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ウェブウォレットとは、利用者に代わってウォレットを管理する[[Webサービス|ウェブサービス]]のウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる<ref>{{Cite web|title=ウェブウォレットとは 【bitFlyer(ビットフライヤー)】|url=https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/web_wallet|website=bitflyer.com|accessdate=2021-05-06|language=ja}}</ref>。 |
ウェブウォレットとは、利用者に代わってウォレットを管理する[[Webサービス|ウェブサービス]]のウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる<ref>{{Cite web|title=ウェブウォレットとは 【bitFlyer(ビットフライヤー)】|url=https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/web_wallet|website=bitflyer.com|accessdate=2021-05-06|language=ja}}</ref>。 |
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一番最初に出たウォレットはBitcoin Coreであり、2009年にサトシ・ナカモトによってオープンソースソフトウェアとしてリリースされた<ref>{{Cite web|title=The Crypto-Currency|url=https://www.newyorker.com/magazine/2011/10/10/the-crypto-currency|website=The New Yorker|accessdate=2021-05-21|language=en-US|first=Joshua|last=Davis}}</ref><ref>{{Cite web|title=ビットコイン・コアとは|url=http://blog.liquid.com/ja/glossary/bitcoin_core/|website=blog.liquid.com|accessdate=2021-05-21|language=ja-jp}}</ref>。Bitcoin Coreはウォレットとしての機能だけでなく、フルノードとしてビットコインネットワークに参加してマイニングを行う事ができる機能を持つ<ref>{{Cite web|title=ビットコイン・コア(Bitcoin Core)とは 【bitFlyer(ビットフライヤー)】|url=https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/bitcoin_core|website=bitflyer.com|accessdate=2021-05-21|language=ja}}</ref>。 |
一番最初に出たウォレットはBitcoin Coreであり、2009年にサトシ・ナカモトによってオープンソースソフトウェアとしてリリースされた<ref>{{Cite web|title=The Crypto-Currency|url=https://www.newyorker.com/magazine/2011/10/10/the-crypto-currency|website=The New Yorker|accessdate=2021-05-21|language=en-US|first=Joshua|last=Davis}}</ref><ref>{{Cite web|title=ビットコイン・コアとは|url=http://blog.liquid.com/ja/glossary/bitcoin_core/|website=blog.liquid.com|accessdate=2021-05-21|language=ja-jp}}</ref>。Bitcoin Coreはウォレットとしての機能だけでなく、フルノードとしてビットコインネットワークに参加してマイニングを行う事ができる機能を持つ<ref>{{Cite web|title=ビットコイン・コア(Bitcoin Core)とは 【bitFlyer(ビットフライヤー)】|url=https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/bitcoin_core|website=bitflyer.com|accessdate=2021-05-21|language=ja}}</ref>。 |
2021年5月23日 (日) 04:14時点における版
ビットコイン | |
