コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

御嵩町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
みたけちょう ウィキデータを編集
御嵩町
鬼岩公園・れんげ岩
日本の旗 日本
地方 中部地方東海地方
都道府県 岐阜県
可児郡
市町村コード 21521-0
法人番号 4000020215210 ウィキデータを編集
面積 56.69km2
総人口 16,836[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 297人/km2
隣接自治体 可児市美濃加茂市土岐市瑞浪市加茂郡八百津町
町の木 アカマツ
町の花 キク
御嵩町役場
町長 渡辺幸伸
所在地 505-0192
岐阜県可児郡御嵩町御嵩1239番地の1
北緯35度26分04秒 東経137度07分51秒 / 北緯35.43442度 東経137.13072度 / 35.43442; 137.13072座標: 北緯35度26分04秒 東経137度07分51秒 / 北緯35.43442度 東経137.13072度 / 35.43442; 137.13072
御嵩町役場
外部リンク 公式ウェブサイト

御嵩町位置図

― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
テンプレートを表示
中山道と旧御嶽宿中心部
中山道みたけ館

御嵩町(みたけちょう)は、岐阜県可児郡。同郡に所属する唯一の町村である。また、岐阜県で唯一「環境モデル都市」に認定されている[1]

地理

[編集]

岐阜県中南部、木曽川南岸に位置し、町内には一級河川可児川が流れている。町の約60%が山林であり、中心部は濃尾平野の端部になっている。

  • 山:八王子山、御嵩富士
  • 河川:木曽川、可児川、津橋川、唐沢川
  • 池:前沢池
  • ダム:丸山ダム前沢ダム
東濃五色川とその周辺の地理

隣接する自治体

[編集]

人口

[編集]

2000年前後に20,000人を超えたものの、以降は減少傾向である。

御嵩町と全国の年齢別人口分布(2005年) 御嵩町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 御嵩町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
御嵩町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 14,798人
1975年(昭和50年) 15,604人
1980年(昭和55年) 16,794人
1985年(昭和60年) 17,965人
1990年(平成2年) 18,830人
1995年(平成7年) 19,980人
2000年(平成12年) 19,653人
2005年(平成17年) 19,272人
2010年(平成22年) 18,824人
2015年(平成27年) 18,111人
2020年(令和2年) 17,516人
総務省統計局 国勢調査より


地名

[編集]
  • 御嵩
中町
  • 顔戸
  • 古屋敷
伏見町
  • 伏見
  • 比衣
  • 上恵土
上之郷村
  • 上之郷
  • 井尻
  • 謡坂
  • 大久後
  • 小原
  • 小和沢
  • 西洞
  • 次月
  • 宿
  • 津橋
  • 中切
  • 前沢
  • 美佐野

歴史

[編集]

かつて御嵩地区南山付近に御嵩城、顔戸地区に顔戸城があり、近世には中山道の宿場町である御嶽宿伏見宿があった。

明治大正期は、郡役所、警察署が置かれ、加えて美濃東部では初めての旧制中学校(現在の岐阜県立東濃高等学校)が設置されるなど、可児郡の中心地であった。

  • 1879年明治12年) - 可児郡が発足し、御嵩に可児郡役所が設置される。現在の御嵩町、可児市以外に、旧可児郡の町村だった多治見市の土岐川北岸などの地域を管轄。
  • 1889年(明治22年) - 町村制施行により、可児郡御嵩村の区域をもって御嵩町が成立。
  • 1955年昭和30年)
  • 1957年(昭和32年) - 土岐市の一部(泉町定林寺字次月)を編入。
  • 1985年(昭和60年)- 御嵩警察署が可児市へ移転。

産業廃棄物処理場問題

[編集]

御嵩町では1991年以降、産業廃棄物処分場計画で大きく揺れ動き、1996年には反対派町長への盗聴事件や町長襲撃事件が発生した。産廃処分場計画との関連性が指摘され、盗聴事件については2グループ11人が検挙されたが、襲撃事件については犯人が特定できないまま2011年10月に襲撃事件の公訴時効が成立。なお、同計画は頓挫し、2008年3月、寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請を取り下げることで決着した。

