「スラムドッグ$ミリオネア」の版間の差分
編集の要約なし |
|||
25行目: | 25行目: | ||
|次作= |
|次作= |
||
}} |
}} |
||
『'''スラムドッグ$ミリオネア'''』(原題: ''Slumdog Millionaire'')は、[[2008年の映画|2008年]]の[[イギリスの映画|イギリス映画]]。[[インド]]人[[外交官]]の[[ヴィカス・スワラップ]]<ref>当作品公開後の[[2009年]][[8月]]から、在大阪神戸インド総[[領事館]]に総領事として赴任している。[http://web.archive.org/web/20120323105722/http://www.oeff.jp/article2112.html 大阪ヨーロッパ映画祭公式ホームページ](2012年3月23日時点の[[インターネット |
『'''スラムドッグ$ミリオネア'''』(原題: ''Slumdog Millionaire'')は、[[2008年の映画|2008年]]の[[イギリスの映画|イギリス映画]]。[[インド]]人[[外交官]]の[[ヴィカス・スワラップ]]<ref>当作品公開後の[[2009年]][[8月]]から、在大阪神戸インド総[[領事館]]に総領事として赴任している。[http://web.archive.org/web/20120323105722/http://www.oeff.jp/article2112.html 大阪ヨーロッパ映画祭公式ホームページ](2012年3月23日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>の小説『[[ぼくと1ルピーの神様]]』([[ランダムハウス講談社]])を[[ダニー・ボイル]]が映画化。 |
||
第33回[[トロント国際映画祭]]観客賞、[[第66回ゴールデングローブ賞]][[ゴールデングローブ賞 作品賞 (ドラマ部門)|作品賞(ドラマ部門)]]、第62回[[英国アカデミー賞]]作品賞受賞。[[第81回アカデミー賞]]では[[アカデミー作品賞|作品賞]]を含む8部門を受賞した。 |
第33回[[トロント国際映画祭]]観客賞、[[第66回ゴールデングローブ賞]][[ゴールデングローブ賞 作品賞 (ドラマ部門)|作品賞(ドラマ部門)]]、第62回[[英国アカデミー賞]]作品賞受賞。[[第81回アカデミー賞]]では[[アカデミー作品賞|作品賞]]を含む8部門を受賞した。 |
2017年9月4日 (月) 16:01時点における版
スラムドッグ$ミリオネア | |
---|---|
Slumdog Millionaire | |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | サイモン・ビューフォイ |
原作 |
ヴィカス・スワラップ 『ぼくと1ルピーの神様』 |
製作 | クリスチャン・コルソン |
製作総指揮 |
テッサ・ロス ポール・スミス |
出演者 |
デーヴ・パテール マドゥル・ミッタル フリーダ・ピントー アニル・カプール イルファーン・カーン |
音楽 | A.R.ラフマーン |
撮影 | アンソニー・ドッド・マントル |
編集 | クリス・ディケンズ |
配給 |
フォックス・サーチライト パテ ギャガ |
公開 |
2008年11月12日(限定) 2008年12月26日(拡大) 2009年4月18日 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | イギリス |
言語 |
英語 ヒンディー語 |
製作費 | 1500万$[1] |
興行収入 | $376,410,808[1] |
『スラムドッグ$ミリオネア』(原題: Slumdog Millionaire)は、2008年のイギリス映画。インド人外交官のヴィカス・スワラップ[2]の小説『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社)をダニー・ボイルが映画化。
第33回トロント国際映画祭観客賞、第66回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)、第62回英国アカデミー賞作品賞受賞。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞した。
ストーリー
インドの大都市ムンバイの中にあるスラム、ダーラーヴィー地区(Dharavi)で生まれ育った少年ジャマールは、テレビの人気クイズ番組『コウン・バネーガー・カロールパティ』("Kaun Banega Crorepati"、原題は『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』、日本版は『クイズ$ミリオネア』)に出演する。
