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ワールドマスターズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

柔道ワールドマスターズ(World Masters)は2010年度より開催されることになった国際柔道連盟(IJF)主催の柔道の国際大会。オリンピック世界柔道選手権大会に次ぐ大会との位置づけである。今大会はIJFに招待された世界ランキングの上位36名しか出場できない。開催国は基本的に毎年変わる。開催月も状況によって変わる[1]

概要

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2009年IJFワールド柔道ツアーの導入、それに伴うランキング制の設立に伴い、2010年度から開催されることとなった。第一回は2010年1月16日から2日間の日程で韓国の水原で行われた。2014年は各国の選手事情を勘案して中止となった[2][3]。2015年5月にはモロッコのラバトで再開された[4][5]。2017年から2019年までは12月にロシアのサンクトペテルブルクでの固定開催に一旦は決まった[6]。しかしながら、2018年から2022年まで中国の広州における固定開催に変更された[7][8]。なお、2019年は同じ中国の深圳が予定されていたが、青島開催となった[9][10][11]。2020年5月にドーハで開催予定だった今大会は、新型コロナウイルスの影響で2021年1月に開催が延期された[12][13][14]。2022年は広州で開催予定だったものの、イスラエルのエルサレムに変更となった[15]

この大会には以下のような特徴がある[16][17]

  • 2018年までは各階級の世界ランキング上位16名のみが出場できた。開催国の選手は全階級に出場することが可能な為、ランキング上位16名以内に開催国の選手が入っていない場合は17名の選手によって争われることになる。2019年からは世界ランキング上位36名まで出場選手が拡大されることになった[18][19]
  • 出場選手のうち世界ランキングの上位8名はシードされる。同一国の選手が複数いる場合は別々のパートに振り分けられる。
  • 2010年から2012年まで敗者復活戦は設けられていなかったが、2013年からは導入されることになった。準々決勝で敗れた選手は敗者復活戦に回れるが、それ以前に敗れた選手はその時点で試合終了となる。
  • 優勝者には6000ドル、2位には4000ドル、3位には2000ドルが授与される。2015年のワールドマスターズでは、メダリストの他にそのコーチにも賞金が支給されることになった。そのため、メダリストの賞金は従来より2割減となる(優勝者に4800ドル、そのコーチに1200ドル、2位に3200ドル、そのコーチに800ドル、3位に1600ドル、そのコーチに400ドル)[20]
  • 試合の模様はIJFIppon.TVでライブ中継される。
順位 ポイント
優勝 1800
2位 1260
3位タイ 900
5位タイ 648
7位タイ 468
参加ポイント 200

優勝者

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男子

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60 kg級 66 kg級 73 kg級 81 kg級 90 kg級 100 kg級 100 kg超級
2010年 ウズベキスタンの旗リショド・ソビロフ モンゴルの旗サンジャースレン・ミヤラグチャー 大韓民国の旗方貴満 大韓民国の旗金宰範 日本の旗小野卓志 日本の旗穴井隆将 フランスの旗テディ・リネール
2011年 ウズベキスタンの旗リショド・ソビロフ モンゴルの旗ハシュバータル・ツァガンバータル 大韓民国の旗王己春 アゼルバイジャンの旗エルヌル・ママドリ アゼルバイジャンの旗エルハン・ママドフ ロシアの旗セルゲイ・サモイロビッチ フランスの旗テディ・リネール
2012年 ロシアの旗アルセン・ガルスチャン モンゴルの旗サンジャースレン・ミヤラグチャー 大韓民国の旗王己春 アゼルバイジャンの旗エルヌル・ママドリ 日本の旗西山将士 カザフスタンの旗マクシム・ラコフ ブラジルの旗ラファエル・シルバ
2013年 日本の旗高藤直寿 カザフスタンの旗セルゲイ・リム モンゴルの旗サインジャルカル・ニャムオチル ロシアの旗イワン・ニフォントフ ギリシャの旗イリアス・イリアディス アゼルバイジャンの旗エルハン・ママドフ ジョージア (国)の旗アダム・オクルアシビリ
2015年 日本の旗高藤直寿 ウクライナの旗ゲオルグリー・ザンタラヤ ロシアの旗デニス・ヤルツェフ 日本の旗永瀬貴規 ジョージア (国)の旗ベカ・グビニアシビリ アゼルバイジャンの旗エルマール・ガシモフ フランスの旗テディ・リネール
2016年 アゼルバイジャンの旗オルハン・サファロフ 大韓民国の旗アン・バウル 日本の旗橋本壮市 アメリカ合衆国の旗トラヴィス・スティーブンス 日本の旗ベイカー茉秋 アゼルバイジャンの旗エルマール・ガシモフ ルーマニアの旗ダニエル・ナテア
2017年 日本の旗永山竜樹 モンゴルの旗ガンボルド・ヘルレン 日本の旗橋本壮市 ロシアの旗ハサン・ハルムルザエフ ジョージア (国)の旗ベカ・グビニアシビリ ジョージア (国)の旗ヴァルラーム・リパルテリアニ ジョージア (国)の旗グラム・ツシシビリ
2018年 ロシアの旗ロベルト・ムシビドバゼ 日本の旗丸山城志郎 アゼルバイジャンの旗ルスタム・オルジョフ 日本の旗佐々木健志 スペインの旗ニコロス・シェラザディシビリ ジョージア (国)の旗ヴァルラーム・リパルテリアニ ジョージア (国)の旗グラム・ツシシビリ
2019年 日本の旗永山竜樹 イタリアの旗マヌエル・ロンバルド 日本の旗橋本壮市 ベルギーの旗マティアス・カス ジョージア (国)の旗ラシャ・ベカウリ オランダの旗ミハエル・コレル 日本の旗原沢久喜
2021年 大韓民国の旗金源鎮 大韓民国の旗アン・バウル 大韓民国の旗安昌林 ジョージア (国)の旗タト・グリガラシビリ オランダの旗 ノエル・ファントエンド ジョージア (国)の旗 ヴァルラーム・リパルテリアニ フランスの旗 テディ・リネール
2022年 大韓民国の旗 イ・ハリム イスラエルの旗 バールーフ・シュマイロフ ブラジルの旗 ダニエル・カルグニン ジョージア (国)の旗 タト・グリガラシビリ 日本の旗 村尾三四郎 ジョージア (国)の旗 イリア・スラマニゼ 日本の旗 斉藤立
2023年 日本の旗 永山竜樹 日本の旗 田中龍馬 日本の旗 橋本壮市 ベルギーの旗 マティアス・カス  ジョージア (国)の旗 ラシャ・ベカウリ ウズベキスタンの旗 ムザファルベク・トゥロボエフ フィンランドの旗 マルッティ・プーマライネン

