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「名探偵コナン 純黒の悪夢」の版間の差分

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原作や[[名探偵コナン (アニメ)|アニメ]]では[[黒の組織]]と[[FBI (名探偵コナン)|FBI]]が{{読み仮名|対峙|たいじ}}するのは定番だが、劇場版でこの2組がともに作品に関与して対峙することは初めてとなる。また、[[名探偵コナンの登場人物#CIA|CIA]]や[[名探偵コナンの登場人物#警視庁|公安警察]]も初めて劇場版に関与する。
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それぞれ[[黒の組織#バーボン|バーボン]]と[[黒の組織#キール|キール]]のコードネームで黒の組織へ[[身分秘匿捜査|潜入捜査]]を行なっている[[公安警察]]の[[名探偵コナンの登場人物#安室透|安室透(降谷零)]]と[[中央情報局|CIA]]の[[名探偵コナンの登場人物#本堂瑛海|水無怜奈(本堂瑛海)]]が劇場版初登場となる。[[連邦捜査局|FBI]]の[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一]]はすでに前々作の『[[名探偵コナン 異次元の狙撃手|異次元の狙撃手]]』で登場してはいるが、当時は回想シーンや声のみだったため<ref group="注">赤井本人も[[名探偵コナンの登場人物#沖矢昴|沖矢昴]]として変装した姿で登場しているが、その時点で正体が完全には判明しておらずに別人扱いだったため、ここでは除外する。</ref>、こちらも初の本格的な劇場版登場となる。赤井と安室は、本作ではストーリーの中心人物として活躍する。また、明確な姿や影は描かれず変声機を通したような声のみではあるが、これまで原作とアニメの双方において謎に包まれていた、黒の組織のナンバー2にあたる[[黒の組織#ラム|ラム]]も初登場する。さらに、原作とテレビアニメでも故人として描写されていた元・[[警視庁]][[捜査一課]]の刑事だった[[名探偵コナンの登場人物#松田陣平|松田陣平]]も、回想シーンにて初登場している<ref group="注">ただし、台詞は無い。</ref>。赤井と同じくFBI捜査官で日本で活動している[[FBI (名探偵コナン)#ジョディ・スターリング|ジョディ・スターリング]]、[[FBI (名探偵コナン)#ジェイムズ・ブラック|ジェイムズ・ブラック]]、[[FBI (名探偵コナン)#アンドレ・キャメル|アンドレ・キャメル]]の3名は、赤井同様に『異次元の狙撃手』以来2年ぶりの登場となるが、ジェイムズの声は[[2014年]][[9月30日]]に[[家弓家正]]が死去したため本作から後任として[[土師孝也]]が担当し、テレビシリーズに先駆けての出演となった。前作『[[名探偵コナン 業火の向日葵|業火の向日葵]]』に続いて[[白鳥任三郎|白鳥警部]]が登場しておらず、2作続けて登場しないのも初である。
それぞれ[[黒の組織#バーボン|バーボン]]と[[黒の組織#キール|キール]]のコードネームで黒の組織へ[[身分秘匿捜査|潜入捜査]]を行なっている[[公安警察]]の[[安室透|安室透(降谷零)]]と[[中央情報局|CIA]]の[[名探偵コナンの登場人物#本堂瑛海|水無怜奈(本堂瑛海)]]が劇場版初登場となる。[[連邦捜査局|FBI]]の[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一]]はすでに前々作の『[[名探偵コナン 異次元の狙撃手|異次元の狙撃手]]』で登場してはいるが、当時は回想シーンや声のみだったため<ref group="注">赤井本人も[[名探偵コナンの登場人物#沖矢昴|沖矢昴]]として変装した姿で登場しているが、その時点で正体が完全には判明しておらずに別人扱いだったため、ここでは除外する。</ref>、こちらも初の本格的な劇場版登場となる。赤井と安室は、本作ではストーリーの中心人物として活躍する。また、明確な姿や影は描かれず変声機を通したような声のみではあるが、これまで原作とアニメの双方において謎に包まれていた、黒の組織のナンバー2にあたる[[黒の組織#ラム|ラム]]も初登場する。さらに、原作とテレビアニメでも故人として描写されていた元・[[警視庁]][[捜査一課]]の刑事だった[[名探偵コナンの登場人物#松田陣平|松田陣平]]も、回想シーンにて初登場している<ref group="注">ただし、台詞は無い。</ref>。赤井と同じくFBI捜査官で日本で活動している[[FBI (名探偵コナン)#ジョディ・スターリング|ジョディ・スターリング]]、[[FBI (名探偵コナン)#ジェイムズ・ブラック|ジェイムズ・ブラック]]、[[FBI (名探偵コナン)#アンドレ・キャメル|アンドレ・キャメル]]の3名は、赤井同様に『異次元の狙撃手』以来2年ぶりの登場となるが、ジェイムズの声は[[2014年]][[9月30日]]に[[家弓家正]]が死去したため本作から後任として[[土師孝也]]が担当し、テレビシリーズに先駆けての出演となった。前作『[[名探偵コナン 業火の向日葵|業火の向日葵]]』に続いて[[白鳥任三郎|白鳥警部]]が登場しておらず、2作続けて登場しないのも初である。


本作は従来のシリーズに比べてアクションの要素がかなり多く、推理要素は少なくなっている。また、エピローグは例年の笑いを誘う内容ではなく、第13作『[[名探偵コナン 漆黒の追跡者|漆黒の追跡者]]』以来シリアスな内容で締められている。
本作は従来のシリーズに比べてアクションの要素がかなり多く、推理要素は少なくなっている。また、エピローグは例年の笑いを誘う内容ではなく、第13作『[[名探偵コナン 漆黒の追跡者|漆黒の追跡者]]』以来シリアスな内容で締められている。
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== ストーリー ==
== ストーリー ==
ある日の夜、[[警察庁]]内に何者かが侵入し機密データを閲覧していた。これを察知した[[名探偵コナンの登場人物#安室透|安室透]]や[[#公安警察|風見裕也]]ら[[公安警察]]は侵入した女と対峙するも、警察庁内から逃げられてしまう。車で逃走する女を追う安室、そして[[FBI (名探偵コナン)|FBI]]の[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一]]を加えた三者による[[カーチェイス]]が繰り広げられる。女は逃げながらも「[[スパイ|ノック]]<ref group="注">{{仮リンク|ノンオフィシャルカバー|label=Non Official Cover|en|Non-official cover}}の頭文字を取った略語「NOC」のことで、民間人を装った非公式な立場の秘密諜報員を指す隠語である。</ref>は[[黒の組織#スタウト|スタウト]]、[[黒の組織#アクアビット|アクアビット]]、[[黒の組織#リースリング|リースリング]]。あなたが気にしていた[[黒の組織#キール|キール]]、[[黒の組織#バーボン|バーボン]]」との[[電子メール|メール]]を誰かに送信していた。赤井は女の進路を先読みして車のタイヤを撃ち抜き、橋から落下させて爆発に至らせるが、捕縛するには至らなかった。一方、[[カーチェイス]]から命からがら逃げのびた女は、東都水族館の多色ライトを目撃すると同時に頭をおさえて苦しみだし、気を失う。
ある日の夜、[[警察庁]]内に何者かが侵入し機密データを閲覧していた。これを察知した[[安室透]]や[[#公安警察|風見裕也]]ら[[公安警察]]は侵入した女と対峙するも、警察庁内から逃げられてしまう。車で逃走する女を追う安室、そして[[FBI (名探偵コナン)|FBI]]の[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一]]を加えた三者による[[カーチェイス]]が繰り広げられる。女は逃げながらも「[[スパイ|ノック]]<ref group="注">{{仮リンク|ノンオフィシャルカバー|label=Non Official Cover|en|Non-official cover}}の頭文字を取った略語「NOC」のことで、民間人を装った非公式な立場の秘密諜報員を指す隠語である。</ref>は[[黒の組織#スタウト|スタウト]]、[[黒の組織#アクアビット|アクアビット]]、[[黒の組織#リースリング|リースリング]]。あなたが気にしていた[[黒の組織#キール|キール]]、[[黒の組織#バーボン|バーボン]]」との[[電子メール|メール]]を誰かに送信していた。赤井は女の進路を先読みして車のタイヤを撃ち抜き、橋から落下させて爆発に至らせるが、捕縛するには至らなかった。一方、[[カーチェイス]]から命からがら逃げのびた女は、東都水族館の多色ライトを目撃すると同時に頭をおさえて苦しみだし、気を失う。