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台帳 | 取引の正当性はピアツーピア(P2P)ネットワークによって担保される[1]。 |
使用開始日 | 2009年1月3日 |
使用 国・地域 | 世界 |
発行 | 10分ごとに6.25BTC |
情報源 | 市場に出回っているビットコイン数の合計 |
指数 | 2100万BTCが発行されるまで、ビットコインの発行速度は4年ごとに半減する[2] |
補助単位 | |
10−8 | satoshi[3] |
10−6 | microbitcoin, bits[4] |
10−3 | millibitcoin |
通貨記号 | BTC, XBT,[5] ₿(Unicode: U+20BF ₿ bitcoin sign (HTML: ₿ )), ฿(注: これはバーツの記号でもある),[6] Ƀ[7] |
ビットコイン(英: Bitcoin)は、2008年にサトシ・ナカモトという名前を使った無名の人物またはグループによって発明された、Peer to Peer(P2P)型の暗号通貨(暗号資産・仮想通貨)である[8]。この通貨は、その実装がオープンソースソフトウェアとして公開され、2009年に使用が開始された。
ビットコインは中央銀行や単一の管理者を持たない分散型のデジタル通貨であり、仲介者を必要とせず、P2Pのビットコインネットワーク上でユーザーからユーザーへと送信することができる[9][10]。取引はネットワークノード[11]によって暗号化により検証され、ビットコインのすべての取引履歴がブロックチェーン (blockchain) と呼ばれる台帳に分散的に記録される[12][13]。
上述の仕組みはマイニング(採掘)と呼ばれ、マイニングに成功した報酬としてビットコインが付与させる。また、その取引の整合性を検証しているネットワーク参加者達は採掘者(マイナー)して知られ、取引手数料や造幣収益を得ている[14]。
ビットコインは、他の通貨や製品、サービスと交換することができる[15]。一方で、違法な取引に使用されていることや、マイナーが使用する大量の電力、価格の変動、取引所からの盗難などが批判されている。ノーベル経済学賞受賞者を含む一部の経済学者は、様々な時期に投機的なバブルであると評している。また、ビットコインは投資としても利用されているが、いくつかの規制機関がビットコインに関する投資家向けの警告を出している[16][17]。
歴史
- 2008年8月18日 - ドメイン名「bitcoin.org」がインターネット上に登録される[18]。
- 2008年10月31日 - 「サトシ・ナカモト」の名前で「ビットコイン:ピアツーピア電子キャッシュシステム」というタイトルの論文で初めて紹介された[19]。
- 2009年1月3日 - ビットコインの運用が開始される[20]。
- 2010年5月22日 - アメリカ・フロリダ州でプログラマーがピザ2枚を1万ビットコインで購入したのが、ビットコインで商取引が成立した最初の例と言われている[21]。このことから、5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」と呼ばれる[22]。
- 2013年3月11日 - ビットコインソフトウェアのバージョン0.8のバグにより、ブロックチェーンは一時的にルールの異なる2つの独立したチェーンに分裂する。6時間の間、分岐した2つのビットコインネットワークは同時に運用され、各々が固有の取引履歴を持つことになった。ネットワークの大部分がビットコインソフトウェアのバージョン0.7にダウングレードし、下位互換性のあるバージョンのブロックチェーンを選択したことで、通常の運用が回復する[23]。
- 2013年10月 - アメリカ連邦捜査局 (FBI) は、オンライン闇市のシルクロードを閉鎖し、2850万米ドル相当を押収した[24]。
- 2013年12月5日 - 中国人民銀行は、中国の金融機関によるビットコインの使用を禁止する[25]。
- 2014年1月27日 - ビットコインを使ったマネーロンダリングの容疑で、ビットインスタント(BitInstant)取引所の所長とビットコイン財団の副会長を務めるチャーリー・シュレム(Charlie Shrem)とロバート・ファイエラ(Robert Faiella)が逮捕される[26]。
- 2014年2月26日 - 大手取引所のマウントゴックス[注釈 1][注釈 2]が全ての取引を停止し[27]、「取引所のサイトと顧客を守るため、全ての取引を一時的に中断することを決めた」とした[28]。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、25日、ニューヨーク南連邦地方検事局が捜査に着手し、マウントゴックスに召喚状を送り、書類の保全などを命じた[29]。28日、会社は東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理された[30]。 会社は被害額が85万ビットコイン(114億円相当)および現金28億円としている。(480億円相当が正しい)[31]。) グローコム客員研究員の楠正憲によれば、本来発行された取引IDを顧客が改ざんすることができ、もとのIDに問い合わせても取引IDがないため何回でも取引を要求できるという[32]「ネットエージェント」代表の杉浦隆幸によれば、秘密鍵を管理する『財布』のパスワードを盗みとることができれば、大量の不正引き出しも可能だとする[32]。詳細は「マウントゴックス」を参照
