広島拘置所
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所在地 | 日本・〒730-0000広島県広島市中区[1] |
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座標 | 北緯34度24分7.3764秒 東経132度27分51.9667秒 / 北緯34.402049000度 東経132.464435194度座標: 北緯34度24分7.3764秒 東経132度27分51.9667秒 / 北緯34.402049000度 東経132.464435194度 |
現況 | 運用中 |
管理運営 | 法務省矯正局・広島矯正管区[2] |
著名な収監者 | |
管轄 | 法務大臣 |
根拠法令 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 |
広島拘置所(ひろしまこうちしょ)は、法務省矯正局の広島矯正管区に属する拘置所[2]。所在地は広島県広島市中区上八丁堀二番地6号[1]。
全国に8箇所(東京・立川・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡)ある拘置所のひとつである[2]。通称「広拘(ひろこう)」。
現在の施設は1970年(昭和45年)に全面改築したもので、外堀に描かれた壁画は広島市の観光スポットとなっている[5]。
被収容者
[編集]→「収容分類級」も参照
定員
[編集]- 392名
交通手段
[編集]組織
[編集]所長の下に2部1課を置く2部制の施設である。
- 総務部(庶務・会計・用度)
- 処遇部(処遇・企画)
- 医務課
施設
[編集]外観・設備
[編集]- 死刑場があり、死刑判決が確定した者(死刑囚)が収監されている[7]。死刑執行は1970年より現拘置所で開始された[8]。
- 1998年11月に収監されていた泰州くん誘拐殺人事件の死刑囚に死刑が執行されたことでいったん死刑囚が不在となり、2000年に広島タクシー運転手連続殺人事件の被告人の死刑が確定するまで死刑囚が収監されていなかった。
- その後は同事件で死刑が確定した死刑囚1名が収監されていたが、2006年12月25日にこの死刑囚の死刑が執行されたため、翌2007年4月に広島県福山市で1992年に発生した福山市独居老婦人殺害事件の被告人の死刑が確定するまで収監者がいなかった。
- 外塀には、1808年頃の広島の地図や当時の生活習慣を描いた『江山一覧図』を参考にした壁画が高さ2m・長さ190mにわたって描かれており、名所の一つになっている。広島城築城400年を記念して広島市が企画したものであり、1989年に画家の入野忠芳によって制作された。
死刑確定者
[編集]一部例外はあるが、基本的には広島矯正管区管轄の中国地方5県(広島高等裁判所の本庁および岡山支部・松江支部管内)[注 1]で死刑が確定した死刑囚(死刑確定者)を収監している[8]。
→「日本における死刑囚の一覧」および「日本における収監中の死刑囚の一覧」も参照
※は第一審・裁判員裁判の死刑囚。なお死刑囚の人数は特記なき場合、1事件につき1人である。
- 福山市独居老婦人殺害事件(事件発生:1992年):2007年4月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[9]
- 広島連続保険金殺人事件(事件発生:1998年・2000年):2011年6月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[3]
- 大牟田4人殺害事件(事件発生:2004年):死刑囚4人(夫婦+息子2人)のうち1人(世帯主の男)[10]。2011年10月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[3]。死刑確定後の2011年末に福岡拘置所から移送[注 2][11]。
- 光市母子殺害事件(事件発生:1999年)少年死刑囚(事件当時18歳)[3]。2012年2月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[12]。
- ※山口連続殺人放火事件(件発生:2013年):2019年7月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[13]
過去の死刑囚
[編集]同所にて死刑を執行された、あるいは過去に収監されていた死刑囚(獄死した死刑囚・恩赦を受け減刑された死刑囚・冤罪により釈放された死刑囚)のうち代表的な者を記載する。
→「日本における被死刑執行者の一覧」および「日本において獄死もしくは恩赦された死刑囚の一覧」も参照
- 泰州くん誘拐殺人事件(事件発生:1984年):1991年6月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[14]。1998年11月19日に死刑執行[14]。
- 広島タクシー運転手連続殺人事件(事件発生:1996年):2000年2月に広島地裁で死刑判決を受け、控訴せず死刑確定[15]。2006年12月25日に死刑執行[15]。
- 下関通り魔殺人事件(事件発生:1999年):2008年7月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[9]。2012年3月29日に死刑執行[9]。
- 岡山元同僚女性バラバラ殺人事件(事件発生:2011年):2013年2月に岡山地裁で死刑判決を受け、控訴を取り下げ死刑確定。2017年7月13日に死刑執行。