翌朝、謎の爆発事件がニュースで報道される中、[[江戸川コナン|コナン]]と[[少年探偵団 (名探偵コナン)|少年探偵団]]一行はリニューアルオープンの日を迎えた東都水族館を訪れていた。コナンたちはそこで、記憶を失った[[虹彩異色症|オッドアイ]]の女に遭遇する。コナンは[[ガソリン]]の臭いや割れた車のフロント[[ガラス]]の破片などから昨夜の爆発事件との関連を疑い、警察に連絡を取ろうとするも記憶を失った女に拒否されてしまう。そこで彼女を知る人物を探すため東都水族館で情報収集を開始する少年探偵団であったが、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#吉田歩美|歩美]]、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#円谷光彦|光彦]]、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#小嶋元太|元太]]の3人は[[捜査]]もそっちのけでダーツなどして謎の女と遊び、一方でコナンは[[毛利蘭|蘭]]や警察に記憶喪失の女のことを伝える。
翌朝、謎の爆発事件がニュースで報道される中、[[江戸川コナン|コナン]]と[[少年探偵団 (名探偵コナン)|少年探偵団]]一行はリニューアルオープンの日を迎えた東都水族館を訪れていた。コナンたちはそこで、記憶を失った[[虹彩異色症|オッドアイ]]の女に遭遇する。コナンは[[ガソリン]]の臭いや割れた車のフロント[[ガラス]]の破片などから昨夜の爆発事件との関連を疑い、警察に連絡を取ろうとするも記憶を失った女に拒否されてしまう。そこで彼女を知る人物を探すため東都水族館で情報収集を開始する少年探偵団であったが、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#吉田歩美|歩美]]、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#円谷光彦|光彦]]、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#小嶋元太|元太]]の3人は[[捜査]]もそっちのけでダーツなどして謎の女と遊び、一方でコナンは[[毛利蘭|蘭]]や警察に記憶喪失の女のことを伝える。
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: 本作のキーパーソンで、新一に匹敵する推理力を持つアメリカの[[連邦捜査局|連邦捜査局(FBI)]]捜査官。凄腕の狙撃手であり、[[截拳道]]の達人でもある。かつて黒の組織への潜入捜査を行っていたが、キャメルのミスにより[[スパイ]]であることが露見したため、FBIへ戻った。ある事件で殺害されたと思われていたが、新一の母・[[名探偵コナンの登場人物#工藤有希子|工藤有希子]](くどう ゆきこ)と阿笠博士による協力のもと、大学院生の「'''[[FBI (名探偵コナン)#沖矢昴|沖矢 昴]]'''(おきや すばる)」という架空の人物に成り済まし、工藤邸に居候している<ref group="注">本作に昴としての登場は無い。なお、テレビアニメなどで昴としての声を担当しているのは、赤井役の池田ではなく[[置鮎龍太郎]]である。</ref>。コナンには伝えていないが、その正体を密かに新一と知る数少ない人物の1人。
: 本作のキーパーソンで、新一に匹敵する推理力を持つアメリカの[[連邦捜査局|連邦捜査局(FBI)]]捜査官。凄腕の狙撃手であり、[[截拳道]]の達人でもある。かつて黒の組織への潜入捜査を行っていたが、キャメルのミスにより[[スパイ]]であることが露見したため、FBIへ戻った。ある事件で殺害されたと思われていたが、新一の母・[[名探偵コナンの登場人物#工藤有希子|工藤有希子]](くどう ゆきこ)と阿笠博士による協力のもと、大学院生の「'''[[FBI (名探偵コナン)#沖矢昴|沖矢 昴]]'''(おきや すばる)」という架空の人物に成り済まし、工藤邸に居候している<ref group="注">本作に昴としての登場は無い。なお、テレビアニメなどで昴としての声を担当しているのは、赤井役の池田ではなく[[置鮎龍太郎]]である。</ref>。コナンには伝えていないが、その正体を密かに新一と知る数少ない人物の1人。
: 使用している車は[[シェルビー・マスタング|シェルビー GT-500]]。
: 使用している車は[[シェルビー・マスタング|シェルビー GT-500]]。
; [[名探偵コナンの登場人物#安室透|安室 透 / バーボン]](あむろ とおる / バーボン)
; [[安室透|安室 透 / バーボン]](あむろ とおる / バーボン)
: 声 - [[古谷徹]]
: 声 - [[古谷徹]]
: 本作のキーパーソンで、本名は'''降谷 零'''(ふるや れい) 。[[警察庁]][[警備局]]警備企画課([[チヨダ (警察)|ゼロ]])の公安警察捜査官。黒の組織に[[身分秘匿捜査|潜入捜査]]して「'''[[黒の組織#バーボン|バーボン]]'''(Bourbon)」のコードネームを与えられており、3つの名前を使い分けている。
: 本作のキーパーソンで、本名は'''降谷 零'''(ふるや れい) 。[[警察庁]][[警備局]]警備企画課([[チヨダ (警察)|ゼロ]])の公安警察捜査官。黒の組織に[[身分秘匿捜査|潜入捜査]]して「'''[[黒の組織#バーボン|バーボン]]'''(Bourbon)」のコードネームを与えられており、3つの名前を使い分けている。

2021年4月20日 (火) 10:36時点における版

名探偵コナン 純黒の悪夢
Detective Conan
The Darkest Nightmare
監督 静野孔文
脚本 櫻井武晴
原作 青山剛昌
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
小山力也
池田秀一
古谷徹
林原めぐみ
山口勝平
緒方賢一
松井菜桜子
茶風林
岩居由希子
高木渉
大谷育江
天海祐希
音楽 大野克夫
主題歌 B'z世界はあなたの色になる[1]
撮影 西山仁
編集 岡田輝満
制作会社 TMS / V1 Studio
製作会社 小学館
読売テレビ
日本テレビ
ShoPro
東宝
トムス・エンタテインメント
配給 東宝
公開 日本の旗 2016年4月16日
シンガポールの旗マレーシアの旗 2016年7月7日
中華民国の旗 2016年7月29日
大韓民国の旗 2016年8月3日
ベトナムの旗 2016年8月5日
インドネシアの旗 2016年8月24日
香港の旗 2016年9月15日
タイ王国の旗 2016年10月13日
中華人民共和国の旗 2016年11月25日
上映時間 112分[2]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 63.3億円[3][4][5][6][7]
前作 名探偵コナン 業火の向日葵
次作 名探偵コナン から紅の恋歌
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名探偵コナン 純黒の悪夢』(めいたんていコナン じゅんこくのナイトメア)は、2016年4月16日に公開されたアニメ映画で、劇場版『名探偵コナン』シリーズの20作目にあたる。上映時間は112分[2]。劇場版『名探偵コナン』の20周年記念作品であり、興行収入は前作から20億円近く上乗せし63億3,000万円を記録している。キャッチコピーは、「黒に染まれ」「ダブルフェイスはここまでだ」「暴かれるダブルフェイス」「暴かれたダブルフェイス!宿命が導く、頂上決戦(バトルロイヤル)ミステリー!!」。

2018年2月10日には4DX/MX4D版も公開された。

概要

沿革

原作やアニメでは黒の組織FBI対峙たいじするのは定番だが、劇場版でこの2組がともに作品に関与して対峙することは初めてとなる。また、CIA公安警察も初めて劇場版に関与する。

それぞれバーボンキールのコードネームで黒の組織へ潜入捜査を行なっている公安警察安室透(降谷零)CIA水無怜奈(本堂瑛海)が劇場版初登場となる。FBI赤井秀一はすでに前々作の『異次元の狙撃手』で登場してはいるが、当時は回想シーンや声のみだったため[注 1]、こちらも初の本格的な劇場版登場となる。赤井と安室は、本作ではストーリーの中心人物として活躍する。また、明確な姿や影は描かれず変声機を通したような声のみではあるが、これまで原作とアニメの双方において謎に包まれていた、黒の組織のナンバー2にあたるラムも初登場する。さらに、原作とテレビアニメでも故人として描写されていた元・警視庁捜査一課の刑事だった松田陣平も、回想シーンにて初登場している[注 2]。赤井と同じくFBI捜査官で日本で活動しているジョディ・スターリングジェイムズ・ブラックアンドレ・キャメルの3名は、赤井同様に『異次元の狙撃手』以来2年ぶりの登場となるが、ジェイムズの声は2014年9月30日家弓家正が死去したため本作から後任として土師孝也が担当し、テレビシリーズに先駆けての出演となった。前作『業火の向日葵』に続いて白鳥警部が登場しておらず、2作続けて登場しないのも初である。

