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'''六連島灯台'''(むつれしまとうだい)は、[[山口県]][[下関市]]の<!--[[下関港]]より北西約5キロメートルの[[日本海]]([[響灘]])に浮かぶ-->[[六連島]]北埼に立つ石造の[[灯台]]。[[関門海峡|関門]]航路・日本海側の重要な[[ランドマーク]]。[[海抜]]約20.3メートルに位置し、高さ約10.6メートルの塔の下部に半円形の付属舎を備える<ref>{{Cite book |和書 |author=藤岡洋保|authorlink=藤岡洋保 |coauthors=野口毅 |title=ライトハウス - すくっと明治の灯台64基 |year=2015 |publisher=バナナブックス |isbn=978-4-902930-32-0 |page=97}}</ref>。[[明治]]時代に建てられた[[保存灯台]](Bランク)<ref>{{Cite book |和書 |author=岡克己 |title=ニッポン灯台紀行 |year=2015 |publisher=[[世界文化社]] |isbn=978-4-418-15214-8 |pages=160-161}}</ref>。[[2020年]]([[令和]]2年)に国の[[重要文化財]]に指定された<ref name="bunkacho20201016">{{Cite web|和書|url= https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92578901.html|title=国宝・重要文化財(建造物)の指定について|publisher=文化庁|accessdate=2020-10-18}}</ref><ref name="kanpo 2020">令和2年12月23日文部科学省告示第140号</ref>。 |
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[[大政奉還]]により[[江戸幕府]]最後の年となった[[1867年]]([[慶応]]3年4月<ref group="注" name="kyureki" />)、[[兵庫港|兵庫]]開港に伴う外国船の安全航行を確保するため、幕府が[[イギリス]]との間で締結した大坂約定(大坂条約)で設置を約束した[[灯台#大坂条約の灯台一覧|5か所の灯台]]の1つである。明治新政府が事業を引き継ぎ、「灯台の父」と呼ばれる[[リチャード・ヘンリー・ブラントン]]の設計により、[[1870年]]([[明治3年]]10月<ref group="注" name="kyureki" />)、[[関門海峡]]の北の[[日本海]]側[[響灘]]口に建設が開始され<ref group="注">同じく大阪条約により南の[[瀬戸内海]]側[[周防灘]]口に建設されたものが[[部埼灯台]]。</ref>、[[1872年]]1月1日([[明治4年]]11月21日<ref group="注" name="kyureki" />)に、[[神戸]]以西で3番目の灯台として点灯した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=39 |title=No-39 六連島灯台 |work=構成文化財 |website=関門“ノスタルジック”海峡 |publisher=関門海峡日本遺産協議会 |accessdate=2019-03-24}}</ref>。 |
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関門航路・日本海側の重要な[[ランドマーク]]。下関市指定文化財。 |
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== 収録海図 == |
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== 文化財 == |
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== 脚注 == |
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=== 出典 === |
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== 外部リンク == |
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* [https://www.kaiho.mlit.go.jp/07kanku/gyoumu/kaiko/toudai/meijiki/muture2.htm 六連島灯台] - [[海上保安庁]] [[第七管区海上保安本部]] |
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* {{Cite web|和書|url=http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN7/toudai/toudai-pic/5537_musture.htm |title=六連島灯台(むつれしま) |year=2003 |work=第七管区海上保安本部 海洋情報部撮影 |accessdate=2017-05-21 |url-status=dead|url-status-date=2017-09 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20040307135642/http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN7/toudai/toudai-pic/5537_musture.htm |archivedate=2004-03-07 }} |
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*[http://www.tokokai.org/archive/craft/PDF_paper-craft/001-050/P048_rokuren.pdf ペーパークラフト] - 燈光会 |
