リトル・バード・ネイション
リトル・バード・ネイション(英: Little Bird Nation)は、スチャダラパーを中心とした日本のラップグループ・クラン。略称は、LBまたはLB Nation。元々は桑沢デザイン研究所や下北沢のクラブZOOで仲良くなったヒップホップ好き、テレビゲーム好きの友人同士によって構成された。
1990年代中頃には、スチャダラパー「今夜はブギー・バック」「GET UP AND DANCE」が収録されたアルバム『スチャダラ外伝』のヒットにより、渋谷系ムーブメントの流れで語られる事も多かった。
来歴
[編集]1990年2月、SHINCOの自宅にて、SHINCO、タケイグッドマン、ナイチョロ亀井によって「カメイ's GROOVE」「カメイ's DUB」などの楽曲が作られる。最初はユニット名を亀井の鼻がアメリカのラッパー KRS-ONEばりにデカかったとの理由で「東京BDP」と名乗っていたが、「カメイ's〜」のサンプリングネタ元である楽曲「ピョンピョンリズム」が収録された童謡レーベルの名前がことりレコードであった事から、後にLITTLE BIRDと名を改めた。当初は、スチャダラパー、TOKYO No.1 SOUL SET、THE CARTOONS、TONEPAYSの4組で構成され、後に脱線3、四街道ネイチャー、JUDO、ナオヒロック&スズキスムース、THREE ONE LENGTH、SHINGOSTARが合流した。A.K.I. PRODUCTIONS、キミドリの2組は「助っ人ガイジン」という特別枠で参加している。
メンバー
[編集]- スチャダラパー
- Bose
- ANI
- SHINCO
- TOKYO No.1 SOUL SET
- 脱線3
- ロボ宙
- MC BOO
- KING 3LDK (KING 3K)
- TONEPAYS
- THE CARTOONS
- 四街道ネイチャー
- KZA (北&澤)
- マイクアキラ
- DJ Kent (Kent Deli-Cuts)
- ナオヒロック&スズキスムース (元HALOWS)
- ナオヒロック(REAL NAOHIROCK)
- スズキスムース
- JUDO
- THREE ONE LENGTH
- Nama-Roy
- Hirano Brown
- DJ Kaz Sudo (HOTEI)
- A.K.I. Productions - 助っ人外人枠。
- A.K.I.
- Illicit Tsuboi
- キミドリ - 助っ人外人枠。
- クボタタケシ
- KURO-OVI (イシグロ、1Drink)
- DJ MAKO
- SHINGOSTARR
- サイプレス上野とロベルト吉野 - 2016年に行われた「スチャダラ2016〜LB春まつり〜」参加をきっかけにメンバー入りを果たした。
- サイプレス上野 (LEGENDオブ伝説)
- ロベルト吉野
LB内でのユニット
[編集]- SONS OF NICE YOUNG - クボタタケシと川辺ヒロシによるユニットで、通称「S.O.N.Y」。96年発売のアルバムにはLOW IQ 01等も参加。2000年、郷ひろみ「Hallelujah,Burning Love」のリミックスも手がけた。
- クボタタケシ+渡辺俊美 - クボタタケシと渡辺俊美によるユニット。1998年にSKYLARKINより『TIME』CD、EPをリリース。
- FORCE OF NATURE - KZAとDJ KENTによるユニット。
- GALARUDE - 川辺ヒロシ、DJ KENT、笹沼位吉によるユニット。
- THE ZOOT16 - 渡辺俊美のソロユニット。DJ Kaz Sudoも参加していた時期がある。
- M.I.B.(Meguro Incredible Beats) - SHINCOのソロプロジェクト。1999年に12インチシングルを1枚発売したのみ。
- SSY - SHINCO、矢野貴志(AMBIVALENCE/FIVEMAN ARMY)、笹沼位吉によるユニット。Jackson 5のリミックスアルバム等に参加した。
- THE PRIMEMINISTER "PAT" MORITA - KING 3LDKの覆面プロジェクト。2005年1月にアルバム『A BETTER TOMORROW』 を発売した。
- テリヤキ・ボーイズ・セピア - スチャダラパー、ロボ宙、ナオヒロックによるTERIYAKI BOYZのパロディ・ユニット。NIGO®︎の番組でコントを披露していた。
- DONUTS DISCO DELUXE - ANI、ロボ宙、AFRAによるDJ/ライブユニット。
- KZ-1 - KZAと1 Drink(KURO-OVI)によるDJユニット。