そこでジャマールは数々の問題を正解していき、ついに最後の1問にまで到達した。しかし、無学であるはずの彼がクイズに勝ち進んでいったために、不正の疑いがかけられ、警察に連行されてしまう。そこで彼は生い立ちとその背景を語る。
キャスト
役名:俳優(ソフト版日本語吹き替え)
- ジャマール・マリク:デーヴ・パテール(小松史法)
- ジャマール(幼少期):アーユシュ・マヘーシュ・ケーデーカル
- ジャマール(少年期):タナイ・チェーダー
- サリーム・マリク:マドゥル・ミッタル(小野塚貴志)
- サリーム(幼少期):アズハルッディーン・モハンマド・イスマーイール
- サリーム(少年期):アーシュトーシュ・ローボー・ガージーワーラー
- ラティカー:フリーダ・ピントー(伊藤静)
- ラティカー(幼少期):ルビーナー・アリー
- ラティカー(少女期):タンヴィー・ガネーシュ・ローンカル
- プレーム・クマール:アニル・カプール(辻親八)
- 警部:イルファーン・カーン(青山穣)
スタッフ
- 監督:ダニー・ボイル
- 製作:クリスチャン・コルソン
- 脚本:サイモン・ビューフォイ
- 撮影:アンソニー・ドッド・マントル
- 音楽:A.R.ラフマーン 他M.I.A、Tanvi Shan、Alka Yagnik らが参加
作品解説
原作との違い
映画版は原作と比べると、ストーリーが大幅に変わっている。
- 主人公の名前は原作ではラム・ムハンマド・トーマスとなっており、キリスト教徒、イスラム教徒、ヒンドゥー教徒の名前が全部入った名前となっている。
- 彼は孤児で兄は存在せずイギリス人神父に育てられた。
- 彼が半生を語る相手は警察ではなく、彼を警察から救出した女弁護士である。
- ラム・ムハンマド・トーマスが英語を流暢に話せるようになった経緯、列車強盗の話、往年の女優の家で働いた話などは映画版ではカットされている。
主な受賞
2008年
- トロント国際映画祭:観客賞
- オースティン映画祭:観客賞
- ボストン映画批評家協会賞:作品賞、編集賞
- 英国インディペンデント映画賞:英国作品賞、監督賞、新人俳優賞
- ダラス・フォートワース映画批評家協会賞:作品賞、監督賞
- デトロイト映画批評家協会賞:作品賞、監督賞
- フロリダ映画批評家協会賞:作品賞、監督賞、脚本賞
- ヒューストン映画批評家協会賞:監督賞、脚本賞
- ロサンゼルス映画批評家協会賞:監督賞、作曲賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:監督賞、ブレイクスルー俳優演技賞、脚本賞
- 全米映画批評家協会賞:撮影賞
- ニューヨーク映画批評家協会賞:撮影賞
- ニューヨーク映画批評家オンライン賞:作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、作曲賞
- オクラホマ映画批評家協会賞:作品賞、監督賞、脚本賞
- フェニックス映画批評家協会賞:作品賞、監督賞、編集賞、脚本賞、作曲賞、新人俳優賞
- サンディエゴ映画批評家協会賞:作品賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞
- サテライト賞:作品賞(ドラマ部門)、監督賞、作曲賞
- サウスイースタン映画批評家協会賞:監督賞、脚色賞
- セントルイス映画批評家協会賞:監督賞、外国語映画賞
- ワシントンD.C.映画批評家協会賞:作品賞、監督賞、ブレイクスルー演技賞、脚本賞
2009年
- 放送映画批評家協会賞:作品賞、監督賞、脚本賞、若手俳優賞(21歳以下の部)、作曲賞
- シカゴ映画批評家協会賞:監督賞、脚色賞、新人俳優賞
- ゴールデングローブ賞:作品賞 (ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、作曲賞
- 全米製作者組合賞:映画部門賞
- 全米映画俳優組合賞:アンサンブル演技賞
- 全米監督協会賞:映画部門賞
- 全米脚本家組合賞:脚色賞
- 英国アカデミー賞:作品賞、監督賞、脚色賞、音楽賞、撮影賞、音響賞、編集賞
- 全米録音監督組合賞:録音賞
- 全米撮影監督組合賞:撮影賞
- アメリカ映画編集者協会賞:編集賞(ドラマ部門)
- 全米美術監督組合賞:美術賞(現代映画部門)
- 全米衣装デザイナー組合賞:衣装デザイン賞(現代映画部門)
- アカデミー賞:作品賞、監督賞、歌曲賞、作曲賞、編集賞、録音賞、撮影賞、脚色賞
トラブル
出演料問題
