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イスラエル・パレスチナ/イスラム教でクリスマスを祝わない理由 |
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'''クリスマス'''({{lang-en|Christmas}})は、大多数の[[キリスト教]][[教派]]が行う、[[イエス・キリスト]]の[[キリストの降誕|降誕]]{{efn2|多くの教派で、「誕生」ではなく「降誕」という語を用いる。その所以は「[[キリストの降誕#「降誕」という語の意味]]」を参照。}}を記念する[[祭 |
'''クリスマス'''({{lang-en|Christmas}})は、大多数の[[キリスト教]][[キリスト教諸教派の一覧|教派]]が行う、[[イエス・キリスト]]の[[キリストの降誕|降誕]]{{efn2|多くの教派で、「誕生」ではなく「降誕」という語を用いる。また、「降誕」という語は「[[キリストの降誕]]」のみに用いられる。その所以は「[[キリストの降誕#「降誕」という語の意味]]」を参照。}}を記念する[[祭]]<ref>{{Kotobank|クリスマス}}</ref>。'''キリスト降誕祭'''(単に'''降誕祭'''とも)、'''降誕日'''<ref name="nskk1990">{{citation|和書|title=日本聖公会祈祷書|volume-title=1990年版|publisher=日本聖公会管区事務所|year=1991}}</ref>、'''聖誕祭'''、'''ノエル'''({{lang-fr-short|Noël}})などとも呼ばれる<ref>{{Citation|和書|year=2019|editor-last=松村|editor-first=明|editor-link=松村明|title=[[大辞林|大辞林 4.0]]|publisher=[[三省堂]]}}</ref>。「クリスマス」という英語は「キリスト({{lang|en|Christ}})の[[ミサ]]({{lang|en|Mass}})」という意味に由来する<ref>{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/クリスマス-56856#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8|title=「クリスマス」の解説|publisher=精選版 [[日本国語大辞典]]([[コトバンク]])|accessdate=2021-09-01}}</ref>。 |
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ほとんどの教派で、[[教会暦]]上の'''[[12月25日]]'''に祝われる<small>([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|例外後述]])</small>。 |
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あくまでキリストの降誕を記念する日であり、イエス・キリストの[[誕生日]]というわけではない<ref name="dai350">『[[キリスト教大事典]] 改訂新版』350~351頁、[[教文館]]、1977年 改訂新版第四版</ref>。 |
あくまでキリストの降誕を記念する日であり、イエス・キリストの[[誕生日]]というわけではない<ref name="dai350">『[[キリスト教大事典]] 改訂新版』350~351頁、[[教文館]]、1977年 改訂新版第四版</ref>。 |
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== 位置付け == |
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[[新約聖書]]には[[キリストの降誕]]について、『[[ルカによる福音書]]』[[Wikisource:ja:ルカによる福音書(口語訳)#第2章|第2章1-20節]]および『[[マタイによる福音書]]』[[Wikisource:ja:マタイによる福音書(口語訳)#1:18|第1章18節-第2章18節]]に記述があるが、[[誕生日]]を特定する記述は無い。 |
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=== 日付・期間 === |
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[[ファイル:Christmas-calendar-ja.png|thumb|400px|[[教会暦]]における降誕祭の日付の概要。教会暦の一日は日没から始まり日没に終わる。[[12月24日]]の日没からクリスマスが始まり、[[12月25日]]の日没にて終わる。]] |
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クリスマスは、「降誕を記念する祭日」と位置付けられているのであって、「イエス・キリストの誕生日」とされているのではない<ref>八木谷涼子:キリスト教の歳時記 - 知っておきたい教会の文化、p.47、講談社、ISBN 978-4-06-292404-7、2016年12月9日 「イエスがいつ生まれたかを正確に特定できる記録は一切残っておらず、したがって、ナザレのイエスが実際にこの日に生まれた、と主張するクリスチャンは(子供を除いては)存在しない。あくまで12月25日は、イエスの誕生を'''記念する日'''なのである。」</ref>。イエス・キリストが降誕した日がいつにあたるのかについては、古代からキリスト教内でも様々な説があった(例えば[[3世紀]]の初め頃には、[[アレクサンドリアのクレメンス]]は[[5月20日]]と推測していた)<ref name="dai350" />。 |
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大多数の教派では毎年[[12月25日]]に祝われるが、[[東方教会]]のうち[[ユリウス暦]]を使用する教会はユリウス暦12月25日(21世紀現在、[[グレゴリオ暦]][[1月7日]]にあたる)に祝う<ref name="niko14">[https://web.archive.org/web/20190331115523/http://www.geocities.jp/ynicojp2/what-nikolaido.html 質問:クリスマスは12月25日?ロシアでは1月7日に祝うと聞いたのですが]([http://www.geocities.jp/ynicojp2/index.html ニコライ堂])(アーカイブ)</ref><ref>[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/nandemo6.htm 正教会では降誕祭は1月7日で祝われると教えられましたが、教会の予定表では12月25日ですね、どうしてですか]([http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会])</ref>。また、[[アルメニア使徒教会]]では教会暦上の[[1月6日]]に行われる([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|後述]])。 |
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また、キリスト教で最も重要な祭と位置づけられるのはこの祭ではなく、[[復活祭]](イースター/パスハ)である<ref name="nagoya">[[正教会]]の出典:[https://web.archive.org/web/20080509162842/http://www.orthodox-jp.com/nagoya/paschapr.htm 正教会の復活祭 2003年復活祭フォトレポート]([https://web.archive.org/web/20170428112321/http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会](アーカイブ)</ref><ref name="RC">[[カトリック教会]]の出典:[http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/lent.htm 四旬節 断食(大斎・小斎) カーニバル]([[カトリック中央協議会]])</ref><ref name="NSU">[[聖公会]]の出典:[http://www.nskk.org/tokyo/bishop/2008/0803/index.html 復活祭を迎える]([[日本聖公会]] 東京教区 [[主教]] 植田仁太郎)</ref><ref name="dai910">[[プロテスタント]]の出典:『[[キリスト教大事典]]』910頁、教文館、1973年9月30日 改訂新版第二版</ref>。 |
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キリスト教に先立つ[[ユダヤ教]]の暦、[[ローマ帝国]]の暦、およびこれらを引き継いだ[[教会暦]]では、現代の[[常用時]]とは異なり、[[日没]]を一日の境目としているので、[[クリスマス・イヴ]]と呼ばれる[[12月24日]]の夕刻から12月25日朝までも、教会暦上はクリスマスと同じ日に数えられる<ref>{{Cite news|title=3. なぜ12月25日にイエスの誕生を祝うのですか。|url=http://opusdei.org/ja-jp/article/3-naze12yue-25ri-niiesunodan-sheng-wozhu-unodesuka/|accessdate=2018-04-06|language=ja}}</ref>。したがって、教会暦ではクリスマス(降誕"日")は「12月24日の日没から12月25日の日没まで」である。12月24日の昼間は「クリスマス・イヴ」ではなく、24日の日没以降がクリスマス・イヴである。 |
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== 起源 == |
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[[西方教会]]では、'''降誕節'''({{lang-la|tempus nativitatis}}, {{lang-en|Christmas season}})は12月24日の日没から始まり、[[1月6日]]に[[東方の三博士]]の来訪を記念する'''[[公現祭]]'''(顕現日、'''エピファニー''')を祝い{{efn2|日本など、1月6日が国定休日ではなくて信徒が教会に集まりづらい国・地域においては、1月2日から1月8日までの間の[[主日]]に[[公現祭|エピファニー]]を祝う。}}、これを以て降誕節が終わる。より正確にはエピファニーの前日[[1月5日]]の日没「[[十二夜 (民俗行事)|十二夜]]」までである。そして降誕節の期間中の[[1月1日]]は、イエスの命名・[[割礼]]を記念する「{{仮リンク|イエスの聖名の祝日|en|Feast of the Holy Name of Jesus}}」{{efn2|[[日本聖公会]]では「主イエス命名の日」<ref name="nskk1990" />、[[ルーテル教会]]では「主の命名日」<ref>{{cite web|url=http://luther-rose.com/?p=1781|title=主の命名日|publisher=六本木ルーテル教会|accessdate=2021-09-13}}</ref>と呼ばれる。}}として祝われる。あるいは、現在の[[カトリック教会]]では1月1日を「{{仮リンク|神の母聖マリアの祭日|en|Solemnity of Mary, Mother of God}}」として祝い、「イエスのみ名の祝日」は[[1月3日]]に祝われる<ref>{{cite web|url=https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=010302|title=聖人カレンダー 1月3日 イエスのみ名|publisher=Laudate [[女子パウロ会]]|accessdate=2021-09-13}}</ref>。また、12月24日の4週間前([[11月27日]]から[[12月3日]]の間)の[[主日]](日曜日)から始まる'''[[アドベント]]'''(待降節/降臨節)をクリスマスの準備期間として祝う。 |
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=== クリスマスの日付の候補と決定 === |
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西暦[[325年]]の[[第1ニカイア公会議]]において、キリストの降誕を祝う日について議論された。日付の候補は、おもなものだけでも、1月6日、2月2日、3月25日、3月28日、4月2日、4月19日、4月29日、5月20日、11月8日、11月17日、11月18日、12月25日があった<ref>[https://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/3666.html#i-3 クリスマスってどういう日?] チコちゃんに叱られる!、[[木村正裕]]による説明、NHK、2018年12月21日放送{{信頼性要検証|date=2020-12-21|title=非公式サイトのブログ記事}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.circlegame.com/live/feast.htm|author=Michael Stevenson|title=Expose'; Ten Facts About the Christmas Holiday|website=Salvation Station|work=3. Christmas Instituted by The Council of Nicea in 325AD|date=2004-12-16|accessdate=2021-09-24|quote=In 325 A.D. Emperor Constantine called together the Council of Nicea which was in essence the first council of the Roman Catholic church. At this council meeting, it was decided that December 25th, the well-known pagan holiday dedicated to Mithras the Persian Sun-god, would be re-dedicated to the celebration of the birth of Jesus Christ.}}{{en icon}}</ref>。 |
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このうち、[[古典古代|古代]][[共和政ローマ]]時代の「[[ローマ暦]]」において[[冬至]]の日とされていた[[12月25日]]が、「降誕を祝う日」として次第に定着していった。12月25日に降誕祭を行う風習は、遅くとも[[354年]]には[[西方教会]]で始まり、[[4世紀]]末には[[東方教会]]の多くにも広まった<ref name="armenian">{{Wayback|url=http://www.armenianchurch-ed.net/feasts/feastschristmas/about/|title=Nativity and Theophany of our Lord (Jan. 6)|米国アルメニア教会東部教区|date=20120325063657}}{{en icon}}</ref>。 |
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[[正教会]]では、正式なフルネームとしては「主神我が救世主イイスス・ハリストスの降誕祭」{{efn2|イイスス・ハリストスはイエス・キリストの[[ギリシア語]]・[[教会スラヴ語]]読み。}}として祝われる{{要出典|date=2018年9月}}。[[エルサレム総主教庁]]、[[ロシア正教会]]、[[グルジア正教会]]など、そして[[非カルケドン派正教会]]である[[コプト正教会]]などは、[[ユリウス暦]]の12月25日(21世紀現在、[[グレゴリオ暦]]1月7日にあたる)に降誕祭を祝うが、[[ギリシャ正教会]]、ブルガリア正教会などでは[[修正ユリウス暦]]の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦の同日にあたる)に執り行う{{要出典|date=2018年9月}}。正教会では、降誕祭と、[[イエスの洗礼|主の洗礼]]を記念する[[神現祭]](降誕祭の12日後、ユ暦[[1月6日]]/グ暦[[1月19日]]に行われる)とは[[奉神礼]]として一連のものであり、構造は同じである{{要出典|date=2018年9月}}。降誕祭の祭前期には「聖列祖の[[主日]]」で原祖[[アダム]]以来のキリストの肉に縁る先祖を、「聖世祖の主日」では神の祖父母[[ヨアキム|イオアキム]]と[[アンナ (マリアの母)|アンナ]]ら歴代の義者を祭る{{要出典|date=2018年9月}}。そして降誕祭の期間中の1月1日(ユリウス暦の1月1日は、21世紀現在、グレゴリオ暦[[1月14日]]にあたる)には、[[主の割礼祭]]を祝う。 |
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[[古代ローマ]]の宗教のひとつ[[ミトラ教]]では、12月25日は「不滅の太陽が生まれる日」とされ、[[太陽神]][[ミスラ|ミトラス]]を祝う[[冬至]]の祭であり、これから派生して[[ローマ神話]]の太陽神[[ソル・インウィクトゥス]]の祭ともされていた。これが降誕祭の日付決定に影響したのではないかとも推察されている{{efn2|イエス・キリストは、「まことの光」、「世の光」(『[[ヨハネによる福音書]]』[[Wikisource:ja:ヨハネによる福音書(口語訳)#1:9|第1章9節]], [[Wikisource:ja:ヨハネによる福音書(口語訳)#8:12|第8章12節]])、「光よりの光」([[ニカイア・コンスタンティノポリス信条]])と呼ばれているため、古代の[[太陽神]]信仰と親和性があった。}}。 |
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誤解されがちなこととして、「[[東方教会]]では[[公現祭|エピファニー]]の日{{efn2|[[東方教会]]の「[[神現祭]]」(Theophany)は「[[イエスの洗礼|主の洗礼]]」を記念する日であり、同じく[[教会暦]]上の[[1月6日]]でありながら、[[西方教会]]において「[[東方の三博士]]の来訪」を記念する「[[公現祭]]」(Epiphany)とは原語も意味合いも異なる。西方教会では、公現祭の後の[[主日]]に主の洗礼を祝う<ref>{{wayback|url=https://www.pauline.or.jp/calendariocappella/|title=教会カレンダー 2015年1月|Laudate 女子パウロ会|date=20150128064832}}</ref>。}}に降誕を祝う」と言われることがある。年月を経るごとにユリウス暦は、本来の[[太陽年]]とそれに近いグレゴリオ暦からずれが生じて、20世紀~21世紀の今たまたまユリウス暦12月25日がグレゴリオ暦1月7日(グ暦1月6日はユ暦12月24日:[[クリスマス・イヴ]])になっているだけであり、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いはあれど、あくまで12月25日が降誕日なのである。ただし、1つ例外としては、[[アルメニア使徒教会]]では1月6日に降誕祭と[[神現祭]]を同時に祝う風習がある([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|後述]])。 |
