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「テレコム・アニメーションフィルム」の版間の差分

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2021年6月5日 (土) 20:52時点における版

セガサミーホールディングス > セガ > トムス・エンタテインメント > テレコム・アニメーションフィルム
株式会社テレコム・アニメーションフィルム
Telecom Animation Film Co., Ltd.
種類 株式会社
略称 TAF
本社所在地 日本の旗 日本
164-0001
東京都中野区中野三丁目31番1号 2F
北緯35度42分8.4秒 東経139度39分54.6秒 / 北緯35.702333度 東経139.665167度 / 35.702333; 139.665167座標: 北緯35度42分8.4秒 東経139度39分54.6秒 / 北緯35.702333度 東経139.665167度 / 35.702333; 139.665167
設立 1975年5月19日
業種 情報・通信業
法人番号 2011201003540 ウィキデータを編集
事業内容 テレビ・ビデオ・CF・劇場用アニメーションの企画、及び制作
代表者 代表取締役社長 浄園祐
資本金 1,000万円(2019年3月31日現在)
発行済株式総数 182000株(2020年3月31日現在)[1]
純利益 319万4624円(2020年3月期)[1]
純資産 △9735万2847円
(2020年3月31日現在)[1]
総資産 2億2761万669円
(2020年3月31日現在)[1]
従業員数 67名
決算期 3月31日
主要株主 株式会社トムス・エンタテインメント 100%
関係する人物 竹崎忠(取締役会長)
大嶋絵涼子(取締役)
福山研輔(取締役)
中山健(監査役)
外部リンク https://www.telecom-anime.com/
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株式会社テレコム・アニメーションフィルム: Telecom Animation Film Co., Ltd.)は、トムス・エンタテインメント傘下の日本アニメ制作会社

概要

国内のテレビアニメに限界を感じた東京ムービー社長の藤岡豊(当時)が、アメリカ進出を夢見て、系列のスタジオにAプロダクションが既にあったにも関わらず、海外合作のためフル・アニメーションを描けるアニメーター育成を目的に1975年5月19日に設立したものがテレコム・アニメーションフィルム(以下テレコム)である。1980年代に東京ムービーの社運をかけた大作『NEMO/ニモ』の制作に携わる。その制作準備中に大塚康生宮崎駿高畑勲東映動画系のスタッフが集い、宮崎による『ルパン三世 カリオストロの城』、高畑による『じゃりン子チエ』などの長編作品を制作。結果的に両名の東映動画からスタジオジブリに至る長編アニメ制作の橋渡しをすることになった。『NEMO/ニモ』完成後は主にアメリカ作品の外注を手がけ、日本のアニメスタジオとしては異例のエミー賞4度の受賞などアメリカのアニメーション業界ではその作画力は評価が高い。1990年代後半からは国内作品の制作も多くなった。テレコム技術顧問を務める大塚によるアニメーター通信講座「アニメ塾」も主催。

沿革

1978年3月に読売新聞に募集広告を出し、1000人を越える応募者の中から、アニメーションの経験がないということを基準に43人が選抜され、4月から月岡貞夫が初期教育にあたった。同年の実験的な短編作品『おばけちゃん』がテレコムの初作品となり、完成後に月岡はテレコムを去る。1979年からはシンエイ動画より移籍した大塚康生が新人教育のために経験者のアニメーターに声をかけ、シンエイ動画から田中敦子、原恵子、オープロダクションからは友永和秀丹内司、山内昇寿郎らがテレコムに参加。日本アニメーションで高畑勲監督作品の制作進行を務め、後にテレコム社長になる竹内孝次が制作担当として移籍したのもこの頃である。『NEMO/ニモ』は準備段階だったため、当初は『ルパン三世(第2シリーズ)』の作画作業を行なった。10月には宮崎駿の下で劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』の制作を担当、さらに1980年には長編第2作として高畑勲を招いて『じゃりン子チエ』に従事。新人たちもこれらを通じて一人前のアニメーターに成長した。その後も宮崎の下で『名探偵ホームズ』に携わるなど、宮崎と高畑の存在はテレコムにとって大きな存在であった。しかし、テレコムにとって本命の『NEMO/ニモ』という企画に対して、高畑と宮崎の両名は否定的であり、宮崎が準備中の『NEMO/ニモ』の代替案として提示した長編作品の企画が採用されなかったために退社、その後『NEMO/ニモ』の監督に決定していた高畑も退社し、優秀な演出家を失うこととなった。ただし、宮崎は後のアニメ映画風の谷のナウシカ』の制作母体に当初テレコムを考えたり、テレコムが制作した『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』にスタジオジブリが制作協力、逆にスタジオジブリ作品に田中敦子などテレコムのスタッフが参加するなど、喧嘩別れしたのではなく、藤岡の『NEMO/ニモ』に賭けた夢に高畑、宮崎の両者とも理解を示していたという。藤岡もスタジオジブリの鈴木敏夫に対して「高畑、宮崎をよろしく」と言っていたという[2]

『NEMO/ニモ』は1988年に完成するが、制作待機中の1980年代のテレコムは東京ムービー新社の受注したディズニーワーナー・ブラザース、フィルメーションなどアメリカのプロダクションの外注を引き受けて、フルアニメーションの技術を習熟していった。その頃の担当作品には『The Littles』『ギャラクシー・ハイスクール』『ワズルス』『新くまのプーさん』『タイニー・トゥーンズ』などの合作作品を担当。日本国内では知られることはなかったが、ハリウッドでは「4th floor people」として知られる存在だったという[3]。『ルパン三世 風魔一族の陰謀』を制作したのもこの頃である。また、『NEMO/ニモ』のプロモーションに技術力を示すため、『ルパン三世 カリオストロの城』がアメリカの業界内での上映会に使われ、ハリウッドにおける宮崎駿の知名度が飛躍的に高まったという逸話がある[4]

