吉野熊野国立公園
吉野熊野国立公園 Yoshino-Kumano National Park | |
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指定区域 | 北緯33度47分56秒 東経135度56分24秒 / 北緯33.79889度 東経135.94000度座標: 北緯33度47分56秒 東経135度56分24秒 / 北緯33.79889度 東経135.94000度 |
分類 | 国立公園 |
面積 | 59,798ha[3][4] |
指定日 | 1936年[5]2月1日[4][6] |
運営者 | 環境省 |
年来園者数 | 812万人(2010年)[7] |
事務所 | 近畿地方環境事務所 |
事務所所在地 |
〒530-0043 大阪府大阪市北区天満橋一丁目8番75号 |
公式サイト | 吉野熊野国立公園(環境省) |
吉野熊野国立公園(よしのくまのこくりつこうえん)は、奈良県・三重県・和歌山県の紀伊半島3県に跨がる国立公園である。総面積59,798haで[4]、半分以上の区域が奈良県に属する。1936年(昭和11年)[5][6]2月1日に指定された[4]。
概要
[編集]紀伊半島の中央部から南西岸までの山岳・河川・海岸の自然に恵まれた、広大な地域を占める公園。
大きく3つの部分に分かれており、吉野・大峯山を中心とする山岳部、熊野川とその支流北山川流域からなる河谷部、熊野灘や枯木灘に面し、那智山一帯を含む海岸部から構成されている。
データ
[編集]- 公園区域:59,798ha(奈良県31,313ha、三重県16,982ha、和歌山県11,503ha)[4]
自然
[編集]山岳部
[編集]山岳部は、大きく分けると大峰山脈(大峯山脈)と大台ヶ原一帯(台高山脈)に分けられる。地質的には、主に古生代、中生代の変成岩などからなる山岳地帯である。
山岳部の北端は、仏教史跡と寺院、桜の名所として知られる吉野山である。ここから、標高1914.6 mの八剣山(仏経ヶ岳)を最高峰として山上ヶ岳、大普賢岳、弥山、釈迦ヶ岳、涅槃岳などが南に連なるが、これらの山々は古来大峯奥駈道と呼ばれる修験道の行場であり、関連する社寺や文化財・史跡が多い。なかでも、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録(2004年7月1日)されたことで[4]、一層広く知られるようになった。
大台ヶ原は、標高1500 m前後に広がる、日本ではまれな非火山性の隆起準平原で国内でも有数の多雨地帯となっている[8]。広大なブナやトウヒなどの原生的な樹林が残るほか[4]、シカやカモシカなどの大型哺乳類を初め、多くの鳥類、両生類、昆虫類などが棲息する。シャクナゲの自生地が有名だが、シカによる食害が深刻である。
河谷部
[編集]紀伊半島は日本でも有数の多雨地帯であるが、河谷部を構成する熊野川とその支流の北山川も、その源流は大峰山脈・大台ヶ原である。特に北山川は、その中・下流域において激しく浸食と蛇行を繰り返し、深いV字谷を刻む。九里峡から奥の渓谷は瀞峡(どろきょう)の名で名高い。下流から下瀞・上瀞・奥瀞に分かれるが、瀞八丁として知られる下瀞の上流は、国の特別名勝に指定されている。熊野川本流との合流後も、新宮市内の千穂ヶ峯付近まで、侵食崖や岩壁にかかる滝などの景観が続き、訪れる者の目を楽しませる。
海岸部
[編集]海岸部には、海食や地質活動の結果生じた、変化に富んだ奇観が多数見られる。海岸部の景観は大きく分けると以下の3つの部分に大別できる。尾鷲から鬼ヶ城にかけての主として三重県部分はリアス式海岸をなし、鬼ヶ城から新宮までの七里御浜は直線的で防潮防風の海岸林を備えた礫浜となっている。
新宮から勝浦湾を経て本州最南端の潮岬までは特に屈曲の多いリアス式海岸の景観を見せるとともに、太平洋岸には海蝕地形(海蝕洞・海蝕崖)がよく発達しているのを見ることが出来る。
この地域は熊野灘・枯木灘を流れる黒潮の影響を受けて温暖である。暖帯常緑広葉樹林(照葉樹林)が分布しており、その林床にはリュウビンタイやユノミネシダなど、本来は亜熱帯を本拠とする植物も生育するほどである。
また、串本近辺の海域は海中景観に優れ、1970年(昭和45年)に日本初の海中公園「串本海中公園」(自然公園法の改正に伴い「串本海域公園」に名称変更)として指定された[10]。イシサンゴ類や熱帯魚類が見られるほか、とりわけ潮岬の周辺や二木島付近ではサンゴが広範に生息している。