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=== 古式を守るアルメニアの降誕祭 === |
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=== 位置付け === |
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12月25日を降誕祭とする風習が定着する以前には、[[アルメニア]]や[[ギリシャ|ギリシア]]などで[[1月6日]]説が採用されており<ref>{{cite web|url=https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_christmas.php|title=キリスト教マメ知識|publisher=Laudate 女子パウロ会|accessdate=2021-09-13}}</ref>、また、「[[キリストの降誕]]」の記念と同時に「[[イエスの洗礼|キリストの洗礼]]」([[ヨルダン川]]で[[洗礼者ヨハネ]]から[[洗礼]]を受けたこと)の記念を祝っていた<ref name="armenian"/>。 |
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[[新約聖書]]には、[[イエス・キリスト]]の[[誕生日]]を特定する記述は無い。 |
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現在でも[[アルメニア使徒教会]]([[東方諸教会]]・[[非カルケドン派正教会]]に分類される)においては、教会暦上の1月6日([[アルメニア]]本国などではグレゴリオ暦を使用、[[エルサレム総主教庁#アルメニア使徒教会のエルサレム総主教|エルサレムのアルメニア総主教区]]においてはユリウス暦を使用するためグレゴリオ暦の[[1月19日]]にあたる。「世界のクリスマス」:「[[#イスラエル・パレスチナ]]」も参照)に、「[[キリストの降誕]]」の記念(降誕祭)と同時に「[[イエスの洗礼|キリストの洗礼]]」の記念([[神現祭]])が祝われる<ref name="armenian"/>。1月6日は[[アルメニア|アルメニア共和国]]の法定祝日となっている<ref>{{cite web|url=https://www.worldtravelguide.net/guides/europe/armenia/public-holidays/|title=Public holidays in Armenia|publisher=worldtravelguide.net|accessdate=2021-09-23}}{{en icon}}</ref>。 |
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{{Quotation|イエスが[[ヘロデ大王|ヘロデ王]]の代に、[[ユダヤ]]の[[ベツレヘム]]でお生れになったとき、見よ、[[東方の三博士|東からきた博士]]たちが[[エルサレム]]に着いて言った、「[[ユダヤ人]]の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方で[[ベツレヘムの星|その星]]を見たので、そのかたを拝みにきました」。|[[マタイによる福音書]]第2章第1・2節([[口語訳聖書]])}} |
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== 教会暦における日付・期間 == |
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{{Quotation|恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょう[[ダビデの町]]に、あなたがたのために救世主がお生まれになった。このかたこそ、主なるイエス・キリストである。あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである。|[[ルカによる福音書]]第2章第10~13節(口語訳聖書)}} |
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[[ファイル:Christmas-calendar-ja.png|thumb|400px|[[教会暦]]における降誕祭の日付の概要。教会暦の一日は日没から始まり日没に終わる。[[12月24日]]の日没からクリスマスが始まり、[[12月25日]]の日没にて終わる。]] |
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=== 「降誕日」の日付 === |
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「'''降誕日'''」は、大多数のキリスト教教派では毎年[[12月25日]]に祝われるが、[[東方教会]]のうち[[ユリウス暦]]を[[教会暦]]として使用する教会では、ユリウス暦12月25日(21世紀現在、[[グレゴリオ暦]][[1月7日]]にあたる{{efn2|name="ju-gr"|正確には、[[グレゴリオ暦]][[1900年]]3月14日から[[2100年]]2月28日までの間、[[ユリウス暦]]はグレゴリオ暦から13日の遅れとなる。}})に祝われる<ref name="niko14">[https://web.archive.org/web/20190331115523/http://www.geocities.jp/ynicojp2/what-nikolaido.html 質問:クリスマスは12月25日?ロシアでは1月7日に祝うと聞いたのですが]([http://www.geocities.jp/ynicojp2/index.html ニコライ堂])(アーカイブ)</ref><ref>[http://www.orthodox-jp.com/nagoya/nandemo6.htm 正教会では降誕祭は1月7日で祝われると教えられましたが、教会の予定表では12月25日ですね、どうしてですか]([http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会])</ref><small>([[#東方教会|後述]])</small>。また例外的に、[[アルメニア使徒教会]]では教会暦上の[[1月6日]]に祝われる<small>([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|前述]])</small>。 |
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キリスト教に先立つ[[ユダヤ教]]の暦、[[古代ローマ]]の暦、およびこれらを引き継いだ[[教会暦]]では、現代の[[常用時]]とは異なり、[[日没]]を一日の境目としているので、[[クリスマス・イヴ]]と呼ばれる[[12月24日]]の夕刻から12月25日朝までも、教会暦上はクリスマスと同じ日に数えられる<ref>{{Cite news|title=3. なぜ12月25日にイエスの誕生を祝うのですか。|url=http://opusdei.org/ja-jp/article/3-naze12yue-25ri-niiesunodan-sheng-wozhu-unodesuka/|accessdate=2018-04-06}}</ref>。したがって、教会暦ではクリスマス(降誕'''日''')は「12月24日の日没から12月25日の日没まで」である。12月24日の昼間は「クリスマス・イヴ」ではなく、24日の日没以降がクリスマス・イヴである。 |
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クリスマスは、「降誕を記念する祭日」と位置づけられているのであって、「イエス・キリストの誕生日」とされているのではない<ref>八木谷涼子:キリスト教の歳時記 - 知っておきたい教会の文化、p.47、講談社、ISBN 978-4-06-292404-7、2016年12月9日 「イエスがいつ生まれたかを正確に特定できる記録は一切残っておらず、したがって、ナザレのイエスが実際にこの日に生まれた、と主張するクリスチャンは(子供を除いては)存在しない。あくまで12月25日は、イエスの誕生を'''記念する日'''なのである。」</ref>。イエス・キリストが降誕した日がいつにあたるのかについては、古代からキリスト教内でも様々な説があった(例えば[[3世紀]]の初め頃には、[[アレクサンドリアのクレメンス]]は[[5月20日]]と推測していた)<ref name="dai350" />。 |
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伝統的には、クリスマス・イヴの夕刻~晩には「[[晩課]]」(「[[晩祷 (正教会)|晩祷]]」、「夕の礼拝」などとも)を行って降誕の喜びの先取りとし、羊飼いが[[天使]]から降誕のみ告げを受けたとされる夜中<ref>[[Wikisource:ja:ルカによる福音書(口語訳)#2:8|『ルカによる福音書』第2章8-16節]]</ref>(古来は12月25日の0時前後)には「{{仮リンク|深夜ミサ|en|Midnight Mass}}」あるいは「[[徹夜祷]]」などと呼ばれる[[ミサ]]/[[聖餐|聖餐式]](西方教会)・[[奉神礼]](東方教会)を行う。そして、25日の午前には改めて降誕を祝うミサ/聖餐式/[[聖体礼儀]]を行う。 |
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また、キリスト教で最も重要な祭と位置づけられるのはこの祭ではなく、[[復活祭]](イースター/パスハ)である<ref name="nagoya">[[正教会]]の出典:[https://web.archive.org/web/20080509162842/http://www.orthodox-jp.com/nagoya/paschapr.htm 正教会の復活祭 2003年復活祭フォトレポート]([https://web.archive.org/web/20170428112321/http://www.orthodox-jp.com/nagoya/ 名古屋ハリストス正教会](アーカイブ)</ref><ref name="RC">[[カトリック教会]]の出典:[http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/lent.htm 四旬節 断食(大斎・小斎) カーニバル]([[カトリック中央協議会]])</ref><ref name="NSU">[[聖公会]]の出典:[http://www.nskk.org/tokyo/bishop/2008/0803/index.html 復活祭を迎える]([[日本聖公会]] 東京教区 [[主教]] 植田仁太郎)</ref><ref name="dai910">[[プロテスタント]]の出典:『[[キリスト教大事典]]』910頁、教文館、1973年9月30日 改訂新版第二版</ref>。 |
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=== 「降誕節」の期間 === |
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== 起源 == |
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==== 西方教会 ==== |
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=== クリスマスの日付の候補と決定 === |
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[[File:Crèche Saumane.JPG|thumb|300px|聖堂に飾られた「[[降誕場面]]」([[フランス]])]] |
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西暦[[325年]]の[[第1ニカイア公会議]]において、キリストの降誕を祝う日について議論された。日付の候補は、主なものだけでも、1月6日、2月2日、3月25日、3月28日、4月2日、4月19日、4月29日、5月20日、11月8日、11月17日、11月18日、12月25日があったが、このうち[[冬至]]に当たる12月25日が「降誕を祝う日」として決定された<ref>[https://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/3666.html#i-3 クリスマスってどういう日?] チコちゃんに叱られる!、[[木村正裕]]による説明、NHK、2018年12月21日放送{{信頼性要検証|date=2020-12-21 |title=非公式サイトのブログ記事}}</ref><ref>[http://www.circlegame.com/live/feast.htm Expose'; Ten Facts About the Christmas Holiday] 3. Christmas Instituted by The Council of Nicea in 325AD、 「In 325 A.D. Emperor Constantine called together the Council of Nicea which was in essence the first council of the Roman Catholic church. At this council meeting, it was decided that December 25th, the well-known pagan holiday dedicated to Mithras the Persian Sun-god, would be re-dedicated to the celebration of the birth of Jesus Christ.」、Salvation Station </ref>。 |
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[[西方教会]]では、「'''降誕節'''」({{lang-la|Tempus Nativitatis}}, {{lang-en|Christmas season, Christmas days}})は12月24日の日没から始まり、[[1月6日]]に「[[東方の三博士]]の来訪」を記念する'''[[公現祭]]'''(顕現日、'''エピファニー''')を祝って{{efn2|日本など、1月6日が法定祝日ではなくて信徒が教会に集まりづらい国・地域においては、1月2日から1月8日までの間の[[主日]]に[[公現祭|エピファニー]]を祝う場合がある<ref name="koutansetsu">{{cite web|url=https://www.cbcj.catholic.jp/catholic/tenrei/koutansetsu/|title=降誕節-「典礼暦年と典礼暦に関する一般原則」より|publisher=[[カトリック中央協議会]]|accessdate=2021-09-18}}</ref>。}}。より正確にはエピファニーの前日[[1月5日]]の日没「[[十二夜 (民俗行事)|十二夜]]」までが降誕節で、「[[クリスマスの12日]]」({{Lang-en|Twelve Days of Christmas}})と呼ばれる。あるいは、現代の[[カトリック教会]]では、「[[主 (宗教)#ユダヤ教・キリスト教|主(しゅ)]][[イエスの洗礼|の洗礼]]」を記念する公現祭後の[[主日]]([[日曜日]]){{efn2|カトリック教会のうち[[公現祭]](エピファニー)が[[主日]]にての移動祝日とされている国・地域で、「公現の主日」が1月7日~8日にあたる年には、「公現の主日」の翌月曜日が「主の洗礼」の祝日とされ<ref name="cbcjcalendar"><cite id="cbcjcalendar">{{cite web|url=https://www.cbcj.catholic.jp/calendar/|title=こよみ|publisher=カトリック中央協議会|accessdate=2021-09-17}}「2018年1月」を参照。</cite></ref>、これを以て降誕節が終わる<ref name="nskk1990" />。[[日本聖公会]]では例外なく、1月6日に[[公現祭|顕現日]](エピファニー)を祝い、その後の主日(顕現後第1主日)が「主イエス洗礼の日」とされる<ref name="nskkcalendar">{{cite web|url=http://jcfc.net/church_calendar/church_calendar.cgi|title=日本聖公会 教会暦カレンダー|publisher=ジーザス・クライスト ファンクラブ|accessdate=2021-09-23}}</ref>。}}までを降誕節とする<ref>{{cite web|url=http://www.gcatholic.org/calendar/2021/General-A-en.htm|title=Liturgical Calendar — General Roman Calendar (2021)|publisher=GCatholic.org|accessdate=2021-09-17}}{{en icon}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.santorosario-vvv.net/breviario/a_calendario.php?FirstSelectYear=2018|title=Calendario liturgico del 2018|publisher=Santo Rosario Verità Via Vita|accessdate=2021-09-17}}{{it icon}}[[#cbcjcalendar|日本のカトリック教会での2018年1月]]との比較に参照。</ref>。 |
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そして降誕節の期間中、降誕日から数えて8日目にあたる[[1月1日]]は、「イエスの命名・[[割礼]]」{{efn2|典拠:『[[ルカによる福音書]]』[[Wikisource:ja:ルカによる福音書(口語訳)#2:21|第2章21節]]「八日が過ぎ、[[割礼]]をほどこす時となったので、受胎のまえに[[天使|御使]]が告げたとおり、幼な子をイエスと名づけた。」([[口語訳聖書]])}}を記念する「{{仮リンク|イエスの聖名の祝日|en|Feast of the Holy Name of Jesus}}」{{efn2|[[日本聖公会]]では「主イエス命名の日」<ref name="nskk1990" />、[[ルーテル教会]]では「主の命名日」<ref>{{cite web|url=http://luther-rose.com/?p=1781|title=主の命名日|publisher=六本木ルーテル教会|accessdate=2021-09-13}}</ref>と呼ばれる。}}として祝われる。あるいは、現在の[[カトリック教会]]では1月1日を「{{仮リンク|神の母聖マリアの祭日|en|Solemnity of Mary, Mother of God}}」として祝い、併せてイエスの命名も記念される<ref name="koutansetsu" />{{efn2|これとは別に、[[1月3日]]には「イエスのみ名」の記念が「任意の祝日」として定められている<ref>{{cite web|url=https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=010302|title=聖人カレンダー 1月3日 イエスのみ名|publisher=Laudate [[女子パウロ会]]|accessdate=2021-09-13}}</ref>が、日本のカトリック教会ではこの日に公祈祷が行われることはほとんどない。}}。 |