- 2014年6月13日 - 米オンライン旅行最大手エクスペディアが、ホテル予約でビットコイン利用を開始[33]。
- 2014年7月18日 - デルが公式ホームページを通じた自社製品の販売で、ビットコインによる支払いの受け付けを開始[34]。
- 2014年8月 - アメリカの楽天スーパーロジスティクスが、ビットコイン決済の取扱を開始[35]。
- 2015年12月18日時点 - ビットコインの時価総額は約8400億円[36]。
- 2015年1月26日 - 大手取引所Coinbaseが、アメリカ24州の認可を受けたビットコイン取引所「Coinbase Exchange」をオープン[37]。
- 2015年10月22日 - 欧州司法裁判所(ECJ)は、「ビットコインの売買は欧州付加価値税の適用を除外される!と判決を下した[38]。
- 2017年4月29日時点 - ビットコインの時価総額は約23785億円,1BTCは145,934円 [39]。
- 2017年5月25日時点 - ビットコインの最高値が、金の最高値を抜き、この日に年初の3倍となる1ビットコインあたり2,700ドル台まで上昇した[40]。
- 2017年7月25日 - ロシア人のアレクサンドル・ビーニクが、マウント・ゴックスなどから不正に入手した収益を自身のビットコイン取引所を通じて資金洗浄した容疑で、ギリシャ滞在中に逮捕されたことが分かった[41]。
- 2017年8月1日 - ハードフォークによりビットコインキャッシュが分裂[42]。
- 2017年8月24日 - データの圧縮技術「Segwit」がアクティベートされる[43]。
- 2017年10月24日 - ハードフォークによりビットコインゴールドが分裂[44]。
- 2017年11月25日 - ハードフォークによりビットコインダイヤモンドが分裂[45]。
- 2017年12月10日 - シカゴ・オプション取引所(CBOE)にてビットコイン先物取引の開始[46]。
- 2017年12月17日 - Coinbase での取引価格が1ビットコインあたり19891.99ドルになった。今まで上昇し続けていたビットコインの価格は、それ以降、2018年12月15日に3128.89ドルまで下落し、この最高値は2020年12月1日まで超えられなかった。[47]
- 2017年12月18日 - シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)にてビットコイン先物取引の開始[48]。取引単位は5ビットコインで、限月は毎月[49]。
- 2018年1月15日 - ライトニングネットワークによる世界で初めての物品購入が行われた。[50] またついで同年2月25日には、世界で初めて、ビットコインで商取引(ピザの購入)を行った人物が、再びライトニングネットワークでピザを購入した。 [51]
- 2019年6月19日 - シカゴ・オプション取引所(CBOE)のビットコイン先物取引が終了[52]。
- 2019年9月23日 - Bakkt にてビットコイン先物取引の開始[53]。
- 2019年12月9日 - Bakkt にてビットコインオプション取引の開始[54]。
- 2020年1月13日 - シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)にてビットコインオプション取引の開始[55]。
- 2020年11月5日 - アメリカ合衆国司法省(DOJ)がシルクロードに絡み、10億ドルのビットコインを押収[56]。
- 2021年2月20日 - 時価総額が1兆ドル(約105兆円)を突破。[57] [58] [59]。
- 2021年5月1日 - 大型アップグレード「Taproot」の実装テストが開始する[60]。
仕組み
ビットコインはsecp256k1と呼ばれる楕円曲線に基づいたECDSAアルゴリズムで取引が暗号化されている[61]。またビットコインで使われるsecp256k1曲線の方程式は 2=3+7である[62]。ビットコインではプロトコルを改善するフォーマットの事をBitcoin Improvement Proposal (BIP)と呼ばれ[63]、シュノア署名のサポートを追加する事が提案されている[64]。
通貨単位
ビットコインの通貨単位は、「bitcoin(ビットコイン)」である。2014年現在、ビットコインを表わす記号にはBTC、XBT、₿がある[65]。