LBと関連の深い人物、団体
[編集]- SHAKKAZOMBIE - OSUMI(BIG-O)、HIDE-BOWIE(IGNITION MAN)、TSUTCHIEの3人組。グループの名付け親はKURO-OVI。初ステージがLBまつりだった事から、95年頃までは共に活動する事が多かった。2002年発売のTSUTCHIEのソロアルバム『THANKS FOR LISTENING』には、スチャダラパー、ロボ宙、渡辺俊美がゲスト参加している。
- ホフディラン - 裏LBまつりに出演。SHINGOSTARもかつて在籍。メンバーのワタナベイビーはかせきさいだぁ≡とのユニット「Baby&CIDER≡」としても活動。
- ヒックスヴィル - 大LB夏まつりにかせきさいだぁのサポートとして出演した他、メンバーの木暮晋也はスチャダラパーのライブサポートや、かせきさいだぁとのユニット「TOTEM ROCK」としても活動。
- MC JOE - 大LB夏まつり、スチャダラ2016〜LB春まつり〜の両方に、四街道ネイチャーの客演として参加。また、KING 3LDKとは楽曲での共演や、ユニット「KINGJOE」としてミックステープをリリースする等の活動もある。
- 笹沼位吉 - SLY MONGOOSE及び、THE HELLO WORKSのベーシスト。スチャダラパー、TOKYO No.1 SOUL SETのライブにサポートメンバーとして多数参加。また、SHINCOとは「SSY」として、川辺ヒロシ、DJ KENTとは「GALARUDE」としてもそれぞれ活動している。
- 高木完 - スチャダラパー、脱線3のプロデュース、四街道ネイチャーのEPをリリースしたレーベル「VORTEX」等で多く関わった。
- 藤原ヒロシ - スチャダラパーとの共作や、川辺ヒロシとのユニット「HIROSHI II HIROSHI」等がある。
- SKATE THING - 「大LB夏まつり」のフライヤーや、脱線3「バチルカ」のアートワーク、クボタタケシのミックスCDのジャケットデザイン等を手がけた。
- 川勝正幸 - スチャダラパーを初めてメディアで取り上げた事で知られている。
- 山下直樹 - LBまつりが行われていた下北沢のクラブ「SLITS」の店長。SLITS閉店後は、レーベル「Skylarkin」を主宰し、脱線3のEP『DAS BACK AGAIN!』や、クボタタケシのミックス・テープ『CLASSICS』、川辺ヒロシのミックス・テープ「RISE」等を世に送り出した。
- 荏開津広 - 音楽ライター、DJとしてLBのイベント、CDライナー等に多く関わった。 四街道ネイチャーの名付け親でもある。
- 藤井悟 - THREE ONE LENGTHの名付け親である。
- ECD - 「大LB夏まつり」の一週間前に同会場で行われたヒップホップイベント「さんピンCAMP」の主催者だが、ECDのアルバムにはこれまでに、SHINCO、川辺ヒロシ、TONEPAYS、Illicit Tsuboi、キミドリ、四街道ネイチャーが参加している。
- 小沢健二 - スチャダラパーとの「今夜はブギー・バック」をはじめ、幾つかのMVをタケイグッドマンが制作。アルバム『LIFE』には、LBの面々もバックコーラス等で参加している。
- NIGO®︎ - スチャダラパー、THE CARTOONSのステージ衣装を手がける。また、アルバムにはBoseとKZAのコラボレーション曲「DREAM UNIT」や、SHINCO、FORCE OF NATUREがリミキサーとして参加。2004年発売のアルバム『(B)APE SOUNDS』では、ANI&CQ(BUDDHA BRAND)という、当時としては珍しいコラボレーションも実現した。
- AFRA - デビュー・アルバムをスチャダラパーがプロデュースした他、ANI、ロボ宙とのユニット「DONUTS DISCO DELUXE」としても活動。
- Kenny Boy - カメラマンとしてLBに多く関わる。「大LB博覧会」では写真販売も行われた。
- DEV LARGE - かつて、SHINCO、クボタタケシ、KZA、DJ KENT、DJ G'z-JAY(AZZURRO/元MELLOW YELLOW)というメンバーで、DJイベント「S.D.P」を開催していた。
- AKEEM the DREAM - スチャダラパー『偶然のアルバム』に参加した他、四街道ネイチャー、KING 3LDKとのコラボレーションがある。
- DJ DRAGON - TOKYO No.1 SOUL SETの初期メンバー。
- MC イシダ - 四街道ネイチャーの初期メンバー。
