岐阜刑務所
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所在地 | 日本・岐阜県岐阜市則松1-34-1[1] |
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座標 | 北緯35度29分0.5秒 東経136度42分10.7秒 / 北緯35.483472度 東経136.702972度 |
現況 | 運用中 |
管理運営 | 法務省矯正局・名古屋矯正管区[2] |
管轄 | 法務大臣 |
根拠法令 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 |
岐阜刑務所(ぎふけいむしょ)は、法務省矯正局の名古屋矯正管区に属する刑務所。所在地は岐阜県岐阜市則松1-34-1[1]。
下部機関として岐阜拘置支所[注 1]、高山拘置支所[注 2]、御嵩拘置支所[注 3]の3か所の支所を持つ。設立時は岐阜市美江寺にあったが、[要出典]1931年(昭和6年)3月に同市長良福光へ移転[注 4]、1984年(昭和59年)4月に現在地へ移転した[4]。
概要
[編集]主に執行刑期10年以上の犯罪傾向の進んでいる受刑者を収容対象とする男子刑務所である[4]。収容分類級はLB級とB級で[2]、LB級(刑期8年以上で犯罪傾向の進んでいる者)の集禁施設となったのは、1972年(昭和47年)7月のことである[4]。2010年(平成22年)1月には、収容区分を刑期8年以上から刑期10年以上に変更した[4]。
収容定員は870人[4]。受刑者は2023年(令和5年)1月12日時点で427人で[注 5][6]、全収容者のうち4割が殺人罪で服役している[5]。同年11月末時点で、受刑者の平均年齢は55歳、最高齢は89歳である[5]。
日本弁護士連合会人権擁護委員会によれば、2014年(平成26年)末時点で全収容者713人のうち、LB指標の受刑者が562人で、そのうち174人(全収容者の約4分の1)が無期懲役刑受刑者である[7]。また2023年1月時点で、収容者のうち32人(約7%)が暴力団員である[6][8]。2020年(令和2年)1月時点では約580人が服役していたが、無期受刑者を除き、受刑者の平均刑期年数は12年だった[9]。
アクセス
[編集]- JR東海 東海道本線 岐阜駅から車・タクシーで約40分[1]
- 名鉄 名鉄岐阜駅 名鉄岐阜バスターミナルから岐阜バス黒野線「西秋沢」、「本巣市役所」または「宝珠ハイツ」行きに乗車し、「犬塚」停留所で下車し、徒歩5分[1]。
沿革
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組織
[編集]所長の下に2部1課を持つ2部制である。
- 総務部(庶務課、会計課、用度課)
- 処遇部(処遇担当、企画担当)
- 医務課
外観・設備
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
著名な受刑者
[編集]- 泉水博(日本赤軍元メンバー) - 強盗殺人罪で無期懲役が確定して服役していたが、 2020年3月27日に83歳で獄中死[10]。
- 北村浩一(オウム真理教元幹部) - 地下鉄サリン事件に関与し、2003年に無期懲役が確定[11]。
- 氷見事件の真犯人 - 2002年(平成14年)に富山県氷見市で発生した2件の強姦・強姦未遂事件で、無実の男性が逮捕・起訴されて懲役3年に処されたが、出所後に真犯人の存在が判明した冤罪事件。この真犯人はその2件以外にも多数の性犯罪事件で起訴され、2007年(平成19年)11月14日に懲役25年(求刑:懲役30年)の実刑判決を言い渡され[12][13](同月29日に確定)[14]、岐阜刑務所に下獄した[15][16]。
- 新発田市女性連続殺人事件の犯人 - 2013年に新潟県新発田市で起こした強姦致死事件で2018年に無期懲役が確定して服役していたが[17]、2020年2月、2014年に同市内で起こした殺人事件の被疑者として新潟県警に逮捕された[18]。
特記事項
[編集]- 刑務作業の主要業種は木工・洋裁・金属である[1][4]。刑務作業の特色として、長期収容再犯者を中心に熟練した技術が必要な高級家具セットの製作が行われていることがあげられる。
- 長良西の跡地は、長良中学校や、サッカー・ラグビーなどの屋外球技場「長良川球技メドウ」として利用されている。
- 移転前の1980年(昭和55年)7月1日、無期懲役刑で服役していた男(当時35歳)[注 6]が脱獄する事件が発生[22]。男は同月3日(脱獄から約40時間後)に静岡県島田市内で逮捕され[23]、逃走の罪に問われ、同年11月15日に岐阜地裁刑事部(笹本忠男裁判官)で懲役2年(求刑:懲役3年)の実刑判決を言い渡された[24]。
- 2015年10月に当時の所長ら職員が賭け麻雀をしていたことが判明した。所長は名古屋矯正管区長の厳重注意を受け、11月25日付けで更迭されて同管区付となった[25]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 岐阜拘置支所の所在地は岐阜市鷺山1769-19[3]。
- ^ 高山拘置支所の所在地は岐阜県高山市花岡町2-55-10[3]。
- ^ 御嵩拘置支所の所在地は岐阜県可児郡御嵩町御嵩1190-1[3]。
- ^ 長良福光の刑務所跡地では1988年(昭和63年)にぎふ中部未来博が開催され、後に岐阜メモリアルセンターが整備された。
- ^ 2022年(令和4年)12月15日時点では432人[5]。
- ^ この男は1968年6月29日に静岡県清水市(現:静岡市清水区)内で女性(当時18歳)を刺殺する事件を起こしたとして、1969年(昭和44年)4月18日に殺人・婦女暴行・窃盗および同未遂の罪で静岡地裁(石見勝四裁判長)から無期懲役刑(求刑:同)を宣告された[19]。東京高裁で刑が確定し、1970年(昭和45年)4月から千葉刑務所に服役していたが、1974年(昭和49年)7月3日に同所内で、囚人仲間の男性受刑者(懲役11年で服役中)を刺殺する事件を起こした[20]。同事件により、1975年(昭和50年)6月3日に千葉地裁刑事第1部(鍬田日出夫裁判長)で再び無期懲役を言い渡され[20](同月18日に確定)、同年8月19日に千葉刑務所から岐阜刑務所に移監されていた[21]。
出典
