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和泉郡

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泉郡から転送)
大阪府和泉郡の範囲

和泉郡(いずみぐん)は、かつて和泉国堺県大阪府にあった泉郡と表記することも多く、近世にはほとんど泉郡と表記されている。

郡域

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1880年明治13年)に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。

歴史

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古代

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和名類聚抄』に記される郡内の

式内社

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延喜式神名帳に記される郡内の式内社

神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
和泉郡 28座(並小)
男乃宇刀神社 二座 ヲノウトノ 男乃宇刀神社 大阪府和泉市仏並町
博多神社 ハカタノ 伯太神社 大阪府和泉市伯太町
夜疑神社 ヤキノ 夜疑神社 大阪府岸和田市中井町
泉穴師神社 二座 -アナシノ 泉穴師神社 大阪府泉大津市豊中町 和泉国二宮 [1]
兵主神社 兵主神社 大阪府岸和田市西之内町
粟神社 アハノ 合祀:大津神社 大阪府泉大津市若宮町
曽祢神社 ソネノ 曽彌神社 大阪府泉大津市曽根町
泉井上神社 -ヰノヘノ
イツミノヰノウヘノ
泉井上神社 大阪府和泉市府中町
阿理莫神社 アリホノ
アリマ
阿里莫神社 大阪府貝塚市久保
山直神社 ヤマナヲノ
-ナホ
山直神社 大阪府岸和田市内畑町
矢代寸神社 二座 ヤシロノ- 矢代寸神社 大阪府岸和田市八田町
穂椋神社 ホクラノ 合祀:春日神社 大阪府和泉市三林町
和泉神社 イツミノ 和泉神社 大阪府和泉市府中町 泉井上神社境内社
楠本神社 クスモトノ 楠本神社 大阪府岸和田市包近町
淡路神社 アハチノ 淡路神社 大阪府岸和田市摩湯町
意賀美神社 オカミノ 意賀美神社 大阪府岸和田市土生滝町
波多神社 ハタノ 波多神社 大阪府岸和田市畑町
積川神社 五座 ツガハノ
ツミ-
積川神社 大阪府岸和田市積川町 和泉国四宮 [2]
丸笠神社 マロカサ 丸笠神社 大阪府和泉市伯太町 伯太神社境外社
旧府神社 フルフノ
キウフ
舊府神社 大阪府和泉市尾井町 信太森神社境外社
聖神社 ヒシリノ 聖神社 大阪府和泉市王子町 和泉国三宮 [3]
凡例を表示

中世

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13世紀頃 - 八木、山直、掃守、木島の4郷を南郡として分割。

近世

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  • 旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が、○は寺社等の除地(領主から年貢免除の特権を与えられた土地)が、◆は御旅所(同左)が存在。なお旧高旧領取調帳では岸和田藩領分が助松村、一条院村、宇多大津村の3村にあり、後に岸和田県管轄と記載しているが、「大阪府全志」[1]や「角川地名辞典」などではこれらもすべて岸和田藩預地だったとする。(85村)
知行 村数 村名
幕府領 幕府領(小堀数馬支配所) 3村 ○福瀬村、○北田中村、○岡村
幕府領(松永善之助支配所) 1村 ●槙尾山
幕府領(岸和田藩預地 1村 ○宇多大津村
幕府儒官林氏 1村 尾井千原村
一橋徳川家 39村 ○池田下村、○坂本村、坂本新田、伏屋新田、○万町村、○浦田村、舞村、○上代村、○上村、○王子村、○富秋村、○太村、○◆中村、○千原村、○二田村、○北曽根村、○南曽根村、○森村、南王子村、○今在家村、○桑原村、○府中村、○黒鳥村、○池浦村、○辻村、○穴田村、○虫取村、○長井村、宮村、○上馬瀬村[2]、○下馬瀬村[2]、○寺田村、○寺門村、○今福村、○観音寺村、○小田村、○内畑村、○箕形村、綾井村[3]
藩領 下総関宿藩 15村 ○室堂村、○和田村、○黒石村、鍛冶屋村、○平井村、○納花村、○春木村、○久井村、○下宮村、○国分村、○唐国村、○●松尾寺村、○内田村、○九鬼村、○小野田村
和泉吉見藩 8村 ○父鬼村、○若樫村、○南面利村、○善正村、○大野村、○仏並村、○坪井村、●○大沢村[4]
和泉伯太藩 4村 ○春木川村、○伯太村、○板原村、○下条大津村
大和小泉藩 4村 ○池上村、○肥子村、○豊中村、○北出村
山城淀藩 4村 井ノ口村、○忠岡村、○高月村、○和気村
和泉岸和田藩 2村 ○助松村、○一条院村
幕府領・藩領 幕府領(小堀)・関宿藩 1村 ○三林村
その他 熊本藩家臣長岡氏・医師施薬院宗伯・幕府儒官林氏・一橋徳川家 1村 ○尾井村
寺社除地 1村 小野新田

