ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ
所在地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 モントレー |
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標準時 | UTC-8 (UTC-7 DST) |
所有者 | モントレー郡 |
運営者 | A&D Narigi Consulting, LLC |
オープン | 1957年11月9日[1] |
建設費 | $150万USD |
主なイベント | インディカー・シリーズ Monterey Festival of Speed |
グランプリサーキット (1996-) | |
路面 | 舗装 |
コース長 | 3.602 km (2.238 mi) |
コーナー数 | 11 |
レコードタイム | 1:05.880 (フランスの旗 セバスチャン・ボーデ, ニューマン・ハース・ラニガン・レーシング, 2007年, チャンプカー) |
ラグナ・セカ(WeatherTech Raceway Laguna Seca, ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ)はアメリカ合衆国のカリフォルニア州モントレーにあるサーキット。
ラグナ・セカとはスペイン語で「乾いた湖」(英語でdry lake)の意[2]。この場所にはかつて湖があり、干上がった湖の周りにコースが造られた[2]。
概要
[編集]1957年に造られ、1987年に現在のコースレイアウトに改修された。高低差が300フィート(91メートル)と大きく、テクニカルコーナーの多い低速サーキットである。以前開催された、MotoGP開催サーキットにおいては最高峰クラスで平均速度が160km/hほどであり、ドイツのザクセンリンクと並ぶ低速サーキットである。またA1グランプリ、アメリカン・ル・マン・シリーズなどの開催地にもなっていた。
マツダが2001年から2018年3月まで命名権を保持し、「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」としても知られていた。2018年4月からは自動車用品メーカーでユナイテッド・スポーツカー選手権(USCC)のタイトルスポンサーも務めるウェザーテックが命名権を得ている[3]。また同年レクサスとパートナーシップを結び、オフィシャルカーにGS Fが指定された[4]。
コークスクリュー
[編集]コース中間部のターン5から丘陵を上っていき、ターン7辺りで最高地点を通過した後一気に下りながら左(ターン8)・右(ターン8a)・左(ターン9)と切り返す。このジェットコースターのようなダウンヒル区間(公式にはターン8とターン8a)をコークスクリューと呼び、当サーキットの名物コーナーとして知られている。下り勾配はターン8のエイペックスで12%、ターン8aのエイペックスで18%。ターン8入口からターン8a出口までの450フィート(137メートル)の距離で59フィート(18メートル)降下する[5]。
ターン7手前の登り坂でブレーキングを開始する時点では空しか見えず、ターン8への侵入も曲がりながら下っていくので先が見通せない[6]。オートバイのライダーは前方荷重が懸かりながら加速しつつ、左右に素早く体重移動を繰り返す。フレディ・スペンサーなどトップライダーはウィリーしながら切り返すというテクニックを駆使していた。
コークスクリューでの追い抜きは著名な成功例がある。
- 1996年のインディカー・シリーズ最終戦のファイナルラップ、トップを走るブライアン・ハータを追いかけるアレッサンドロ・ザナルディが、ターン8のインを突き、ターン8aをショートカットしながら優勝した。このアクションは「ザ・パス(The Pass)」[7]と称賛された。翌年以降、同区間におけるオーバーテイクは禁止となっている。
- 2008年のMotoGPにおいて、バレンティーノ・ロッシがケーシー・ストーナーと抜きつ抜かれつのバトルを展開し、ザナルディと同じワイドラインでストーナーをパスした[8]。ウィニングランでロッシはコークスクリューにマシンを停め、路面にキスをした。
- 2013年のMotoGPでは、MotoGPクラスルーキーのマルク・マルケスがロッシのお株を奪うような抜き方で優勝した。
コークスクリュー・ヒルクライム
[編集]2022年より、コークスクリュー・ヒルクライムが開催されている[9]。モントレー・モータースポーツ・リユニオンの催し物の一環で、スタートラインからコースを逆走する形で、コークスクリューを経て最高地点まで駆け上がる、タイムトライアル方式。参加者は純粋に速さを競う者からデモンストレーションとしてネタを披露する者まで、幅広い。
その他
[編集]ロードレース世界選手権は1988年から1994年までアメリカGPが開催されていたが、ランオフエリアの狭さなど安全面の懸念があった。1989年の500クラスにおいて、フィニッシュ後のクールダウンラップ中にコース上でバーンアウトを披露していたケビン・マギーにババ・ショバートが追突し、ショバートは重傷を負い引退を余儀なくされた。翌年の500ccクラスでは、今度はマギーがレース中に同じ場所で転倒し、生死の境をさまよう重傷を負った2005年のレースカレンダーに復帰するにあたり、ヤマハ発動機がサーキット改修費用を提供して支援した。
1999年のCARTでは、ゴンサロ・ロドリゲスがコークスクリューを走行中にマシントラブルに見舞われウォールに突っ込み、死亡している。
公式のコースレコードは、2000年のCARTシリーズ第16戦の予選でエリオ・カストロネベスが記録した1分7秒722である。2006年8月20日にF1マシン・トヨタ・TF106の走行が行われ、リカルド・ゾンタのドライブによって当時の非公式コースレコードである1分6秒309のラップタイムが記録された。翌年の2007年3月10日、チャンプカーのテストにおいてセバスチャン・ボーデが1分5秒880のタイムを記録し、これも非公式ながら上記のコースレコードを塗り替えた。また、2012年5月20日、フェラーリ・レーシング・デイズのイベント中、フェラーリ・F2003-GAとスリックタイヤを用い、マルク・ジェネのドライブにより1分5秒786が記録され、非公式レコードが再び塗り替えられた。[10][1]
レースゲームに収録されることが多いコースである。ドリームキャストのF355 Challengeや、プレイステーションのグランツーリスモシリーズ、Xbox・Xbox 360・Xbox OneのForza Motorsportシリーズ、スマートフォンゲームのReal Racing 3にコースが収録されている。
1987年9月17日、当時のローマ教皇であるヨハネ・パウロ2世が、当地にてミサを行なった。この時の聴衆の規模は、約7万2000人であった[11]。
脚注
[編集]- ^ “'About' Laguna Seca Raceway”. 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b “WeatherTech Raceway Laguna Seca Race2”. INDYCAR.com (2020年). 2021年4月12日閲覧。
- ^ 2018.03.27 ラグナ・セカ、マツダとのスポンサー契約を3月31日で終了。新たな命名権はウェザーテックが獲得 AUTOSPORT WEB
- ^ NEWS MAY 1, 2018 LEXUS IS NAMED OFFICIAL LUXURY VEHICLE OF WEATHERTECH RACEWAY LAGUNA SECA
- ^ “WeatherTech Raceway Laguna Seca”. official site. 2021年4月12日閲覧。
- ^ 上田昇. “LAGUNA SECA 海外サーキットガイド”. DUNLOP. 2021年4月12日閲覧。
- ^ ““The Pass” occurred 20 years ago today, when Zanardi passed Herta (VIDEO)”. NBC Sports (2016年9月8日). 2021年4月12日閲覧。
- ^ YouTube - Rossi-Stoner Laguna Seca 2008 battle
- ^ 編集部, autosport web (2024年8月14日). “第3回コークスクリュー・ヒルクライム開催。マックス・チルトン操る『マクマートリー・スピーリング』が新記録 | 海外レース他”. autosport web. 2024年9月14日閲覧。
- ^ “Ferrari claims unofficial lap record at Laguna Seca” (英語). Autoblog. 2024年7月23日閲覧。
- ^ Pope John Paul II leads mass at Laguna Seca, California | Photos from the Vault