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* [https://www.kaiho.mlit.go.jp/07kanku/moji/sub_page/07_toudai/07_toudai.htm 門司海保の灯台](写真) |
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*[http://blog.canpan.info/jananet/archive/58 明治期に建設された灯台25 六連島灯台]-海の道しるべ |
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* {{citation |url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/lighthouse/card/0703rtsgydot.html |title=六連島灯台 |work=灯台カード |publisher=海上保安庁}} |
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2024年7月18日 (木) 09:07時点における最新版
六連島灯台 | |
---|---|
航路標識番号 [国際標識番号] | 5537 [F5334] |
位置 | 北緯33度58分41秒 東経130度52分04.5秒 / 北緯33.97806度 東経130.867917度座標: 北緯33度58分41秒 東経130度52分04.5秒 / 北緯33.97806度 東経130.867917度 |
所在地 | 山口県下関市六連島 |
塗色・構造 | 白色 塔形 石造(花崗岩) |
レンズ | LED灯器 |
灯質 |
単閃白光 毎3秒に1閃光 Fl W 3s |
実効光度 | 閃光 3,700 cd |
光達距離 | 閃光12.0海里(約22km) |
明弧 | 140度 - 12度 |
塔高 | 10.6 m (地上 - 塔頂) |
灯火標高 | 27.9 m (平均海面 - 灯火) |
初点灯 | 1872年(明治4年11月21日[注 1]) |
管轄 |
海上保安庁 第七管区海上保安本部 門司海上保安部 |
六連島灯台(むつれしまとうだい)は、山口県下関市の六連島北埼に立つ石造の灯台。関門航路・日本海側の重要なランドマーク。海抜約20.3メートルに位置し、高さ約10.6メートルの塔の下部に半円形の付属舎を備える[1]。明治時代に建てられた保存灯台(Bランク)[2]。2020年(令和2年)に国の重要文化財に指定された[3][4]。
歴史
[編集]大政奉還により江戸幕府最後の年となった1867年(慶応3年4月[注 1])、兵庫開港に伴う外国船の安全航行を確保するため、幕府がイギリスとの間で締結した大坂約定(大坂条約)で設置を約束した5か所の灯台の1つである。明治新政府が事業を引き継ぎ、「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により、1870年(明治3年10月[注 1])、関門海峡の北の日本海側響灘口に建設が開始され[注 2]、1872年1月1日(明治4年11月21日[注 1])に、神戸以西で3番目の灯台として点灯した[5]。
1872年7月(明治5年6月12日[注 1])、明治天皇は、九州への地方巡幸の際に西郷隆盛らを従えて来島し、灯台行幸として初めて六連島灯台を訪れた[6]。1936年(昭和11年)には、「明治天皇行幸所六連島燈臺」として史蹟名勝天然紀念物保存法による史蹟に指定された(1948年〈昭和23年〉6月29日指定解除)。
当初は石油灯であったが、1925年(大正14年)に高圧式アセチレンガス灯に改められる。その後、1952年(昭和27年)の電化による[7]自家発電方式となり、1963年(昭和38年)には海底ケーブルで本土より送電されるようなった[8]。1969年(昭和44年)4月に無人化される。1991年(平成3年)3月、光度・光達距離を変更[7]。現在、灯質は単閃白光、毎3秒に1閃光となり、実効光度3,700cd、光達距離12.0海里、光源はLEDになっている[9]。
1995年(平成7年)6月、下関市指定文化財に指定された。2004年(平成16年)4月、門司海上保安部の管理となる[7]。2020年、国の重要文化財に指定された[3][4]。
収録海図
[編集]海図番号 | 図名 | 縮尺 | 図積 |
---|---|---|---|
W135 | 関門海峡 | 25,000 | 全 |
W1264 | 関門港北部 | 15,000 | 1/2 |
文化財
[編集]以下の物件が国の重要文化財に指定されている[4]。
- 六連島灯台
- 附 旧日時計
- 附 石垣
- 附 旧俎礁標
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 藤岡洋保、野口毅『ライトハウス - すくっと明治の灯台64基』バナナブックス、2015年、97頁。ISBN 978-4-902930-32-0。
- ^ 岡克己『ニッポン灯台紀行』世界文化社、2015年、160-161頁。ISBN 978-4-418-15214-8。
- ^ a b “国宝・重要文化財(建造物)の指定について”. 文化庁. 2020年10月18日閲覧。
- ^ a b c 令和2年12月23日文部科学省告示第140号
- ^ “No-39 六連島灯台”. 関門“ノスタルジック”海峡. 構成文化財. 関門海峡日本遺産協議会. 2019年3月24日閲覧。
- ^ 日本交通公社 編『全国燈台と岬』日本交通公社、1971年、206頁。
- ^ a b c “標識名 六連島灯台”. 第七管区海上保安本部. 海上保安庁. 2017年5月21日閲覧。
- ^ “明治期に建設された灯台25 六連島灯台”. 海の道しるべ. 日本航路標識協会 (2008年2月6日). 2017年5月21日閲覧。
- ^ “六連島灯台 灯台カード(うら)”. 第七管区海上保安本部. 2017年6月10日閲覧。
外部リンク
[編集]- 六連島灯台 - 海上保安庁 第七管区海上保安本部
- “六連島灯台(むつれしま)”. 第七管区海上保安本部 海洋情報部撮影 (2003年). 2004年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月21日閲覧。
- 門司海保の灯台(写真)
- “六連島灯台”, 灯台カード (海上保安庁)
- “ペーパークラフト No.48 六連島灯台 S, 1/100” (PDF), 第七管区海峡保安本部 (海上保安庁)