本作は従来のシリーズに比べてアクションの要素がかなり多く、推理要素は少なくなっている。また、エピローグは例年の笑いを誘う内容ではなく、第13作『漆黒の追跡者』以来シリアスな内容で締められている。

本作からオープニング映像が一新されており、片目で見ると3Dのように立体化する施工になった。内容も以下の通りに変更されている。新一がAPTX4869によってコナンになるまでの経緯や、灰原の紹介などが新規作画で描かれている[注 3]が、きちんと経緯を流していたそれまでの作品と比べて流れる時間は極端に短く、CGの中で断片的に数秒間流す程度になった。劇場版に初登場となる安室透と水無怜奈、FBIも紹介されているが、博士のアイテムの紹介などは省略されている。また、この紹介の中で降谷零が警察庁警備局警備企画課(ゼロ)の所属である事が、原作やアニメに先立って明言された。演出では、新一がコナンになった経緯と、灰原の紹介では、レンガもしくはパズルのピースを背景に、1カットずつ映像が挿入され、カットが変わるごとに映像が白黒になった。また、工藤新一、江戸川コナン、監督のクレジットなどが表示される際、過去の劇場版のタイトルの1文字が様々に組み込まれている。オープニングで大幅に演出が変わったのは第11作『紺碧の棺』以来9年ぶりとなる。本作と次作『から紅の恋歌』では、オープニングでの声の出演のテロップはコナン役の高山みなみに続いて、灰原役の林原めぐみが表示されている。

エンドロールにて、第17作『絶海の探偵』以来3年ぶりに事件後の様子が描かれており、前作に引き続きコナンの目は登場しない。また、終盤ではチーフプロデューサーとして2011年7月までの15年7か月間シリーズに携わり、2016年1月14日に逝去した吉岡昌仁が追悼されている。

本作では劇場版シリーズ初の試みとして入場者プレゼントが用意され、過去の劇場版作品の中から1本が無料で視聴できるシリアルコード付きのカードである「青山剛昌からの純黒の感謝状!」が全国先着400万人に配布された[8]

劇場版シリーズの定番となっているエンディング後の次回作の予告が今作でも放映された。エンディングの後、満月と紅葉の落葉を背景に、服部平次の声[9][10]で「しのぶれど…ちゅうワケか」というセリフとともに[注 4]、次回作の製作が決定したという旨の字幕による予告が流れた。明らかになったのは2017年春に公開予定との情報のみで作品名や内容は明らかになっていなかったが、のちに『から紅の恋歌』であると明らかになった。

2016年10月24日からは東京・池袋HUMAXシネマズにて、「大応援上映会」が開催された。これはいわゆる応援上映の形式であり、当映画シリーズでは初めての実施であった。本作以降、毎年実施されるようになっている。

2018年2月10日にはシリーズ初となる4DX/MX4D版が期間限定で公開された。上映の際は当時『ゼロの執行人』公開を控えていたことを踏まえ、江戸川コナン役の高山みなみと安室透役の古谷徹らのサイン入り『ゼロの執行人』オリジナルポストカードが入場者先着で配布された。また、本編上映後には、同作のメインとなった安室透によるメッセージ映像が追加されている[11]

近年のシリーズの他作品と同様に、本作も小学館ジュニア文庫から2016年4月14日に小説版が発売された[12]

製作状況

プロデューサーの諏訪道彦によれば、レギュラー陣のアフレコの総時間は13時間17分、当日の参加声優は40人にもおよんだ。本作の中心人物である赤井と安室を演じた池田と古谷によるシーンが本作の一番の見どころといい、ゲスト声優の天海も監督の静野孔文音響監督浦上靖之浦上慶子らと会話しながら4時間半をかけてアフレコに参加したという[13]

こうして完成した本作は、2016年3月31日調布東京現像所にて初号試写、同年4月2日に日本全国にて小学館連合試写会をそれぞれ迎えた[14]

監督の静野孔文は「作画的に弱くなりがちなシーン」の原画も担当しており、作中でオスプレイの射撃によって観覧車ネオンサインが割れていくシーンの破壊効果を担当したそうである[15]

劇中の観覧車はイギリスロンドン・アイがモデルとなっている[16][17][18]ほか、赤井と安室の格闘シーンはジークンドーの使い手とボクサーに依頼し、足場のない設定で擬似戦を行なってもらった動画を参考に描かれている[19]

ストーリー

ある日の夜、警察庁内に何者かが侵入し機密データを閲覧していた。これを察知した安室透風見裕也公安警察は侵入した女と対峙するも、警察庁内から逃げられてしまう。車で逃走する女を追う安室、そしてFBI赤井秀一を加えた三者によるカーチェイスが繰り広げられる。女は逃げながらも「ノック[注 5]スタウトアクアビットリースリング。あなたが気にしていたキールバーボン」とのメールを誰かに送信していた。赤井は女の進路を先読みして車のタイヤを撃ち抜き、橋から落下させて爆発に至らせるが、捕縛するには至らなかった。一方、カーチェイスから命からがら逃げのびた女は、東都水族館の多色ライトを目撃すると同時に頭をおさえて苦しみだし、気を失う。

翌朝、謎の爆発事件がニュースで報道される中、コナン少年探偵団一行はリニューアルオープンの日を迎えた東都水族館を訪れていた。コナンたちはそこで、記憶を失ったオッドアイの女に遭遇する。コナンはガソリンの臭いや割れた車のフロントガラスの破片などから昨夜の爆発事件との関連を疑い、警察に連絡を取ろうとするも記憶を失った女に拒否されてしまう。そこで彼女を知る人物を探すため東都水族館で情報収集を開始する少年探偵団であったが、歩美光彦元太の3人は捜査もそっちのけでダーツなどして謎の女と遊び、一方でコナンはや警察に記憶喪失の女のことを伝える。

時を同じくして、ベルモットが東都水族館内で誰かを探していた。彼女が探していたのは、少年探偵団と行動を共にしていた謎の女だった。

東都水族館で情報収集を続けるコナンと灰原だったが、そのころ阿笠博士と少年探偵団の3人、謎の女はリニューアルの目玉のひとつである世界初の二輪式観覧車の列に並んでいるところだった。ベルモットはその途中で謎の女に声をかけるが、謎の女は身に覚えがなく、そのまま観覧車へと向かっていく。道中でコナンたちを見つけた元太は身を乗り出して、そのまま地上へ落下してしまうが、謎の女は元太を助けるために自ら飛び降り、人間離れした身のこなしで無事に元太を救出する。異なる目の色にダーツの腕前やその身体機能から、灰原は記憶喪失の女が黒の組織のNo.2であるラムではないかと疑う。ラムの素性は謎が多く、このままでは皆が危ないと心配するが、歩美たち3人と謎の女はこっそり観覧車に乗った後だった。その観覧車の上空で謎の女が苦しみだし、「ノックはバーボン、キール、スタウト、アクアビット、リースリング…」と呟く。歩美から連絡を受けたコナンは、謎の女が言った「スタウト」「アクアビット」「リースリング」が酒の名前であることから、彼女が組織に関係していることを確信する。そして、謎の女はそのまま警察病院へ搬送された。

一方、組織のコルンキャンティジンウォッカは世界各地でスタウト、アクアビット、リースリングを次々と射殺し、その後、日本で安室と水無怜奈を処刑しようとしたが、コナンと赤井の機略により安室の逃走を許してしまう。その直後、ラムからの命令を受けたジンたちは怜奈を放置し、組織の一員である謎の女の奪還へと向かうのだった。

警察病院では、謎の女の身柄を警視庁捜査一課から公安へと引き渡さざるを得ない状態となり、風見たち公安は安室の指示で謎の女と共に東都水族館へ向かう。また、コナンはFBIと接触し、謎の女のコードネームが「キュラソー」で、ラムの右腕であることを知る。そして、酒のキュラソーに5種類の色がある[注 6]事と彼女の特殊な脳の損傷から、彼女の持っていた色違いの5枚組の半透明シートの意味をコナンは見出す。その推論からコナンは、キュラソーが東都水族館の観覧車の頂上で多色ライトを見ると記憶が戻る事に気が付き、急いで東都水族館へと向かう。