補助単位としては、「mBTC(ミリ・ビットコイン)」、「µBTC(マイクロ・ビットコイン)」、「bits (ビット)」「satoshi(またはSatoshi。読みはサトシ)」等が存在する。satoshiはビットコインの作者であるサトシ・ナカモトを記念してつけられたビットコインの最小単位で、1億分の1ビットコインにあたる[66][67]。Bitsは100万分の1ビットコインでμBTCと等しく、ビットと呼ばれる(英語表記ではbitsと複数形となる)[68]。
また、頭文字の大小による意味の違いがあり、大文字表記 (Bitcoin) はプロトコルと取引ネットワークを、小文字 (bitcoin) は通貨自体を指す[69]。
2014年10月7日、ビットコイン財団は、ビットコイン用のISO 4217通貨コードを申し込む計画を明らかにし[70]、BTCまたはXBTが主候補であるとした[71]。
2015年に、ビットコインの記号「₿」がUnicode(U+20BF)に追加することが認められた[72][73]。
ブロックチェーンとマイニング
ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成するコンピューターに、暗号技術を用いて一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながらデータを同期する手法である。それは取引記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであることから「ブロックチェーン」と呼ばれ、ビットコインはその技術を用いて取引される[74]。
取引の承認作業の仕組み
ビットコインの送金者は、金額や受取人などの取引情報(トランザクション)を、ネットワークを構成するマイナー(miner, 採掘者)と呼ばれるノードにブロードキャスト(転送)する。マイナーは、受け取った取引情報をブロックという形でまとめ、ブロックチェーンの末尾に追加する。ただし、新しいブロックを記録するためには計算量の大きな問題を解く必要がある。マイナーたちは競ってその問題を解き、最初にブロックを追加することに成功したマイナーだけが一定額の報酬を得ることが出来る。以上の過程を総称してマイニング(採掘)という。二重支払いなどの不整合性は、ブロックをブロックチェーンに記録する際に他のノードによってチェックされる[75][76]。
問題は10分ほどで解けるように難易度が調整されており、送金者は、取引の整合性がマイナーたちによって確認され、ブロックチェーンに記録されるまで同程度の時間を待たねばならない。流通するすべてのビットコイン通貨は、このようにマイナーへの報酬という形で市場に供給される[75]。
ブロックチェーンの分岐
ブロックチェーンは、場合によっては分岐することもある。例えば、悪意ある攻撃者が過去のブロックを改竄した場合や、複数のマイナーが同時にブロックを追加した場合である。こういった問題を、ビットコインはチェーンを構成する計算を多く実行したものである「最も長いブロックチェーンを信頼する」という原則で解決している[77][78]。
攻撃者が過去の取引履歴を書き換えても、その履歴が信頼されるためには、そこから派生するチェーンが他のチェーンよりも長くならなければならない。そのためにはネットワーク全体の半分以上のCPUパワーが必要となる[79]。またビットコインに参加するノードの数が十分大きければ、そのようなCPUパワーを確保するのは困難である。 ビットコインはこの分散合意アルゴリズムという考え方(プルーフ・オブ・ワーク)に基づいて堅牢性を担保している[78][79]。
複数のマイナーがそれぞれ個別のブロックを追加し、チェーンが分岐してしまった場合は、ネットワーク上の各マイナーはそのうちどちらかのチェーンを選んでマイニングに取り組む。さらに新しいブロックがどちらかのチェーンに追加された時点で、他方のチェーンは放棄される[78]。
ウォレット
ビットコインにおけるウォレット(口座/保管場所)は、秘密鍵を持つビットコインアドレス (address/口座番号) をまとめたものである[80]。またビットコインアドレスは、「秘密鍵」によって「公開鍵」が作られ、「公開鍵」からビットコインアドレスが作られる[81]。また、そのアドレスから送金する際には対応する秘密鍵が必要になる。
ビットコインのウォレットには以下のように種類がある[82]。
ホットウォレット
ホットウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットに接続されている状態にあるウォレットである。代表的に、以下の3つがある[83]。
- ウェブウォレット
- モバイルウォレット
- デスクトップウォレット
ウェブウォレットとは、利用者に代わってウォレットを管理するウェブサービスのウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる[84]。
