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ユーセイトップラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユーセイトップラン
欧字表記 Yusei Top Run[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1993年4月25日[1]
死没 2015年9月16日
ミルジョージ[1]
タニイチパワー[1]
母の父 ネヴァービート[1]
生国 日本北海道浦河町[1]
生産者 三枝牧場[1]
馬主 アサヒクラブ[1]
調教師 音無秀孝栗東[1]
厩務員 西條勇[2]
競走成績
生涯成績 43戦8勝[1]
獲得賞金 2億7667万6000円[1]
勝ち鞍
GII アルゼンチン共和国杯 1998年
GIII ダイヤモンドS 1998・2000年
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ユーセイトップラン[1]日本競走馬中央競馬アルゼンチン共和国杯と、ダイヤモンドステークスを2度制した。

戦績

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現役中に馬齢の表記方法が変更されたため、2000年までは旧表記で記載

4歳から5歳

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栗東音無秀孝厩舎に入厩。デビュー1996年2月3日の4歳新馬戦で、結果は10着。1着馬から6秒遅れでタイムオーバーになり、出走停止となってしまった。その後ダートの未勝利戦に3回出走したが勝てず、10月13日新潟1800mの未勝利戦で初勝利。そして12月15日中京の尾張特別に勝って2勝目を挙げた。

明けて1997年京都の芝1800m戦に立て続けに3戦出走した後、中京の熱田特別を勝って準オープンに昇格。しかし、昇格後勝てないまま5歳秋を迎えてしまい、900万下に降格してしまう。その後、11月23日に中京の豊明特別に勝ち、再び準オープンに昇格した。

6歳時

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1998年、寿ステークスで4着となった後の1月17日、格上挑戦となる京都芝3000mの万葉ステークスに出走。9番人気の低評価を覆し、ステイゴールドハナ差退けて1着となり、オープンクラスへ昇格した。

2月21日東京芝3200mの長距離戦、ダイヤモンドステークスに出走。6番人気まで単勝オッズが10倍以下という混戦となったが、ユーセイトップランは2番人気に支持された。道中は後方追走。直線で一気に伸びて、好位から抜け出したステイゴールドに1馬身1/2の差をつけて、6歳にして重賞初挑戦で初勝利を挙げた。

3月22日阪神大賞典ではメジロブライトシルクジャスティスの2強対決となる中、その2頭に続く3着を確保した。5月3日には天皇賞(春)に出走。4番人気と好評価を受けるも8着に終わる。続く目黒記念では4着、宝塚記念ではサイレンススズカの作り出すペースに合わなかったのか、13頭中12着と惨敗した。

11月7日アルゼンチン共和国杯に出走。宝塚記念で惨敗し、馬体重が前走から16kg減という事もあってか、12番人気と評価は低かった。道中はほぼ最後方に付けて追走。直線で上がり3ハロン33秒8の末脚を爆発させ、エーピーランドとの競り合いを制して1着となった。

その後出走したジャパンカップでは、エルコンドルパサーエアグルーヴスペシャルウィークといった強豪馬にはかなわず6着。有馬記念でもいいところが無く12着と惨敗した。

7歳以降

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1999年。前年に制覇したダイヤモンドステークスでは13頭中13着と惨敗。その後も重賞戦線を渡り歩くも11着、10着、15着、13着。明けて2000年日経新春杯でも13着と惨敗続きであった。

2月11日、ユーセイトップランと仲の良かった同じ音無厩舎のエガオヲミセテが、放牧先である山元トレーニングセンターの厩舎火災により死亡してしまった。ユーセイトップランは火災から2日後の2月13日後藤浩輝と初めてコンビを組んでダイヤモンドステークスに出走したが、長く惨敗(10番手以下)が続き老齢だったため、7番人気がついたのでさえ不思議に思われた。スタート後は後方待機であったが、スパートをかけたのはいつもの4コーナーではなく、3コーナーあたり。そこから一気に捲り始めて4コーナーで先頭に立ち、直線でもそのまま押し切ってゴール。1年3ヶ月ぶりに勝利を挙げ、悲しみに暮れていた厩舎スタッフを勇気づけた。

