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定数歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

定数歌(ていすうか)は、一定の数を定めて和歌を詠む創作手法、及びその催し、作品。

概要

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定数歌が製作される動機は様々で、天皇上皇の命により指名された歌人が詠進するもの(応製)、一族や仲間内の文化的催しとして行われるもの、神仏への奉納、記念の催し事、個人的な創作活動の一環等がある。定数歌の代表的なものは百首歌だが、応製百首の場合は勅撰集や大規模な歌合の準備作業として実施されることもある。百首歌は勅撰集に準じた部立構成を持つ(部類百首)ことが多く、また更に細かい歌題が指定される(組題百首)こともある。

主な定数歌

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以下表中の詳細は『新編国歌大観』 第四巻による。

名称 /(別名) 主催者 時期 部立・題等 詠進歌人 備考
堀河百首
(堀河院百首和歌)
(類聚百首)
(太郎百首)
主催:堀河天皇
題者:大江匡房
勧進:藤原公実
長治2年5月29日〜
同3年3月11日奏覧
(1105–06年)
  • 春 20題
  • 夏 15題
  • 秋 20題
  • 冬 15題
  • 恋 10題
  • 雑 20題
  • 最初の応製百首
  • 最初の組題百首
  • 最初の部類百首
永久百首
(堀河院後度百首和歌)
(次郎百首)
勧進:藤原仲実 永久4年12月20日
(1117年)
  • 春 18題
  • 夏 12題
  • 秋 18題
  • 冬 12題
  • 恋 10題
  • 雑 30題
  • 堀河院懐旧
為忠家初度百首
(丹後守家百首)
主催:藤原為忠 長承年間
(1132–34年)
  • 春 20題
  • 夏 15題
  • 秋 20題
  • 冬 15題
  • 恋 10題
  • 雑 20題
為忠家後度百首
(木工権頭家百首)
主催:藤原為忠 長承3年12月〜
保延2年1月
(1134–36年)
  • 春 20題
  • 夏 15題
  • 秋 20題
  • 冬 15題
  • 恋 10題
  • 雑 20題
久安百首
(崇徳院御百首)
主催:崇徳院
部類:藤原俊成
康治年間賜題
(1142–43年)
久安6年詠進
(1150年)
  • 春 20首
  • 夏 10首
  • 秋 20首
  • 冬 10首
  • 恋 20首
  • 神祇 2首
  • 慶賀 2首
  • 尺教 5首
  • 無常 2首
  • 離別 1首
  • 羇旅 5首
  • 物名 2首
  • 短歌 1首
正治初度百首
(正治二年院初度百首)
主催:後鳥羽院
撰者:土御門内大臣
   藤原季経
   藤原経家
正治2年第一次下命
同年11月22日披講
(1200年)
  • 春 20首
  • 夏 15首
  • 秋 20首
  • 冬 15首
  • 恋 10首
  • 羇旅 5首
  • 山家 5首
  • 鳥 5首
  • 祝 5首
正治後度百首
(院百首五首題)
主催:後鳥羽院 正治2年10–12月
(1200年)
  • 春 3題
  • 夏 2題
  • 秋 3題
  • 冬 2題
  • 雑 10題

(各題5首)

建保名所百首
(建保三年十月廿四日
 内裏名所百首)
主催:順徳天皇 建保3年10月24日
(1215年)
  • 春 20題
  • 夏 10題
  • 秋 20題
  • 冬 10題
  • 恋 20題
  • 雑 20題
洞院摂政家百首
(関白左大臣家百首)
主催:九条教実 貞永元年
(1232年)
  • 春 3題
  • 夏 2題
  • 秋 3題
  • 冬 2題
  • 雑 10題

(各題5首)

宝治百首
(宝治御百首)
主催:後嵯峨院 宝治2年
(1248年)
  • 春 20題
  • 夏 10題
  • 秋 20題
  • 冬 10題
  • 恋 20題
  • 雑 20題