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[[古代ローマ]]の宗教のひとつ[[ミトラ教]]では12月25日は「不滅の太陽が生まれる日」とされ、太陽神[[ミトラ]]を祝う[[冬至]]の祭があったが、これを引き継いだ[[ソル・インウィクトゥス]](ローマの[[太陽神]])の祭りを転用したものではないかといわれている。12月25日の生誕祭は、遅くとも[[354年]]には始まった。 |
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また、12月24日の4週間前([[11月27日]]から[[12月3日]]の間)の主日から始まる'''[[アドベント]]'''(待降節/降臨節)をクリスマスの準備期間として祝う。 |
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=== 古式を守るアルメニアの降誕祭 === |
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それ以前には[[アルメニア]]や[[ギリシア]]などで[[1月6日]]説が採用されており<ref>{{cite web|url=https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_christmas.php|title=キリスト教マメ知識|publisher=Laudate 女子パウロ会|accessdate=2021-09-13}}</ref>、現在でも[[アルメニア使徒教会]]においては、教会暦上の1月6日([[アルメニア]]本国などではグレゴリオ暦、[[エルサレム総主教庁#アルメニア使徒教会のエルサレム総主教|エルサレムのアルメニア総主教区]]においてはユリウス暦を使用)に、[[キリストの降誕]]と同時に[[イエスの洗礼]]の記念([[神現祭]])が祝われる<ref>{{Wayback|url=http://www.armenianchurch-ed.net/feasts/feastschristmas/about/|title=Nativity and Theophany of our Lord (Jan. 6)|米国アルメニア教会東部教区|date=20120325063657}}</ref>。1月6日はアルメニア共和国の法定祝日となっている。 |
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多くの[[聖堂]](教会堂)の内部あるいは戸口際で、[[アドベント]]から[[公現祭|エピファニー]]までの間、キリスト降誕時の情景を表した模型「[[降誕場面]]」({{lang-it|Presepio}}, プレゼピオ/{{lang-fr|Crèche}}, クレーシュ/{{lang-en|Crib}}, クリブ)が飾られ、それを見て人々はその出来事に想いを馳せる。 |
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=== 風習の起源 === |
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[[サンタクロース]]は、キリスト教の[[聖人]]である[[ミラのニコラオス|奇蹟者聖ニコライ]](ニコラウス)の伝説が起源とされる。 |
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==== 東方教会 ==== |
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[[クリスマスツリー]]([[常緑樹]]で、[[モミ]]、[[トウヒ]]、[[松]]などを使用)の習慣は、中世[[ドイツ]]の[[神秘劇]]で[[アダムとイヴ]]の[[失楽園|物語]]を演じた際に使用された樹木に由来している<ref name="hoyu">{{Cite journal|和書|author=許油|month=|year=2005|title=釈迦とイエスに関する類似性と差異性について|url=http://130.54.245.7/christ/asia/journals/asia3heo.pdf|journal=アジア・キリスト教・多元性 現代キリスト教思想研究会|issue=3|pages=pp. 97-99|publisher=京都大学キリスト教学研究室}}</ref>。またクリスマスツリーに飾りつけやイルミネーションを施す風習は19世紀以降の[[アメリカ合衆国]]で始まったものである<ref name="hoyu"/>。 |
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[[東方教会]]のうち、[[ギリシャ正教]]とも呼ばれる東方[[正教会]]では、[[エルサレム総主教庁]]、[[ロシア正教会]]、[[セルビア正教会]]、[[ウクライナ正教会 (2018年設立)|ウクライナ正教会]]、[[グルジア正教会]]など、そして[[東方諸教会]]・[[非カルケドン派正教会]]に分類される[[コプト正教会]]<ref>{{cite web|url=https://www.officeholidays.com/holidays/coptic-christmas|title=Coptic Christmas around the world in 2022|publisher=Office Holidays|accessdate=2021-09-23}}{{en icon}}</ref>などは、[[ユリウス暦]](正教では「旧暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、[[グレゴリオ暦]]1月7日にあたる)に降誕祭を祝うが、いわゆる[[ギリシャ正教]]のうち、[[コンスタンティノープル総主教庁]]、[[ギリシャ正教会]]、[[ブルガリア正教会]]、[[ルーマニア正教会]]などでは、[[修正ユリウス暦]](正教では「新暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦の同日にあたる)に執り行う<ref>{{cite web|url=https://orthodoxwiki.org/Revised_Julian_Calendar|title=Revised Julian Calendar|publisher=OrthodoxWiki|accessdate=2021-09-23}}{{en icon}}</ref>。[[非カルケドン派正教会]]に分類される[[アルメニア使徒教会]]では、[[教会暦]]上の1月6日に行う<small>([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|前述]])</small>。 |
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正教会では、降誕祭と、「[[イエスの洗礼|主の洗礼]]」を記念する「[[神現祭]]」(降誕祭の12日後、ユ暦[[1月6日]]/グ暦[[1月19日]]に行われる)とは[[奉神礼]]として一連のものであり、構造は同じである。降誕祭の祭前期には「聖列祖の主日」で原祖[[アダム]]以来のキリストの肉に縁る先祖を<ref>{{cite web|url=http://www.orthodox-jp.com/liturgy/prayerbook/feast/01Sun%20Holy%20Fathers.html|title=聖列祖の主日|publisher=orthodox-jp.com|accessdate=2021-09-23}}</ref>、「聖世祖の主日」では神の祖父母[[ヨアキム|イオアキム]]と[[アンナ (マリアの母)|アンナ]]ら歴代の義者を記念する<ref>{{cite web|url=http://www.orthodox-jp.com/liturgy/prayerbook/feast/01SunbeforeXmas.html|title=ハリストス降誕祭前の聖世祖の主日|publisher=orthodox-jp.com|accessdate=2021-09-23}}</ref>。そして降誕祭の期間中の1月1日(ユリウス暦の1月1日は、21世紀現在、グレゴリオ暦[[1月14日]]にあたる)には、「[[主の割礼祭]]」を祝う。 |
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誤解されがちなこととして、「[[東方教会]]では[[公現祭|エピファニー]]の日{{efn2|[[東方教会]]の「[[神現祭]]」({{lang-el-short|Θεοφάνια}}, {{lang-en-short|Theophany}})は「[[イエスの洗礼|主の洗礼]]」を記念する日であり、同じく[[教会暦]]上の[[1月6日]]でありながら、[[西方教会]]において「[[東方の三博士]]の来訪」を記念する「[[公現祭]]/顕現日」({{lang-la-short|Epiphania}}, {{lang-en-short|Epiphany}})とは原語も意味合いも異なる。従って、東方教会について言及する際に「エピファニー」という語を用いることがまずもって不正確である。西方教会では、エピファニー後の[[主日]]など(教派・地域・年によって異なる場合もある。「[[#西方教会]]」の節を参照。)に「主の洗礼」を祝う<ref>{{wayback|url=https://www.pauline.or.jp/calendariocappella/|title=教会カレンダー 2015年1月|Laudate 女子パウロ会|date=20150128064832}}</ref>。}}に降誕を祝う」と言われることがある。年月を経るごとにユリウス暦は、本来の[[太陽年]]とそれに近いグレゴリオ暦からずれが生じて、20世紀~21世紀の今{{efn2|name="ju-gr"|}}たまたまユリウス暦12月25日がグレゴリオ暦1月7日(グ暦1月6日はユ暦12月24日:[[クリスマス・イヴ]])になっているだけであり、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いはあれど、あくまで12月25日が降誕日なのである。ただし、1つ例外としては、[[アルメニア使徒教会]]では1月6日に降誕祭と[[神現祭]]を同時に祝う風習がある<small>([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|前述]])</small>。 |
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== 名称 == |
== 名称 == |
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=== 教会における名称 === |
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東方[[正教会]]([[ギリシャ正教]])では、正式なフルネームとしては「[[主 (宗教)#ユダヤ教・キリスト教|主神(しゅ-かみ)]]我が[[メシア|救世主]]イイスス・ハリストスの降誕祭」<ref name="orth-xp">{{cite web|url=http://www.orthodox-jp.com/liturgy/prayerbook/feast/0107Christmas.html|title=降誕祭|publisher=orthodox-jp.com|accessdate=2021-09-23}}</ref>{{efn2|name="icxc"|「イイスス・ハリストス」は、[[イエス・キリスト]]の[[中世ギリシア語|中世]]~現代[[ギリシア語]]・[[教会スラヴ語]]読み({{lang-el|Ιησούς Χριστός}}, {{IPA-el|i.iˈsus xɾiˈstos|}}/[[教会スラヴ語]]: {{lang|ru|Їисоусъ Хрїстосъ}}, <small>[[ロシア語|ロシア式発音]]: </small>{{IPA-ru|ɪɪˈsus xrʲɪˈstos|}}/イィ'''ス'''ス・フリス'''ト'''ース)に由来し、[[日本ハリストス正教会]]で用いられる[[外来語の表記|片仮名音写]]。}}({{lang-en|“The Nativity of our Lord God and Savior Jesus Christ”}}<ref>{{cite web|url=https://www.oca.org/saints/lives/1000/12/25/103638-the-nativity-of-our-lord-god-and-savior-jesus-christ|title=The Nativity of our Lord God and Savior Jesus Christ|publisher=Orthodox Church in America.|accessdate=2021-09-23}}{{en icon}}</ref>, {{lang-ru|“Рождество Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа”}}<ref>{{cite web|url=http://www.patriarchia.ru/db/text/908932.html|title={{lang|ru|Рождество Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа}}|publisher={{lang|ru|Официальный сайт Русской Православной Церкви}}-[[ロシア正教会]]公式ウェブサイト|accessdate=2021-09-23}}{{ru icon}}</ref>)などと呼ばれる。 |
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[[西方教会]](おもに[[カトリック教会|ローマ・カトリック教会]])では、{{lang-la|“Festum Nativitatis Domini nostri Jesu Christi”}}<ref name="cath-cul">{{cite web|url=https://www.catholicculture.org/culture/library/view.cfm?recnum=7399|title=Library : History & Origin: Feast of the Nativity|publisher=Catholic Culture|accessdate=2021-09-94}}{{en icon}}</ref>{{efn2|[[教会ラテン語]]式発音:「フェストゥム・ナティヴィターティス・ドミニ・ノストリ・イェーズ・クリスティ」({{IPA-la|ˈfɛst̪um nɑt̪iviˈt̪ɑːt̪is ˈd̪ɔmini ˈnɔst̪ri ˈjɛːzu ˈkrist̪i|}})。}}(私たちの[[主 (宗教)#ユダヤ教・キリスト教|主(しゅ)]]イエス・キリストの降誕祭)、それを短縮した{{lang-la-short|“Festum Nativitatis Domini”}}<ref>{{cite web|url=https://glosbe.com/la/en/festum%20Nativitatis%20Domini|title=festum Nativitatis Domini を 英語 - ラテン語-英語 の辞書で|publisher=Glosbe|accessdate=2021-09-24}}</ref>(主の降誕祭)、あるいは特に「[[#「降誕日」の日付|降誕'''日''']]」を指して、{{lang-la-short|“Dies Natalis Jesu Christi”}}<ref>{{cite web|url=https://naming-dic.com/word/la/81036208|title=dies natalis Iesu Christiの読み方・発音・意味|クリスマスのラテン語|publisher=ネーミング辞典|accessdate=2021-09-24}}</ref>{{efn2|教会ラテン語式発音:「ディエス・ナターリス・イェーズ・クリスティ」({{IPA-la|ˈd̪iɛs nɑˈt̪ɑːlis ˈjɛːzu ˈkrist̪i|}})。}}(イエス・キリストの降誕日)などと呼ばれる。 |
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=== 各国語と語源 === |
=== 各国語と語源 === |
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[[日本語]]での当祭の呼び方には、[[英語]]の {{lang|en|Christmas}} に由来する「クリスマス」の他に、「降誕祭」、「降誕日」、「聖誕祭」、「[[聖夜]]」などがある。 |
[[日本語]]での当祭の呼び方には、[[英語]]の "{{lang|en|Christmas}}" に由来する「クリスマス」の他に、「降誕祭」、「降誕日」、「聖誕祭」、「[[聖夜]]」などがある。 |
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英語の "{{lang|en|Christmas}}" は、「[[キリスト]]({{lang|en|Christ}}:クライスト)の[[ミサ]]([[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]]:マス)」に由来する。これは、[[古英語]]の "{{lang|en|Crīstes mæsse}}"(初出 1038年)が、[[中英語]]において "{{lang|en|Cristemasse}}" となり、現在につながる<ref>[http://www.newadvent.org/cathen/03724b.htm "Christmas"], ''[[The Catholic Encyclopedia]]'', 1913.</ref><ref name="MEDic">[http://quod.lib.umich.edu/cgi/m/mec/med-idx?type=id&id=MED10371 Middle English Dictionary]</ref>。 |
英語の "{{lang|en|Christmas}}" は、「[[キリスト]]({{lang|en|Christ}}:クライスト)の[[ミサ]]([[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]]:マス)」に由来する。これは、[[古英語]]の "{{lang|en|Crīstes mæsse}}"(初出 1038年)が、[[中英語]]において "{{lang|en|Cristemasse}}" となり、現在につながる<ref>[http://www.newadvent.org/cathen/03724b.htm "Christmas"], ''[[The Catholic Encyclopedia]]'', 1913.{{en icon}}</ref><ref name="MEDic">[http://quod.lib.umich.edu/cgi/m/mec/med-idx?type=id&id=MED10371 Middle English Dictionary]{{en icon}}</ref>。 |
