コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「藤原釜足」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m WP:BOTREQ: Category:東京都区部出身の人物新設に伴う貼り変え作業
320行目: 320行目:
[[Category:加藤家]]
[[Category:加藤家]]
[[Category:東京音楽大学出身の人物]]
[[Category:東京音楽大学出身の人物]]
[[Category:東京都出身の人物]]
[[Category:東京都区部出身の人物]]
[[Category:1905年生]]
[[Category:1905年生]]
[[Category:1985年没]]
[[Category:1985年没]]

2016年6月8日 (水) 04:39時点における版

ふじわら かまたり
藤原 釜足
藤原 釜足
本名 安惠 重男
別名義 藤原 鶏太
生年月日 (1905-01-15) 1905年1月15日
没年月日 (1985-12-21) 1985年12月21日(80歳没)
出生地 日本の旗 日本東京府東京市深川区
(現:東京都江東区
ジャンル 俳優
活動期間 1933年 - 1985年
活動内容 映画テレビドラマ
配偶者 沢村貞子
1936年 - 1946年
主な作品
映画
七人の侍
サザエさん』シリーズ
隠し砦の三悪人
悪い奴ほどよく眠る
セーラー服と機関銃 (映画)
テンプレートを表示

藤原 釜足(ふじわら かまたり、1905年1月15日 - 1985年12月21日)は、日本の俳優。本名は安惠 重男、戦時中の芸名は藤原 鶏太

実生活に根ざした芸風で知られた、黒澤明作品常連の名脇役[1]。女優の沢村貞子は元妻。他に安恵一夫、藤原秀臣という芸名も用いた。

来歴・人物

1905年1月15日東京市深川区(現東京都江東区)に生まれる。家業の印刷屋不振のため、10歳で麹町の菓子屋に奉公に出る。小学校卒業後14歳で静岡の材木会社に就職、1年後に帰京して薬剤師を目指すが、浅草オペラ全盛時代とあって、オペラ俳優に憧れ滝野川俳優養成所に入る。卒業後、浅草金龍館に出ていた黒木憲三に弟子入り。コーラスボーイとして舞台に立つかたわら、小柄で押し出しもきかぬことを自覚し、楽器を扱える役者を目指そうと東洋音楽学校に通い、ヴァイオリンを習う。

関東大震災等でオペラが衰退する中、川崎の映画館に楽士として入る。結婚し1男をもうけるが、妻を病で失う。その後旧知の榎本健一に誘われ、カジノ・フォーリーに参加する。この時、安惠一夫から藤原秀臣と名乗る。その後、プペ・ダンサントに参加。サトウ・ハチローよりアドバイス(でた家鎌足だ)を受けて、藤原釜足と改名。エノケン脱退後には主役級として活躍するも、1933年退座。映画俳優へ道を進む。

初の映画出演はP.C.L.の第1回作品『音楽喜劇 ほろよひ人生』。P.C.L.時代は主に三枚目を演じることが多かった。1938年の合併で東宝となった後も、準専属から戦後に専属俳優となり、約50年間に渡って東宝映画で活躍した。

戦時中、皇室の忠臣たる藤原鎌足をもじった芸名は不敬とされ、一時改名を余儀なくされた。

戦後は黒澤明作品の常連俳優の一人として活躍し、『生きる』の市民係長役、『七人の侍』の百姓役など計12本の黒澤作品に出演し、個性的な役を演じた。黒澤の『隠し砦の三悪人』で千秋実と演じた農民のコンビは、ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』に登場するC-3POR2-D2のモデルになった。また、戦前から『旅役者』などの成瀬巳喜男作品にも計17本出演している。そのほか『サザエさん』シリーズの磯野波平役、薬師丸ひろ子との共演が話題を呼んだ『セーラー服と機関銃』など、数多くの作品に出演した。

1936年沢村貞子と結婚するが、10年後に離婚している。

1981年勲四等瑞宝章1985年12月21日老衰で死去。80歳没。晩年は老衰と戦いながらの俳優生活だった。遺作はNHKドラマ『冬構え』(1985年)[2]

