大雪山国立公園
大雪山国立公園 Daisetsuzan National Park | |
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黒岳から望む大雪山の山並み(2008年10月) | |
指定区域 | 北緯43度39分49秒 東経142度51分15秒 / 北緯43.66361度 東経142.85417度座標: 北緯43度39分49秒 東経142度51分15秒 / 北緯43.66361度 東経142.85417度 |
分類 | 国立公園 |
面積 | 226,764ヘクタール |
指定日 | 1934年12月4日 |
運営者 | 環境省 |
年来園者数 | 4,870,000人(平成25年)[1] |
施設 | 層雲峡ビジターセンター、ヒグマ情報センター、旭岳ビジターセンター、ひがし大雪自然館 |
事務所 | 北海道地方環境事務所 |
事務所所在地 | 札幌市北区北8条西2丁目 札幌第1合同庁舎3F |
公式サイト | 環境省_大雪山国立公園 |
大雪山国立公園(だいせつざんこくりつこうえん)は、北海道にある国立公園。
概要
[編集]北海道で最も歴史ある国立公園の一つであり、阿寒国立公園[2]、日光国立公園[3]、中部山岳国立公園[4]、阿蘇国立公園(現在の阿蘇くじゅう国立公園)[2]とともに指定された[5]。大雪火山群、十勝岳連峰、石狩岳連峰を有する山岳公園であり、山頂部の標高は2,000メートルほどながら高緯度に位置していることから本州の3,000メートル級の山岳に匹敵する自然環境があり、雪渓や永久凍土の層が存在している[6]。大雪山は1971年(昭和46年)に国の天然記念物に指定され[7]、1977年(昭和52年)に特別天然記念物に指定変更されている[8]。ウスバキチョウやダイセツタカネヒカゲなどの高山蝶やクマゲラ、イヌワシ、シマフクロウなどの鳥類が種として天然記念物に指定されているほか、1951年(昭和26年)に羽衣の滝が北海道の名勝に指定され、然別湖の「ミヤベイワナ」(オショロコマの亜種)が1968年(昭和43年)に北海道の天然記念物に指定されている[8][9]。
歴史
[編集]- 1934年(昭和 9年):国立公園指定。
- 1977年(昭和52年):十勝川源流部の区域解除(原生自然環境保全地域へ変更)。
- 1995年(平成 7年):再検討。
- 2000年(平成12年):層雲峡ビジターセンターがオープン[10]。
- 2013年(平成25年):ひがし大雪自然館がオープン[11]。
自然
[編集]大雪山国立公園では高山植物が見られ[12]、250種類以上が記録されている[13]。また、290種以上の植物と60種以上のRDB種(高等植物のみ)が指定されている[14][15]。鳥類は140種類以上が記録されており[16]、その中には日本国内で初めて繁殖が確認されたギンザンマシコや希少種のミユビゲラ、クマゲラ、シマフクロウ、キンメフクロウ、個体数の減少が危惧されているエゾライチョウも含まれている[16]。冬鳥として、アオシギ、キレンジャク、ツグミ、ワタリガラスなども見られる[17]。高山蝶は北海道で5種(ウスバキチョウ、カラフトルリシジミ、アサヒヒョウモン、ダイセツタカネヒカゲ、クモマベニヒカゲ)が分布しているが大雪山にはそのすべてが生息しており[18]、3,000種を越える昆虫が記録されている[19]。動物ではヒグマ、キタキツネ、タヌキ、エゾイタチ、エゾクロテン、エゾオコジョ、エゾユキウサギ、エゾナキウサギ、エゾシマリス、エゾモモンガ、エゾリス、エゾシカ、ネズミ類、トガリネズミ類などが生息している[20]。
大雪山国立公園を構成する山岳一覧
[編集]大雪山国立公園は北大雪、表大雪、東大雪、十勝連峰の4つの山域に分けられて2,000メートル級の山々が連なっている[21]。北海道内で最高峰となる旭岳(2,291メートル)があり全体的になだらかな山並みが続いているが、気象条件や緯度によって森林限界が1,500メートルと低く、高山帯が広く展開しているのが特徴になっている[21]。登山シーズンは6月下旬から10月初旬までの短い期間であり、7月上旬でも残雪多く、9月中旬頃に初冠雪を迎える[21]。
大雪山(イワウメなど)、沼の平(サンカヨウなど)、十勝岳(イワブクロなど)、富良野岳(ハクサンイチゲなど)が花の百名山に選定され[22]、黒岳(チョウノスケソウなど)、小泉岳(ジンヨウキスミレなど)、白雲山(ナガバキタアザミなど)が新・花の百名山に選定されている[23]。
山容 | 名称 | 読み | 標高 | 山系 | 備考 |
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ニセイカウシュッペ山 | ニセイカウシュッペやま | 1,883 m | 北大雪 | 日本三百名山 | |
武利岳 | むりだけ | 1,879 m | 北大雪 | ||
武華山 | むかやま | 1,759 m | 北大雪 | ||
愛別岳 | あいべつだけ | 2,112 m | 表大雪 | ||
北鎮岳 | ほくちんだけ | 2,244 m | 表大雪 | ||
旭岳 | あさひだけ | 2,291 m | 表大雪 | 日本百名山 | |
黒岳 | くろだけ | 1,984 m | 表大雪 | 新・花の百名山 | |
赤岳 | あかだけ | 2,078 m | 表大雪 | ||
白雲岳 | はくうんだけ | 2,230 m | 表大雪 | ||
忠別岳 | ちゅうべつだけ | 1,963 m | 表大雪 | ||
五色岳 | ごしきだけ | 1,876 m | 表大雪 | ||
化雲岳 | かうんだけ | 1,954 m | 表大雪 | ||
トムラウシ山 | トムラウシやま | 2,141 m | 表大雪 | 日本百名山 | |
オプタテシケ山 | オプタテシケやま | 2,013 m | 十勝連峰 | 日本三百名山 | |
美瑛富士 | びえいふじ | 1,888 m | 十勝連峰 | ||
美瑛岳 | びえいだけ | 2,052 m | 十勝連峰 | ||
十勝岳 | とかちだけ | 2,077 m | 十勝連峰 | 日本百名山、花の百名山 | |