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[[ヨーロッパ]]各国語では、「キリストの誕生」あるいは、"キリストの" にあたる部分を省略した「誕生」を指す言葉([[転訛]]含む)で当祭を指す例がよく見られる。以下の表において「誕生」は、日本語におけるキリスト教用語の「[[キリストの降誕|降誕]]」と書き表す。 |
[[ヨーロッパ]]各国語では、「キリストの誕生」あるいは、"キリストの" にあたる部分を省略した「誕生」を指す言葉([[転訛]]含む)で当祭を指す例がよく見られる。以下の表において「誕生」は、日本語におけるキリスト教用語の「[[キリストの降誕|降誕]]」と書き表す。 |
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![[国際音声記号]] |
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!音声ファイル |
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![[片仮名]] |
![[外来語の表記|片仮名音写]]<ref group="*">太字は[[アクセント]]位置を表す。</ref> |
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![[ギリシア語]] |
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|'''{{lang|el|Χριστούγεννα}}''' |
|'''{{lang|el|Χριστούγεννα}}''' |
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|rowspan="2"|[[キリストの降誕]] |
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|{{IPA|xɾiˈstuʝena}}<ref group="*">[[中世ギリシア語|中世]]~現代[[ギリシア語]]読み。</ref> |
|{{IPA-el|xɾiˈstuʝena|}}<ref group="*">[[中世ギリシア語|中世]]~現代[[ギリシア語]]読み。[[古代ギリシア語]]では「クリーストーゲンナ」({{lang|grc|Χρῑστοῦγέννᾰ}} {{IPA-grc|kʰriːs.tôː.ɡén.na|}})。</ref> |
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|フリス'''トゥー'''イェナ |
|フリス'''トゥー'''イェナ |
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![[ラテン語]] |
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|'''{{lang|la|Christi Natalis}}''' |
|'''{{lang|la|Christi Natalis}}''' |
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|{{IPA|ˈkristi naˈtaːlis}}<ref group="*">[[教会ラテン語]]読み。[[古典ラテン語]]では「{{lang|la|Chrīstī Nātālis}} {{IPA|ˈkʰriːstiː naːˈtaːlis}} |
|{{IPA-la|ˈkristi naˈtaːlis|}}<ref group="*">[[教会ラテン語]]読み。[[古典ラテン語]]では「クリースティー・ナーターリス」({{lang|la|Chrīstī Nātālis}} {{IPA-la|ˈkʰriːstiː naːˈtaːlis|}})。</ref> |
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|ク'''リ'''スティ・ナ'''タ'''ーリス |
|ク'''リ'''スティ・ナ'''タ'''ーリス |
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|'''{{lang|it|Natale}}''' |
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|rowspan="7"|降誕 |
|rowspan="7"|降誕 |
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|{{IPA|naˈtaːle}} |
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|ナ'''タ'''ーレ |
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![[フランス語]] |
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|'''{{lang|fr|Noël}}''' |
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|{{IPA|nɔɛl}} |
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|ノエル |
|ノエル |
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![[イベリアポルトガル語]] |
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|ナ'''タ'''(ー)[[軟口蓋歯茎側面接近音|ル]] |
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![[ブラジルポルトガル語]] |
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![[ロシア語]] |
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|'''{{lang|ru|Рождество}}''' |
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|{{IPA|rəʐdʲɪstˈvo}} |
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|{{audio|Ru-рождество.ogg|音声|lang=ru}} |
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|ラ |
|ラジュディスト'''ヴォ'''ー |
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![[ポーランド語]] |
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|'''{{lang|pl|Boże Narodzenie}}''' |
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|神の降誕 |
|神の降誕 |
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|{{IPA|ˈbɔʐɛ ˌn̪arɔˈd͡zɛ̃ɲɛ}} |
|{{IPA-pl|ˈbɔʐɛ ˌn̪arɔˈd͡zɛ̃ɲɛ|}} |
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|{{audio|Pl-Boże Narodzenie.ogg|音声|lang=pl}} |
|{{audio|Pl-Boże Narodzenie.ogg|音声|lang=pl}} |
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|[[ポーランドのクリスマス|'''ボ'''ージェ・ナロ'''ゼ'''ーニャ]] |
|[[ポーランドのクリスマス|'''ボ'''ージェ・ナロ'''ゼ'''ーニャ]] |
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|'''{{lang|en|Christmas}}''' |
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|rowspan="2"|キリストのミサ |
|rowspan="2"|キリストのミサ |
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|{{IPA|ˈkrɪsməs}} |
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|ク'''リ'''スマス |
|ク'''リ'''スマス |
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![[オランダ語]] |
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|'''{{lang|nl|Kerstmis}}''' |
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|{{IPA|ˈkɛrs(t)məs}} |
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|'''ケ'''ルストゥミス |
|'''ケ'''ルストゥミス |
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![[ドイツ語]] |
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|'''{{lang|de|Weihnachten}}''' |
|'''{{lang|de|Weihnachten}}''' |
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|聖夜<ref group="*">複数形であることに注意。つまり、[[クリスマス・イヴ]]から[[公現祭 |
|聖夜<ref group="*">複数形であることに注意。つまり、[[クリスマス・イヴ]]から[[公現祭|エピファニー]]にかけての「[[#「降誕節」の期間|降誕“節”]]」を指す意味もある。</ref> |
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|{{IPA|ˈvaɪˌnaxtən}} |
|{{IPA-de|ˈvaɪˌnaxtən|}} |
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|{{audio|De-Weihnachten.ogg|音声|lang=de}} |
|{{audio|De-Weihnachten.ogg|音声|lang=de}} |
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|'''ヴァ'''イナハテン |
|'''ヴァ'''イナハテン |
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|'''{{lang|da|Jul}}''' |
|'''{{lang|da|Jul}}''' |
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|rowspan="4"|冬至祭<br />([[ユール]]) |
|rowspan="4"|冬至祭<br />([[ユール]]) |
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|{{IPA|juːl}} |
|{{IPA-da|juːl|}} |
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|[[ユール (デンマーク)|'''ユ'''ール]] |
|[[ユール (デンマーク)|'''ユ'''ール]] |
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![[ノルウェー語]] |
![[ノルウェー語]] |
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|'''{{lang|no|Jul}}''' |
|'''{{lang|no|Jul}}''' |
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|{{IPA|jʉːl}} |
|{{IPA-no|jʉːl|}} |
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|[[ユール (ノルウェー)|'''ユ'''ール]] |
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![[フィンランド語]] |
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|'''{{lang|fi|Joulu}}''' |
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[[東方教会]]では、ローマ・カトリック教会に由来する「[[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]]」という語{{efn2|「[[ミサ]]([[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]])」という語は、[[カトリック教会]]と、一部の[[聖公会]]、[[ルーテル教会]]等でしか用いられず、[[東方教会]]では全く用いない。}}を含む「{{lang|en|Christmas}}」という語を避けて、英語では「'''[[wikt:en:Nativity|{{Lang|en|Nativity}}]]'''」{{efn2|発音は[[イギリス英語|英国]]:ナティヴィティ |
[[東方教会]]では、[[カトリック教会|ローマ・カトリック教会]]に由来する「[[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]]」という語{{efn2|「[[ミサ]]([[w:Mass (liturgy)|{{lang|en|Mass}}]])」という語は、[[カトリック教会|ローマ・カトリック教会]]と、一部の[[聖公会]]、[[ルーテル教会]]等でしか用いられず、[[東方教会]]では全く用いない。}}を含む「{{lang|en|Christmas}}」という語を避けて、英語では「'''[[wikt:en:Nativity|{{Lang|en|Nativity}}]]'''」{{efn2|発音は、[[イギリス英語|英国]]:「ナティヴィティ」({{IPA-en|nəˈtɪvɪti|}})/[[アメリカ英語|米国]]:「ネイティヴィティ」({{IPA-en|neɪˈtɪvɪti|}})。}}という語が用いられる<ref>{{cite web|url=https://www.goarch.org/-/in-the-beginning-reflections-on-the-nativity-fast|title=In the Beginning: Reflections on the Nativity Fast - Articles on the Nativity of our Lord and Savior Jesus Christ|publisher=Greek Orthodox Archdiocese of America|accessdate=2021-08-07|quote=In the Orthodox Church the Feast of Christmas is called by various names including “The Nativity” and “The Incarnation.” The term “Christmas” is seldom heard in Orthodox Christian circles.}}{{en icon}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.goarch.org/nativity|title=The Nativity of our Lord and Savior Jesus Christ in the Flesh|publisher=Greek Orthodox Archdiocese of America|accessdate=2021-08-07}}{{en icon}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.japancopticchurch.org/Nativity.html|title=ネイティビティの断食(待降節)|publisher=聖母マリア・聖マルコ日本コプト正教会|accessdate=2021-08-07}}</ref>。 |
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=== 略記 === |
=== 略記 === |
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{{Main|Xmas}} |
{{Main|Xmas}} |
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英語 |
[[英語]]「{{Lang|en|Christmas}}」を略記する際には、「[[キリスト]]」の語源である{{Lang-el|Χριστός}}<ref>英語版[[ウィクショナリー]]「[[wikt:en:Χριστός|Χριστός]]」{{en icon}}を参照。</ref>(Khristós)の[[頭文字]]である「{{Lang|el|[[Χ]]}}」([[ギリシア語|希]]:[[ギリシア文字#文字表|ケー]]、キー、ヒー、[[英語|英]]:カイ)、または、それと形が同じ[[ラテン文字]]「{{Lang|en|[[X]]}}」([[ラテン語|羅]]:イクス、[[英語|英]]:エックス)を「{{Lang|en|Christ}}」の省略形として用いている。 |
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そのような例は、[[中英語]]では「{{Lang| |
そのような例は、[[中英語]]では「{{Lang|grc|Χρ̄}}es masse」が見られる<ref name="MEDic" />。また、現代の[[英語圏]]では「'''{{Lang|en|Xmas}}'''」や「'''{{Lang|en|X-mas}}'''」が頻繁に見られる(これらは[[スタイルガイド]]では推奨されていないとされる<ref>Griffiths, Emma, [http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/4097755.stm "Why get cross about Xmas?"], BBC website, December 22, 2004.{{en icon}}</ref>)。 |
