佐藤哲三 (競馬)

佐藤哲三
2011年宝塚記念表彰式
基本情報
国籍	日本
出身地	大阪府出身（福岡県出生）
生年月日	(1970-09-17) 1970年9月17日（54歳）
身長	165.0cm
体重	51.0kg
血液型	O型
騎手情報
所属団体	日本中央競馬会
所属厩舎	フリー
主戦厩舎	佐々木晶三
初免許年	1989年
免許区分	平地
騎手引退日	2014年10月12日
重賞勝利	45勝
G1級勝利	朝日杯3歳S（1996年） ジャパンカップ（2003年） 宝塚記念（2004年・2011年） ジャパンカップダート（2009年） フェブラリーS（2010年）
通算勝利	10570戦938勝
経歴
所属	1989年-1995年 吉岡八郎（栗東） 1995年 -2014年 フリー (栗東)

佐藤 哲三（さとう てつぞう、1970年9月17日 - ）は、日本中央競馬会(JRA)所属の元騎手である。

競馬新聞での表記は、佐藤聖也らがいたため一時期「佐藤哲」だったが、2010年2月の佐藤聖也の騎手免許返上による取り消しに伴って佐藤姓が中央競馬で一人となり、「佐藤」に戻っていた。

略歴

• 1989年に栗東の吉岡八郎厩舎所属でデビュー。同期に田中勝春、角田晃一がいる。
  • 初騎乗は同年3月4日中京競馬第4競走のトーアチョモランマで、10頭立ての9着だった。初勝利は同年4月30日京都競馬第6競走を、キョウワトワダに騎乗し勝利した。
• 重賞初勝利は1992年の朝日チャレンジカップで、レットイットビーに騎乗しての勝利だった。
• 1995年からフリーの騎手となる。
• GI初勝利は1996年12月8日、朝日杯3歳ステークス。マイネルマックスに騎乗し制覇した。2勝目は2003年11月30日東京競馬場でのジャパンカップ。タップダンスシチーに騎乗して、雨は止んだものの重馬場となったコースを大逃げし、2着のザッツザプレンティに9馬身差をつけての快勝だった。タップダンスシチーとのコンビでは翌年の宝塚記念も制した。中央GI通算6勝を挙げている。
• 2004年10月3日、フランスのロンシャン競馬場での凱旋門賞にタップダンスシチーに騎乗して挑戦。航空機トラブルでタップダンスシチーの現地入りが遅れた影響もあってか、17着に終わった。
• 2007年序盤、落馬して肩甲骨を骨折し、長期休養を余儀なくされたが、4月21日の京都競馬で復帰した。12月1日にこの年2度目の落馬で、左第4・5腰椎横突起骨折、左腸骨亀裂骨折、右足部挫傷、腰部挫傷と診断され、病院で精密検査を受けている。
• 2009年5月5日、エスポワールシチーに騎乗し、かしわ記念に勝利。地方交流GI競走初勝利となった。
• 2009年12月6日、エスポワールシチーに騎乗し、ジャパンカップダートに勝利。芝とダートの両方でジャパンカップを制覇した5人目の騎手となった。
• 2011年6月26日、アーネストリーに騎乗し、宝塚記念を制覇。
• 2014年9月16日、後述の落馬事故より、現役復帰をかけて懸命にリハビリに励んだが、復帰叶わず現役引退を表明。
• 2014年10月12日、京都競馬場ウィナーズサークルにて最終競走後、引退式挙行。引退後は競馬評論家（日刊スポーツ新聞西日本専属）となり、同時に大山ヒルズの騎乗技術アドバイザーに就任した。。
• 2014年10月19日　この日より、MBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」のメインパーソナリティー兼解説者に就任することが決まった

落馬事故・引退

2012年11月24日の京都競馬場において、佐藤は第10競走の高雄特別でトウシンイーグルに騎乗し、「淀の坂」と呼ばれる京都外回りコースの急坂を下りきった直後にバランスを崩し、直線入り口付近で落馬。トップスピードの競走馬から振り落とされた佐藤は、芝の上を高速で滑りながら内回りコースの柵の支柱に激突。これにより佐藤は、

• 左上腕骨開放骨折
• 左肩甲骨骨折
• L4(腰椎)横突起骨折
• 左尺骨骨折
• 右大腿骨骨幹部骨折
• 左足関節脱臼骨折
• 右第一肋骨骨折
• 右肘関節(尺骨)脱臼
• 右下腿部裂創
• 外傷性気胸

という重傷を負った。

この負傷により佐藤は左腕の血管および神経を損傷。左腕の神経は負傷後3ヶ月で親指がようやく動くというレベルの重篤なものであった。その後復帰を目指し6度の手術とリハビリを続けてきたが復帰は叶わず、2014年9月16日、10月12日をもって引退すると発表された。