しかし、天皇賞(春)を目指して調教中に右第3中足骨を骨折、戦線離脱を余儀なくされる。その年の天皇賞(秋)で復帰したが6着、続くアルゼンチン共和国杯では4着と健闘する。その後約1年間走りつづけたが勝つことはできず、2001年10月17日に登録を抹消。現役を引退した。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[3]およびJBISサーチ[4]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ 人気 着順 騎手 斤量
(kg)
距離馬場 タイム(上り3F 着差 勝ち馬(2着馬)
1996 2 3 京都 4歳新馬 10 2 2 49.5 9 10着 河内洋 55 芝1600m(良) 1.42.4 (40.4) 6.0 オキノテムジン
9 8 阪神 4歳未勝利 15 4 7 55.3 10 12着 田島信行 55 ダ1400m(良) 1.29.9 (40.8) 2.9 キクノロベルト
9 21 阪神 4歳未勝利 15 6 8 87.2 11 5着 田島信行 55 ダ1800m(良) 1.56.4 (38.8) 1.0 ランドスペシャル
9 28 阪神 4歳未勝利 9 5 5 6.9 3 4着 田島信行 55 ダ1800m(稍) 1.56.6 (38.9) 1.1 サマニタイショウ
10 13 新潟 4歳未勝利 16 6 12 10.3 6 1着 佐藤哲三 55 芝1800m(稍) 1.50.3 (36.3) 0.3 (ダイタクセンコウ)
10 26 京都 4歳上500万下 16 7 13 55.6 11 6着 佐藤哲三 55 芝2000m(良) 2.00.2 (37.7) 0.9 ハヤテジャッカル
12 8 中京 尾頭橋特別 500 14 5 7 27.6 8 3着 土肥幸広 55 芝1800m(良) 1.50.7 (36.9) 0.1 トウショウオリオン
12 15 中京 尾張特別 500 16 7 13 7.3 3 1着 土肥幸広 55 芝2000m(良) 2.03.1 (36.1) 0.2 (ピサノパンサー)
1997 1 6 京都 初夢賞 900 16 6 11 22.3 8 6着 石橋守 56 芝1800m(稍) 1.51.8 (34.9) 0.6 ナリタプロテクター
1 18 京都 稲荷特別 900 16 2 4 11.3 6 2着 石橋守 56 芝1800m(良) 1.48.1 (36.2) 0.5 ジャパンスキー
2 1 京都 春日特別 900 11 7 9 7.0 2 6着 石橋守 56 芝1800m(良) 1.49.0 (36.5) 0.3 タガノサイレンス
3 2 中京 熱田特別 900 16 8 15 8.2 4 1着 久保田英敬 56 芝2000m(良) 2.01.3 (35.4) 0.1 (アドマイヤヒーロー)
3 15 阪神 御堂筋S 1500 16 4 8 21.7 8 6着 久保田英敬 53 芝2200m(稍) 2.16.5 (35.2) 0.1 ニシノダイオー
4 13 阪神 難波S 1500 15 7 12 6.5 4 4着 佐藤哲三 56 芝2200m(良) 2.14.9 (36.1) 0.9 エイシンサンサン
5 11 東京 緑風S 1500 13 1 1 5.9 3 7着 佐藤哲三 56 芝2400m(良) 2.26.4 (35.2) 1.3 エイシンサンサン
10 25 東京 山中湖特別 900 10 4 4 25.5 7 3着 中舘英二 57 芝2000m(良) 2.00.2 (35.1) クビ エアパラダイス
11 16 京都 北大路特別 900 11 8 10 9.7 5 6着 河内洋 57 芝2000m(良) 2.01.4 (35.1) 0.8 ヤマニンサイレンス
11 23 中京 豊明特別 900 9 4 4 4.3 2 1着 久保田英敬 57 芝2000m(良) 2.01.3 (36.2) 0.1 (サンキョウシュート)
1998 1 6 京都 寿S 1600 16 2 3 26.6 7 4着 河内洋 57 芝2000m(良) 2.01.5 (35.0) 0.5 アラバンサ
1 17 京都 万葉S OP 16 7 3 30.1 2 1着 河内洋 56 芝3000m(良) 3.06.3 (35.4) ハナ ステイゴールド
2 21 東京 ダイヤモンドS GIII 16 2 3 5.3 2 1着 河内洋 55 芝3200m(稍) 3.17.6 (34.6) 0.2 (ステイゴールド)
3 22 阪神 阪神大賞典 GII 10 5 5 9.3 3 3着 松永幹夫 57 芝3000m(良) 3.09.9 (34.5) 0.6 メジロブライト
5 3 京都 天皇賞(春) GI 14 2 2 15.5 4 8着 松永幹夫 58 芝3200m(良) 3.24.4 (34.5) 0.8 メジロブライト
6 13 東京 目黒記念 GII 13 8 13 11.7 5 4着 河内洋 56 芝2500m(重) 2.35.7 (36.5) 0.7 ゴーイングスズカ
7 12 阪神 宝塚記念 GI 13 7 11 234.7 12 12着 幸英明 58 芝2200m(良) 2.13.9 (36.7) 2.0 サイレンススズカ
11 7 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 18 1 2 46.1 12 1着 佐藤哲三 56 芝2500m(良) 2.32.9 (33.8) ハナ (エーピーランド)
11 29 東京 ジャパンC GI 15 2 3 50.2 12 6着 河内洋 57 芝2400m(良) 2.26.7 (34.6) 0.8 エルコンドルパサー
12 27 中山 有馬記念 GI 16 6 12 63.2 13 12着 佐藤哲三 56 芝2500m(良) 2.33.3 (35.0) 1.2 グラスワンダー
1999 2 20 東京 ダイヤモンドS GIII 13 8 13 8.4 5 13着 佐藤哲三 57.5 芝3200m(良) 3.21.9 (36.6) 2.2 タマモイナズマ
5 2 京都 天皇賞(春) GI 12 8 12 117.2 10 11着 幸英明 58 芝3200m(良) 3.18.1 (36.3) 2.8 スペシャルウィーク
6 12 東京 目黒記念 GII 12 1 1 19.1 7 10着 柴田善臣 57 芝2500m(良) 2.33.9 (36.0) 1.7 ローゼンカバリー
10 31 東京 天皇賞(秋) GI 17 4 8 133.3 17 15着 松永幹夫 58 芝2000m(良) 1.59.6 (35.8) 1.6 スペシャルウィーク
12 26 中山 有馬記念 GI 14 3 4 139.9 13 13着 松永幹夫 56 芝2500m(良) 2.38.9 (36.2) 1.7 グラスワンダー
2000 1 16 京都 日経新春杯 GII 14 8 13 98.8 11 13着 佐藤哲三 56 芝2400m(良) 2.26.1 (36.1) 1.8 マーベラスタイマー
2 13 東京 ダイヤモンドS GIII 14 8 13 16.6 7 1着 後藤浩輝 55 芝3200m(良) 3.17.5 (36.9) 0.4 (ジョーヤマト)
10 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 1 1 114.8 13 6着 M.ロバーツ 58 芝2000m(重) 2.00.8 (35.7) 0.9 テイエムオペラオー
11 5 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 16 3 5 13.3 6 4着 M.ロバーツ 56 芝2500m(良) 2.34.1 (34.3) 0.2 マチカネキンノホシ
12 2 中山 ステイヤーズS GII 11 4 4 19.3 6 6着 蛯名正義 58 芝3600m(良) 3.46.6 (36.3) 1.0 ホットシークレット
12 24 中山 有馬記念 GI 16 4 8 144.7 16 11着 中舘英二 56 芝2500m(良) 2.35.2 (37.0) 1.1 テイエムオペラオー
2001 1 14 京都 日経新春杯 GII 11 8 11 37.3 11 6着 河内洋 56 芝2400m(良) 2.26.6 (34.9) 0.8 ステイゴールド
2 11 東京 ダイヤモンドS GIII 10 8 9 7.6 5 7着 後藤浩輝 56 芝3200m(良) 3.19.2 (36.1) 1.2 イブキヤマノオー
5 19 東京 目黒記念 GII 13 6 9 47.4 12 11着 後藤浩輝 56 芝2500m(良) 2.32.7 (36.9) 1.9 ホットシークレット
10 7 京都 京都大賞典 GII 7 7 7 134.7 6 5着 河内洋 58 芝2400m(良) 2.28.4 (35.6) 3.5 テイエムオペラオー