また、Windows、MacOS、iOS、Androidなどのオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアのウォレットをソフトウェアウォレット(クライアントウォレット)という。デスクトップPCにソフトウェアをインストールする場合はデスクトップウォレットといい、モバイル端末にインストールする場合はモバイルウォレットという[85]。
一番最初に出たウォレットはBitcoin Coreであり、2009年にサトシ・ナカモトによってオープンソースソフトウェアとしてリリースされた[86][87]。Bitcoin Coreはウォレットとしての機能だけでなく、フルノードとしてビットコインネットワークに参加してマイニングを行う事ができる機能を持つ[88]。
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ソフトウェアウォレットのArmory
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ソフトウェアウォレットのElectrum
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ソフトウェアウォレットのBitcoin core
コールドウォレット
ホットウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットから隔離されているウォレットである。代表的に、以下の2つがある[83]。
- ハードウェアウォレット
- ペーパーウォレット
ハードウェアウォレットとは、専用のハードウェアを使ったウォレットのことである。ハードウェアウォレットは、取引ネットワーク(イーサネット)に接続された外部のマシン(パーソナルコンピュータなど)に接続して利用する。ハードウェアウォレットの内部には秘密鍵が保存されているが、ウォレットは署名だけを行って接続先のマシンに送信するので、秘密鍵の漏洩の可能性はソフトウェアウォレットにくらべて低い[89][90]。
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ハードウェアウォレットのTrezor
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ハードウェアウォレットのLedger Nano S
ペーパーウォレットとは、紙にビットコインアドレスと秘密鍵(プライベートキー/暗号コード)を印刷したものである。クラッキングなどで秘密鍵が漏洩する危険性がないので、最も安全である。ただし、インクや紙の劣化、盗難に注意が必要となる[91]。
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bitaddress.orgによって作成されたビットコインペーパーウォレット
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開封明示シールが貼られ、秘密鍵が隠されているビットコインペーパーウォレット(bitcoinpaperwallet.comによって作成)
経済力
ビットコインはP2P(Peer to Peer)で取引できるデジタル資産であり[92]、「稼ぎにくく、供給が限られており、検証が容易である」という、通貨として有用な3つの性質を持っているとされている[93]。
またビットコイン提唱者であるsatoshi nakamotoは、論文中で「従来の通貨の根本的な問題は、通貨としての機能させるために必要なすべての信頼にある。中央銀行が信頼されるためには通貨の価値を下げないようにしないといけないが、不換紙幣の歴史はその信頼の破壊に満ちている」と述べている[94]。
代替通貨
ビットコインは、自国通貨のインフレーション率や資本規制、国際機関による経済制裁に悩まされている国々で、代替通貨として人気があると示されている。 インフレと厳格な資本規制によって窮地に陥っている一部のアルゼンチン人は、アルゼンチン・ペソの代替通貨として使用している[95]ほか、 一部のイラン人は、通貨制裁を回避するために使用[96]している。
経済ジャーナリストやアナリストは、スペインでの流通量とキプロス・ショックに関連性があると示唆している[97]。キプロスでは財政難になった際に、金融機関の預金口座に課税するために預金封鎖をしたことで、キプロス国民が国家権力の及ばない「ビットコイン」へ資産を移す動きが増え、大々的に報じられた。
投機
ビットコインへの投機
人気上昇に伴い、価格変動から差益を得ようとする投機家により[98]、投機目的で取引されている[99]。
一例として、2012年にウィンクルボス兄弟がビットコインを購入し、2015年にはニューヨーク本拠の仮想通貨取引所「ジェミニ(Gemini)」も設立している[100]。 しかし一方で、2013年には欧州銀行監督局(EBA)はこのような投機リスクに対し警告している[101]。