上ホロカメットク山 | かみホロカメットクやま | 1,920 m | 十勝連峰 | ||
下ホロカメットク山 | しもホロカメットクやま | 1,668 m | 十勝連峰 | ||
富良野岳 | ふらのだけ | 1,912 m | 十勝連峰 | 日本三百名山、花の百名山 | |
音更山 | おとふけやま | 1,932 m | 東大雪 | ||
石狩岳 | いしかりだけ | 1,966 m | 東大雪 | 日本二百名山 | |
三国山 | みくにやま | 1,541 m | 東大雪 | ||
西クマネシリ岳 | にしクマネシリだけ | 1,635 m | 東大雪 | ||
ニペソツ山 | ニペソツやま | 2,013m | 東大雪 | 日本二百名山 | |
ウペペサンケ山 | ウペペサンケやま | 1,848m | 東大雪 | ||
白雲山 | はくうんざん | 1,187m | 東大雪 | ||
天望山 | てんぼうさん | 1,174 m | 東大雪 | 別名:「くちびる山」 | |
西ヌプカウシヌプリ | にしヌプカウシヌプリ | 1,254 m | 東大雪 | ||
東ヌプカウシヌプリ | ひがしヌプカウシヌプリ | 1,252 m | 東大雪 |
観光地・景勝地
[編集]集団施設地区・ビジターセンター
[編集]地区名 | 面積 | 所在地 | 利用者数(人) |
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層雲峡 | 59.9 ha | 北海道上川郡上川町 | 1,859,000[26] |
勇駒別 | 94.6 ha | 北海道上川郡東川町 | 266,000[26] |
十勝三股 | 262.8 ha | 北海道河東郡上士幌町 | 60,000[26] |
糠平 | 31.5 ha | 875,000[26] |
センター名 | 設置者 | 所在地 | 利用者数(人) |
---|---|---|---|
層雲峡ビジターセンター | 環境省 | 北海道上川郡上川町層雲峡 | 38,794[27] |
ヒグマ情報センター | 6,052[27] | ||
ひがし大雪自然館 | 北海道河東郡上士幌町字ぬかびら源泉郷48-2 | 63,779[27] | |
旭岳ビジターセンター | 北海道 | 北海道上川郡東川町旭岳温泉 | 6,641[27] |
参考資料
[編集]- “大雪山国立公園管理計画書” (PDF). 北海道地方環境事務所 (2007年). 2016年8月19日閲覧。
脚注
[編集]- ^ “国立公園の利用者数(公園、年次別)” (PDF). 環境省. 2016年8月24日閲覧。
- ^ a b 1934年(昭和9年)12月4日内務省告示第571号「阿蘇國立公園指定」
- ^ 1934年(昭和9年)12月4日内務省告示第569号「日光國立公園指定」
- ^ 1934年(昭和9年)12月4日内務省告示第570号「中部山岳國立公園指定」
- ^ 1934年(昭和9年)12月4日内務省告示第567号「阿寒國立公園指定」
- ^ 大雪山国立公園管理計画書 2007, p. 1.
- ^ 大雪山 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b 大雪山国立公園管理計画書 2007, p. 7.
- ^ “道指定文化財概要一覧(天然記念物)” (PDF). 北海道教育委員会. 2016年8月24日閲覧。
- ^ “まちづくりのあゆみ”. 北海道上川町. 2016年8月20日閲覧。
- ^ “ひがし大雪自然館がオープンしました”. 北海道上士幌町 (2013年5月1日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ 『花の百名山地図帳』山と溪谷社、2007年5月、20-25頁。ISBN 9784635922463。
- ^ “大雪山の自然〜高山植物”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ “各国立公園及び特定地域におけるRDB種及び指定植物種” (PDF). 環境省. 2016年8月20日閲覧。
- ^ “指定植物リスト” (PDF). 環境省 (2016年2月8日). 2016年8月20日閲覧。
- ^ a b “大雪山の鳥たち”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ [1] 2023年12月7日閲覧。
- ^ “大雪山の高山蝶”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ “大雪山の昆虫”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ “大雪山の動物”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ a b c d “大雪山の山々”. 大雪山国立公園連絡協議会. 2016年8月19日閲覧。
- ^ 田中澄江『花の百名山(愛蔵版)』文藝春秋、1997年6月、161-178頁。ISBN 4-16-352790-7。
- ^ 田中澄江『新・花の百名山』文春文庫、1995年6月、28-32頁。ISBN 4167313049。
- ^ “大雪山を楽しく利用しよう”. 上川総合振興局. 北海道. 2016年8月19日閲覧。
- ^ “国立公園集団施設地区” (PDF). 環境省 (2015年). 2016年8月19日閲覧。
- ^ a b c d “国立公園集団施設地区等利用者数” (PDF). 環境省. 2016年8月19日閲覧。
- ^ a b c d “国立公園内ビジターセンター等利用者数” (PDF). 環境省 (2013年). 2016年8月18日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 環境省_大雪山国立公園
- 大雪山国立公園連絡協議会
- 大雪山国立公園連絡協議会 (daisetsuzan) - Facebook
- 層雲峡ビジターセンター
- ひがし大雪自然館
- 旭岳ビジターセンター - ひがしかわ観光協会
- 大雪みどころナビ