引退後

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引退後は東京都世田谷区馬事公苑に繋養され、乗馬となった。

2007年4月28日放送の「うまなで〜UMA to NADESHIKO〜」ジョッキー体験企画では、安田美沙子が騎乗して常足軽速歩を行った。

2008年9月3日プロ野球千葉ロッテマリーンズ埼玉西武ライオンズ戦において、柴田善臣が騎乗して始球式に登場した。

2014年11月からは功労馬繋養展示事業の助成を受け、熊本県の川俣静剛牧場で過ごした[5]

2015年9月16日に死亡した[6]

血統表

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ユーセイトップラン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミルリーフ系ネヴァーベンド系
[§ 2]

*ミルジョージ
Mill George
1975 鹿毛
父の父
Mill Reef
1968 鹿毛
Never Bend Nasrullah
Lalun
Milan Mill Princequillo
Virginia Water
父の母
Miss Charisma
1967 鹿毛
Ragusa Ribot
Fantan
*マタティナ
Matatina
Grey Sovereign
Zanzara

タニイチパワー
1981 黒鹿毛
*ネヴァービート
Never Beat
1960 栃栗毛
Never Say Die Nasrullah
Singing Grass
Bride Elect Big Game
Netherton Maid
母の母
ロングパワー
1967 鹿毛
*ヒンドスタン
Hindostan
Bois Roussel
Sonibai
*マーシュメドウ
Marsh Meadow
Grey Sovereign
May Meadow F-No.11-f
母系(F-No.) 11号族(FN:11-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah 4×5×4×5 = 18.75% Grey Sovereign 4×4 = 12.50% Nearco 5×5×5 = 9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [7]
  2. ^ [8]
  3. ^ [7]
  4. ^ [7][8]

甥にJRA賞最優秀ダートホース2回のウイングアローがいる[8]。曾祖母マーシュメドウはキーストンのいとこにあたり、産駒にメジロカツザン(持込馬。スピードヒーローの母の父)、ミノル朝日杯3歳ステークス)、ニットウヤヨイ(桜花賞2着)などがいる。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ユーセイトップラン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月7日閲覧。
  2. ^ 『優駿』2012年2月号、143頁。 
  3. ^ ユーセイトップランの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月7日閲覧。
  4. ^ ユーセイトップラン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月7日閲覧。
  5. ^ 引退名馬 - ユーセイトップラン2015年2月27日閲覧
  6. ^ 引退名馬 - NEWSユーセイトップランの死亡について
  7. ^ a b c ユーセイトップラン 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月7日閲覧。
  8. ^ a b c ユーセイトップランの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月7日閲覧。

外部リンク

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