世、彼女には音楽に身を捧げたというイメージが加わり、絵画では中世に流行したオルガンとともに描かれることが多い[2]。プッサンが居住していたローマのトラステヴェレにある聖チェチリア教会英語版には、聖チェチリアの本物と見なされる聖遺物が保存されている[1]

画面では、聖チェチリアが彫刻を施された台座の上のハープシコードの前に座っている。彼女の顔は、『聖カタリナの神秘の結婚』 (1628-1629年ごろ、スコットランド国立美術館エジンバラ) などにも登場する[1]。彼女の右横には楽譜を持った2人の天使がいる。聖チェチリアは黄土色の衣服を纏っており、それが青色のチュニックを部分的に覆っている。彼女の背後では2人の若い歌い手が別の楽譜を見ており、画面上部左側ではもう1人の天使が重々しいカーテンを上げているが、右側の円柱がカーテンとバランスをとっている。背景となっているのは、曇り空の下の広大な風景である[1]。本作の質は高く、堅固な仕上げ、ゆらぎない素描、洗練された色彩、優雅な構図を有している[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i Saint Cecilia”. プラド美術館公式サイト (英語). 2024年10月20日閲覧。
  2. ^ a b c d 「聖書」と「神話」の象徴図鑑 2011年、157頁。

参考文献

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外部リンク

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