東都水族館では、少年探偵団の子供たちを特別に観覧車に乗せるために、園子が鈴木財閥のコネを使って一方の観覧車を貸切にしていた。そこへキュラソーを連れた風見が到着し、園子が特別に貸し切った側の観覧車に乗る事になる。手錠で拘束した状態にしたキュラソーとともに観覧車に乗り込もうとする風見に対し、何とか水族館に到着したコナンはそれを止めようと叫ぶが、声は届かず乗り込まれてしまう。従業員に扮した安室はその様子を見届けながら、スタッフにしか入れないスペースへと進入する。

何とか観覧車の頂上まで登ってきた安室は先に到着していた赤井を見つけ、「日本の警察は信用できないのか」と挑み掛かり、赤井は「狩るべき相手を見誤らないで戴きたい」[注 7]と言いながらも応戦する[注 8]。2人は互角かつ熾烈しれつな戦いを繰り広げるが、そこへ赤井を探していたコナンが到着し、観覧車に爆薬が仕掛けられている事を伝えると、2人は戦いを中断し、安室は赤井から受け取った工具で起爆装置の解体に取り掛かる。赤井の調査により、仕掛けられた爆薬は威力の高いC-4である事が判明し、安室は起爆装置の解体を急ぐ。

組織のジン、ウォッカ、キャンティ、コルンは特別に用意したオスプレイに乗り込み、ベルモットから送られてくる地上からの合図を待っていた。そして、キュラソーの乗ったゴンドラが頂上に到達した瞬間、ベルモットの細工により水族館以外の区域が停電し、ジンたちの乗ったオスプレイは観覧車へと近付く。多色ライトを見たことで全ての記憶を取り戻したキュラソーは、風見を気絶させて手錠を取り外し、ベルモットと連絡を取ってジンが自分を回収しようとしている事を知る。オスプレイの下部からはアームが現れ、キュラソーの乗ったゴンドラを掴むが、走り去る人影が見えた事から、一行はセンサーカメラでゴンドラ内部の人影を探索する。モニターに映し出された映像には少年(コナン)と成人男性(風見)の影しかなく、キュラソーが脱走した事を知ったジンはゴンドラを捨てて、観覧車への銃撃を開始する。

動くものに対して銃撃している事からコナンと赤井、安室は身動きが取れずにいた。一方、キュラソーはコナンを探しに東都水族館へ来ていた灰原と遭遇し、その言動から彼女が幼児化したシェリーであることを見抜く。キュラソーを見た灰原は恐れおののき落下しそうになるが、キュラソーに助けられる。自分を助けた理由を尋ねた灰原に対しキュラソーは「今の自分の方が気分が良い」と組織を裏切った事を告白する。更に同じ観覧車に少年探偵団の子供たちが乗っている事を灰原から聞いたキュラソーは、灰原に子供たちを托し逃げるよう促した後、おとりとなって飛び出す。

激しく動く人影を見つけたウォッカは、そのフォルムと動きからキュラソーである事を見抜き、ジンたちは標的をこの人影に絞る。そして、攻撃が一か所に集中している事を察知したコナンと赤井が動き出す一方で、安室はあと少しと言う所で停電の影響を受けたが、ジンが起爆スイッチを押す直前で起爆装置の解体に成功した。起爆装置が解体されたことを知ったジンは、コルンに命じて観覧車の車軸を銃撃させ、観覧車もろとも中にいる人間を抹殺しようとする。

オスプレイの体勢を崩し5秒の間にローターの部分を撃ち抜きさえすれば、オスプレイの撃墜も可能と言う赤井の話を聞いたコナンはオスプレイの体勢を崩す策を思い付くが、夜の暗がりにオスプレイが紛れて攻撃体勢に入れない。5秒間だけオスプレイが見えれば良いと聞いた安室は、大量の爆薬を詰め込んだ袋を投げ空中で爆発させ、爆発の明かりでオスプレイの位置が見えたコナンは花火ボール[注 9]を蹴り上げ、オスプレイに当てた後にその上空で爆発させ、その間に赤井がローター部分への狙撃を成功させる。

ジンたちはオスプレイが墜落していく中でも観覧車の車軸を集中的に射撃し、車軸が外れた事を確認して離脱する[注 10]。灰原と少年探偵団が乗っていた観覧車は脱輪した上に水族館へと向かって転がり出し、蘭や園子を含む客たちは奥のイルカショー会場へ避難する。コナンは固定されている観覧車と伸縮式サスペンダーを使って繋げるべく、安室の手を借りて飛び移り、赤井と協力して固定するが、観覧車は止まる事無く水族館を破壊し、イルカショー会場を目掛けて接近し続ける。コナンがボール射出ベルトのボールを前方に向かって膨らませてもなお観覧車は止まらなかったが、目覚めていたキュラソーが観覧車を止めようと、重機で特攻を行う。何とか観覧車を止めることに成功したが、自身は重機もろとも潰され爆発に巻き込まれる。

事件後、キュラソーは遺体で発見されるが、公安の風見らが確認した時には身元の判別も不可能な状態だった。遺体の手から遺品が落ち、コナンはそれが黒焦げになったイルカのストラップだと確信する。公安の風見はストラップをキュラソーの記憶装置といぶかしむが、コナンは「いや、記憶じゃない、思い出だよ。黒焦げになっちまったけどな。」[注 11]とそれを否定する。

後日の阿笠邸では、キュラソーの死を知らない少年探偵団が彼女と本当に友達になれたのかと嘆いていたが、それに対し蘭は「こんなに思われているならもう友達なんじゃない」と優しく諭す。その様子を見て、少年探偵団との触れ合いがキュラソーの「心の色」を変えたのだとコナンが確信する場面で終幕を迎える。