[編集]- ^ a b c d e “岐阜刑務所”. 法務省. 2023年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ a b “刑事施設一覧(平成25年1月15日現在)” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2013年1月15日). 2023年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ a b c “全国の矯正管区・矯正施設・矯正研修所一覧(令和5年4月1日現在)”. 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2023年4月1日). 2023年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ a b c d e f “岐阜刑務所” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省. 2023年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ a b c 「長期受刑者多い岐阜刑務所、高齢化最高89歳 無機質な建物に漂う緊張感、記者見学会」『岐阜新聞Web』岐阜新聞社、2023年1月10日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ a b 「受刑者の暴力団離脱、岐阜刑務所と県警が支援 出所後の就労先などで連携」『岐阜新聞Web』岐阜新聞社、2023年1月13日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 人権擁護委員会 第三部会委員 吉田純二「日弁連人権ニュース 「人権を守る」 > 四分の一が無期刑受刑者 岐阜刑務所視察報告」『日弁連委員会ニュース』(PDF)、第64号、日弁連人権擁護委員会、日本弁護士連合会、2015年6月1日、4面。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 「県警と岐阜刑務所 服役中の暴力団員の離脱に向け支援強化へ」『NHK 岐阜県のニュース』NHK岐阜放送局、2023年1月12日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 松浦祥子「受刑者に継ぐ伝統 塀の中に通い続ける94歳「塗り師」」『朝日新聞デジタル』朝日新聞東京本社、2020年1月7日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 「泉水博受刑者が死去 元赤軍メンバー」『産経ニュース』産経デジタル、2020年3月31日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 「オウム説法集は「一般図書」 岐阜刑務所、持ち込み制限」『asahi.com』朝日新聞東京本社、2006年1月5日。オリジナルの2006年1月6日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『北日本新聞』2007年11月15日朝刊一面1頁「県警誤認逮捕 真犯人に懲役25年 地裁高岡判決 県内有期刑で最長」(北日本新聞社)
- ^ 「えん罪事件真犯人に懲役25年」『KNBテレビ』北日本放送(NNN)、2007年11月14日。オリジナルの2007年11月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『富山事件及び志布志事件における警察捜査の問題点等について』(PDF)(プレスリリース)警察庁、2008年1月1日、3頁。オリジナルの2021年8月24日時点におけるアーカイブ 。2021年9月3日閲覧。
- ^ ヤンヤン「えん罪かも? そのとき警察は…」『J-CASTニュース』ジェイ・キャスト、2009年12月7日。オリジナルの2021年11月9日時点におけるアーカイブ。2021年11月9日閲覧。 - 2009年12月7日放送の『スーパーモーニング』(テレビ朝日系列)の内容を紹介した記事。
- ^ "陽炎 えん罪被害の闇". NNNドキュメント’14. 14 July 2014. 35 minutes in. NNN. 北日本放送 (KNB). 2020年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月2日閲覧。 - 同番組は、放送ライブラリー(神奈川県横浜市中区)の視聴ブースにて番組ID「209337」を入力することで視聴が可能。
- ^ 「新潟県新発田市女性殺害事件 判決は主文を「後回し」に 極めて厳しい判決か」『TBS NEWS DIG』TBSテレビ、2022年11月18日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 「6年前の殺人疑いで男逮捕 強姦致死罪で服役中」『サンスポ』産経デジタル、2020年2月26日。オリジナルの2023年5月5日時点におけるアーカイブ。2023年5月5日閲覧。
- ^ 『静岡新聞』1969年4月19日朝刊B版11頁「清水の女子工員殺し Kに無期懲役判決 静岡地裁 冷酷無惨な犯行」(静岡新聞社)
- ^ a b 『静岡新聞』1975年6月4日朝刊C版15頁「【千葉】清水生まれの無期囚に再び無期判決 千葉刑務所内の殺人」(静岡新聞社)
- ^ 『朝日新聞』1980年7月2日東京夕刊第3版第一社会面15頁「岐阜 殺人犯が刑務所脱走 ハシゴでヘイ乗り越え」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『静岡新聞』1980年7月2日夕刊D版7頁「【岐阜】清水の女性殺し無期懲役囚 「K」足取りつかめず 千葉でも受刑者仲間を刺殺 作業中に脱走道具入手 はしご使いへい越える 岐阜刑務所」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』1980年7月4日朝刊C版一面1頁「脱獄囚・Kを島田で逮捕 脱走以来40時間ぶり 車の荷台に潜む」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』1980年11月15日朝刊C版19頁「【岐阜】脱走殺人犯のK 懲役2年の判決」(静岡新聞社)
- ^ “岐阜刑務所 所長を更迭 賭け麻雀大会”. 毎日新聞社 (2016年1月9日). 2018年10月21日閲覧。