産業廃棄物処理場問題の経過

[編集]
  • 1991年8月- 産業廃棄物処理業者である寿和工業株式会社(としわこうぎょう、本社:可児市。現:株式会社フィルテック[2][注釈 1])が、御嵩町に産廃処分場の建設を計画。
  • 1992年10月- 町が岐阜県に「不適当な施設」と意見書報告。
  • 1995年2月- 町と寿和工業が、住民への説明なしに振興協力金名目で35億円の支払を盛込んだ協定を締結。
  • 1995年2月- 町が県への意見書を「やむを得ない」に変更。
  • 1995年4月- 町長選で、処分場反対派の元NHK解説委員・柳川喜郎が初当選。
  • 1995年9月- 町が県に許可手続きの一時凍結を要請。
  • 1996年10月- 御嵩町長襲撃事件が発生。処分場反対派の町長が一時意識不明の重体となる。
  • 1996年12月- 住民請求により、産廃処分場建設の賛否を問う住民投票条例制定を直接請求。
  • 1997年1月- 御嵩町議会、住民投票条例案を可決。
  • 1997年6月- 産廃処分場計画を争点に日本国内では初となる住民投票を実施。投票率87.50%、反対79.65%と、反対派が圧勝。
  • 1997年6月~7月- 柳川町長宅電話盗聴容疑等で岐阜県警が興信所所長らを逮捕。
  • 1997年7月- 町が県に「住民投票の結果を尊重する」と伝える。
  • 1998年6月~7月- 別の盗聴グループを岐阜県警が逮捕。
  • 1998年11月- 町などの呼びかけで「全国産廃問題市町村連絡会」設立。
  • 2005年4月- 古田肇岐阜県知事が、柳川町長と会談(知事と町長の会談は10年ぶり)。
  • 2007年3月- 柳川町長が次回町長選に出馬しないことを表明。
  • 2007年4月- 建設反対派で柳川が支援した渡辺公夫が新町長に当選。
  • 2007年4月- 古田知事・柳川町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。
  • 2008年3月- 古田知事・渡辺町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請を取り下げることで合意。

行政

[編集]
御嵩簡易裁判所

町長

[編集]
  • 初代:伊崎隆三(1955年~1967年、3期)
  • 2代目:野呂誠(1967年~1975年、2期)
  • 3代目:原貞雄(1975年~1979年、1期)
  • 4代目:平井儀男(1979年~1995年、4期)
  • 5代目:柳川喜郎(1995年~2007年4月26日、3期)
  • 6代目:渡辺公夫(2007年4月27日~2023年7月4日、4期)
  • 7代目:渡辺幸伸(2023年7月5日〜)

議会

[編集]
  • 定数:12人[4]
  • 任期:2023年(令和5年)7月26日 - 2027年(令和9年)7月25日

施設

[編集]

官公庁

[編集]

かつては町内に警察署と岐阜地方法務局の支局が存在したが、前者は可児市、後者は美濃加茂市にそれぞれ移転した。

公共施設

[編集]

医療機関

[編集]
  • 医療法人忠知会 桃井病院[5]

産業

[編集]
御嵩口駅から出荷される亜炭(1959年)

特産物として、希少大豆を使用して作られる独特の赤味噌「みたけ味噌」がある。また「みたけ味噌」を使用したホルモン焼き「みたけとんちゃん」がある。

工業

[編集]

可児市との境界付近の上恵土地区に、老舗タイルメーカーの「不二見セラミック」本社工場があったが、2006年8月に倒産した[6]。跡地にはショッピングセンターラスパ御嵩が建設された。

  • 平芝工業団地 - 自動車関連企業を中心に10社が操業する工業団地
  • グリーンテクノみたけ - 自動車関連企業を中心に14社が操業する工業団地。1998年8月分譲開始、東海環状自動車道(東回りルート)開通を機に全区画が完売。
  • 太陽社電気 御嵩工場

鉱業

[編集]

かつては石炭の一種である亜炭の一大産出地であった。1869年(明治2年)に炭脈が発見されて以後、1947年(昭和22年)頃をピークに100を超える炭鉱が開山、最盛期には全国産出量の4分の1以上を占め、炭鉱の町として栄えたが、一方で1957年(昭和32年)10月24日には、水没した廃坑から掘削現場へ水が流入して12人が死亡するなどの事故も発生した[7]。1968年(昭和43年)までに全ての炭鉱が閉山した。

坑道と陥没

[編集]