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他に、アポストロフィを付けた「'''{{Lang|en|X'mas}}'''」<ref>例えば、Kempe, Alfred John, [[iarchive:loseleymanuscri02kempgoog|"The Loseley Manuscripts"]], London: John Murray, 1836, p.81, 90 や Safford, William H., [[openlibrary:books/OL6943535M/The_Blennerhassett_papers|"The Blennerhassett Papers"]], Cincinnati: Moore Wilstach Keys, 1861, p.572 など。</ref>、{{Lang|en|Christ}} の末字 "[[t]]" を[[添字記法|添えた]]「'''{{Lang|en|X<sup>t</sup>mas}}'''」<ref>例えば Akerman, John Yonge, [http://books.google.co.jp/books/about/Moneys_received_and_paid_for_secret_serv.html?id=ecc_AAAAcAAJ&redir_esc=y "Moneys Received and Paid for Secret Services of Charles II and James II"], London: Camden Society, 1851. p.12 |
他に、[[アポストロフィー]]を付けた「'''{{Lang|en|X'mas}}'''」<ref>例えば、Kempe, Alfred John, [[iarchive:loseleymanuscri02kempgoog|"The Loseley Manuscripts"]], London: John Murray, 1836, p.81, 90 や Safford, William H., [[openlibrary:books/OL6943535M/The_Blennerhassett_papers|"The Blennerhassett Papers"]], Cincinnati: Moore Wilstach Keys, 1861, p.572{{en icon}} など。</ref>、{{Lang|en|Christ}} の末字 "[[t]]" を[[添字記法|添えた]]「'''{{Lang|en|X<sup>t</sup>mas}}'''」<ref>例えば Akerman, John Yonge, [http://books.google.co.jp/books/about/Moneys_received_and_paid_for_secret_serv.html?id=ecc_AAAAcAAJ&redir_esc=y "Moneys Received and Paid for Secret Services of Charles II and James II"], London: Camden Society, 1851. p. 12.{{en icon}}</ref>や「'''Xtmas'''」、{{Lang|el|Χριστός}} の頭二文字をラテン文字に置き換えた「'''Xpmas'''」などもある。 |
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かつて[[日本]]では[[アポストロフィ]]を用いた「{{Lang|en|X'mas}}」「{{Lang|en|X'Mas}}」の表記が[[和製英語]]とする俗説<ref>安岡孝一:『X'mas』か『Xmas』か、人文情報学月報、[http://www.dhii.jp/DHM/dhm39-1 第39号]</ref>や、アポストロフィを付するのは誤りとする説、現在は[[アジア]]圏でのみ使用とする説などがあった。[[Engrish]]の代表との誤解もある<ref>研究社の英和辞典</ref><ref>星新蔵 『あやまりやすい英語表現』 1965年</ref>。しかし、歴史的に和製英語でないことは、19世紀の書籍でも確認できる<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=hGoNAAAAIAAJ&pg=PA81&dq=%22X%27mas%22&redir_esc=y#v=onepage&q=%22X'mas%22&f=false 『Manuscripts and Other Rare Documents』] 1836年 [[John Murray]]</ref>。現在の英語圏でも出版物などで一般的に使用されており<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=VAT3Mb3b128C&dq=%22X'mas%22&hl=ja&sa=X&ei=gvraUPSQHIGMkwXVx4GAAg&ved=0CEcQ6AEwAw 『4 X'mas』] 2008年 [[George Cameron Grant]]</ref><ref>[http://books.google.co.jp/books?id=Z-sDAAAAMBAJ&pg=PA17&dq=%22X'mas%22&hl=ja&sa=X&ei=XvzaUJaoM4WekgWd6oDYAg&ved=0CEsQ6AEwBThQ#v=onepage&q=%22X'mas%22&f=false 『PHOTOVIDEOi』] 2006年12月号</ref>、[[Twitter]]においても[[アメリカ合衆国|米国]]のラジオ局が発信した[[ツイート]]や、英米の著名人・一般人のツイートにも見られる(2012年現在)。 |
かつて[[日本]]では[[アポストロフィー]]を用いた「{{Lang|en|X'mas}}」「{{Lang|en|X'Mas}}」の表記が[[和製英語]]とする俗説<ref>安岡孝一:『X'mas』か『Xmas』か、人文情報学月報、[http://www.dhii.jp/DHM/dhm39-1 第39号]</ref>や、アポストロフィーを付するのは誤りとする説、現在は[[アジア]]圏でのみの使用とする説などがあった。「[[Engrish]]」の代表との誤解もある<ref>研究社の英和辞典</ref><ref>星新蔵 『あやまりやすい英語表現』 1965年</ref>。しかし、歴史的に和製英語でないことは、19世紀の書籍でも確認できる<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=hGoNAAAAIAAJ&pg=PA81&dq=%22X%27mas%22&redir_esc=y#v=onepage&q=%22X'mas%22&f=false 『Manuscripts and Other Rare Documents』] 1836年 [[John Murray]]{{en icon}}</ref>。現在の英語圏でも出版物などで一般的に使用されており<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=VAT3Mb3b128C&dq=%22X'mas%22&hl=ja&sa=X&ei=gvraUPSQHIGMkwXVx4GAAg&ved=0CEcQ6AEwAw 『4 X'mas』] 2008年 [[George Cameron Grant]]{{en icon}}</ref><ref>[http://books.google.co.jp/books?id=Z-sDAAAAMBAJ&pg=PA17&dq=%22X'mas%22&hl=ja&sa=X&ei=XvzaUJaoM4WekgWd6oDYAg&ved=0CEsQ6AEwBThQ#v=onepage&q=%22X'mas%22&f=false 『PHOTOVIDEOi』] 2006年12月号{{en icon}}</ref>、[[Twitter]]においても[[アメリカ合衆国|米国]]のラジオ局が発信した[[ツイート]]や、英米の著名人・一般人のツイートにも見られる(2012年現在)。 |
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[[ロシア語]]での略記は、 |
[[ロシア語]]での略記は、「{{Lang|ru|Рождество Христово}}」{{efn2|ロシア語発音:「ラジュディストヴォー・フリストーヴァ」({{IPA-ru|rəʐdʲɪstˈvo xrʲɪˈstovə|}})。}}([[キリスト|ハリストス]]の降誕){{efn2|name="icxc"|}}の頭文字からとった「'''{{Lang|ru|РХ}}'''」で表される。ロシアでは、[[聖堂]]などに「{{Lang|ru|РХ}}」と[[ネオンサイン]]で表示する様子がしばしば見られる{{要出典|date=2021年9月|title=様々な方法で画像検索したが見当たらず。できれば写真を提供してください。}}。(「世界のクリスマス」:「[[#ロシア]]」も参照) |
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<!-- ロシア語の発音は、IPAは英語版ウィクショナリーから引用、片仮名音写はそれとGoogle翻訳の発音例を聞いて近似値を取りました。--> |
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== 世界のクリスマス == |
== 世界のクリスマス == |
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{{commonscat|Christmas by country|世界のクリスマス}} |
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=== 欧米諸国全般 === |
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[[ヨーロッパ]]や[[アメリカ州]]などでは、クリスマスは基本的に自宅で家族と過ごすものである。[[イギリス|英国]]や[[アメリカ合衆国|米国]]などではクリスマスのずいぶん前から([[教会暦]]の概念がある[[教会 (キリスト教)|キリスト教会]]では[[アドベント]]開始日に合わせて)一緒に[[クリスマスリース]]や[[クリスマスツリー]]を作ったり、家や教会を飾り付けるなどの協同作業をすることで、家族や信徒同士で一緒に過ごす喜びを確認する。そしてクリスマスの当日には[[家庭料理]]を味わうのが一般的であり、あえて外出するのは、クリスマスあるいはクリスマス・イヴの[[ミサ]]/礼拝に参祷するため教会に行くくらいである。 |
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キリスト教圏の中でも[[カトリック教会]]の影響の強い[[イタリア]]、[[フランス]]、[[スペイン]]、[[ポーランド]]などでは、クリスマス([[#「降誕節」の期間|降誕節]])は[[教会暦]]どおり[[クリスマス・イヴ]](12月24日の晩)に始まり、[[1月6日]]の[[公現祭]](エピファニア)に終わる。クリスマスの飾り付けは12月23日頃に行う。24日は[[クリスマス・イヴ]]として夜を祝う。大人たちは、12月初旬からクリスマスにかけて、愛情を込めた言葉を記した[[クリスマスカード]]を郵送しあう。子供達が[[クリスマスプレゼント]]をもらうのは、[[東方の三博士]]が幼子イエスを訪ねて贈り物を献げたことを記念する[[公現祭]]にあやかって1月6日である。クリスマスの飾り付けは1月6日を過ぎてから取り払われる。 |
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=== イギリス === |
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[[イギリス]]では、[[サンタクロース]](Santa Claus, [[:en:Father Christmas|Father Christmas]]とも)が12月25日にプレゼントを持って来るとされる。クリスマスの日には台所周辺に[[ヤドリギ]]が飾られる。[[19世紀]]のイギリスを中心に、ヤドリギの下に偶然女性が立った場合、その女性に[[接吻|キス]]をしてもよいとする習慣があった<ref>[[#fujitaka2010|藤高 (2018)]], pp.148-149</ref>。 |
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{{節スタブ}} |
{{節スタブ}} |
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[[File:Crèche Saumane.JPG|thumb|right|240px|教会堂に飾られた「[[降誕場面]]」]] |
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[[西方教会]]では、多くの教会堂の内部あるいは外部で、[[アドベント]]から[[公現祭|エピファニー]]までの間、キリスト降誕時の情景を表した模型「[[降誕場面]]」({{lang-it|Presepio}}, プレゼピオ/{{lang-fr|Crèche}}, クレーシュ/{{lang-en|Crib}}, クリブ)が飾られ、それを見て人々はその出来事に想いを馳せる。 |
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=== ドイツ語圏・ベネルクス === |
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キリスト教の中でも[[カトリック教会|カトリック]]の影響の強い[[イタリア]]、[[ポーランド]]、[[フランス]]、[[スペイン]]などでは、クリスマス(降誕節)は12月25日に始まり、[[1月6日]]の[[公現祭]](エピファニア)に終わる。クリスマスの飾り付けは23日頃に行う。24日は[[クリスマス・イヴ]]として夜を祝う。大人たちは、12月初旬からクリスマスにかけて、愛情を込めた言葉を記した[[クリスマスカード]]を郵送しあう。子供達が[[クリスマスプレゼント]]を貰うのは1月6日である。これらの国々でのクリスマス期間は12月24日から公現祭までで、飾り付けは1月6日を過ぎてから取り払われる。 |
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[[file:WernigerodeRathausWeihnachten.jpg|thumb|[[ドイツ]]・[[ヴェルニゲローデ]]市庁]] |
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[[ドイツ]]の一部地域や[[オランダ]]などでは、[[12月6日]]が[[ミラのニコラオス|聖ニコラウス]]の日で、子供達は聖ニコラウスからプレゼントをもらうか、ニコラウスが連れてくる[[クネヒト・ループレヒト]]に罰を与えられる。プレゼントを貰えるのは、それまでの1年間に良い子だった子供だけで、悪い子は[[石炭]]を与えられたり、木の枝で打たれることになっている地域もある。さらに12月24日の[[クリスマス・イヴ]]にもプレゼントが配られる。[[ドイツ語#ドイツ語圏|ドイツ語圏]]で24日にプレゼントを持ってくるのは、北部ではヴァイナハツマン([[:de:Weihnachtsmann|Weihnachtsmann]]:「聖夜の男」)、南部では[[クリストキント]]([[:de:Christkind|Christkind]]:「幼子キリスト」)とされている。 |
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ドイツや[[オーストリア]]各地の町では、[[アドベント]]からクリスマスにかけて、町の中心部の広場に[[クリスマスマーケット]](ヴァイナハツマルクト)が建ち、[[クリスマスプレゼント]]や、家庭でのクリスマスの祝いに備えた食品や飾りなどを買ったり、[[グリューワイン]]([[クローブ]]、[[シナモン]]など甘い香りのするスパイスで香りを付け、[[燗酒|熱燗]]にした[[ワイン]])を飲んで温まる。他にもドイツは、[[クリスマスツリー]]や[[アドベントリース]](アドベントクランツ)、[[アドベントカレンダー]]など、[[西方教会]]圏の多くに伝わるクリスマスの諸風習の発祥地とされる。近年では日本でもドイツ風のクリスマスマーケットが催されることがある<ref>{{cite web|url=https://tokyochristmas.net/|title=東京クリスマスマーケット|accessdate=2021-09-25}}</ref><ref>{{cite web|url=https://white-illumination.jp/munich/|title=ミュンヘンクリスマス市 in Sapporo|accessdate=2021-09-25}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.kyobunkwan.co.jp/christmas/|title=ハウス・オブ・クリスマス|publisher=[[教文館]]|accessdate=2021-09-25}}</ref>。(「[[#商工業]]」も参照) |
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==== ナチス・ドイツ時代 ==== |
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[[ファイル:Bundesarchiv_Bild_102-17313,_Berlin,_Weihnachtspakete_für_das_Winterhilfswerk.jpg|サムネイル|貧しい人へのクリスマス・プレゼント(1935年)]] |
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{{main|ナチス・ドイツにおけるクリスマス}} |
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[[ナチス・ドイツ]]におけるクリスマスは、[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチ党]]のイデオロギーと整合させるための努力の賜物であった。[[ユダヤ]]の出自を持つ、ユダヤ人の[[救世主]][[イエス・キリスト|イエス]]の誕生を記念する行事である[[クリスマス]]は、ナチスの[[人種主義]]と折り合いをつけるのが困難な催しであった。そのため、1933年から1945年まで政府当局は民間行事としてのクリスマスからそうした宗教的側面を排除し、キリスト教の出現以前から催されてきた[[ゲルマン人]]伝統の祝祭([[ユール]])であることを強調しようとした。その流れの中で[[賛美歌]]の歌詞やクリスマスの飾り付けは世俗化されたが、教会や家庭における祝われ方は本来のキリスト教的な様式のままであった。 |
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=== イタリア === |
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[[イタリア]]のほとんどの地域では、プレゼントを持って来るのは[[魔女]]の[[ベファーナ]]とされる。 |
[[イタリア]]のほとんどの地域では、プレゼントを持って来るのは[[魔女]]の[[ベファーナ]]とされる。 |
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{{節スタブ}} |