登場人物

メインキャラクター

江戸川コナンと周辺の人物

本作では、黒の組織の暗躍と各国の諜報員や機関が絡み、コナンたちも直接・間接を含めて、それぞれ様々な立場で関わっていく。

江戸川 コナン(えどがわ コナン)
- 高山みなみ
本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒の組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。
毛利 蘭(もうり らん)
声 - 山崎和佳奈
本作のヒロイン。新一の幼馴染かつガールフレンドで、関東大会で優勝するほどの空手の達人。
本作では比較的出番が少ないが、クライマックスの観覧車事件には現場に居合わせている。
毛利 小五郎(もうり こごろう)
声 - 小山力也
蘭の父親で「眠りの小五郎」の異名で有名な私立探偵。コナンの保護者。元警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
本作では蘭と同じく出番は少なめで、ストーリーへの絡みも無い。
赤井 秀一(あかい しゅういち)[注 12]
声 - 池田秀一
本作のキーパーソンで、新一に匹敵する推理力を持つアメリカの連邦捜査局(FBI)捜査官。凄腕の狙撃手であり、截拳道の達人でもある。かつて黒の組織への潜入捜査を行っていたが、キャメルのミスによりスパイであることが露見したため、FBIへ戻った。ある事件で殺害されたと思われていたが、新一の母・工藤有希子(くどう ゆきこ)と阿笠博士による協力のもと、大学院生の「沖矢 昴(おきや すばる)」という架空の人物に成り済まし、工藤邸に居候している[注 13]。コナンには伝えていないが、その正体を密かに新一と知る数少ない人物の1人。
使用している車はシェルビー GT-500
安室 透 / バーボン(あむろ とおる / バーボン)
声 - 古谷徹
本作のキーパーソンで、本名は降谷 零(ふるや れい) 。警察庁警備局警備企画課(ゼロ)の公安警察捜査官。黒の組織に潜入捜査して「バーボン(Bourbon)」のコードネームを与えられており、3つの名前を使い分けている。
本作で初めてスーツを着用した姿が描かれた。
灰原 哀(はいばら あい)
声 - 林原めぐみ
元黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者(組織在籍時のコードネームは「シェリー」)で、コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。
記憶喪失で姿を見せたキュラソーの身のこなしに強い警戒心を抱く。
工藤 新一(くどう しんいち)
声 - 山口勝平
コナンの本来の姿で高校生探偵。
本作では蘭や小五郎と同じく、新一としてのストーリーへの絡みは無い。
阿笠 博士(あがさ ひろし)
声 - 緒方賢一
コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人で、発明家。
本作でも発明でコナンに協力する。
鈴木 園子(すずき そのこ)
声 - 松井菜桜子
蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼馴染でもある。
本作では出番が少ないが、少年探偵団のために東都水族館の観覧車を貸切にしている。
目暮 十三(めぐれ じゅうぞう)
声 - 茶風林
警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部
吉田 歩美(よしだ あゆみ)、小嶋 元太(こじま げんた)、円谷 光彦(つぶらや みつひこ)
声 - 岩居由希子(歩美)、高木渉(元太)、大谷育江(光彦)
少年探偵団の3人。
彼らとの交流がキュラソーの心境に大きな変化をもたらす。
ジェイムズ・ブラック (James Black)、ジョディ・スターリング (Jodie Starling)、アンドレ・キャメル (Andre Camel)
声 - 土師孝也(ジェイムズ)、一城みゆ希(ジョディ)、梁田清之(キャメル)
3人ともFBI捜査官で、コナンの協力者。日本警察には内密で黒の組織の捜査を進めている。
水無 怜奈 / キール(みずなし れな / キール)
声 - 三石琴乃
本名は本堂 瑛海(ほんどう ひでみ) 。アメリカの中央情報局(CIA)シークレット・エージェント。現在、組織への潜入捜査を行なっており、「キール (kir)」のコードネームを与えられている。
佐藤 美和子(さとう みわこ)
声 - 湯屋敦子
警視庁捜査一課の刑事で警部補格闘技に長けていて洞察力も鋭く、射撃の腕も一流。高木刑事と交際中。
高木 渉(たかぎ わたる)
声 - 高木渉
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。佐藤刑事と両想いの恋愛関係。
千葉 和伸(ちば かずのぶ)
声 - 千葉一伸
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。
本作公開前の原作とアニメで、初めて下の名前が判明した。
榎本 梓(えのもと あずさ)
声 - 榎本充希子
「毛利探偵事務所」の下の階の喫茶店「ポアロ」のウェイトレス。「ポアロ」に来る小五郎に時々事件の依頼を持ちかけているが、私立探偵(表向き)の安室透が「ポアロ」のバイト店員となって「小五郎の弟子」という形式を踏んでからは、彼に相談する事も増えつつある。安室の事は料理の腕前も買っている。
松田 陣平(まつだ じんぺい)
声 - なし[注 14]
元警視庁捜査一課の刑事で、故人。風貌が高木刑事に似ており、かつて佐藤刑事とは両想いだった。
降谷零(安室透)の回想及び背景に登場。実は零と警察学校時代の友人であったことが明かされた。零が彼から学んだ爆弾解体の知識と技術が、本作終盤で重要な役割を担うことになる。

黒の組織

新一に薬を飲ませて幼児化させた世界規模の犯罪組織。本作では2009年公開の劇場版第13作『漆黒の追跡者』以来7年ぶり、2001年公開の劇場版第5作『天国へのカウントダウン』と合わせて3作目の登場を果たしている[注 15]

ラム (Rum)
声 - 出演者非公開[注 16]
ボスである「あの方」の側近で、組織のNo.2。
キュラソーの回想に登場するも、変声機を通したような声で話す。直接姿を見せないため、容姿、性別、性格、能力などの詳細は一切不明。ジンやベルモットもラムの命令には逆らえないなど、組織内でもトップクラスの権力を持つことだけが示唆されている。
ジン (Gin)
声 - 堀之紀
組織の実行部隊のリーダーで射撃にも優れている。
変わらず残忍な面を見せており、ベルリンでリースリングを射殺した。キュラソー奪還のためにオスプレイを使用した作戦を決行する。
ベルモット (Vermouth)
声 - 小山茉美
組織の女性幹部。かつてハリウッドアカデミー賞を受賞した大女優。コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。
主に東都水族館内で暗躍し、キュラソーを捜索したり、サーバー室に侵入してウイルスを感染させ東都水族館を停電させたりする。
ウォッカ (Vodka)
声 - 立木文彦
組織の幹部でジンの腹心。
ジンに忠実で極悪非道だが、本作でジンがバーボンとキールを裏切り者として確証の無い疑惑の段階でも容赦なく射殺しようとした際には躊躇う表情を浮かべており、心情的にジンほど残忍さを貫くことが出来ない面も見せる[注 17]
コルン (Korn)
声 - 木下浩之
組織に所属する無口で冷静なスナイパー
ロンドンでスタウトを冷酷に射殺するが、スタウトとは親しんだ仲でもあり、始末をする際には「俺、信じていた。残念。」と呟き、スタウトを始末する結果は不本意であったことが示唆されている。オスプレイの操縦を担当する。
キャンティ (Chianti)
声- 井上喜久子
組織に所属する気性の荒い女性スナイパー。
トロントでアクアビットを残虐に射殺し、オスプレイの操縦を担当している。

オリジナルキャラクター

組織のメンバー

本作には組織のメンバーとして4名のオリジナルキャラクターが出てくるが、正規のメンバーはキュラソーのみで、残りの3名は全員各国のスパイである。

キュラソー (Curaçao)
声 - 天海祐希
オールバックにした銀色のロングヘアーとオッドアイが特徴の女性構成員[注 18]、ダークヒロイン。「キュラソー」は黒の組織から与えられたコードネームであり、本名や国籍などは不詳。
諜報活動や破壊工作の実績を認められ、組織内では幹部クラスの地位でもあった。軽やかな身のこなしで格闘技に長け、ダーツでダブルブルに三本当てるなどの手練れも披露した。行動力にも長けており、元太が高い所から落ちてしまった時には周りの建物を上手く使いながら降りて、元太を助けた。
冒頭の事故にて記憶喪失となったところ、コナンや少年探偵団と出会い親しくなる。
スタウト (Stout)[12]
声 - マイケル・リース
イギリスの情報機関の一つである秘密情報(MI6)エージェントで、黒の組織に潜入している。「スタウト」は組織から与えられたコードネームであり、本名は不詳。
NOCであることが露見してしまい、ロンドンでコルンに射殺される。ただし、コルンとは組織内で一応親しい仲にもなれたらしく、射殺された際にコルンから「信じていた。残念」と不本意そうな感想も呟かれていた。
アクアビット (Aquavit)[12][注 19]
声 - カート・コモン
カナダ安全情報局(CSIS)シークレット・エージェントで、黒の組織に潜入している。「アクアビット」は組織から与えられたコードネームであり、本名は不詳。
NOCであることが露見してしまい、トロントでキャンティに射殺される。
リースリング (Riesling)[12][注 19]
声 - 沢海陽子
ドイツ連邦情報局(BND)の女性諜報部員で、黒の組織に潜入している。「リースリング」は組織から与えられたコードネームであり、本名は「レオナ・ブッフホルツ」[12][注 20]
NOCであることが露見してしまい、ベルリンでジンに射殺される(彼女を追いかけていたのはウォッカで、ジンと挟み撃ちになっている)。

公安警察

風見裕也(かざみ ゆうや)[12]
声 - 飛田展男[21]
警視庁公安部[25]の公安警察捜査官で警部補[26]。降谷零の部下[21]。男性。
終盤で零の指示により、手錠で拘束したキュラソーと2人きりで観覧車に乗っていたが、ゴンドラが頂点に到達した際に全ての記憶を取り戻したキュラソーから暴行を受け気絶する。その後、コナンに助けられ生還する。
名前の由来はアニメ『機動戦士Ζガンダム』の登場人物であるカミーユ・ビダン[21][注 21][注 22]
本作以降も、劇場版シリーズ第22作『ゼロの執行人』や、原作・テレビアニメにも登場する事となる[27]
公安警察官
声 - 志村知幸佐藤美一