2020年には、ビジネス分野へのデータ管理や分析を手がけるアメリカの企業であるマイクロストラテジー社が、ビットコインの購入を始めている[102]。
2021年にはオンラインゲーム大手のネクソンがビットコインを購入し、日本企業として初めて財務資産に組み入れた[103]。
ビットコインドミナンス
ビットコイン以外の暗号通貨を「アルトコイン」といい、暗号通貨市場で、交換された、時価総額のなかに、ビットコインの時価総額が占める割合を「ビットコインドミナンス」という[104]。ビットコインドミナンスはビットコインとアルトコインの間の資金の流れを把握するのに用いられ、暗号資産に投機するための指標になっている[105]。
需要
ビットコインは、採掘、もしくは商品・サービス・他の通貨との交換、また寄付を受けることにより入手できる。ビットコインは一般的なクレジットカードの加盟店手数料2−8%に比べ費用が抑えられ[106]、クレジットカードの手数料よりさらに安価な決済コストを実現でき、かつ土日祝祭日に左右されない。また、売り手買い手双方ともに、個人情報やカード番号など、外部に漏れたら問題になるような情報の入力も必要ない。そのためeコマースの決済手段として着実に地歩を固めている[107]。
著名な営利法人での採用例としてはOkCupid、reddit、WordPress、ヴァージン・ギャラクティックが[108]、特定非営利活動法人やアドボカシー団体ではフリーソフトウェア財団[109]、WordPress[110]、Tor[111]、電子フロンティア財団[112] (EFF)、ウィキメディア財団[113]などが挙げられる。
問題点
中央支配機関がないビットコインの信用は、ネットワーク参加者全体で相互に形成されている。価値下落を防ぐ努力をするような中央組織が存在しないというリスクがある一方で、使用者の意図に反して価値をコントロールすることもできない [107]。
欧州銀行監督局(EBA)およびその他の情報提供元は、「ビットコインユーザーが、返金を要求する権利やチャージバックにより保護されているとは言えない」と警告している。犯罪者によるビットコインの利用は金融規制当局・立法機関・法執行機関・メディアの注意を惹きつけている。
アメリカをはじめとする国々の当局者たちは、ビットコインを合法的な金融サービスを提供できるものと認識しているものの、闇ネット市場や盗難を中心として犯罪活動が行われている。ビットコインの盗難は可能であり実例があるものの[114]、オフラインでの防止策でこうした危険性は減らせる[115]。
犯罪行為との関連性は利用人口拡大の妨げとなっており、流通動向は金融規制当局、立法機関、法執行機関の注目を集めており、実際に米連邦捜査局 (FBI)、米上院、ニューヨーク州により捜査された[116]。 FBIは「おそらく資金の移動や盗難手段としてサイバー犯罪者を惹きつける」と2012年の報告書で述べた[117]。
2013年3月に米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク局 (FinCEN) は、「分散型仮想通貨」の規制指針を制定し、アメリカで造幣販売を行う「採掘者」は通貨販売事業者と指定され、事業登録やその他の法的義務が課せられた[118][119][120]。
2013年8月、ドイツ財務省は、ビットコインについて、「多国間決済の会計単位として使用可能である」とし[121][122]、1年以上保持する場合はキャピタルゲイン税が課せられた[122]。
米国ニューヨーク州金融サービス局は、富の移転や犯罪行為(特にシルクロード)を懸念し規制する目的で、権限上可能な規制 (BitLicense) や指針に関わる調査の実施を2013年11月に発表し、ニューヨーク市で公聴会を開催した[123]。 またアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)は、「積極的に独自基準の作成に取り組んでいる」と述べている[124]。
同時に欧州銀行監督局 (EBA) は、使用状況を鑑みて微妙ながら承認を与えた。 以前はEUおよびEFTA地域の銀行による規定や認可が存在せず危険性が伴うことから公式に警告を発していたが、 各種規制の適応外であり不要であることを認め、現状を認識し見方を変えた[125]。
カーボンフットプリント
