平岸リンゴ
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平岸リンゴ(ひらぎしりんご)は、かつて北海道札幌市豊平区平岸地区(坂の下、坂の上、東裏、冷水など)、同南区澄川地区(山の上など)を中心に栽培されていたリンゴのブランド。
概要
[編集]- 平岸リンゴは、販売上のブランド名であり、平岸リンゴという品種ではない。
- レッドゴールドや旭をおもに栽培していた。
- 平岸と隣接する旭町は、地名を決める際、平岸リンゴの主要品種である「旭」から名付けていると言われる。
歴史
[編集]- 1872年(明治5年)開拓使の調査により、平岸村は土地が痩せているため、農作物の収穫は見込めないとの報告があり、開拓使顧問であるホーレス・ケプロンの提言により、平岸リンゴなど果樹の栽培が1877年(明治10年)から始まる。
- 1881年(明治14年)平岸村に、ヨーロッパ種としては国内初のリンゴが実った。
- 現在の平岸街道沿いで、平岸3条から丘陵地一帯にリンゴ農園が拡がっていた。のちに旧豊平町一帯に広まり、道内有数の生産地となっていく。
- 他地域に先がけ、袋掛や薬剤防除などの技術を用いるようになっていく。また、大正時代になると、青森県から学んだ技術を改良し、昭和に入ると独自の貯蔵法、販売方法を確立していく。
- 北海道におけるリンゴ栽培の主要ブランドであり、ロシアやシンガポールへも輸出していた。
- 第二次世界大戦中の肥料、労働力不足等が原因による、土地の衰弱、果樹の病気、また異常気象などの被害、札幌市のベッドタウン化により、昭和30年代中頃には平岸地区、澄川地区の果樹園は衰退していった。
- 平岸街道の拡張により用水堀が1961年(昭和36年)に埋め立てられ、平岸地区、澄川地区からリンゴ園が減っていった。
- 現在では、かつての平岸村であった南区澄川地区、十五島、石山、白川にリンゴ園が残されているのみとなった。