女子

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48 kg級 52 kg級 57 kg級 63 kg級 70 kg級 78 kg級 78 kg超級
2010年 日本の旗浅見八瑠奈 日本の旗中村美里 日本の旗松本薫 日本の旗上野順恵 大韓民国の旗黄藝瑟 フランスの旗セリーヌ・ルブラン 中華人民共和国の旗秦茜
2011年 日本の旗浅見八瑠奈 日本の旗中村美里 ポルトガルの旗テルマ・モンテイロ フランスの旗ジブリズ・エマヌ フランスの旗リュシ・デコス 中華人民共和国の旗楊秀麗 日本の旗田知本愛
2012年 日本の旗福見友子 日本の旗西田優香 日本の旗松本薫 日本の旗上野順恵 フランスの旗リュシ・デコス ブラジルの旗マイラ・アギアル 中華人民共和国の旗秦茜
2013年 日本の旗遠藤宏美 コソボの旗マイリンダ・ケルメンディ モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ 日本の旗阿部香菜 オランダの旗キム・ポリング ブラジルの旗マイラ・アギアル 中華人民共和国の旗于頌
2015年 モンゴルの旗ムンフバット・ウランツェツェグ ロシアの旗ナタリア・クジュティナ モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ 日本の旗田代未来 オランダの旗キム・ポリング アメリカ合衆国の旗ケイラ・ハリソン 中華人民共和国の旗于頌
2016年 日本の旗近藤亜美 日本の旗中村美里 モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ 日本の旗田代未来 オランダの旗キム・ポリング アメリカ合衆国の旗ケイラ・ハリソン キューバの旗イダリス・オルティス
2017年 日本の旗渡名喜風南 ロシアの旗ナタリア・クジュティナ モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ 日本の旗田代未来 ブラジルの旗マリア・ポルテラ オランダの旗マリンド・フェルケルク 大韓民国の旗金珉程
2018年 コソボの旗ディストリア・クラスニキ 日本の旗角田夏実 日本の旗芳田司 フランスの旗クラリス・アグベニュー 日本の旗新添左季 日本の旗梅木真美 日本の旗素根輝
2019年 コソボの旗ディストリア・クラスニキ 日本の旗志々目愛 朝鮮民主主義人民共和国の旗キム・ジナ 日本の旗鍋倉那美 オランダの旗キム・ポリング フランスの旗ファニー=エステル・ポスビト オランダの旗テシー・サフェルカウルス
2021年 コソボの旗ディストリア・クラスニキ フランスの旗アマンディーヌ・ブシャール 日本の旗芳田司 フランスの旗クラリス・アグベニュー 日本の旗大野陽子 フランスの旗 マドレーヌ・マロンガ フランスの旗 ロマヌ・ディッコ
2022年 フランスの旗 シリヌ・ブクリ コソボの旗 ディストリア・クラスニキ カナダの旗 出口クリスタ 日本の旗 高市未来 オーストリアの旗 ミヒャエラ・ポレレス イタリアの旗 アリーチェ・ベッランディ フランスの旗 ロマヌ・ディッコ
2023年 日本の旗 古賀若菜 フランスの旗 アマンディーヌ・ブシャール カナダの旗 ジェシカ・クリムカイト コソボの旗 ラウラ・ファズリウ オランダの旗 サンネ・ファンデイケ イスラエルの旗 インバル・ラニル フランスの旗 ロマヌ・ディッコ