ビットコインの環境への影響に関する懸念は、ビットコインのエネルギー消費量と二酸化炭素の排出量に関連している[126] [127]。エネルギー消費量を二酸化炭素排出量に換算するのが難しいのは、ビットコインが分散型であるため、使用される電力構成を調べるために採掘者の地域化ができないことが原因である。ビットコインのカーボンフットプリントを分析した最近の研究の結果はさまざまである[128] [129] [130] [131]。2018年に「Nature Climate Change」に掲載された研究では、ビットコインは "単独で、30年以内に温暖化を2℃以上に押し上げるのに十分なCO2排出量を生み出すことができる "と主張している[132]。しかし、他の研究者はこの分析を批判し、「基礎となるシナリオが不十分で、過大評価につながっている」と主張している[133] [134] [135]。2019年にJoule誌とAmerican Chemical Society誌に掲載された研究によると、ビットコインの年間エネルギー消費量は、17[136]~22.9 Mt CO2の年間炭素排出量となり、これはヨルダンやスリランカなどの国やカンザスシティの排出量に匹敵するレベルである[137]。国際エネルギー機関(IEA)は、ビットコインに関連する年間炭素排出量を10~20 Mt CO2と推定しており、Nature Climate Change誌の予測は、1990年代後半にインターネットとそのエネルギー消費量の増加について警告されていたことと同様に、「ビットコインに関するセンセーショナルな予測」に過ぎないと評している[138]。
闇市場
2012年、英経済誌エコノミストは、ビットコインの人気を「違法薬物の購入手段としての利用価値に拠るもの」と報じている[139]。 2013年、英ガーディアン紙は、「主にオンライン賭博や違法薬物購入に使われた」と述べ[140]、 同年、ハフィントン・ポストは「オンライン賭博が高割合を占める」と述べた[141]。 正規のトランザクションは、実際の薬物購入関与数より少ないと考えられており[142]、 全トランザクションの約半分は、単一のオンラインゲームサイトで決済されている[143]。 2012年、カーネギーメロン大学と情報ネットワーク協会の研究により、 ビットコインの流通総額の4.5−9%が、単一のオンライン市場、シルクロードの薬物購入目的であると推定した[144]。 取引の大半は実質的に投機目的であったが、当研究は商品やサービスに比べ薬物が遥かに大きな使用割合を占めると主張している[144]。
2013年、ハフィントンポストは、身元確認をしないオンライン銃器商は決済にビットコインを使用していると報じた[145]。
資金洗浄
欧州銀行当局を含む各種の規制当局及び法執行機関は、資金洗浄用途を警戒している[146]。 米連邦捜査局 (FBI) による2012年度報告書では、資金洗浄を実現するおそれを認めたが、判明した事例が存在しなかったと述べている[117]。 資金洗浄の障害として、取引履歴の公開性を挙げる意見もある[147]。
コンシューマーズ・リサーチは2015年に資金洗浄を排除する方策の必要性を挙げるとともに過剰な規制による業界の萎縮を懸念点として挙げた[148]。
不正アクセス・盗難
伝統的な通貨を扱う業界では、取り引きの途中で資産が不正にアクセスされた場合消費者保護の規制により、事業者が一定の範囲で弁済することが義務づけられているが、ビットコインの取り引きを仲介する事業者の場合、ビットコインが盗難され顧客資産が消失したまま戻らなかった事例が複数回起こった[148]。ビットコインでは取り引きが不可逆であるため、不正アクセス者が資産を一度他者に送ってしまうと元に戻すことができない[148]。
無許可採掘
2011年6月、シマンテックは、ボットネットによる隠れた採掘により、ハードウェアの消耗や電力量の増加やコンピュータ温度の上昇の可能性について警告した[149][150]。コンピューターウイルスに感染した場合、最新ビデオカードに組み込まれているGPUの並列計算帯域が、マルウェアにより消費される[151]。
2011年8月中旬、採掘用ボットネットが再び検出され[152]、その後3ヶ月未満で採掘用トロイの木馬に感染したMac OS Xが発見された[153]。
国家・宗教による利用制限
日本では、2014年6月19日に自民党IT戦略特命委員が規制を見送る提言書を公表している[154]。提言では、ビットコインなどの仮想通貨を「価値を持つ電磁的記録(価値記録)」と定義している。
ロシアでは2014年3月、中央銀行が、目下いかなる暗号通貨も禁止する計画を持たないと明言した。政府は暗号通貨の違法な使用を防止すべく、市民と法人を保護するための法的な枠組みを設ける予定であるという[155]。
インドネシアでは、2014年2月6日にインドネシア中央銀行が、ビットコインは法定通貨ではないと声明した[156]。
中国(中華人民共和国)では、2014年4月中旬に国有商業銀行大手がビットコインを扱う取引所の口座を閉鎖し始めた[157][158]。中国はビットコイン取引規制を進める一方で採掘したビットコインの売却で得た利益は中国に還元され[159]、市場を支配できることなどから世界の7割超も占めるビットコインの採掘活動を暫く容認するも[160]、中国政府は2019年4月にコンピュータの電力浪費を理由にビットコインなど仮想通貨の採掘も禁止する方針を発表し[161]、マイニング機器世界最大手のビットメインなどの中国企業も同様に、大量の演算処理能力を必要とする人工知能といった政府の支援する業界に注力するようになった[162]。
エジプトでは、大ムフティーのシャウキー・イブラーヒーム・アブドゥルカリームがイスラム教に反するとしてビットコイン取引を禁じる宗教令(ファトワー)を出し、イスラム圏で同様のビットコイン禁止令が相次いだ[163][164]。