この映画に出演した2人の子役ルビーナー・アリーとアズハルッディーン・イスマーイールの両親が「十分な出演料を受け取っていない」と発言[3][4]。両親によると2人の出演料はアズハルッディーンは年間1700ポンド(約24万円)、ルビーナーは年間500ポンド(約7万円)だという[3]。
これに対し製作側は「彼らの出演料は同地区の大人が受け取る平均年収の3倍[3]」としており、「彼らの教育費、生活費、医療費などをまかなうためのファンドもある[4]」と反論している。それに加え「高校卒業後にファンドとは別に10万ポンド(約1300万円)[5]が支給される[4][6]」としている。
このような方法を取ったのは「ギャラの一括支払で起こりうる様々なリスクに配慮したため[6]」と説明しており、子役の報酬を周囲の大人に搾取させないためだとみられている[7]。
その他
- クイズの第一問目の正解であるアミターブ・バッチャン は、実際のインド版クイズ・ミリオネアの初代司会者である。
- 恒例のダンスシーンは本編の途中ではなくラストシーンに続けて行われる。
人身売買疑惑
2009年4月19日、イギリスの大衆紙『ニュース・オブ・ザ・ワールド』は、ルビーナー・アリーの父親がアラブ人富豪に扮する記者に20万ポンド(約2900万円)で彼女の養子縁組を持ちかけたと報じた[8][9]。父親はこの疑惑を否定したが、別居中の母親が警察に訴えたため同日逮捕された[10]。しかし、人身売買を裏付ける証拠がなかったとして、23日、父親を起訴せず捜査は打ち切られた[11][12]。
出典
- ^ a b “Slumdog Millionaire (2008)”. Box Office Mojo. 2009年8月11日閲覧。
- ^ 当作品公開後の2009年8月から、在大阪神戸インド総領事館に総領事として赴任している。大阪ヨーロッパ映画祭公式ホームページ(2012年3月23日時点のアーカイブ)
- ^ a b c “Slumdog child stars miss out on the movie millions”. The Daily Telegraph. (2009年1月27日) 2009年4月26日閲覧。
- ^ a b c “『スラムドッグ』にトップランナーの洗礼?”. Variety Japan. (2009年1月31日). オリジナルの2009年2月1日時点におけるアーカイブ。 2009年4月26日閲覧。
- ^ “『スラムドッグ$ミリオネア』、子役2人は授賞式出席を見送り−アカデミー賞”. Web-Tab. (2009年2月17日) 2009年4月26日閲覧。
- ^ a b “『スラムドッグ』製作陣がムンバイの子どもに寄付”. Variety Japan. (2009年4月17日). オリジナルの2009年4月18日時点におけるアーカイブ。 2009年4月26日閲覧。
- ^ “「スラムドッグ」出演子役を父親が“売却”交渉、根深い貧困問題物語る。”. Narinari.com. (2009年4月20日) 2009年4月26日閲覧。
- ^ “Slumdog Millionaire star Rubina Ali who played Latika is offered for sale by dad Rafiq Qureshi to the News of the World's Fake Sheikh”. News of the World. (2009年4月19日). オリジナルの2009年4月20日時点におけるアーカイブ。 2009年4月27日閲覧。
- ^ “スラムドッグ子役を売買? 英大衆紙が印でおとり取材”. 共同通信. (2009年4月20日) 2009年4月27日閲覧。
- ^ “『スラムドッグ$ミリオネア』子役の父親逮捕、“人身売買”報道受け”. Web-Tab. (2009年4月21日) 2009年4月27日閲覧。
- ^ “「スラムドッグ」子役の父親、人身売買の証拠は出ず”. ロイター. (2009年4月23日) 2009年4月27日閲覧。
- ^ “『スラムドッグ』子役ヒロインの捜査打ち切り”. Variety Japan. (2009年4月24日). オリジナルの2009年4月26日時点におけるアーカイブ。 2009年4月27日閲覧。
関連項目
- フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア - 作中に登場する、イギリス発祥の世界的クイズ番組。
- クイズ$ミリオネア - 上記の日本版として、フジテレビ系列で制作・放映されているクイズ番組。映画のテレビ予告編では一部映像使用。また、ダニー・ボイル監督の来日記者会見では司会者のみのもんたもゲストとして招かれた。