金メダル獲得選手上位一覧

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順位  選手 国籍 金メダル 銀メダル 銅メダル 総計
1 高市未来 日本の旗 日本 4 1 2 7
2 橋本壮市 日本の旗 日本 4 1 0 5
ディストリア・クラスニキ コソボの旗 コソボ 4 1 0 5
4 キム・ポリング オランダの旗 オランダ 4 0 1 5
5 テディ・リネール フランスの旗 フランス 4 0 0 4
ドルジスレン・スミヤ モンゴルの旗 モンゴル 4 0 0 4
7 永山竜樹 日本の旗 日本 3 1 0 4
中村美里 日本の旗 日本 3 1 0 4
9 ヴァルラーム・リパルテリアニ ジョージア (国)の旗 ジョージア 3 0 2 5
10 クラリス・アグベニュー フランスの旗 フランス 2 1 2 5

(出典[21]、JudoInside.com)

優勝者の年齢

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Category 男子 女子
最年少優勝
最年少メダリスト
最年長優勝
最年長メダリスト

(出典JudoInside.com)

各国メダル数

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国・地域
1 日本の旗 日本 50 36 55 141
2 フランスの旗 フランス 17 25 24 66
3 ジョージア (国)の旗 ジョージア 13 5 17 35
4 大韓民国の旗 韓国 11 6 16 33
5 モンゴルの旗 モンゴル 10 9 13 32
6 オランダの旗 オランダ 9 8 24 41
7 ロシアの旗 ロシア 8 15 25 48
8 アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 8 5 11 24
9 コソボの旗 コソボ 6 3 3 12
10 ブラジルの旗 ブラジル 5 9 14 27
11 中華人民共和国の旗 中国 5 3 4 12
12 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 3 2 12 17
13 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 3 1 0 4
14 イスラエルの旗 イスラエル 2 7 11 20
15 カナダの旗 カナダ 2 2 5 9
16 カザフスタンの旗 カザフスタン 2 1 5 8
17 ベルギーの旗 ベルギー 2 1 4 7
18 イタリアの旗 イタリア 2 0 6 8
19 スペインの旗 スペイン 1 4 5 10
20  キューバ 1 2 5 8
21  オーストリア 1 2 1 4
ギリシャの旗 ギリシャ 1 2 1 4
23 ポルトガルの旗 ポルトガル 1 1 3 5
24  ウクライナ 1 0 5 6
25  ルーマニア 1 0 4 5
26  フィンランド 1 0 0 1
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮 1 0 0 1
28  ハンガリー 0 3 8 11
29 イギリスの旗 イギリス 0 2 4 6
30  コロンビア 0 2 1 3
 チェコ 0 2 1 3
32 タジキスタンの旗 タジキスタン 0 2 0 2
33 スロベニアの旗 スロベニア 0 1 7 8
34  エジプト 0 1 4 5
35 クロアチアの旗 クロアチア 0 1 2 3
モルドバの旗 モルドバ 0 1 2 3
37  ベラルーシ 0 1 1 2
チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 0 1 1 2
39 アルゼンチンの旗 アルゼンチン 0 1 0 1
タジキスタンの旗 タジキスタン 0 1 0 1
41 ドイツの旗 ドイツ 0 0 11 11
42 トルコの旗 トルコ 0 0 5 5
43  スウェーデン 0 0 4 4
44 ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ 0 0 3 3
45 ポーランドの旗 ポーランド 0 0 2 2
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 0 0 2 2
47 アルジェリアの旗 アルジェリア 0 0 1 1
 ブルガリア 0 0 1 1
セルビアの旗 セルビア 0 0 1 1
チュニジアの旗 チュニジア 0 0 1 1

開催地一覧

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開催都市
2010年 大韓民国の旗 韓国 水原
2011年 アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン バクー
2012年 カザフスタンの旗 カザフスタン アルマトイ
2013年 ロシアの旗 ロシア チュメニ
2014年 中止
2015年 モロッコの旗 モロッコ ラバト
2016年 メキシコの旗 メキシコ グアダラハラ
2017年 ロシアの旗 ロシア サンクトペテルブルク
2018年 中華人民共和国の旗 中国 広州
2019年 中華人民共和国の旗 中国 青島
2020年 延期
2021年 カタールの旗 カタール ドーハ
2022年 イスラエルの旗 イスラエル エルサレム
2023年  ハンガリー ブダペスト

関連項目

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脚注

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外部リンク

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