- 中川智正(オウム真理教事件の死刑囚/教団の元幹部):坂本弁護士一家殺害事件・松本サリン事件・地下鉄サリン事件などで罪に問われ、2011年11月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[3]。2018年3月14日に東京拘置所から移送され[16]、7月6日に死刑執行[4]。
- ※鳥取連続不審死事件(事件発生:2008年・2009年):女性死刑囚(戦後16人目)。2017年7月に最高裁で上告棄却判決を受け死刑確定[13]。2023年1月14日に同所の独居房で食べ物を喉に詰まらせ、搬送先の病院で死亡した[17]。
ギャラリー
[編集]-
壁画1
-
壁画2
-
壁画3
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “施設所在地及び面会受付時間一覧(平成29年12月1日現在)”. 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2017年12月1日). 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
- ^ a b c d “刑事施設一覧(平成25年1月15日現在)” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2013年1月15日). 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
- ^ a b c d e 年報・死刑廃止 2019, p. 269.
- ^ a b 「麻原彰晃死刑囚ら7人死刑執行 早川・井上・新実・土谷・中川・遠藤死刑囚」『産経ニュース』産業経済新聞社、2018年7月6日。オリジナルの2020年8月31日時点におけるアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
- ^ “たてものがたりフェスタ2017の開催について”. 広島県 公式ウェブサイト. 広島県 (2017年10月23日). 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
- ^ “広島拘置所 交通手段” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
- ^ 坂本 2010, p. 13.
- ^ a b 村野 2006, p. 85.
- ^ a b c 年報・死刑廃止 2019, p. 265.
- ^ 鈴木智彦 2017, p. 11.
- ^ a b フォーラム90 2012, p. 123.
- ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 270.
- ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 273.
- ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 252.
- ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 256.
- ^ 「地下鉄サリン23年 執行準備か分離目的か オウム死刑囚移送に広がる観測」『産経ニュース』産業経済新聞社、2018年3月20日、1面。オリジナルの2020年8月30日時点におけるアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
- ^ “鳥取連続不審死事件 広島拘置所に収容のU死刑囚(49)が14日に死亡 窒息死 法務省が発表”. TBS (2023年1月15日). 2023年1月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 年報・死刑廃止編集委員会 著、(編集委員:岩井信・江頭純二・菊池さよ子・菊田幸一・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:フォーラム90実行委員会・国分葉子) 編『無実の死刑囚たち 年報・死刑廃止2004』(第1刷発行)インパクト出版会、2004年9月20日。ISBN 978-4755401442 。
- 村野薫『死刑はこうして執行される』(第1刷発行)講談社〈講談社文庫〉、2006年1月15日、141-142頁。ISBN 978-4062753043。
- 坂本敏夫「第三章 死刑執行というメッセージ」『死刑と無期懲役』(第1刷発行)筑摩書房、2010年2月10日、13頁。ISBN 978-4480065339 。
- 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90 著、(編集委員:可知亮、国分葉子、高田章子、中井厚、深瀬暢子、安田好弘、深田卓 / 協力=福島みずほ事務所、死刑廃止のための大道寺幸子基金) 編『死刑囚90人 とどきますか、獄中からの声』(発行)インパクト出版会、2012年5月23日。ISBN 978-4755402241 。
- 鈴木智彦『全員死刑 大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記』(初版第1刷発行)小学館文庫、2017年11月12日。ISBN 978-4094064759 。 - 大牟田4人殺害事件の加害者次男による獄中手記
- 年報・死刑廃止編集委員会 著、(編集委員:岩井信・可知亮・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90・死刑廃止のための大道寺幸子基金・深瀬暢子・国分葉子・岡本真菜) 編『オウム大虐殺 13人執行の残したもの 年報・死刑廃止2019』(初版第1刷発行)インパクト出版会、2019年10月25日、259頁。ISBN 978-4755402982 。