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=== 北欧 === |
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[[オランダ]]や[[ドイツ]]の一部地域などでは、[[12月6日]]が[[ミラのニコラオス|聖ニコラウス]]の日で、子供達は聖ニコラウスからプレゼントをもらうか、ニコラウスが連れてくる[[クネヒト・ループレヒト]]に罰を与えられる。プレゼントを貰えるのは、それまでの1年間に良い子だった子供だけで、悪い子は[[石炭]]を与えられたり、木の枝で打たれることになっている地域もある。さらに12月24日のクリスマスイブにもプレゼントが配られる。[[ドイツ]]で24日にプレゼントを持ってくるのは、北部ではヴァイナハツマン([[:de:Weihnachtsmann|Weihnachtsmann]]、「聖夜の男」)、南部では[[クリストキント]]([[:de:Christkind|Christkind]]、「幼子キリスト」)とされている。 |
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{{see also|ユール}} |
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[[スカンディナヴィア]]諸国を中心とする[[北欧]]のクリスマスは「[[ユール]]」と呼ばれ、[[12月13日]]の[[聖ルチア祭]]から始まる。古代[[ゲルマン人]]の[[冬至]]祭の影響を色濃く残しており、ユール・ゴート(ユールブック)と呼ばれる、[[ワラ]]で作った[[ヤギ]]を飾ること、[[妖精]]がプレゼントを持って来てくれることなど、独自の習慣が見られる。また、クリスマスの時期は真冬であるため、[[小鳥]]たちがついばめるように、ユールネックという[[麦]]の穂束を立てる習慣もある<ref>「ユール」他『[[#ボウラー2007|図説 クリスマス百科事典]]』550-553頁。</ref>。 |
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=== ポーランド === |
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[[北欧]]のクリスマスは[[ユール]]と呼ばれ、[[聖ルチア祭]]から始まる。古代[[ゲルマン人]]の[[冬至]]祭の影響を色濃く残しており、ユール・ゴート(ユールブック)と呼ばれる、[[ワラ]]で作った[[ヤギ]]を飾ること、[[妖精]]がプレゼントを持って来てくれることなど、独自の習慣が見られる。また、クリスマスの時期は真冬であるため、[[小鳥]]たちがついばめるように、ユールネックという[[麦]]の穂束を立てる習慣もある<ref>ジェリー・ボウラー著 『図説 クリスマス百科事典』笹田裕子・成瀬俊一訳、中尾セツ子監修、柊風舎、2007年、550-553頁。</ref>。 |
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{{main|ポーランドのクリスマス}} |
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[[ポーランド]]のクリスマスはキリスト教世界の多くの国と同じく、もっとも大きな年間行事の一つである。クリスマスの儀式は古代から何世紀にもかけ徐々に発展してきた。[[カトリック教会]]によるポーランドのキリスト教化が行われる中で、一部の非キリスト教の古い宗教的な習慣が結びつき、その後、地域の伝承や様々な民俗文化と相互に影響を与えながら広まった。[[クリスマス・イヴ]]の日には装飾され光る[[クリスマスツリー]]が居間に飾られ、また大抵は教会の外や公共スペースにおかれる<ref name="pmkamsterdam">[https://web.archive.org/web/20080107101742/http://www.pmkamsterdam.nl/PL/Czytelnia/BozeNar.htm "Boże Narodzenie i polskie tradycje,"] Polska Misja Katolicka, Amsterdam {{pl icon}}</ref>。ポーランドにおいて、クリスマスは「''[[wikt:Boże Narodzenie|Boże Narodzenie]]''」(ボジェ・ナロゼニェ、神の誕生)と呼ばれる<ref name="onet-translation">{{cite web| url = http://portalwiedzy.onet.pl/tlumacz.html?tr=ang-auto&translate=OK&qs=Christmas| title = Christmas - Tłumacz - Onet.pl Portal wiedzy| accessdate = 2013-09-12}}{{pl icon}}</ref>。 |
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=== ロシア === |
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[[File:Sinterklaas 2007.jpg|thumb|160px|イギリスやアメリカのクリスマスでは[[サンタクロース]]が強調されるが、この原型は[[シンタクラース]]または[[ミラのニコラオス]]だと考えられている]] |
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[[File:St.Basil-Moscow Red Square.JPG|thumb|right|300px|[[モスクワ]]・[[聖ワシリイ大聖堂]]の[[元日]]]] |
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[[アメリカ合衆国]]では、イギリス流のクリスマスが一般的で、日本のクリスマスもイギリス流を受け継いでいる。この日の前に、クリスマスの挨拶にとクリスマスにちなんだ[[はがき|絵はがき]]や[[カード]]([[グリーティングカード]])を送る習慣がある。 |
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[[正教会]]圏に含まれるロシアでは、クリスマスは俗称「冬祭り」(「{{lang|ru|Зимние фестивали}}」{{efn2|ロシア語発音:「ジムニェ・フィスチヴァーリ」({{IPA-ru|ˈzʲimnʲɪje fʲɪsʲtʲɪˈvalʲɪ|}})。}})、サンタクロースは「[[ジェド・マロース|マロース爺さん]]」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれており、[[スネグーラチカ]](雪娘)を連れているとされる。[[ロシア正教会]]、[[セルビア正教会]]など、[[ユリウス暦]]を使う正教会の降誕祭は、[[1月7日]](ユリウス暦での12月25日)である<small>([[#「降誕日」の日付|前述]])</small>。そのため、[[グレゴリオ暦]]の[[大晦日]]~[[元日]]は([[1918年]]2月14日に改暦以降)クリスマスの前祝い的な位置付けとなっている。 |
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[[ロシア正教会]]では「{{Lang|ru|Христос Рождается!}}」「{{Lang|ru|Славите (Его)!}}」{{efn2|[[教会スラヴ語]]のロシア式綴り。ロシアでの発音は、「フリストース・ラジュダイェッツァ!」「スラーヴィチェ(・イヴォ)!」({{IPA-ru|xrʲɪˈstos rɐʐˈdajɪt͡sə|}}, {{IPA-ru|ˈsɫavʲɪtʲe (jɪˈvo)|}})。「{{Lang|ru|Его}}」は「彼を」の意。}}(「ハリストス生まる!」{{efn2|name="icxc"|}}「崇め讃(ほ)めよ!」<ref>{{cite web|url=https://www.facebook.com/osaka.orthodox.church/posts/1611655575808577/|title=大阪ハリストス正教会(Facebook)|accessdate=2021-08-07}}</ref>{{efn2|name="icxc"|}})が教会におけるクリスマスの挨拶である。世俗的には、 「(ハリストスの)降誕とともに」を意味する「{{Lang|ru|С Рождеством (Христовым)!}}」{{efn2|ロシア語発音:「ス・ラジュディストヴォーム(・フリストーヴム)」({{IPA-ru|s‿rəʐdʲɪstˈvom (xrʲɪˈstovɨm)|}})。}}という挨拶がよく用いられる<ref>{{citation|和書|author=クリメント北原史門|title=正教会の祭と暦|publisher=群像社|year=2015|isbn=978-4-903619-59-0|page=78}}</ref>。 |
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西欧やアメリカ等では、クリスマスは基本的に自宅で家族と過ごすものであり、クリスマスのずいぶん前から一緒に[[クリスマスリース]]や[[クリスマスツリー]]を作ったり、家を飾り付けるなどの協同作業をすることで家族で一緒に過ごす喜びを確認し、クリスマスの当日には[[家庭料理]]を味わうのが一般的であり、あえて外出するのは、クリスマスのミサ/礼拝に参祷するため教会に行くくらいである。 |
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<!-- ロシア語の発音は、IPAは英語版ウィクショナリーから引用、片仮名音写はそれとGoogle翻訳の発音例を聞いて近似値を取りました。--> |
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[[ソビエト連邦]]時代のロシアでは、クリスマスは伝統的な祭りとして禁止こそされなかったものの政府側は良い顔を見せず、キリスト教的な考えを壊そうとする[[ソビエト共産党]]の意向に沿ったものにするなど、政治色の強いものとなっていた。特に[[ヨシフ・スターリン]]の時代では、クリスマスがスターリンの誕生日の四日前ということもあり、クリスマスツリーにスターリンの写真をつるすといったことも行われた。子供は、サンタクロースに手紙を書く代わりに[[クレムリン]]に平和への感謝を記した手紙を書くように強いられた<ref>「クリスマスさまざま 共産党へのお祭りに力こぶ」『朝日新聞』昭和25年12月25日</ref>。[[宗教弾圧]]が行われていた[[ソビエト連邦|ソビエト社会主義共和国連邦]]は、表向き大々的に降誕祭が祝われることはなかったが、[[ソビエト連邦の崩壊]]後の[[ソビエト連邦構成共和国|旧ソ連諸国]]では、再び降誕祭が大々的に祝われるようになった。 |
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イギリスではサンタクロース([[:en:Father Christmas|Father Christmas]])が12月25日にプレゼントを持って来る。アメリカ合衆国では、プレゼントを家族全員で交換し合う習慣がある。クリスマスの日には台所周辺に[[ヤドリギ]]が飾られる。19世紀のイギリスを中心に、ヤドリギの下に偶然女性が立った場合、その女性に[[接吻|キス]]をしてもよいとする習慣があった<ref>[[#fujitaka2010|藤高 (2018)]], pp.148-149</ref>。 |
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=== ルーマニア === |
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[[ソビエト連邦]]時代のロシアでは、クリスマスは伝統的な祭りとして禁止こそされなかったものの政府側は良い顔を見せず、キリスト教的な考えを壊そうとする、[[ソビエト共産党]]の意向沿ったものにするなど政治色の強いものとなっていた。特に[[ヨシフ・スターリン]]の時代では、クリスマスがスターリンの誕生日の四日前ということもあり、クリスマスツリーにスターリンの写真をつるすといったことも行われた。子供は、サンタクロースに手紙を書く代わりにクレムリンに平和への感謝を記した手紙を書くように強いられた<ref>「クリスマスさまざま 共産党へのお祭りに力こぶ」『朝日新聞』昭和25年12月25日</ref>。 |
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{{main|ルーマニアのクリスマス}} |
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正教徒が多数派を占める[[ルーマニア]]だが、[[ルーマニア正教会]]では[[修正ユリウス暦]]を採用しているため、21世紀現在は[[西方教会]]と同日の12月24日~25日に祝われる主要な年次の祝祭である。クリスマスの祝賀はルーマニアのキリスト教化後に導入されたが、社会主義時代 (1948年—1989年) には宗教、イエス・キリスト、教会の概念は禁止された。民主化ともにルーマニアのクリスマスは再開され、よりお祭り色を強めた。クリスマスの祝祭シーズンは11月30日の[[アンデレ|使徒聖アンデレ]]の日から始まり、1月7日の[[洗礼者ヨハネ#祭日|洗礼者ヨハネの祭日]]に終わる。この期間に祝われる主要な祝祭日として、12月1日の統一記念日、[[ミラのニコラオス|聖ニコラオス]]の日、[[アンティオキアのイグナティオス|聖イグナティオス]]の日、[[クリスマス・イヴ]]、クリスマス当日、[[ステファノ|聖ステファノ]]の日、[[主の割礼祭]]([[大晦日]]~[[元日]])、[[神現祭]]がある。 |
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=== イスラエル・パレスチナ === |
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[[1990年代]]から[[アメリカ合衆国]]では、[[宗教的中立性|宗教的中立]]の観点から{{efn2|イスラム教の[[預言者生誕祭]]は年の前半で、ヒジュラ暦に基づく。}}、また[[ユダヤ教]]の祭日[[ハヌカー]]がほぼ同じ時期であることもあり、クリスマスを祝わない立場の人に対して「メリー・クリスマス」の代わりに「ハッピー・ホリデーズ({{lang|en|Happy Holidays}})」(「楽しい休日・祝日を」)の挨拶を用いる場合がある([[ポリティカル・コレクトネス]]を参照)。 |
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[[File:Untitled1 - panoramio (295).jpg|thumb|[[ベツレヘム]]、[[聖誕教会]]前の広場]] |
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[[ユダヤ教]]と[[イスラム教]]が多数派の[[イスラエル]]・[[パレスチナ]]だが、[[パレスチナ人]]([[アラビア語|アラブ語]]話者)や[[アルメニア人]]などの[[キリスト教徒]]も古くから住んでいる。[[キリストの降誕|キリスト降誕]]の地とされる[[ベツレヘム]]や、[[聖墳墓教会]]が建つ[[エルサレム旧市街]]、[[オリーブ山]]などが含まれる[[東エルサレム]]は、[[パレスチナ自治政府]]([[パレスチナ国]])の領域である。またイスラエル直轄地にも、[[ナザレ]]や[[ガリラヤ湖]]畔が含まれる[[ガリラヤ]]地方などは、やはりキリスト教徒が多く住む。 |
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[[聖誕教会]]などがある[[聖地 (アブラハムの宗教)|聖地]][[ベツレヘム]]では、クリスマスの祝祭は3つの異なる期間に執り行われている。[[12月25日]]には[[カトリック教会|カトリック]]や[[エルサレム・中東聖公会|聖公会]]など[[西方教会]]によって、[[1月7日]](ユリウス暦12月25日)には[[エルサレム総主教庁#正教会(ギリシャ正教)のエルサレム総主教|正教会(ギリシャ正教)]]・[[コプト正教会]]・[[シリア正教会]]など[[東方教会]]の多くによって降誕祭が祝われ、さらに[[1月19日]](ユリウス暦1月6日:[[神現祭]]の日)には[[アルメニア使徒教会]]によって、キリストの降誕と[[イエスの洗礼|洗礼]]が同時に祝われる<small>([[#古式を守るアルメニアの降誕祭|前述]])</small><ref>{{cite web|url=http://www.sacred-destinations.com/israel/bethlehem-christmas.htm|title=Christmas in Bethlehem|publisher=Sacred Destinations|accessdate=2008-01-22}}</ref>。 |
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1990年代後半から、[[政教分離原則|政教分離の原則]]のもと、公共の空間に飾られた[[クリスマスツリー]]を「ホリデーツリー」と言い換えるケースが出てきたが、[[キリスト教右派]]団体から批判を受けている。また、[[1960年代]]から[[アフリカ系アメリカ人]]の間で、クリスマスの翌日から[[アフリカ人|アフリカ民族]]の伝統を祝う[[クワンザー]]という行事を家庭で行うことが増えている。 |
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{{see also|パレスチナのキリスト教}} |
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=== アメリカ === |
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欧米諸国、さらに[[大韓民国]]、[[中華人民共和国]][[香港]][[特別行政区]]、同[[マカオ]]特別行政区では、クリスマスは法定祝日である。ヨーロッパでは12月24日(イヴ)から[[1月1日]](元日)までクリスマス休暇が続く(曜日配列の関係で[[12月22日]]もしくは[[12月23日]]から始まったり、或いは[[1月2日]]もしくは[[1月3日]]まで続く年もある)。12月25日(24日の終電から26日の始発まで)は、[[ロンドン地下鉄]]や[[ロンドンバス]]は全線運休になる<ref>All About 2005年12月20日「[https://web.archive.org/web/20060227072539/http://allabout.co.jp/travel/travelengland/closeup/CU20051204A/index.htm クリスマス休暇中の運行・営業時間に注意](アーカイブ)</ref>。 |
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[[アメリカ合衆国]]ではイギリス流のクリスマスが一般的で、日本のクリスマスも英国・米国流を受け継いでいる。この日の前に、クリスマスの挨拶にとクリスマスにちなんだ[[はがき|絵はがき]]や[[カード]]([[グリーティングカード]])を送る習慣がある。また、プレゼントを家族全員で交換し合う習慣がある。 |
