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2020年3月25日 (水) 02:22時点における版

小池 滋(こいけ しげる、1931年7月15日- )は、日本の英文学者鉄道史研究家、東京都立大学 (1949-2011)名誉教授。ディケンズ

フェロウシップ日本支部・第2代支部長

経歴

東京出身、1953年東京大学文学部英文学科を卒業。1958年に同大学院博士課程満期退学、國學院大學講師、1959年東京都立大学講師、62年助教授、80年教授、1989年退官、名誉教授、東京女子大学文学部教授。2000年退任[1]

業績

英文学者として

特にチャールズ・ディケンズについての研究が多く、『オリヴァー・トゥイスト』などの訳書を出版している。またアーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ全集』や、19世紀ヴィクトリア女王時代に広く読まれた風刺画付き新聞「パンチ」の日本語訳も上梓している。文学以外でも、文藝春秋の「世界の都市の物語」シリーズでロンドンについての一巻を執筆し、紅茶文化などの解説書も手がけている。高尚かつ難解とされるシェイクスピアよりヴィクトリア朝当時の労働者や中産階級に広く親しまれたディケンズに関心を持ち、大衆文化への研究を深めている。

鉄道史研究家として

小池は幼少の頃から鉄道を愛好していたが、文学作品の背景にあるイギリスの文化に鉄道が深く関わっている事を知り、鉄道関連も自身の大きな研究対象になった。1979年に出版された『英国鉄道物語』では、19世紀のイギリスの鉄道に焦点を当て、その成立と発展について社会史・文化史からの分析を加えている。同書は高い評価を受け、翌年には毎日出版文化賞を受賞(他に日本シャーロック・ホームズ・クラブ長沼賞も受賞)、2006年に再版された。

また、イギリスで盛んな鉄道保存運動への知識も深く、自らも石川県廃線となった尾小屋鉄道の車両保存活動に参加している。

この他、小池は19世紀のイギリスの技術者、イザムバード・キングダム・ブルネルの研究会を発足させ、彼の顕彰活動にも力を入れている。2006年には日本機械学会と共催で生誕200年記念シンポジウムを開催した。

著作

  • 『幸せな旅人たち』南雲堂 1962
  • 『ロンドン ほんの百年前の物語』中公新書 1978
  • 『ディケンズ 19世紀信号手』冬樹社 1979
  • 『英国鉄道物語』晶文社、1979、新版2006
  • 『欧米汽車物語』角川選書 1982、オンデマンド版2009
  • 『ディケンズとともに』晶文社 1983
  • 『島国の世紀 ヴィクトリア朝英国と日本』文藝春秋 1987
  • 『絵入り鉄道世界旅行』鈴木伸一絵 晶文社 1990
  • 『もうひとつのイギリス史 野と町の物語』中公新書 1991
  • 『鉄道ばんざい』青蛙房 1992、「余はいかにして鉄道愛好者となりしか」ウェッジ文庫 2007
  • 『ロンドン 世界の都市の物語』文藝春秋 1992、文春文庫 1999
  • 『英国流立身出世と教育』岩波新書 1992
  • 『チャールズ・ディケンズ』沖積舎 1993
  • 『鏡よ、鏡よ イギリス文学人物事典』筑摩書房 1995
  • 『鉄道ゲージ戦争』岩波書店 1995
  • 『じょっぱり先生の鉄道旅行』文藝春秋 1996
  • 『イギリス鈍行列車の旅』NTT出版 1996
  • 『ゴシック小説をよむ』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉 1999
  • 『「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか 日本文学の中の鉄道をめぐる8つの謎』早川書房 2001、新潮文庫 2008
  • 『イギリス文学探訪』日本放送出版協会・シリーズ カルチャーアワー 2003、NHKライブラリー 2006
  • 『スペイン・ポルトガル文学探訪』日本放送出版協会・シリーズ カルチャーアワー 2003
  • 『英国らしさを知る事典』東京堂出版 2003
  • 『鉄道愛 日本篇』晶文社 2005

共編著

翻訳

テレビ出演

論文

脚注

  1. ^ 『現代日本人名録』2002年