その後もテレコムはワーナー・ブラザースのテレビアニメ『バットマン』『スーパーマン』の作画を手がけるなどして、1997年から1998年度のエミー賞「優れたアニメーション演技賞」を八崎健二、矢野雄一郎、増田敏彦、青山浩行の4名のテレコムの原画陣が受賞。1990年からの4度目のエミー賞受賞となっている。テレビのリミテッドアニメで発展してきた日本のアニメ界において、フルアニメーションの技術を持つスタジオとして存在感を示した。アニメーターの今石洋之安彦良和らによると、日本のアニメーターの間でもテレコムには名門あるいは最高峰の登龍門というイメージがあるという[5]。これには、テレコムの新人募集に対して、宮崎駿、高畑勲、大塚康生の下で学びたいという志願者が殺到、難関を突破したのは実力者ばかりという理由がある。

2001年、テレコムが長年発注を受けて来たワーナー・ブラザースが、外注を全て韓国に回すようになる。日本国内では東京ムービーの子会社として、東京ムービー新社制作作品の外注をこなしてきたが、2002年WOWOWで放送された『パタパタ飛行船の冒険』をきっかけに単独制作に参入。海外向けから日本国内向けの制作へ転換する。またマッドハウスとの共同制作の『無人惑星サヴァイヴ』(2003年-2004年)や単独制作作品『タイドライン・ブルー』(2005年)等ジュブナイルSF作品を手がけたほか、日本国内他社が制作する作品のグロス請けも請け負う。

2017年3月期から2期連続で債務超過となっている[6][7]2017年8月10日付で、資本金を9800万円から1000万円に減資した[8]

作品履歴

テレビアニメ

開始年 放送期間 タイトル 共同制作
1986年 9月 - 12月 ギャラクシー・ハイスクール
2000年 10月 - 2001年1月 サイバーシックス NOA
2002年 1月 - 6月 パタパタ飛行船の冒険
2003年 10月 - 2004年10月 無人惑星サヴァイヴ マッドハウス
2004年 10月 - 12月 双恋
2005年 7月 - 9月 タイドライン・ブルー
2006年 7月 - 9月 無敵看板娘
2007年 7月27日 ルパン三世 霧のエリューシヴ
10月 - 12月 もやしもん 白組
2008年 4月 - 9月 二十面相の娘 ボンズ
2010年 4月 - 2011年3月 ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ
2011年 12月2日 ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜
2012年 7月 - 9月 もやしもん リターンズ 白組
2014年 1月 - 4月 Z/X IGNITION
7月 - 9月 戦国BASARA Judge End
7月 - 12月 フランチェスカ ハートビット
2015年 10月 - 2016年3月 ルパン三世
2016年 1月 - 3月 ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション
1月8日 ルパン三世 イタリアン・ゲーム
7月 - 9月 orange トムス・エンタテインメント
2017年 1月 - 3月 チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜 グラフィニカ
2018年 4月 - 9月 ルパン三世 PART5
7月 - 10月 つくもがみ貸します トムス・エンタテインメント
2020年 4月 - 6月 神之塔 -Tower of God-
2021年 4月 - イジらないで、長瀞さん

劇場アニメ

短編作品

テレビCM

制作協力

東京ムービー、トムス・エンタテインメント制作作品
ワーナー・ブラザース制作作品
ウォルト・ディズニー・カンパニー制作作品
フィルメーション制作作品
  • 怪傑ゾロ(The New Adventures of Zorro)(テレビシリーズ、1981年)
DICエンタテインメント(DICアニメーションシティ)制作作品
サバン・エンターテイメント制作作品
ユニバーサル・ピクチャーズ
スタジオジブリ制作作品
マッドハウス制作作品
サンライズBN Pictures制作作品
タツノコプロ制作作品
ボンズ制作作品
GONZO制作作品
エー・シー・ジー・ティー制作作品
シンエイ動画制作作品
スタジオコメット制作作品
Production I.G制作作品
マングローブ制作作品

関連人物

脚注

  1. ^ a b c d 第41期(2020年3月期)決算公告” (PDF). 株式会社テレコム・アニメーションフィルム. 2020年6月27日閲覧。
  2. ^ 大塚康生 2004, p. 181.
  3. ^ 大塚康生 2004, p. 151.
  4. ^ 大塚康生 2013, p. 292.
  5. ^ 「テレコムは名門」は今石洋之のウェブアニメスタイル「ガイナックス若手アニメーター紹介(2)」での発言。「最高の登龍門」は安彦良和がテレコム出身の貞本義行と対談した際に発したテレコム評(安彦良和『アニメ・マンガ・戦争』角川書店、2005年、p123)
  6. ^ 平成29年3月期決算公告 テレコム・アニメーションフィルム
  7. ^ 平成30年3月期決算公告 テレコム・アニメーションフィルム
  8. ^ 資本金の額の減少公告 テレコム・アニメーションフィルム 2017年7月4日
  9. ^ ホクレン オリジナルアニメーション『from North Field』”. ホクレン オリジナルアニメーション『from North Field』. 2021年2月21日閲覧。

参考文献

  • 大塚康生『リトル・ニモの野望』徳間書店、2004年。ISBN 4198618909 
  • 大塚康生『作画汗まみれ 改訂最新版』文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2013年。ISBN 9784168122002 

関連項目

外部リンク