- DJ チカラ - 四街道ネイチャーの初期メンバー。
- RACCOTHANG - 四街道ネイチャーの初期メンバー。
- HUGTONES - かせきさいだぁのバックバンド。元POMERANIANSのメンバーを中心に構成された。
- 三星章紘(Mi-CHANG) - SLY MONGOOSEや、自身のバンド「ミドリのマル」のドラマー。スチャダラパーのバックバンド「全力投球バンド」「ザ・コストパフォーマンス」や、渡辺俊美のユニット「THE ZOOT16」としても活動。
参加作品
[編集]- Little Bird Strut
- GET UP AND DANCE
- 1994年4月1日発売のスチャダラパーのアルバム『スチャダラ外伝』に収録。アメリカのファンクバンド FREEDOMの同名曲のカヴァーで、LBの面々がマイクリレーを繋ぐパーティーラップソングとなっている。演奏をしたのは東京スカパラダイスオーケストラ。当時、難聴を理由に活動を休止していた為、A.K.I.は参加していない。
- Little Bird Strut(Live)
- 1994年10月21日発売のスチャダラパーのベスト・アルバム『ポテン・ヒッツ 〜シングル・コレクション〜』に収録。1993年4月8日にSHIBUYA ON AIRで行われた「WILD FANCY ALLIENCEツアー」東京公演でのライブ音源。冒頭のナイチョロ亀井による「DJ SHINCOにズームイン!」というフレーズで始まるスタイルは後のライブでも度々登場し、ファンにもおなじみとなっている。
- Little Bird Strut Remixed by Illicit Tsuboi(A.K.I.PRODUCTIONS)
- Little Bird Strutのリミックスで、1995年12月1日発売のスチャダラパーのリミックスアルバム『Cycle Hits 〜remix Best Collection〜』に収録。
以下はLBネイション名義では無いものの、LBメンバーがコラボレーションした主な楽曲である。
- 笑ってる場合ですよ - 脱線3
- ボンスク ロック - 脱線3
- 1994年7月21日発売の脱線3の1stアルバム『バチルカ』に収録。THE CARTOONSが参加した。
- ジゴロ7 - スチャダラパー
- 1995年4月26日発売のスチャダラパーの5thアルバム『5th WHEEL 2 the COACH』に収録。ボー様(Bose)、サンペー(KING 3LDK)、ロボ郎(ロボ宙)、シンの字(SHINCO)、ヨシヒト(TAKEI GOODMAN)、ニーやん(ANI)、ブッダさん(MC BOO)と全員変名を名乗っている。
- ディグ・ダグ・プーカ - かせきさいだぁ
- 1995年11月20日発売のかせきさいだぁの1stアルバムに収録。THE CARTOONSのメンバーがゲスト参加した。大LB博覧会のダイジェスト映像がYouTubeにアップされた際は、インストゥルメンタルバージョンがBGMとして使用されている。
- ウルティメイト・ベシャリスト - 脱線3
- 1995年12月1日発売の脱線3の2ndアルバム『XXX JAPAN』に収録。四街道ネイチャー、SHAKKAZOMBIE、スズキスムース、リカ、Nama-Roy、ホフディランが参加した。
- UGLY YOUTH THINKING (ELEGANT GIRL'S THINKING Illicit Tsuboi Remix) feat. TRF(Tokyo Ruffneck Foundation) - COOL SPOON
- 1995年に発売されたCOOL SPOONのシングル「ELEGANT GIRL'S THINKING」に収録。KURO-OVI、KZA、マイクアキラ、OSUMI、HIDE-BOWIEがラップで参加した。後に、DEV LARGE監修のコンピレーション『DJ BOBO JAMES a.k.a D.L.presents ABSOLUTELY BAD 〜日本語ラップ黄金期セレクション外伝〜』 (2009年12月2日、Bad News)にも収録されている。
- FUN - ザ・ユウヒーズ
- バジリコ・バジリコ- TOKYO No.1 SOUL SET
- 1996年8月21日発売のTOKYO No.1 SOUL SETの2ndアルバム『Jr.』の初回盤付属8cm CDに収録。Bose、かせきさいだぁ、タケイグッドマンがゲスト参加した。
- CARS-JOINT- スチャダラパー
- トロピカルサイダー20000マイル - かせきさいだぁ
- Never Ending Beats - スチャダラパー feat.TOKYO No.1 SOUL SET