その他のキャラクター

アナウンサー
声 - 笠原留美
コナンがスマホで見ていたニュースで、謎の爆発事故の概要と東都水族館のリニューアルオープンを伝えていた。
医師
声 - 鈴木琢磨
東都水族館の医務室に勤める男性医師
観覧車で気を失ったキュラソーの検査を行い、彼女の脳弓英語版に珍しい損傷がある事を佐藤刑事に、彼女の片目は虹彩が透明になっており、それを隠す為の黒のコンタクトレンズが見つかった事をコナンにそれぞれ伝える。
観覧車の受付係
観覧車のチケットを売って欲しいと言う公安警察の風見に対し、観覧車のチケットの販売は既に終了したことを伝えるが、警察手帳を見せられ、ブース内に招き入れて対応する。
東都水族館のスタッフ
園子の頼みで、少年探偵団の子どもたちを観覧車に乗せるために、特別に観覧車を貸切にする。
観覧車の案内係
貸切になった観覧車に乗ろうとした少年探偵団の子どもたちを止めるが、別のスタッフから鈴木財閥の関係者だと伝えられ、乗せることになる。しかし、その直後にキュラソーを連れた公安警察の風見達が来て困惑するが、結局こちらも観覧車に乗せる。
東都水族館の学芸員
観覧車が水族館に向かって転がって来ていることを知り、危険なので避難するよう客に指示を出した。
救急隊員
声 - 宇垣秀成
アナウンス
声 - 桃森すもも
キャスト
声 - 大原さやか半場友恵武内健東龍一

スタッフ

音楽

サウンドトラック

『名探偵コナン 純黒の悪夢』
大野克夫サウンドトラック
リリース
ジャンル J-POP
レーベル Being
プロデュース 大野克夫バンド
大野克夫 アルバム 年表
名探偵コナン
業火の向日葵

(2015年)
名探偵コナン
純黒の悪夢

(2016年)
名探偵コナン
から紅の恋歌

(2017年)
EANコード
EAN 4560109082490
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収録曲

トラックリスト
全作曲: 大野克夫
#タイトル作詞作曲・編曲
1.「シークレット・ミッション」 大野克夫
2.「エスケイプ・ラン」 大野克夫
3.「ハイウエイ・チェイス」 大野克夫
4.「モア・チェイス」 大野克夫
5.「ハイウエイ・チェイス・コンティニューズ」 大野克夫
6.「待ち伏せ」 大野克夫
7.「ファイナル・チェイス」 大野克夫
8.「名探偵コナン メイン・テーマ(純黒の悪夢ヴァージョン)」 大野克夫
9.「東都水族館」 大野克夫
10.「アミューズメント・パーク」 大野克夫
11.「アミューズメント・ワルツ」 大野克夫
12.「アミューズメント・ロック」 大野克夫
13.「博士のクイズ」 大野克夫
14.「オッドアイ」 大野克夫
15.「記憶の迷路」 大野克夫
16.「子供達のファンファーレ」 大野克夫
17.「子供達元気に」 大野克夫
18.「子供達との触れ合い」 大野克夫
19.「ヤバイ!」 大野克夫
20.「二人の懸念」 大野克夫
21.「苦しみの扉」 大野克夫
22.「秘密1」 大野克夫
23.「秘密2」 大野克夫
24.「純黒のテーマ」 大野克夫
25.「コナンの情報」 大野克夫
26.「諜報のメロディ」 大野克夫
27.「ドライ・ベルモット」 大野克夫
28.「子供達とのひと時」 大野克夫
29.「またいつか」 大野克夫
30.「飛び出すコナン」 大野克夫
31.「リアル・カウントダウン」 大野克夫
32.「コナンの作戦」 大野克夫
33.「カラー・オブ・メモリー~ショート・ヴァージョン」 大野克夫
34.「追跡」 大野克夫
35.「回想」 大野克夫
36.「見つけた!」 大野克夫
37.「Fight&Height」 大野克夫
38.「第2ラウンド」 大野克夫
39.「カラー・オブ・メモリー」 大野克夫
40.「コンフュージョン」 大野克夫
41.「Rum」 大野克夫
42.「Peperoncino」 大野克夫
43.「純黒のマシンガン」 大野克夫
44.「行動開始」 大野克夫
45.「名探偵コナン メイン・テーマ(純黒の悪夢ヴァージョン)-Reprise-」 大野克夫
46.「純黒の総攻撃」 大野克夫
47.「コナン、ダッシュ!」 大野克夫
48.「ジョイ・オブ・ライフ」 大野克夫
49.「子供達の想い出」 大野克夫

主題歌

B'z世界はあなたの色になる[1]
作詞 - 稲葉浩志 / 作曲 - 松本孝弘
アニメシリーズ本編のOP主題歌として第817話 - 第844話まで採用されたため、「Don't Wanna Lie」以来5年ぶり3曲目となるテレビアニメと映画の両方の主題歌となった[28]
2016年10月4日に配信限定でリリースが開始され[29][30][31][32]CDでは2017年3月22日発売のアルバム『劇場版 名探偵コナン 主題歌集 〜“20”All Songs〜』に初収録され、その後2017年6月10日発売の「声明/Still Alive」に収録された[33]。また、劇場版第16作目以降の劇場版の主題歌の中では、唯一『ミュージックステーション』での披露が行われていない。

映像ソフト化

  • DVD - 2016年10月26日発売(初回限定特別盤・同日発売)[34]
  • BD - 2016年10月26日発売(初回限定特別盤・同日発売)[35]

プロモーション

本作では「BLACK IMPACT PROJECT」と題し、現実世界の様々なモノを黒ずくめの組織がジャックしていくというプロジェクトが展開された。

2015年11月4日YouTube東宝の公式チャンネルでアップロードされた動画にて本作の公開が発表された[36][37][38][39][40][41][42]。この動画では映画に登場すると思われる主要キャラクターとして、江戸川コナン毛利蘭灰原哀、赤井秀一、安室透、水無怜奈、ベルモット、ジンは各々個人のカットで、またその他のFBIや黒の組織のメンバーは集合したカットで名前もしくはコードネームが紹介されている。動画のタイトルは「第20弾劇場版『名探偵コナン』黒ムービー」であり、動画公開時には映画の正式な名称は公表されていなかったが、動画のラストで「○黒○○○[注 23]であることは明かされていた[注 24]。また、2016年4月16日公開であることも併せて発表され、公式サイトも前作の内容から移行させる形でオープンされた。

その後、正式なタイトルは2015年12月2日に発表された[44][45][46][47][48][49][50][51][52][53]

2015年12月12日には、公式サイトとYouTubeの双方で特報映像が公開された[54]

2016年1月4日には、2015年12月31日に放送された年越し特番『絶対に笑ってはいけない名探偵24時』の未公開シーンを集めた特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!年越しSP未公開映像一挙大公開SP!!』[55]に、コナンの着ぐるみが高山みなみのナレーションと共に本作の宣伝を兼ねた笑いの刺客として登場した。

2016年2月9日には、女優の天海祐希がコナン映画のゲスト声優としては史上初となる黒の組織の一員である「謎の女性」[注 25]を演じることが発表された[56][57][58][59][60][61][62][63][64][65][66][67]

本作に登場する水無怜奈、キャンティ、コルンが初登場したテレビアニメ第425話「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」[68][69]3月19日から4週にわたり、本放送枠で再放送された[70][71][72][73]。なお、テレビスペシャルとして放送された2時間半の長さをテレビシリーズ4話分へデジタルリマスターで再編集するに際し、カッティング山本泰一郎が担当した[70]。また、再放送にあたっては、タイトルが「ブラックインパクト」に改題され、「ブラックインパクト」の後には I - IV のローマ数字が入った[74][75][76][77]

2016年2月26日には、B'zが本作のための書き下ろし曲で、2011年公開の第15作『沈黙の15分』以来5年ぶり5度目となる主題歌を担当することが発表された[78][79][80][1][81][82][83][84][85][86][87][88][89]。また、同日には公式サイトとYouTubeの双方で1分30秒ほどの予告編が公開された[90]。また、大野克夫作曲でお馴染みのメインテーマのギター演奏をB'zの松本孝弘が担当することも発表された。主題歌アーティストがメインテーマを演奏するのは20年の歴史で史上初の試みである。

2016日3月5日からは全国のコナン上映劇場にて、20年の歴史を振り返るタブロイド紙「日売新聞」が無料配布された[91][92]

2016年3月16日には、「黒の組織が週刊少年サンデー16号の表紙をジャックした」という設定のもと、同誌が黒を主体とした色調の表紙で発売された[93][94][95][96][97][98]。また、NON STYLEの石田明がMCを務める公開アフレコイベントに天海が参加した[99][100][101][102][103][104]