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[[1960年代]]から[[アフリカ系アメリカ人]]の間で、クリスマスの翌日から[[アフリカ人|アフリカ民族]]の伝統を祝う[[クワンザー]]という行事を家庭で行うことが増えている。 |
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一方、アメリカでは25日と1月1日だけが[[祝日]]で、後は個人で各々[[有給休暇]]を取得して休むのが一般的である<ref>月刊しまね いわみマガジン「[https://web.archive.org/web/20060630014209/http://iwamiyoitoko.com/index-kiji-view.asp?ID=3060-0002 石見男Noviからのミシガン便り 日本は祝日が多い!?]」(アーカイブ)</ref><ref>[http://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree.php/id/58833/-/parent_contribution_id/58686/ 米の企業、クリスマス休暇]</ref>。[[アメリカ軍|軍]]も休暇となり、基地や宿営地は閉鎖され、派兵中でない兵士達は自宅へ帰宅する。 |
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近年では、宗教的中立の観点による配慮と、それに対するキリスト教側の一部からの批判が問題となっている(「[[#宗教的中立とそれに対する批判]]」を参照)。 |
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=== メキシコ === |
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[[File:NativityComJesusOax.JPG|thumb|[[聖母マリア|マリア]]と[[ナザレのヨセフ|ヨセフ]]が[[オアハカ]]風の衣装を纏った「[[降誕場面]]」]] |
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{{main|メキシコのクリスマス}} |
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[[メキシコ]]のクリスマスは12月初旬から1月6日にかけて祝われる。また、これに関連する最後のイベントは2月2日に行われる。クリスマス期間中はキリストの降誕を人形で再現したものや、[[ポインセチア]]、[[クリスマスツリー]]などを見ることができる。クリスマスのシーズンは、メキシコの守護聖人である[[グアダルーペの聖母]]にちなんだ祝祭や、それに継いで{{仮リンク|ラス・ポサダス|en|Las Posadas}}やパストレラ(クリスマス劇)などの伝統的な行事が行われる。ミサや祝祭は[[クリスマス・イヴ]]からはじまり、東方の三博士が訪問する1月6日の[[公現祭]]を経て、[[2月2日]]に「幼子イエスの[[神殿奉献]]」([[エルサレム神殿]]へのいわば[[初宮参り]])を記念する'''[[聖燭祭]]'''(ニノ・ディオス)を祝って終わる。これらの伝統的行事は、[[メキシコの歴史#スペイン植民地時代|スペイン植民地時代]]に入植以前からの伝統と[[スペイン]]の伝統が混ざり合ったもので、後には[[ドイツ]]や[[アメリカ]]の伝統を取り入れ形成された。 |
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=== ハワイ === |
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{{main|ハワイのクリスマス}} |
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[[ハワイ]]のクリスマスは、西欧諸国と同様、毎年行われる重要な祝祭の一つである。 |
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ハワイにおける祝祭としての[[クリスマス]]は、この地を訪れた[[プロテスタント]]の[[宣教師]]が紹介したもので、1820年以降に始まったと考えられている<ref name="aloha-hawaii">{{cite web|url=http://www.aloha-hawaii.com/hawaii/christmas/|title=Hawaii Christmas – Christmas with Aloha, Mele Kalikimaka!|publisher=Aloha Hawaii|date=|accessdate=2011-12-14|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180612205054/https://www.alohacondos.com/travel/hawaii/christmas/|archivedate=2018-06-12}}{{en icon}}</ref><ref>{{cite web|url=http://gohawaii.about.com/od/festivals/a/hawaii_xmas_a.htm|title=Hawaiian Christmas and New Year's Phrases and Words – Celebrating Christmas in Hawaii|publisher=Gohawaii.about.com|accessdate=2011-12-14}}{{en icon}}</ref>。その伝統的な要素のほとんどは宣教師が持ち込んだものである<ref name="merry-christmas">{{cite web|url=http://www.merry-christmas.org.uk/christmas-traditions/christmas-traditions-in-hawaii.htm|title=Christmas Traditions in Hawaii|publisher=Merry-christmas.org.uk|date=|accessdate=2011-12-14}}{{en icon}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.christmascarnivals.com/tradition/christmas-tradition-hawaii.html|title=Christmas Tradition in Hawaii|publisher=Christmascarnivals.com|date=|accessdate=2011-12-14}}{{en icon}}</ref>。ハワイの住人が今日のような形でクリスマスを祝う以前には、[[マカヒキ]]という祭りがあった。このマカヒキが催される4カ月の間、すべての争いは禁じられていた。当時からすでに「あらゆる人へ平穏と善意があるように」という祝祭としてのクリスマスのエッセンスがあったといえる<ref name="aloha-hawaii" />。 |
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=== 南半球 === |
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[[File:Merry summer Christmas from the Southern Hemisphere (31734820021).jpg|thumb|「南半球からのメリー・サマー・クリスマス」([[リオデジャネイロ]])]] |
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[[オーストラリア]]や[[南アメリカ|南米]]など[[南半球]]の国々では、クリスマスは[[夏|真夏]]となる。そのためクリスマスパーティーは、屋外や[[プール]]などで開催されることも多い。 |
[[オーストラリア]]や[[南アメリカ|南米]]など[[南半球]]の国々では、クリスマスは[[夏|真夏]]となる。そのためクリスマスパーティーは、屋外や[[プール]]などで開催されることも多い。 |
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=== インドネシア === |
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{{main|インドネシアのクリスマス}} |
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[[インドネシア]]のクリスマスは、現地では[[ポルトガル語]]でクリスマスを意味する'''ナタル''' (''Natal'') と呼ばれる。インドネシアでは約2500万人の[[キリスト教徒]](うち約3割が[[ローマ・カトリック|カトリック]]教徒)が存在し、全国各地で様々な伝統を持ってクリスマスが祝われる<ref name="bps">{{cite web|url=http://sp2010.bps.go.id/index.php/site/tabel?tid=321&wid=0|title=Penduduk Menurut Wilayah dan Agama yang Dianut|publisher=Sensus Penduduk 2010 - Indonesia|accessdate=2021-09-24}}{{id icon}}</ref>。キリスト教徒([[プロテスタント]]やカトリック)が多い地域では、祝祭や地域の料理でクリスマスが祝われるが<ref name="jp">[http://www.thejakartapost.com/news/2009/12/30/christmas-celebrations-indonesian-way.html Christmas celebration, the Indonesian way], ID Nugroho & Anissa S. Febrina, The Jakarta Post, Jakarta. 30 December 2009. Diakses pada 15 December 2014.{{en icon}}</ref>、その他にも大都市の[[ショッピングセンター]]などでは、プラスチック製の[[クリスマス・ツリー]]や[[サンタクロース|シンタクラース]] (''Sinterklaas'')の飾りつけが行われる。テレビ各局ではクリスマスの特別番組が組まれ、毎年恒例のクリスマス音楽コンサートや政府主催のクリスマスの祝祭が放送される。クリスマスには伝統的な食べ物の他、ナスター({{仮リンク|パイナップルタルト|en|Pineapple tart}}の一種)、{{仮リンク|カステンゲル|en|Kaasstengels}}、{{仮リンク|プトリサルジュ|en|Kue putri salju}}などのお菓子が供される<ref name="why">[http://www.whychristmas.com/cultures/indonesia.shtml Christmas in Indonesia], whychristmas.com. Diakses pada 15 December 2014.{{en icon}}</ref>。 |
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== クリスマスの風習と由来 == |
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[[File:Sinterklaas 2007.jpg|thumb|160px|[[サンタクロース]]]] |
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=== クリスマスツリー === |
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{{main|クリスマスツリー}} |
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[[クリスマスツリー]]([[常緑樹]]で、[[モミ]]、[[トウヒ]]、[[松]]などを使用する)の習慣は、中世[[ドイツ]]の[[神秘劇]]で[[アダムとイヴ]]の[[失楽園]]物語を演じた際に使用された樹木に由来している<ref name="hoyu">{{Cite journal|和書|author=許油|month=|year=2005|title=釈迦とイエスに関する類似性と差異性について|url=http://130.54.245.7/christ/asia/journals/asia3heo.pdf|journal=アジア・キリスト教・多元性 現代キリスト教思想研究会|issue=3|pages=pp. 97-99|publisher=京都大学キリスト教学研究室}}</ref>。またクリスマスツリーに飾りつけやイルミネーションを施す風習は、19世紀以降の[[アメリカ合衆国]]で始まったものである<ref name="hoyu"/>。 |
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=== サンタクロース === |
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{{main|サンタクロース}} |
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イギリスやアメリカなどのクリスマスでは[[サンタクロース]]が強調されるが、この原型は[[オランダ]]の民間伝承の「[[シンタクラース]]」、またさらに遡ると古代[[アナトリア半島|アナトリア]]に実在した[[聖人]]・[[ミラのニコラオス]]だと考えられている。 |
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== クリスマスの法定祝日 == |
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[[ファイル:Countries_that_recognize_Christmas_as_a_Public_Holiday.png|thumb|300px|12月24日または25日、あるいは1月6日または7日に、クリスマスが祝日と定められている国]] |
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[[ヨーロッパ]]や[[アメリカ州]]などキリスト教徒が多数派の国々、さらに[[東アジア]]では[[大韓民国]]、[[香港]]、[[マカオ]]でも、クリスマスは法定祝日である。 |
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西欧諸国(ヨーロッパの[[西方教会]]圏)の多くでは、12月24日(クリスマス・イヴ)から[[1月1日]]([[元日]])までクリスマス休暇が続く(曜日配列の関係で[[12月22日]]もしくは[[12月23日]]から始まったり、あるいは[[1月2日]]もしくは[[1月3日]]まで続く年もある)。12月25日(24日の終電から26日の始発まで)は、[[ロンドン地下鉄]]や[[ロンドンバス]]は全線運休になる<ref>All About 2005年12月20日「[https://web.archive.org/web/20060227072539/http://allabout.co.jp/travel/travelengland/closeup/CU20051204A/index.htm クリスマス休暇中の運行・営業時間に注意](アーカイブ)</ref>。 |
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一方、[[アメリカ合衆国|米国]]では12月25日と1月1日だけが[[祝日]]で、あとは個人で各々[[有給休暇]]を取得して休むのが一般的である<ref>月刊しまね いわみマガジン「[https://web.archive.org/web/20060630014209/http://iwamiyoitoko.com/index-kiji-view.asp?ID=3060-0002 石見男Noviからのミシガン便り 日本は祝日が多い!?]」(アーカイブ)</ref><ref>[http://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree.php/id/58833/-/parent_contribution_id/58686/ 米の企業、クリスマス休暇]</ref>。[[アメリカ軍|軍]]も休暇となり、基地や宿営地は閉鎖され、派兵中でない兵士達は自宅へ帰宅する。 |
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キリスト教が近現代に伝来した諸国のうち、クリスマスを法定祝日とする国・地域では、古くから信仰される他宗教への配慮から、他宗教の記念日もクリスマスと同等に法定祝日にしているところが多い。 |
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日本でもクリスマスを[[国民の祝日]]にしようという動きもある。クリスマスの後に年末年始休暇となるため、有給休暇などを活用すれば、長期休暇が取りやすいという利点がある。しかし、多くの企業にとって、年末はいわゆる「繁忙期・かき入れ時」であることもあり、実現の見通しは全く立っていない。さらに、[[日本国憲法]]が規定する[[政教分離]]の原則から、特定の宗教の記念日を祝日とすることは難しい。 |
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正教会圏に含まれるロシアでは、クリスマスは「冬祭り」、サンタクロースは「[[ジェド・マロース|マロース爺さん]]」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれており、[[スネグーラチカ]](雪娘)を連れているとされる。[[ロシア正教会]]、[[セルビア正教会]]など、[[ユリウス暦]]を使う正教会の降誕祭は、[[1月7日]](ユリウス暦で12月25日)である。 |
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なお[[平成]]年間においては、[[天皇誕生日]]が[[12月23日]]であったため、クリスマスを祝日にした場合は、両日に挟まれた24日が自動的に[[国民の休日]]となり、3連休が発生する可能性があった。[[明仁]]が平成31年([[2019年]])[[4月30日]]で退位したことに伴い、実現しなかった([[明治天皇]]や[[昭和天皇]]と違って、[[国民の祝日に関する法律]]の指定が無くなり休日が消滅した)。 |
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[[宗教弾圧]]が行われていた[[ソビエト連邦|ソビエト社会主義共和国連邦]]は、表向き大々的に降誕祭が祝われることは無かったが、[[ソビエト連邦の崩壊]]後の[[ソビエト連邦構成共和国|旧ソ連諸国]]で、降誕祭が大々的に祝われるようになった。 |
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== 日本のクリスマスの歴史・行事 == |
== 日本のクリスマスの歴史・行事 == |
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=== 歴史 === |
=== 歴史 === |
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==== 明治維新以前 ==== |
==== 明治維新以前 ==== |