御嵩町では亜炭の採掘が盛んであったため、現在もその坑道が残っている。坑道は、西は上恵土の木曽川付近から東は中切辺りまで広く存在する。坑道があるのはほとんどが平地で、大久後などの山地にはほとんどない。坑道には深度15メートル以下の空洞もあり陥没の危険性も高い。逆に深度が50メートルを超える空洞には地下水が溜まっている可能性が高く、土の圧力に対して抵抗力があるため陥没の危険性は比較的低いとされている。

実際に町の至る所で小さな陥没が報告されており、大きなものでは2010年10月に顔戸(ごうど)地区で道路と周辺家屋が陥没している[8][9]

近年、空洞を支える柱の劣化により、町の至るところで陥没事故が発生するようになった。大規模地震が発生した際には町全体が陥没する可能性があり、町は対策に追われているが、町にある坑道を埋めるためには500億円から1,000億円の費用がかかるとされており、予算不足などから抜本的な解決には至っていない。

教育

[編集]
岐阜県立東濃高等学校
岐阜県立東濃実業高等学校

高等学校

[編集]

中学校

[編集]

小学校

[編集]

交通

[編集]

鉄道

[編集]
名鉄広見線御嵩駅
名古屋鉄道(名鉄)

伏見地区からは、可児市にある明智駅名鉄広見線)が最寄駅となる。

バス

[編集]

道路

[編集]

高速道路

[編集]

一般国道

[編集]

一般県道

[編集]

町内の道路通称名

[編集]

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

[編集]

観光

[編集]
中山道御嶽宿本陣
願興寺
愚渓寺石庭

寺院

[編集]

祭事

[編集]
  • 顔戸八幡神社祭礼 - 毎年10月に行われる。
  • 御嵩町薬師祭礼[10] - 毎年4月の第1日曜日に願興寺で行われる。
  • 願興寺「金の御朱印授与」- 毎月最終金曜日に開催。
  • 鬼岩福鬼まつり
  • よってりゃあ、みたけ - 毎年8月に行われる夏祭り。
  • 宿の市 - 毎月第1日曜日に開催。

商業施設

[編集]

化石

[編集]

出身有名人

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 東京都に本社を置く半導体メーカーの株式会社フィルテック[3]とは無関係。

出典

[編集]
  1. ^ 岐阜県御嵩町”. 御嵩町. 2024年12月7日閲覧。
  2. ^ 会社概要 株式会社フィルテック、2024年9月26日閲覧。
  3. ^ 企業情報 株式会社フィルテック、2024年9月26日閲覧。
  4. ^ 御嵩町議会議員定数条例”. www.town.mitake.lg.jp. 2024年1月20日閲覧。
  5. ^ 医療法人忠知会 桃井病院
  6. ^ “不二見セラミック破産で波紋”. 中部経済新聞. (2006年8月4日). https://www.chukei-news.co.jp/news/200608/04/articles_576.php 2018年9月21日閲覧。 
  7. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、145頁。ISBN 9784816922749 
  8. ^ “大規模な地面陥没 深さ3メートル、住宅6軒傾く 岐阜”. 朝日新聞. (2010年10月20日). http://www.asahi.com/special/playback/NGY201010200011.html 2018年9月21日閲覧。 
  9. ^ 顔戸地内大規模陥没について』(レポート)御嵩町http://www.town.mitake.gifu.jp/file/hp/info/90/20101023102918/01.goudokanbotu.pdf2018年9月21日閲覧 
  10. ^ 御嵩町薬師祭礼 願興寺
  11. ^ 朝日新聞、2016年7月27日
  12. ^ 「サイの化石」じつは絶滅哺乳類でした 国内では初発見 岐阜県博物館保存【名古屋】 森林文化協会
  13. ^ 8月9日(火) 日本初!!「カリコテリウム科」化石、特別公開中 岐阜県博物館

参考文献

[編集]
  • 伊藤達也『検証岐阜県史問題―なぜ御嵩産廃問題は掲載されなかったのか』ユニテ、2005年 ISBN 978-4843230664
  • 御嵩町教育委員会町史編さん室編『御嵩町史 通史編 現代』御嵩町、2006年
  • ましこ・ひでのり「『岐阜県史』問題再考 ─ 産廃行政に関する「県史」等の記述の政治性―」大橋博明ほか『地域をつくる』勁草書房、2008年 ISBN 978-4326848645

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]