2016年3月19日には、大阪のあべのハルカス最上階の展望台ハルカス300にて、特別展示「BLACK IMPACT PROJECT〜地上300mの夜景をジャック!?〜」が開催され、このイベントは同年5月20日まで開催される予定[105][106][107][108][109][110][111]

2016年3月19日発売の『エンタミクス』2016年5月号には、本作の公開を記念して赤井秀一役の池田秀一と安室透役の古谷徹の対談記事が掲載された[112][113][114]

2016年3月20日3月21日未明)と同年3月25日3月26日未明)には、読売テレビで放送された『キューン!』にて関西の名所を巡る前後編構成の謎解きバスツアーが行われ、本作の宣伝を兼ねた内容に合わせてコナンの着ぐるみが登場したほか、前編には倉木麻衣も登場して参加者たちへの出題を担当した[115][116]

2016年4月4日には、イイノホールにて完成披露試写会が開催され、主要声優陣や天海、コナンの着ぐるみが登壇した。壇上ではガンダムのファンだという天海からのリクエストに応え、古谷と池田がそれぞれガンダムシリーズで自身の演じたアムロ・レイシャア・アズナブルになりきって天海にプロポーズの言葉を贈り、話題となった[117][118][119][120][121][122][123][124][125][126][127]

2016年4月9日には、公式サイトのトップページが1日限定で差し替えられ、色黒で知られる歌手の松崎しげるが黒の組織の黒幕であるかのようなビジュアルになった[128][129][130][131][132][133]。また、同日発売の『ビッグコミック』第8号(2016年4月25日号)では本作の宣伝を兼ねて天海が表紙画を飾り、その傍らにはコナンも登場した[134]

2016年4月9日以降、公開記念特番「天海祐希にコナンの面白さ教えちゃいます」が各局で随時放送された[135]

2016年4月16日には、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて公開初日舞台挨拶が開催され、主要声優陣や天海、コナンの着ぐるみが登壇した[136][137][138][139][140][141][142][143][144]。一同による軽妙なトークが行われる一方、全国359スクリーンでの上映予定が熊本地震の影響で九州の11スクリーンが休館していることも発表された[145]

2016年4月16日に放送されたテレビアニメ第813話「安室に忍びよる影」[146]は本作のプレストーリーとなっており、安室透とベルモットがアニメオリジナルに初登場した[70][71][72][73][注 26]

2016年5月1日には、カンテレで放送された『お笑いワイドショー マルコポロリ!』のコーナー「ポロリ!バス」に収録当時は本作の宣伝で来阪中だった天海が出演し、「イイ女が選ぶイイ男ランキング!」で第1位の児玉清と第2位の天海の父に続いて第3位にコナンを挙げるなど、放送局の垣根を超えて本作の宣伝に努めた[147]

興行成績

熊本地震の影響を受けて当初の予定より11スクリーン少ない全国348スクリーンでの公開となったが、2016年4月16日と翌17日の初日2日間で観客動員数93万3,781人、興行収入12億915万8,900円に達し、最終興行収入44億8,000万円の前作『業火の向日葵』との初動興行収入の対比で138.2%に及ぶシリーズ過去最高を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで初登場第1位となった[148][149][150][151][152][153][154][155][156][157]

公開2週目の週末となる2016年4月23日と翌24日の2日間では、観客動員数52万2,023人、興行収入6億7,920万6,300円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで2週連続第1位となった他、公開から2週の累計では観客動員数が194万6,671人、興行収入が25億2,550万8,110円を記録し、累計興行収入は25億円を突破した[158][159][160][161][162][163]。なお、この時点で諏訪のもとへ届いた報告によれば、観客動員数は約208万人に達していたという[164]

公開3週目の週末となる2016年4月30日と翌5月1日の2日間では、観客動員数49万261人、興行収入5億6,225万2,800円を記録し、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングで3週連続第1位を獲得。累計興行収入は36億円を突破した[165][166][167][168][169][170]

公開4週目の週末となる2016年5月7日と翌8日の2日間の興行通信社の調査による映画観客動員ランキングでは、観客動員数20万9,805人、興行収入2億7,889万8,600円で『ズートピア』に首位を譲り2位となったものの、公開23日間の累計では観客動員数が398万2,742人、興行収入が50億5,694万5,900円に達し、前作『業火の向日葵』の最終興行収入44億8,000万円を上回りシリーズ最高記録を更新した他、シリーズ全体の累計興行収入も600億円を突破した[171][172][173][174][175][176][177][178][179][180][181]

また、公開から51日目となる2016年6月5日時点の累計で、観客動員数が471万7,855人、興行収入が60億2,048万7,600円に到達した事が翌6日になって東宝より明らかにされ、本作はこれまでの最高興収であった前作『業火の向日葵』の44億8000万円を大幅に上回り、いずれもシリーズ初の50億円と60億円の大台を同作品で突破する記録的な大ヒットとなった[182][183][184][185][186]

2016年7月25日には東宝より同年上半期に公開された東宝映画の興行収入が発表され、この時点での興行収入が63.1億円と判明[187]。更に8月21日には文化通信社より2016年上半期の邦画興行収入ベストテンが発表され、本作は第1位を獲得した[188]

最終興行収入は63億3,000万円を記録。同年の年間興行収入ランキングでは第6位(邦画では3位)にランクインした[3][4][5][6][7]

なお、次作『から紅の恋歌』は公開から44日となる2017年5月28日時点で本作の興行収入を突破し[189][190][191][192][193][194][195][196][197][198][199][200][201]、2017年6月6日時点の累計で観客動員数508万7,482人、興行収入65億2,453万800円とシリーズ最高記録を更新し続けている[202]

評価

ぴあの調査による初日満足度ランキングでは92.3ポイントを獲得し、2位となった[203][204]。また、公開初日に東宝の行なったアンケートで「非常に良かった」と「良かった」を合わせて満足度が95.9%に達していたことも明らかとなっている[205][206][207]

テレビ放送

なお、本シリーズにおける字幕放送の字幕の色は基本的に主人公のコナンに黄色が、毛利小五郎に水色が、毛利蘭に緑色が割り当てられているが、本作では例外的にゲストキャラクターである謎の女性(キュラソー)に水色が、安室透に緑色が割り当てられている。

放送枠の尺に収めるための再編集によって所々がカットされており、エピローグに至っては丸ごとカットされている。

回数 テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 放送分数 視聴率 備考
1 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2017年4月14日() 21:00 - 22:54 114分 10.6%[208] 地上波初放送
第21作『から紅の恋歌』の公開を記念し、「2週連続コナン祭り」[209]の第2弾として放送[210][211][212][213][214][215][216][注 27]
2 2020年4月10日(金) 12.5%[217] 第24作の『緋色の弾丸』の公開を記念した「2週連続コナン祭り」の第1弾として放送[218][注 28]
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