特に、藤原の演技で伝説的に語られているのが『七人の侍』における百姓の万造役である。当時から「黒澤天皇」と呼ばれ、役者やスタッフ陣から恐れられていた黒澤の演技指導を受けた藤原は、その指導とは正反対の飄々としたコミカルな老人を演じたため、当然の如く黒澤は怒り再び演技指導を行う。藤原も「わかりました」と答えるが、いざカメラが回るとまた同じようなコミカルな役柄を演じ続けた。黒澤はその都度、怒りまくしたてたが、藤原は頑なにその演技を止めず(周囲は藤原はボケたのか? と心配したらしい)、とうとう天下の黒澤が折れてその演技にOKを出した。 後日、ラッシュを見た黒澤およびスタッフは「藤原さんの演技が正しかった。話のメリハリが深まった。」と感動し、藤原に詫びた[3]

出演歴

映画

秀子の車掌さん』(1941年)左は高峰秀子

太字はキネマ旬報ベストテンにランクインした作品
★印は黒澤明監督作品。

テレビドラマ

  • 夫婦百景(NTV)
    • 第56話「無茶苦茶爺さんとおばあさん」(1959年)
    • 第78話「読心女房とその夫」(1959年)
    • 第92話「埋れ木夫婦」(1960年)
    • 第231・232話「女房馬鹿」(1962年)
    • 第252話「実のり夫婦」(1963年)
    • 第275話「暮しの設計」(1963年)
    • 第348話「馬鹿婆あ」(1965年)
  • 東芝土曜劇場(CX)
    • 第16話「姉妹」(1959年)
    • 第49話「百十一万分の一」(1960年)
    • 第98話「いくじなし」(1961年) - 峰村
    • 第112話「渇いた牙」(1961年)
    • 第160話「仲のいい死体」(1962年)
  • 松本清張シリーズ・黒い断層 / 張込み(1960年、KR
  • 東レサンデーステージ(NTV)
    • 第31話「ぎんの一生」(1961年) - 呉服屋
    • 第59話「敵」(1961年) - 森部隊長
  • 第23話「裏長屋物語」(1961年、CX)
  • 松本清張シリーズ・黒の組曲 / 駅路(1962年、NHK
  • 東芝日曜劇場TBS
    • 第308話「煙の王様」(1962年)
    • 第380話「春の人」(1964年)
    • 第403話「嫁さん」(1964年)
    • 第698話「花は虹、柳は緑」(1970年)
    • 第947話「ああ!新世界」(1975年)
  • 日本映画名作ドラマ / 貸間あり(1963年、NET)
  • 青春とはなんだ(1965年、NTV
  • 宮本武蔵(1965年 - 1966年、NTV)
  • 氷点(1966年、NET
  • 遊撃戦 第2話「砂の英雄」(1966年、NTV)
  • 木下恵介アワー / 記念樹(1966年、TBS) - 福祉事務所の職員
  • 三匹の侍 第4シリーズ 第16話「秘宝」(1967年、CX)
  • 剣(NTV)
    • 第1話「天下一の剣豪」(1967年) - 小室庄兵衛
    • 第2話「山犬ともぐら」(1967年)
    • 第3話「刀狩り」(1967年)
    • 第5話「蝉時雨」(1967年)
    • 第7話「待伏せ」(1967年) - 茶屋の亭主
    • 第8話「夕映え侍」(1967年) - 千波竜右衛門
    • 第10話「鷺と鳥」(1967年) - 名主茂左衛門
    • 第11話「灯」(1967年)
    • 第13話「追分の風来坊」(1967年)
    • 第29話「慶安太平記異聞」(1967年)
  • 俺は用心棒 第24話「拾った道」(1967年、NET) - 茂兵ヱ
  • 二十四の瞳(1967年、NET)
  • 37階の男 第15話「穴倉のメロディ」(1968年、NTV)
  • 東京バイパス指令 第30話「狂った銃弾」(1969年、NTV)
  • 風の中を行く(1969年、NTV) - 教頭
  • 恋愛術入門 第1話 「手も足もでない恋」(1970年、TBS) -敬三
  • 柳生十兵衛 第25話「うらなり武士道」(1971年、CX) - 国兵衛
  • ハレンチ学園 第21話「校長が帰って来た! 」(1971年、12ch) - 校長先生
  • おれは男だ! 第4話「伊豆山寺に全員集合! 」(1971年、NTV) - 石黒竜海和尚