人物・エピソード

• 佐藤が騎手を目指したのは1984年のジャパンカップでカツラギエースが逃げ切り勝ちをしたことに感銘を受けてのこと。それから19年後の2003年佐藤自身もジャパンカップで逃げ切り勝ちを収めることになる。
• 栗東の佐々木晶三厩舎と非常に相性が良く、2002年以降に挙げたJRA重賞27勝の内、19勝は佐々木晶三厩舎の所属馬で挙げたものである。
• 人気馬を自ら潰しにかかる騎乗スタイルは、格上馬が出走すると最初から2着狙いが見られるようになったと言われる騎手の中ではめずらしく、馬券派の競馬ファンから支持されている。
• 四位洋文、藤岡佑介と同様に大の競艇好きであり、ジョッキーの間では「哲三先生」と呼ばれるほど精通している（競艇専門誌「競艇マクール」の｢俺もボートファンだ!｣でインタビューを受けている）。年末の賞金王決定戦特番に出演するなど、メディア露出は競艇関連が大半を占めている。
• 2004年の宝塚記念を勝利した際、使用していたゴーグル、鞭、さらにはヘルメットまでも観客席に投げ入れるパフォーマンスを見せている。2009年にはかしわ記念を勝利した際も鞭を観客席に投げ入れるパフォーマンスを見せている。
• 競馬人生26年の中でベストレースは、2011年の第52回宝塚記念（アーネストリー騎乗）を、ワーストレースは2000年の第60回皐月賞（ラガーレグルスに騎乗したが、ゲート内で馬が立ち上がり、振り落とされて落馬。競走中止）と引退会見にて語った。

騎乗成績

※勝利数は中央競馬のみ。

年度	勝利数	重賞勝利	表彰
1989年	8
1990年	16
1991年	33
1992年	38	朝日チャレンジカップ（レットイットビー）	フェアプレー賞
1993年	12	阪急杯（レガシーフィールド）
1994年	23
1995年	67	タマツバキ記念（レッドコーラル）	フェアプレー賞（関西）
1996年	70	朝日杯3歳S（マイネルマックス） 報知杯4歳牝馬特別（リトルオードリー） 京成杯3歳S（マイネルマックス） 函館3歳S（マイネルマックス）
1997年	56	愛知杯（サクラエキスパート） 北海道3歳優駿（マイネルクラシック）
1998年	50	アルゼンチン共和国杯（ユーセイトップラン）
1999年	28	ラジオたんぱ杯3歳S（ラガーレグルス） 中山牝馬S（ナリタルナパーク） 群馬記念（スノーエンデバー）	フェアプレー賞（関西）
2000年	37	マイラーズカップ（マイネルマックス） 小倉記念（ミッキーダンス） 朝日チャレンジカップ（ミッキーダンス）	フェアプレー賞（関西）
2001年	42	金鯱賞（ミッキーダンス）
2002年	48	朝日チャレンジカップ（タップダンスシチー）	フェアプレー賞（関西）
2003年	42	ジャパンカップ（タップダンスシチー） 京都大賞典（タップダンスシチー） 金鯱賞（タップダンスシチー） 毎日杯（タカラシャーディー）
2004年	40	宝塚記念（タップダンスシチー） 金鯱賞（タップダンスシチー） 鳴尾記念（サクラセンチュリー）
2005年	51	金鯱賞（タップダンスシチー） 日経新春杯（サクラセンチュリー） アルゼンチン共和国杯（サクラセンチュリー） 目黒記念（オペラシチー） 京都新聞杯（インティライミ） 武蔵野S（サンライズバッカス）
2006年	42	ダービー卿チャレンジトロフィー（グレイトジャーニー） 福島記念（サンバレンティン） プロキオンS（メイショウバトラー） サマーチャンピオン（メイショウバトラー） シリウスS（メイショウバトラー）
2007年	32	京都大賞典（インティライミ） 朝日チャレンジカップ（インティライミ） 小倉記念（サンレイジャスパー）
2008年	33	スワンS（マイネルレーニア）	フェアプレー賞（関西）
2009年	35	ジャパンカップダート（エスポワールシチー） かしわ記念（エスポワールシチー） 南部杯（エスポワールシチー） 中日新聞杯（アーネストリー）
2010年	36	フェブラリーS（エスポワールシチー） かしわ記念（エスポワールシチー） 金鯱賞（アーネストリー） 札幌記念（アーネストリー）
2011年	48	宝塚記念（アーネストリー） オールカマー（アーネストリー） みやこS（エスポワールシチー） 名古屋大賞典（エスポワールシチー）
2012年	40	かしわ記念（エスポワールシチー） 南部杯（エスポワールシチー）

	日付	競馬場・開催	競走名	馬名	頭数	人気	着順
初騎乗	1989年3月4日	1回中京1日4R	3歳未勝利	トーアチョモランマ	10頭	6	9着
初勝利	1989年4月30日	3回京都4日6R	3歳未勝利	キョウワトワダ	17頭	2	1着
重賞初騎乗	1990年5月6日	2回京都6日11R	京都4歳特別	アンビシャスホープ	17頭	14	13着
重賞初勝利	1992年9月20日	4回阪神4日11R	朝日チャレンジカップ	レットイットビー	12頭	3	1着
GI初騎乗	1992年11月8日	5回京都2日10R	菊花賞	ヤングライジン	18頭	12	9着
GI初勝利	1996年12月8日	6回中山4日11R	朝日杯3歳ステークス	マイネルマックス	16頭	2	1着

外部リンク

• 佐藤哲三 ｜ 競馬騎手の公式サイト ｜ TEAM GRIP(チームグリップ)（佐藤哲三公式）
• 佐藤哲三 (@tetsuzo_net) - X（旧Twitter）