脚注

注釈

  1. ^ 赤井本人も沖矢昴として変装した姿で登場しているが、その時点で正体が完全には判明しておらずに別人扱いだったため、ここでは除外する。
  2. ^ ただし、台詞は無い。
  3. ^ 本作以降、各作品のテーマに応じて、背景、テロップが変更されることがある。
  4. ^ 「しのぶれど」は三十六歌仙の1人である平兼盛が詠んだ小倉百人一首の第40句「しのぶれど 色(いろ)に出(い)でにけり わが恋(こひ)は ものや思(おも)ふと 人(ひと)の問(と)ふまで」の初句にあたる有名なフレーズである。また、この歌は天徳4年3月30日西暦960年4月28日)に行なわれた天徳内裏歌合と呼ばれる歌合で、同じく三十六歌仙の1人である壬生忠見が詠んだ小倉百人一首の第41句となる「恋(こひ)すてふ わが名(な)はまだき 立(た)ちにけり 人知(ひとし)れずこそ 思(おも)ひそめしか」と合わせて詠われたものでもあり、この勝負に負けた壬生忠見が悶死したと言う伝説も残っている。
  5. ^ Non Official Cover英語版の頭文字を取った略語「NOC」のことで、民間人を装った非公式な立場の秘密諜報員を指す隠語である。
  6. ^ キュラソーには、無色透明のホワイト・キュラソーと橙色のオレンジ・キュラソー、青色のブルー・キュラソーと緑色のグリーン・キュラソー、そして赤色のレッド・キュラソーの5種類の色のものが存在する。
  7. ^ この台詞せりふは原作とアニメの「緋色シリーズ」で、同じく赤井が安室に対して言った台詞せりふである[20]
  8. ^ この時、安室が使うのはボクシング、赤井が使うのは截拳道である[21]
  9. ^ このアイテムは前々作『異次元の狙撃手』内で初登場し、同作の終盤で活躍した他、前作『業火の向日葵』の終盤でも活躍した。
  10. ^ 観覧車の車軸を撃ち脱輪させると言うプロットは、1979年公開の映画『1941』において日本軍が敵の基地と勘違いして観覧車の台座を撃ち落とし転がしていくと言う場面へのオマージュであると見られる[22]
  11. ^ このコナンの台詞せりふは、1941年公開の映画『マルタの鷹』のラストの台詞せりふ彷彿ほうふつとさせるものになっている[22]
  12. ^ EDクレジットでは「赤井 秀一 / ライ」と表記。
  13. ^ 本作に昴としての登場は無い。なお、テレビアニメなどで昴としての声を担当しているのは、赤井役の池田ではなく置鮎龍太郎である。
  14. ^ テレビアニメでは神奈延年が担当していた。
  15. ^ 第18作『異次元の狙撃手』にはジン、キャンティ、コルンがコナンの回想に登場している。
  16. ^ EDクレジットではラムの声優の箇所だけ空欄になっている[23]
  17. ^ 裏切り者がはっきりしていたベルリンでは、ジンと同様に冷笑を浮かべている。
  18. ^ オッドアイがあまりにも珍しいことから灰原は義眼と疑い、ラムの特徴も義眼があると聞いたことがあるので、当初は彼女をラムと疑っていた。
  19. ^ a b 公式パンフレットでは、リースリングとアクアビットのコードネームが入れ替わると言う誤植が発生している[24]
  20. ^ 小説版では「レオン」だが、レオンは男性名である。映画本編のNOCリストが表示されるシーンでは、「レオナ・ブッフホル」まで確認できる。また、同じシーンでは通称の部分が"Unknown"となっている。
  21. ^ カミーユの担当声優も飛田展男である[21]
  22. ^ 本作のキーパーソンである沖矢昴(=赤井秀一)や安室透(=降谷零)なども、ガンダムシリーズのキャラクターとその担当声優を名前の由来としている。
  23. ^ ○にはそれぞれ何らかの文字が入ると思われたが、動画ではタイトルロゴの黒以外の部分が黒い液体に覆われていて全容は不明だった。
  24. ^ この動画は映画の予告編などを公開している「シネマトゥデイ」の公式チャンネルでも、「第20弾劇場版『名探偵コナン』、黒(ブラック)ムービー」のタイトルでアップロードされている[43]
  25. ^ 後に映画が公開され「キュラソー」役である事が判明した。
  26. ^ ベルモットはCパートに電話の音声で登場。
  27. ^ その前週の4月7日には第7作『迷宮の十字路』が放送された。
  28. ^ 次週の4月17日には第23作『紺青の拳』が放送予定。

出典

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外部リンク

名探偵コナン映画作品
シリーズ
通番 題名 公開日 監督 脚本 音楽 主題歌 歌手 ゲスト声優 興行収入 観客動員数 配給収入
第1作 時計じかけの摩天楼 1997年4月19日 こだま兼嗣 古内一成 大野克夫 Happy Birthday 杏子 2丁拳銃 11億円 100万人 6.1億円
第2作 14番目の標的ターゲット 1998年4月18日 少女の頃に戻ったみたいに ZARD 海原やすよ ともこ 18.5億円 161万人 10.5億円
第3作 世紀末の魔術師 1999年4月17日 ONE B'z - 26億円 216万人 14.5億円
第4作 瞳の中の暗殺者 2000年4月22日 あなたがいるから 小松未歩 25億円 213万人
第5作 天国へのカウントダウン 2001年4月21日 always 倉木麻衣 29億円 247万人
第6作 ベイカーストリートの亡霊 2002年4月20日 野沢尚 Everlasting B'z 34億円 294万人
第7作 迷宮の十字路クロスロード 2003年4月19日 古内一成 Time after time
〜花舞う街で〜
倉木麻衣 32億円 273万人
第8作 銀翼の奇術師マジシャン 2004年4月17日 山本泰一郎 Dream×Dream 愛内里菜 28億円 242万人
第9作 水平線上の陰謀ストラテジー 2005年4月9日 夏を待つセイル(帆)のように ZARD 21.5億円 185万人
第10作 探偵たちの鎮魂歌レクイエム 2006年4月15日 柏原寛司 ゆるぎないものひとつ B'z 30.3億円 255万人
第11作 紺碧のジョリー・ロジャー 2007年4月21日 七つの海を渡る風のように 愛内里菜
&三枝夕夏
25.3億円 214万人
第12作 戦慄の楽譜フルスコア 2008年4月19日 古内一成 翼を広げて ZARD 山里亮太
坂下千里子
西尾由佳理
24.2億円 204万人
第13作 漆黒の追跡者チェイサー 2009年4月18日 PUZZLE 倉木麻衣 DAIGO 35億円 298万人
第14作 天空の難破船ロスト・シップ 2010年4月17日 Over Drive GARNET CROW 大橋のぞみ
優木まおみ
32億円 272万人
第15作 沈黙の15分クォーター 2011年4月16日 静野孔文 Don't Wanna Lie B'z 渡部陽一
宮根誠司
31.5億円 267万人
第16作 11人目のストライカー 2012年4月14日 ハルウタ いきものがかり 桐谷美玲 32.9億円 277万人
第17作 絶海の探偵プライベート・アイ 2013年4月20日 櫻井武晴 ワンモアタイム 斉藤和義 柴咲コウ 36.3億円 302万人
第18作 異次元の狙撃手スナイパー 2014年4月19日 古内一成 ラブサーチライト 柴咲コウ 福士蒼汰
パトリック・ハーラン
41.1億円 334万人
第19作 業火の向日葵 2015年4月18日 櫻井武晴 オー!リバル ポルノ
グラフィティ
榮倉奈々
知英
44.8億円 359万人
第20作 純黒の悪夢ナイトメア 2016年4月16日 世界はあなたの色になる B'z 天海祐希 63.3億円 495万人
第21作 から紅の恋歌ラブレター 2017年4月15日 大倉崇裕 渡月橋 〜君 想ふ〜 倉木麻衣 吉岡里帆
宮川大輔
68.9億円 537万人
第22作 ゼロの執行人 2018年4月13日 立川譲 櫻井武晴 零 -ZERO- 福山雅治 上戸彩
博多大吉
諸國沙代子
91.8億円 687万人
第23作 紺青のフィスト 2019年4月12日 永岡智佳 大倉崇裕 BLUE SAPPHIRE HIROOMI TOSAKA 山崎育三郎
河北麻友子
93.7億円 722万人
第24作 緋色の弾丸 2021年4月16日
櫻井武晴 永遠の不在証明 東京事変 浜辺美波 76.5億円 538万人
第25作 ハロウィンの花嫁 2022年4月15日
満仲勧 大倉崇裕 菅野祐悟 クロノスタシス BUMP OF CHICKEN 白石麻衣 97.8億円 699万人
第26作 黒鉄の魚影サブマリン 2023年4月14日
立川譲 櫻井武晴 美しい鰭 スピッツ 沢村一樹 138.8億円 978万人
第27作 100万ドルの五稜星みちしるべ 2024年4月12日
永岡智佳 大倉崇裕 相思相愛 aiko 大泉洋 157.1億円 1101万人
第28作 隻眼の残像フラッシュバック 2025年4月18日 重原克也 櫻井武晴
総集編映画(特別編集版)
通番 題名 公開日 脚本 主題歌 歌手 興行収入 観客動員数
第1作 緋色の不在証明 2021年2月11日 宮下隼一 12.4億円
第2作 灰原哀物語
〜黒鉄のミステリートレイン〜
2023年1月6日
第3作 名探偵コナン vs. 怪盗キッド 2024年1月5日 大胆 WANDS
コラボ
通番 題名 公開日 監督 脚本 主題歌 歌手 興行収入 観客動員数
第1作 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE 2013年12月7日 亀垣一 前川淳 42.6億円 308万人