脚注
注釈
- ^ 顧客数12万7千人、うち日本人は1000人。
- ^ 2013年11月現在では世界最大、1日500-2000万$。世界の7割。破綻時点で2割。The Rise and Fall of the World’s Largest Bitcoin ExchangeBy Robert McMillan and Cade Metz,WIRED,11.06.13]
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- ^ “ビットコインが中東で「禁忌」とされる理由「どうあっても認めない」”. /withnews (2018年1月16日). 2018年4月3日閲覧。
関連文献
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- 岡田仁志・高橋郁夫・山崎重一郎『仮想通貨』東洋経済新報社(出版)、2015年5月29日。ISBN 978-4-49-268138-1 。
- 柏木 亮二「フィンテック」2016/08 日本経済新聞出版社 日経文庫
- 仮想通貨総研『新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本』秀和システム、2014年11月29日。ISBN 978-4-7980-4218-3 。
- ケヴィン・ケリー「テクニウム」ーテクノロジーはどこへ向かうのか? 服部 桂 (翻訳) テクニウム2014/06 みすず書房
- 斉藤賢爾『これでわかったビットコイン 生きのこる通貨の条件』太郎次郎社エディタス、2014年5月。ISBN 978-4-8118-0772-0 。
- 斉藤賢爾『インターネットで変わる「お金」 ビットコインが教えたこと』幻冬舎メディアコンサルティング〈幻冬舎ルネッサンス新書 さ-6-1〉、2014年12月。ISBN 978-4-344-97126-4。
- 高橋 洋一「日本経済の真相」ビットコインはある程度の地位を築くかも・・・ 2014/05 KADOKAWA/中経出版
- 高城泰『ヤバイお金 ビットコインから始まる真のIT革命』扶桑社、2014年7月2日。ISBN 978-4-594-07083-0 。
- 西部忠『貨幣という謎 金(きん)と日銀券とビットコイン』NHK出版〈NHK出版新書 435〉、2014年5月10日。ISBN 978-4-14-088435-5 。
- 「日経ビジネス」ビットコイン~国家に突きつけた挑戦状 2014/04/21日経BP社
- 「金融入門」 日本経済新聞社(編集) 2014/03 日本経済新聞出版社
- 「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来 日本版FPジャーナル 2016年9月号(第200号) 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会報
- 「Newsweek (ニューズウィーク日本版)」 ビットコインの可能性 2014/02/25 阪急コミュニケーションズ
- 野口悠紀雄『仮想通貨革命 = The Virtual Currency Revolution ビットコインは始まりにすぎない』ダイヤモンド社、2014年6月。ISBN 978-4-478-02844-5 。
- ビットコイン研究所『はじめてのビットコイン』佐々木健二 監修、ATパブリケーション、2014年7月8日。ISBN 978-4-906784-21-9。オリジナルの2015年9月23日時点におけるアーカイブ 。
- 馬渕邦美 (監修)「ブロックチェーンの衝撃」ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会 (著) 2016/06 日経BP社
- 茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇「マネーと国家と僕らの未来」ハッカーズ 2014/12 廣済堂出版
- 安岡孝一 (2014年4月2日). “Bitcoinは計算量理論から見て「無限連鎖講」である”. 日経BP. 2014年10月24日閲覧。
- 山中浩之; 岩村充 (2014年3月13日). “「ビットコインはそもそも出来が悪いです」 岩村 充・早稲田大学商学研究科教授に聞く”. 日経ビジネスオンライン. 2014年10月24日閲覧。
- 吉本佳生、西田宗千佳『暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり 「良貨」になりうる3つの理由』講談社〈ブルーバックス B-1866〉、2014年5月20日。ISBN 978-4-06-257866-0 。
- 「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える 2016/10 コンデナスト・ジャパン