近代

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  • 1868年(慶応4年)
  • 明治初年
    • 吉見藩領のうち仏並村および大野村の一部が堺県の管轄となる。
    • 幕府領のうち福瀬村・北田中村が吉見藩の管轄となる。
  • 1869年(明治2年)
    • 2月 - 関宿藩領が堺県に移管。
    • 8月 - 一橋徳川家領が堺県に移管。
  • 1870年(明治3年)
    • 2月 - 岸和田藩預地が堺県に移管。この時堺県へ移管された村名には助松村、一条院村、宇多大津村も含まれ、本郡内の岸和田藩領(または預地)は消滅[1]
  • 1871年(明治4年)
  • 1874年(明治7年)1月22日 - 大区小区制の堺県での施行により、和泉国第2大区となる。
  • 1875年(明治8年) - 上馬瀬村・下馬瀬村が合併して馬瀬村となる。(84村)
  • 1880年(明治13年)
    • 4月15日 - 郡区町村編制法の堺県での施行により、行政区画としての和泉郡が発足。堺区大町東4丁の祥雲寺に「湊郡役所」が設置され、大鳥郡とともに管轄したが、まもなく「大鳥和泉郡役所」に改称。同日大区小区制廃止。
  • 1881年(明治14年)2月7日 - 第2次府県統合により大阪府の管轄となる。郡役所を大鳥郡長承寺村に移転。
  • 1887年(明治20年) - 辻村・長井村が合併して我孫子村となる。(83村)
31.信太村 32.上条村 33.国府村 34.大津村 35.穴師村 36.忠岡村 37.南王子村 38.郷荘村 39.伯太村 40.北池田村 41.北松尾村 42.南池田村 43.南横山村 44.東横山村 45.西横山村 46.南松尾村 47.山滝村 (桃:和泉市 橙:泉大津市 水色:岸和田市 青:合併なし。1 - 23は大鳥郡 *は発足時の堺市)
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の各村が発足。特記以外は現・和泉市。(17村)
    • 信太村 ← 太村、中村、上村、舞村、上代村、王子村、尾井村、富秋村、小野新田
    • 上条村 ← 助松村、千原村、尾井千原村、森村、綾井村、南曽根村、北曽根村、二田村(現・泉大津市)
    • 国府村 ← 府中村、井ノ口村、肥子村、和気村、小田村
    • 大津村 ← 下条大津村、宇多大津村(現・泉大津市)
    • 穴師村 ← 池浦村、豊中村、板原村、我孫子村、穴田村、宮村、虫取村(現・泉大津市)
    • 忠岡村 ← 忠岡村、馬瀬村、北出村、高月村(現・忠岡町
    • 南王子村(単独村制)
    • 郷荘村 ← 今在家村、観音寺村、桑原村、一条院村、坂本村、寺門村、今福村
    • 伯太村 ← 伯太村、池上村、黒鳥村
    • 北池田村 ← 池田下村、坂本新田、伏屋新田、室堂村
    • 北松尾村 ← 唐国村、寺田村、箕形村、内田村
    • 南池田村 ← 納花村、万町村、和田村、三林村、浦田村、鍛冶屋村、平井村、国分村、黒石村
    • 南横山村 ← 父鬼村、大野村
    • 東横山村 ← 福瀬村、岡村、九鬼村、槙尾山、善正村、南面利村
    • 西横山村 ← 小野田村、下宮村、北田中村、坪井村、仏並村
    • 南松尾村 ← 久井村、春木村、松尾寺村、若樫村、春木川村
    • 山滝村 ← 内畑村、大沢村(現・岸和田市
  • 1896年(明治29年)4月1日 - 郡制の施行により、大鳥郡・和泉郡の区域をもって泉北郡を設置。同日和泉郡廃止。

行政

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湊郡長→堺県大鳥・和泉郡長[5]
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 小菅清直 明治13年(1880年)4月16日 明治14年(1881年)2月6日 大阪府に移管
大阪府大鳥・和泉郡長[5]
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 小菅清直 明治14年(1881年)2月7日 明治14年(1881年)2月24日
2 大草三重 明治14年(1881年)2月25日 明治14年(1881年)8月26日 病死
3 森田稔 明治14年(1881年)9月5日 明治16年(1883年)11月22日
4 松山範治 明治16年(1883年)11月22日 明治17年(1884年)10月1日
5 鈴木信道 明治17年(1884年)10月1日 明治19年(1886年)8月25日
6 小向寛雄 明治19年(1886年)8月25日 明治20年(1887年)11月29日
7 桜井義起 明治20年(1887年)11月29日 明治22年(1889年)9月11日
8 島田祐信 明治22年(1889年)9月11日 明治26年(1893年)5月31日
9 川越重徳 明治26年(1893年)5月31日 明治29年(1896年)3月31日 大鳥郡との合併により和泉郡廃止

脚注

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  1. ^ a b 井上正雄, 『大阪府全志 巻之一』, 426-429頁 (1922年).
    も同様である。
  2. ^ a b 記載は馬瀬村1村。
  3. ^ 「旧高旧領取調帳」では大鳥郡として記載。
  4. ^ 寺社領は牛滝村として別に記載。
  5. ^ a b 井上正雄『大阪府全志』 巻之五、大阪府全志発行所、1922年、262-263頁。 

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 27 大阪府、角川書店、1983年10月1日。ISBN 4040012704 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • 大阪府全誌 巻一

関連項目

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先代
-----
行政区の変遷
- 1896年
次代
泉北郡