- 2010年2月24日発売のスチャダラパーのベスト・アルバム『THE BEST OF スチャダラパー1990〜2010』に収録。
- STARDUST - TOKYO No.1 SOUL SET feat.スチャダラパー
- 2010年2月24日発売のTOKYO No.1 SOUL SETのベスト・アルバム『BEST SET』に収録。
- 2010年12月1日にパックマン30thアニバーサリーとして限定配信された後、「スチャダラ2011〜オール電化フェア〜」ライブ会場限定アルバム『3000』と、2015年1月28日のアルバム『1212』に収録された。
- SOUND BURGER PLANET - かせきさいだぁ
- 2011年6月29日発売のアルバム「SOUND BURGER PLANET」に収録。渡辺俊美がゲストボーカルで参加し、プロデュースはILLICIT TSUBOIが手掛けた。
- 明日ライドオンタイム feat. Bose - かせきさいだぁ
- 2011年6月29日発売のアルバム「SOUND BURGER PLANET」に収録。サウンド・プロデュースは川辺ヒロシ。
その他、各アーティストでお互いにフィーチャリングし合った楽曲が多数存在する。
LBにまつわる主要イベント
[編集]- LBまつり
- 下北沢のクラブ「ZOO(後にSLITSに改名)」で行われていた月一レギュラーイベント。1992年4月25日の第一回目の出演者はTONEPAYS、THE CARTOONS、TOKYO No.1 SOUL SETで、スチャダラパーは大人の事情により変名(ゲームボーイズ、JUNKO LESS 3等)で出演。1995年には、かせきさいだぁ≡、四街道ネイチャー、ホフディラン、SHAKKAZOMBIE等による「裏LBまつり」なるイベントも行われている。
- 大LB夏祭り
- 1990-2000SDP
- 2000年5月5日に赤坂BLITZにて行われたスチャダラパーのCDデビュー10周年イベント。「GET UP AND DANCE」が披露された他、TOKYO No.1 SOUL SET、かせきさいだぁ(with Illicit Tsuboi & TUCKER)のライブも行われた。
- RADIO SHOCK!
- SHINGOSTAR主催の2000年頃より恵比寿みるくで不定期開催されたオールナイトイベント。かせきさいだぁ(with Illicit Tsuboi & TUCKER)がレギュラー出演し、TOTEM ROCK結成のきっかけにもなった。ライブではTAKEI GOODMANが不定期でゲスト出演する事もあった。
- スチャダラ2010〜オールスター感謝祭〜
- LB大アート祭り
- 2010年6月5日から6月29日の期間に原宿のTOKYO CULTUART by BEAMSにて開催。かせきさいだぁ、ナイチョロ亀井、ANIのアート作品の展示や、タケイグッドマンのDJ等が行われた。
- スチャダラ全力投球!
- 2012年5月26日に日比谷野外大音楽堂にて開催。アンコールではLBの面々とサイプレス上野が登場(但しナオヒロック&スズキスムースとクボタタケシは不在)し、「GET UP AND DANCE」が披露された。
- IN THE ROOF
- 大LB博覧会 at PINEBROOKLYN
- 2014年6月21日から6月29日に大阪・PINEBROOKLYNにて開催。初日にはTOKYO No.1 SOUL SET、THE CARTOONS、クボタタケシが、2日目にはスチャダラパー、かせきさいだぁ、ロボ宙、JUDOがそれぞれ出演し、ライブ、DJ、トークショー、作品の展示、ファンとの交流、貴重なプロモアナログ盤の限定販売なども行われた。
- 大LB博覧会 at TOKYO CULTUART by BEAMS
- スチャダラ2016 〜LB春まつり〜
- 2016年4月17日に日比谷野外大音楽堂にて開催。LBの面々の他、ザ・コストパフォーマンス(スチャダラパーのバックバンド)、サイプレス上野とロベルト吉野、SEX山口、やけのはら、MATSUMOTO HISATAAKAA、AKEEM the DREAM、タイプライター、MC JOE、AFRAも出演した。
参考文献
[編集]- スチャダラパー『ポテン・ヒッツ 〜シングル・コレクション〜』(1994年10月21日・KSC2-93)内ブックレット、「リトルバード物語」
- スチャダラパー著「スチャダラ ラウンジ」近代映画社(1998年10月10日発行)276頁
- 山下直樹:監修 浜田淳:著 「LIFE AT SLITS 」P-VINE BOOKS(2007年12月31日発行) 210-235頁