那智勝浦の内陸部にある那智山一帯は、那智原始林の深い自然林を擁し、単一の落差日本最長の那智滝がある。また、那智滝を神体とする自然信仰を基盤とした聖地でもあり、古来の様相を今に伝えている。
2015年(平成27年)9月24日に、和歌山県内の二つの県立自然公園(熊野枯木灘海岸県立自然公園、田辺南部白浜海岸県立自然公園)の公園地域が編入された[6][11][12]。これにより、千里の浜(みなべ町)、天神崎、神島、奇絶峡、ひき岩群(田辺市)、三段壁、千畳敷、志原海岸(白浜町)、江須崎、黒島、枯木灘海岸一帯(すさみ町)などが同公園に含まれた。
観光名所
[編集]寺社
[編集]温泉
[編集]ビジターセンター
[編集]利用者数は2008年(平成20年)[13]。
センター名 | 設置者 | 所在地 | 利用者数(人) |
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大台ヶ原ビジターセンター | 環境省 | 奈良県吉野郡上北山村小橡660-1 | 43,258 |
宇久井ビジターセンター | 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町宇久井830 | 7,484 |
関係自治体
[編集]- 奈良県
- 三重県
- 和歌山県
画像
[編集]切手
[編集]-
2円切手
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5円切手
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10円切手
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16円切手
脚注
[編集]- ^ “吉野熊野国立公園の区域図(北部)” (PDF). 環境省. 2012年10月6日閲覧。
- ^ “吉野熊野国立公園の区域図(南部)” (PDF). 環境省. 2016年10月6日閲覧。
- ^ “吉野熊野国立公園の公園紹介”. 環境省. 2012年10月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 吉野熊野国立公園 - 奈良県水循環・森林・景観環境部景観・自然環境課
- ^ a b “県民の友 令和3年(2021)12月号” (PDF). 和歌山県広報課. p. 4 (2021年10月1日). 2023年3月1日閲覧。
- ^ a b c d “広報田辺 平成30年5月号” (PDF). 田辺市企画情報課. p. 2-7 (2018年5月1日). 2023年3月1日閲覧。
- ^ “国立公園の利用者数(公園、年次別)” (PDF). 環境省. 2012年10月6日閲覧。
- ^ a b “奈良、三重県境にまたがる「白骨林」がすごい!インスタ映え国立公園”. withnews (2018年1月2日). 2023年3月1日閲覧。
- ^ “淡水魚類の研究を通して身近な自然を考えるきっかけに 自分が伝えたいことを直接的・間接的に展示に込める”. 徳島新聞. (2022年8月29日). オリジナルの2022年8月29日時点におけるアーカイブ。 2023年3月1日閲覧。
- ^ a b “玄関水槽やデッキ改修 串本海中公園がリニューアルオープン”. 紀伊民報. (2022年4月22日). オリジナルの2022年4月22日時点におけるアーカイブ。 2023年3月1日閲覧。
- ^ “【お知らせ】吉野熊野国立公園の大規模拡張・海域公園地区指定に伴う各種行為規制及び許可申請手続きついて”. 環境省近畿地方環境事務所 (2015年10月21日). 2023年3月1日閲覧。
- ^ “くしもと議会だより 2015年12月号” (PDF). 串本町議会. p. 12 (2015年12月). 2023年3月1日閲覧。
- ^ 環境省自然ふれあい推進室"表II-9 国立公園内ビジターセンター等利用者数"自然公園等利用者数調(2013年3月16日閲覧。)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 吉野熊野国立公園 - 環境省
- 吉野熊野国立公園よしくま (yoshikumanationalpark) - Facebook
- 三重県国立国定公園特設サイト 吉野熊野国立公園 - 三重県観光連盟
- 吉野熊野国立公園 - 和歌山県環境生活部環境政策局環境生活総務課