補注

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原注

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  1. ^ 正二位行権大納言兼春宮太夫
  2. ^ 贈太政大臣実季男
  3. ^ 正二位行権中納言
  4. ^ 散位成衡男
  5. ^ 正二位行権中納言
  6. ^ 右大臣顕房男
  7. ^ 参議正三位行右兵衛督
  8. ^ 左大臣俊房男師光父也
  9. ^ 従三位行修理大夫
  10. ^ 前美濃守隆経男
  11. ^ 散位正四位下行左京大夫
  12. ^ 神祇伯右大臣顕房男
  13. ^ 正四位下行越前守兼中宮権大進
  14. ^ 前越後守能成男
  15. ^ 従四位上行木工頭
  16. ^ 大納言経信男
  17. ^ 従四位上行右近衛権少将兼備中介
  18. ^ 左大臣俊房男
  19. ^ 散位従四位下左兵衛佐
  20. ^ 権中納言資師男
  21. ^ 散位従四位上前左衛門佐
  22. ^ 右大臣俊家男
  23. ^ 権少僧都
  24. ^ 大蔵大輔永相男
  25. ^ 阿闍梨伝灯大法師
  26. ^ 若狭守通宗男
  27. ^ 皇后宮女房
  28. ^ 祐子内親王家、平経方女、紀伊守重経妻、仍号紀伊
  29. ^ 俊子内親王家、又名百合花
  30. ^ 従三位行左京大夫
  31. ^ 神祇伯、六条右大臣顕房公男
  32. ^ 前越前守正四位下
  33. ^ 前木工頭従四位下
  34. ^ 散位従五位下
  35. ^ 従五位下行皇后宮小進
  36. ^ 肥後守定成女本名肥後皇后宮女房
  37. ^ 同定成女六条院女房
  38. ^ 丹後守
  39. ^ 少納言
  40. ^ 加賀守
  41. ^ 改名俊成
  42. ^ 兵庫頭
  43. ^ 伊豆守
  44. ^ 散位
  45. ^ 改名兼綱
  46. ^ 筑前権守
  47. ^ 改名為経
  48. ^ 崇徳院
  49. ^ 大炊御門左大臣也徳大寺左大臣実能公男
  50. ^ 俊成卿也
  51. ^ 左京大夫顕輔男修理大夫顕季孫
  52. ^ 母長門守能遠女、大宮大進正四位下
  53. ^ 待賢門院
  54. ^ 上西門院
  55. ^ 待賢門院
  56. ^ 花園左大臣家
  57. ^ 惟明親王
  58. ^ 式子内親王後白河院皇女
  59. ^ 守覚法親王
  60. ^ 左大臣正二位臣
  61. ^ 内大臣正二位行兼左近衛大将皇太子傳
  62. ^ 我立仙門葉--上イ本
  63. ^ 正三位臣
  64. ^ 正三位臣
  65. ^ 散位正四位下臣
  66. ^ 従四位上行左近衛権少将兼安芸権介臣
  67. ^ 従四位上守大蔵卿兼行春宮亮丹後守
  68. ^ 入道左大臣実房
  69. ^ 二条院女房
  70. ^ 宜秋門院女房
  71. ^ 後鳥羽院
  72. ^ 今信実
  73. ^ 女房
  74. ^ 女房
  75. ^ 実慈鎮和尚
  76. ^ 後嵯峨
  77. ^ 道助法親王
  78. ^ 実氏
  79. ^ 基家
  80. ^ 家良
  81. ^ 前権大納言正二位
  82. ^ 権大納言正二位中宮大夫
  83. ^ 前権大納言正二位
  84. ^ 権大納言正二位
  85. ^ 権大納言正二位
  86. ^ 中納言従二位
  87. ^ 前参議正二位
  88. ^ 参議従二位侍従
  89. ^ 正三位十二八従二左兵衛督
  90. ^ 従三位左近衛中将十二八任参議
  91. ^ 正三位兵部卿
  92. ^ 参議大蔵卿十二八左兵衛督別当
  93. ^ 正三位
  94. ^ 入道正三位知家
  95. ^ 入道従三位行能
  96. ^ 従三位
  97. ^ 建長三年正月廿二日任参議元蔵人頭宝治二年雲客程歟
  98. ^ 入道光俊朝臣
  99. ^ 入道信実朝臣
  100. ^ 源俊平
  101. ^ 信実朝臣女
  102. ^ 同妹

注釈

[編集]
  1. ^ 著名人の隠名と推測されているが、何者かは不明。
  2. ^ 祝部成茂