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化雲岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
化雲岳
トムラウシ山ロックガーデン付近より
標高 1,954.5[1] m
所在地 日本の旗 日本 北海道
上川郡美瑛町上川郡新得町
位置 北緯43度33分55.2秒 東経142度51分41.25秒 / 北緯43.565333度 東経142.8614583度 / 43.565333; 142.8614583座標: 北緯43度33分55.2秒 東経142度51分41.25秒 / 北緯43.565333度 東経142.8614583度 / 43.565333; 142.8614583
山系 大雪山系
化雲岳の位置(日本内)
化雲岳
化雲岳の位置
プロジェクト 山
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化雲岳(かうんだけ)は、北海道上川郡美瑛町上川郡新得町にまたがる標高1,954.5 m大雪山系(表大雪)に位置し、大雪山国立公園に属する。

山頂には三等三角点があり、点名は「化雲岩」[1]。なお、点名「化雲岳」の三等三角点は、当山から北西へ約2.5 km離れた小化雲岳 (1,924.5 m) の山頂にある[1]

特徴

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山頂南面の「神遊びの庭」と呼ばれるお花畑。遠景にトムラウシ山

大雪山系のほぼ中央部に位置することから、「大雪山のへそ」と呼ばれることがある[2]

山頂の南側から南東側にはなだらかな湿地帯が広がっており、「神遊びの庭」と呼ばれるお花畑となっている。東側の五色岳との間にある化雲平からはトムラウシ山の眺望が良好である[3]

山名の由来

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忠別川の支流で、当山を源流とするクワウンナイ川にちなむ[4]

「クワウンナイ」(kuwa un nai) のアイヌ語の語義は、永田方正『北海道蝦夷語地名解』(草風館、1984年)によれば「杖・川」(歩くのに杖が必要なほど険阻な川)の意[5]、また『旭川市史』(1960年)では「狩杖・入る・沢」(狩人が立ち入る沢)の意である[6]としている。

登山

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登山適期は毎年6月下旬頃から9月下旬頃である。6月は残雪が多く、この時期に登る場合は読図能力が必要。7月 - 8月は高山植物が多い。9月に入ると紅葉が進む一方、上旬には初雪が降り、下旬になると寒気が入った際にはまとまった雪となる[3]

最も山頂に近い登山口は東川町天人峡温泉[7]、ここから山頂までの登山道は約11.4 km, 標準的な所要時間は7時間30分である[8]。そのほか、上川町のクチャンベツ沼ノ原登山口から沼ノ原・五色岳を経由して到達することもできる。クチャンベツ沼ノ原登山口から山頂までは約13.5 km, 標準所要時間は6時間45分である[8]

また、山頂は旭岳とトムラウシ山を結ぶ縦走路上に位置する[7]ため、縦走登山者やトムラウシ山を目的とする登山者も通過することがある。

大雪山国立公園連絡協議会が制定する、大雪山系の登山道の難易度を評価する「大雪山グレード」では、当山を経由する登山道のうち、天人峡温泉からの道は5段階評価のうち上から4番目の「グレード4」、旭岳方面およびトムラウシ山方面の縦走路は「グレード5」とされている[9]

周辺の山小屋

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最寄りの山小屋は、山頂から2 kmほど南に下ったところにある[10]ヒサゴ沼避難小屋である。避難小屋であるため寝具や食事の提供はなく、管理人も常駐していない。約30名収容可能で、小屋前にテント約30張分のキャンプ指定地が併設されている[10]

そのほか周辺には以下の山小屋・キャンプ指定地がある。

名称 所在地 標高
(m)
化雲岳からの
方角と距離 (km)
収容
人数
キャンプ
指定地
備考
白雲岳避難小屋 白雲岳の南東の肩 1,990 北北東 11.1
60
80張 夏期のみ管理人駐在
沼ノ原キャンプ指定地 沼ノ原大沼畔 1,435 東南東 7.9
(なし)
100張 キャンプ指定地のみ
忠別岳避難小屋 忠別岳と五色岳の鞍部の東 1,620 東北東 3.1
30
15張 無人
ヒサゴ沼避難小屋 ヒサゴ沼畔 1,600 南南東 1.8
30
30張 無人
南沼キャンプ指定地 トムラウシ山頂直下 1,920 南南西 4.7
(なし)
30張 キャンプ指定地のみ

脚注

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  1. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2021年9月4日閲覧。
  2. ^ 大雪ものしり百科「自然編」|大雪山 山名の由来 その他の山々”. 北海道上川総合振興局. 北海道上川総合振興局地域創生部地域政策課. 2021年9月4日閲覧。
  3. ^ a b 伊藤健次『新・分県登山ガイド0 北海道の山』山と渓谷社、2005年、47頁。ISBN 4-635-02300-1 
  4. ^ 大雪山の山々”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2021年9月4日閲覧。
  5. ^ 永田方正『北海道蝦夷語地名解』草風館、1984年。 
  6. ^ 知里真志保 著、旭川市史編集委員会 編『上川郡アイヌ語地名解』 第4巻、旭川市役所〈旭川市史〉、1960年。 
  7. ^ a b 化雲岳 かうんだけ”. ヤマケイオンライン. 2021年9月4日閲覧。
  8. ^ a b 登山地図&計画 ヤマタイム”. ヤマケイオンライン. 2021年9月4日閲覧。
  9. ^ 大雪山グレード”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2021年9月4日閲覧。
  10. ^ a b ヒサゴ沼避難小屋の利用について”. 北海道十勝総合振興局. 北海道十勝総合振興局保健環境部環境生活課. 2021年9月4日閲覧。

外部リンク

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