  • 徳川おんな絵巻 第42話「怨霊おはぐろどぶ」・第43話「呪いの剃刀」(1971年、KTV) - 竹造
  • 特別機動捜査隊(NET)
    • 第496話「闇の中」(1971年) - 信吉
    • 第515話「私は許せない」(1971年)
  • 日本の嫁シリーズ / 嫁ふたり(1972年、NET) - 伊集院嘉兵衛
  • 水戸黄門(TBS / C.A.L)
    • 第3部 第26話「肥後の競い馬 -熊本-」(1972年5月22日) - 寅三
    • 第4部 第26話「黄金の誘惑 -白石-」(1973年7月16日) - 木地屋五兵衛
    • 第7部 第28話「ひょうろく玉の仇討ち -諏訪-」(1976年11月29日) - 惣助
  • 必殺シリーズABC
    • 必殺仕掛人 第22話「大荷物小荷物仕掛の手伝い」(1973年) - カニの七兵衛
    • 新・必殺仕置人 第33話「幽霊無用」(1977年) - 御船蔵番人・宇津木和市
  • アイフル大作戦 第12話「美女と散歩するガイ骨」(1973年、TBS)
  • 銭形平次 第379話「雪の日の記憶」(1973年、CX) - 茂兵ヱ
  • 旅人異三郎 第9話「二つの心が木曽路に誓った」(1973年、12CH) - 義助
  • 赤ひげ 第46話「駆込み訴え」(1973年、NHK)
  • どっこい大作 第39話「若者よ! 大志をいだけ!!」(1973年、NET) - 並木大五郎
  • ぶらり信兵衛 道場破り(1974年、CX) - 重助 (第27話より)
  • 丹下左膳(1974年、NTV) ※高橋幸治
  • 荒野の素浪人 第2シリーズ 第8話「野良犬無残」(1974年、NET) - 彦造
  • 走れ!ケー100 第50話「おじいちゃんの軽便鉄道」(1974年、TBS) - おじいちゃん
  • 座頭市物語 第4話「縛られ観音ゆきずり旅」(1974年、CX) - 喜助
  • ふりむくな鶴吉 第11話「風ぐるま」(1974年、NHK)
  • 剣と風と子守唄 第5話「喰われた献上馬」(1975年、NTV) - 弥作
  • 俺たちの勲章 第14話「雨に消えた」(1975年、NTV)
  • 非情のライセンス 第2シリーズ 第48話「兇悪なすずらんの女」(1975年、NET) - 久地武吉
  • 俺たちの旅 第4話「男の友情は哀しいのです」(1975年、NTV) - 溶接工員
  • 紅い花(1976年、NHK) - 編集長
  • 超神ビビューン 第9話「ズシーンがとける? 魔壷の呪い」(1976年、NET) - 陶芸家・藤原作ヱ門
  • 大岡越前(TBS / C.A.L
    • 第3部 第29話「ギヤマンの謎」(1973年1月1日) - 茂助
    • 第5部 第17話「帰って来た木鼠小僧」(1978年5月29日) - 甚兵衛
  • 破れ奉行(1977年、ANB) - 筆頭同心・石川新兵衛
  • 男たちの旅路 第3部 第1話「シルバー・シート」(1977年、NHK) - 須田
  • 特捜最前線 第55話「アリバイ・駆けこんで来た女!」(1978年、ANB)
  • 森村誠一シリーズ / 人間の証明(1978年、MBS) - 女将の舅
  • 横溝正史シリーズII / 真珠郎(1978年、MBS) - 音蔵
  • 銀河テレビ小説 / 焚火(1979年、NHK)
  • 連続テレビ小説 / 鮎のうた(1979年、NHK)
  • 俺はあばれはっちゃく (1979年)
  • 御宿かわせみ 第13話「女難剣難」(1981年、NHK)
  • 関ヶ原(1981年、TBS) - 日野屋主人
  • 旅がらす事件帖 第19話「道中奉行を殺せ!」(1981年、KTV) - 住職
  • 西武スペシャル / 隣りの女(1981年、TBS)
  • ポーツマスの旗(1981年、NHK)
  • 冬構え(1985年、NHK) ※遺作

バラエティー番組

脚注

  1. ^ 芸能人物事典 明治/大正/昭和(日外アソシエーツ ISBN 4-8169-1513-3)511ページ
  2. ^ ドラマスペシャル 冬構え - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  3. ^ 黒澤明、野上照代著「七人の侍」創作ノートより

外部リンク