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[[1552年]](天文21年)に[[周防国]]山口(現在の[[山口県]][[山口市]])において、[[カトリック教会]]([[イエズス会]])の宣教師である[[コスメ・デ・トーレス]]らが、[[日本人]]信徒を招いて降誕祭の[[ミサ]]を行ったのが、[[日本]]で初めてのクリスマスである{{efn2|これを記念し、山口市では1997年より「[[日本のクリスマスは山口から]]」というイベントを開催している。}}。しかし、その後[[江戸幕府]]の[[禁教令]]によってキリスト教が禁止されたので、[[明治]]の初めまでの200年以上の間、[[隠れキリシタン]]以外には |
[[1552年]]([[天文 (元号)|天文]]21年)に[[周防国]]山口(現在の[[山口県]][[山口市]])において、[[カトリック教会]]([[イエズス会]])の[[宣教師]]・[[修道司祭]]である[[コスメ・デ・トーレス]]らが、[[日本人]]信徒([[キリシタン]])を招いて降誕祭の[[ミサ]]を行ったのが、[[日本]]で初めてのクリスマスである{{efn2|これを記念し、[[山口市]]では[[1997年]]より「[[日本のクリスマスは山口から]]」というイベントを開催している。}}。しかし、その後[[江戸幕府]]の[[禁教令]]によってキリスト教が禁止されたので、[[明治]]の初めまでの200年以上の間、[[隠れキリシタン]]以外には受け入れられることはなかった。 |
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一部の例外として、[[長崎市|長崎]][[出島]]の[[オランダ商館]]に出入りするオランダ人たちは、キリスト教を禁止する江戸幕府に配慮しつつ、自分たちがクリスマスを祝うため、オランダの[[冬至]]の祭りという方便で「[[オランダ正月]]」を開催していた。これには幕府の役人や、 |
一部の例外として、[[長崎市|長崎]][[出島]]の[[オランダ商館]]に出入りする[[オランダ人]]たちは、キリスト教を禁止する江戸幕府に配慮しつつ、自分たちがクリスマスを祝うため、オランダの[[冬至]]の祭りという方便で「[[オランダ正月]]」を開催していた。これには幕府の役人や、[[蘭学]]者などオランダ人と付き合いのある日本人も招かれた。また、長崎に住むオランダ通の日本人たちの間でも、これを真似て祝うことがあった。オランダ商館の者たちは[[江戸]]に出仕することもあったが、彼らを迎え入れる江戸の役人たちは、オランダ正月を参考に、オランダの料理や文物などを用意して、オランダ人たちをもてなしたと伝わる。 |
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==== 明治・大正時代 ==== |
==== 明治・大正時代 ==== |
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[[File:1914 Santa Claus.jpg|thumb|『[[子供之友]]』1914年12月号挿絵]] |
[[File:1914 Santa Claus.jpg|thumb|『[[子供之友]]』1914年12月号挿絵]] |
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日本でクリスマスが受け入れられたのは、<!--[[文明開化]]の流れに沿ったハイカラ趣味でもあったが、{{要出典}}-->[[1900年]] |
日本でクリスマスが受け入れられたのは、<!--[[文明開化]]の流れに沿ったハイカラ趣味でもあったが、{{要出典}}-->[[1900年]](明治33年)に[[明治屋]]が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機であった。 |
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[[大正]]時代になると、児童向け雑誌や少女雑誌の12月号には、表紙をはじめとしてクリスマスにまつわる話や[[挿絵]]がたくさん導入された。[[1925年]](大正14年)に日本で初めてクリスマスシール(結核撲滅の[[寄附金付切手]])が発行される。[[1922年]](大正11年)発行の『言泉:日本大辞典』には、「耶蘇降誕祭」という漢字表記が見られる<ref>{{Citation|和書|last=落合|first=直文|author-link=落合直文|year=1922|contribution=くりすます|others=[[芳賀矢一]]改修|title=言泉:日本大辞典|volume=第二|publisher=[[大倉書店]]|pages=1174}}</ref>。 |
[[大正]]時代になると、児童向け雑誌や少女雑誌の12月号には、表紙をはじめとしてクリスマスにまつわる話や[[挿絵]]がたくさん導入された。[[1925年]](大正14年)に日本で初めてクリスマスシール(結核撲滅の[[寄附金付切手]])が発行される。[[1922年]](大正11年)発行の『言泉:日本大辞典』には、「耶蘇降誕祭」という漢字表記が見られる<ref>{{Citation|和書|last=落合|first=直文|author-link=落合直文|year=1922|contribution=くりすます|others=[[芳賀矢一]]改修|title=言泉:日本大辞典|volume=第二|publisher=[[大倉書店]]|pages=1174}}</ref>。 |
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==== 昭和(戦後)~現代 ==== |
==== 昭和(戦後)~現代 ==== |
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[[File:Christmas tree in marunouchi.jpg|thumb|東京・[[丸の内ビルディング]](2006年)]] |
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[[1948年]](昭和23年)7月20日に「[[国民の祝日に関する法律]]」が施行され、大正天皇祭は休日から外されたが{{efn2|先帝祭は休日から外されてしまったものの、[[宮中祭祀]]では変わることなく行われている。[[1989年]](昭和64年)1月7日の[[昭和天皇]]崩御に伴い、平成時代の先帝祭にあたる昭和天皇祭が、ユリウス暦を採用する正教会のクリスマスと同日の[[1月7日]]となり、2代続けてクリスマスにまつわる日となっている。}}、以降もクリスマスは年中行事として定着し、行事も盛大に行われるようになった。また、[[12月23日]]生まれである[[明仁]]が皇位にあった[[平成]]年間には、クリスマス・イヴが[[天皇誕生日]]の[[振替休日]]となる年もあった([[1990年]]・[[2001年]]・[[2007年]]・[[2012年]]・[[2018年]])。 |
[[1948年]](昭和23年)7月20日に「[[国民の祝日に関する法律]]」が施行され、大正天皇祭は休日から外されたが{{efn2|先帝祭は休日から外されてしまったものの、[[宮中祭祀]]では変わることなく行われている。[[1989年]](昭和64年)1月7日の[[昭和天皇]]崩御に伴い、平成時代の先帝祭にあたる昭和天皇祭が、ユリウス暦を採用する正教会のクリスマスと同日の[[1月7日]]となり、2代続けてクリスマスにまつわる日となっている。}}、以降もクリスマスは年中行事として定着し、行事も盛大に行われるようになった。また、[[12月23日]]生まれである[[明仁]]が皇位にあった[[平成]]年間には、クリスマス・イヴが[[天皇誕生日]]の[[振替休日]]となる年もあった([[1990年]]・[[2001年]]・[[2007年]]・[[2012年]]・[[2018年]])。 |
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[[File:Christmas tree in marunouchi.jpg|thumb|東京・[[丸の内ビルディング]](2006年)]] |
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[[ショッピングセンター]]では、早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセールが行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店では[[クリスマスケーキ]]が販売される。街中では街路樹に[[豆電球]]([[2010年代]]以降は[[省エネルギー]]に配慮して[[LED照明]])が飾り付けられる([[イルミネーション]])。庭のある家庭では、庭木や家屋に電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イヴに、イベントを開くことがある。 |
[[ショッピングセンター]]では、早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセールが行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店では[[クリスマスケーキ]]が販売される。街中では街路樹に[[豆電球]]([[2010年代]]以降は[[省エネルギー]]に配慮して[[LED照明]])が飾り付けられる([[イルミネーション]])。庭のある家庭では、庭木や家屋に電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イヴに、イベントを開くことがある。 |
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[[イギリス]]および[[イギリス連邦]]諸国では、[[12月26日]]に使用人や配達人に[[クリスマスプレゼント|プレゼント]]を渡す[[ボクシング・デー]]があり、[[1月6日]]までをクリスマス期間ともしている |
[[イギリス]]および[[イギリス連邦]]諸国では、[[12月26日]]に使用人や配達人に[[クリスマスプレゼント|プレゼント]]を渡す[[ボクシング・デー]]があり、[[1月6日]]までをクリスマス期間ともしているのに対して、日本では[[12月26日]]になると、クリスマスの飾りが一転して[[門松]]などの[[正月]]飾り(日本の[[神道]]式)に付け替えられたり、小売店などでも正月準備用や大掃除用商品の陳列・販売が中心となる、BGMも『[[お正月 (歌曲)|お正月]]』が流れる、という点が世界的に見て特徴的である。これは「クリスマス」を神聖な宗教行事としてではなく、商業行事としてみなすだけで、正しい理解を示さないがために起こる状況である{{efn2|そもそも日本はクリスマスに限らず、[[バレンタインデー]]や[[ハロウィン]]にも同じことが言えるように、宗教行事の神聖性を軽視し、おしなべて商業行事として捉える傾向が非常に強い。}}。近年では、[[1月1日]]の「カウントダウンイベント」が盛んになる[[12月31日]]深夜まで、イルミネーションがそのままにされているところも出てきている。 |
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日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場の[[キリスト教]]圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。2014年に旅行サイトの[[スカイスキャナー]]が発表した「宗教的あるいは個人的、思想的な理由などでクリスマスを祝う習慣がなく、クリスマスの大騒ぎを避けたいと思っている」人に勧める「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、[[イスラム国家]]の[[サウジアラビア]]、[[アルジェリア]]、[[イラン]]や、[[仏教]]国の[[タイ王国|タイ]]、[[社会主義]]国家の[[中華人民共和国|中国]]や[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]などを押さえ、[[日本]]が1位となっている<ref name="afpbb-3034674">{{Cite news|title=「クリスマス騒ぎを避けるための国」トップ10、日本が第1位|newspaper=[[フランス通信社|AFPBB News]]|date=2014-12-20|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3034674|accessdate=2015-1-4}}</ref>。「サンタをたまに見かけるかもしれないが、日本はクリスマスが祝日でなく、12月25日も人々は普段通り仕事をする」ためである<ref name="afpbb-3034674" />。 |
日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場の[[キリスト教]]圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。2014年に旅行サイトの[[スカイスキャナー]]が発表した「宗教的あるいは個人的、思想的な理由などでクリスマスを祝う習慣がなく、クリスマスの大騒ぎを避けたいと思っている」人に勧める「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、[[イスラム国家]]の[[サウジアラビア]]、[[アルジェリア]]、[[イラン]]や、[[仏教]]国の[[タイ王国|タイ]]、[[社会主義]]国家の[[中華人民共和国|中国]]や[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]などを押さえ、[[日本]]が1位となっている<ref name="afpbb-3034674">{{Cite news|title=「クリスマス騒ぎを避けるための国」トップ10、日本が第1位|newspaper=[[フランス通信社|AFPBB News]]|date=2014-12-20|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3034674|accessdate=2015-1-4}}</ref>。「サンタをたまに見かけるかもしれないが、日本はクリスマスが祝日でなく、12月25日も人々は普段通り仕事をする」ためである<ref name="afpbb-3034674" />。 |
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[[ファーストフード]]でクリスマスを祝う風潮は日本独自のものであり、海外では「キリストの |
[[ファーストフード]]でクリスマスを祝う風潮は日本独自のものであり、海外では「キリストの降誕祭を安価なファーストフードで祝うのは如何なものか」という見方が主流<ref>[https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/12602 「キリスト不在」「なぜファーストフード?」外人が「なんで?」と思う日本のクリスマス10選] マイナビ 学生の窓口 フレッシャーズ 2014/12/23 (2021年3月23日閲覧)</ref><ref>[https://www.j-cast.com/2012/12/25159537.html?p=all 「クリスマスはKFC」に海外から驚きの声 「ジョークか何かだろ」「本気なのか」] J-CASTニュース 2012年12月25日18時19分 (2021年3月23日閲覧)</ref>。 |
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=== 個々の場合 === |
=== 個々の場合 === |
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==== 教会でのクリスマス ==== |
==== 教会でのクリスマス ==== |
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[[File:Konan Church:甲南教会/聖夜 - panoramio.jpg|thumb|日本のキリスト教教会([[日本基督教団]]甲南教会)のクリスマス讃美礼拝、2010年]] |
[[File:Konan Church:甲南教会/聖夜 - panoramio.jpg|thumb|日本のキリスト教教会([[日本基督教団]]甲南教会)のクリスマス讃美礼拝、2010年]] |
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[[キリスト教]]の[[教会 (キリスト教)|教会]]は |
[[キリスト教]]の[[教会 (キリスト教)|教会]]は多くの場合、[[キリスト教徒]]・またその[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]の信徒であるか否かを問わず門戸を開いており、信徒でない人もクリスマスの礼拝に出席することが可能である。日本各地の、[[日本ハリストス正教会|正教会]]の[[晩祷 (正教会)|晩祷]]・[[聖体礼儀]]や、[[カトリック教会]]の[[ミサ]]、[[日本聖公会|聖公会]]の[[クリスマス・イヴ#教会での祭|前夕礼拝]]・降誕日[[聖餐|聖餐式]]に、信徒でなくても参祷することができる{{efn2|ただし、[[領聖]]・[[ミサ#交わりの儀|聖体拝領]]・[[聖餐#西方教会|陪餐]](「[[聖体|キリストの体と血]]」とされるパンとぶどう酒を飲食すること)は、ほとんどの場合[[洗礼]]を受けた[[キリスト教徒]](さらに教派によっては自教派の信徒)に限られるので注意。[[聖公会]]や多くの[[プロテスタント]]教会は、[[キリスト教徒]]でさえあれば所属教派を問わず陪餐を認めるところが多い。[[正教会]]では、領聖の後に行われる「十字架接吻」と、「アンティドル」と呼ばれるパン切れを食べること(「領聖」は[[司祭]]の手元から信徒の口で直接受けるのに対して、「アンティドル」は聖堂内に置かれた皿から自由に取るという点が見分け方)は、信徒でなくても与れる。}}。また[[プロテスタント]]の諸教会でも、非信徒の参祷を歓迎しているところが多い(各教会堂の掲示板に「クリスチャンでない方もお気軽にどうぞ」と掲示が出る){{efn2|ただし、[[2020年]]初頭から続く[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]蔓延のため、「直接参加は信徒のみ」という措置を取る教会も出てきた。代わりにインターネットでの動画配信が普及しつつある。}}。 |
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==== 家庭のクリスマス ==== |
==== 家庭のクリスマス ==== |
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日本人男女を対象とした[[2006年]]([[平成]]18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位(66%)となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった<ref>{{Cite web |
日本人男女を対象とした[[2006年]]([[平成]]18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位(66%)となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった<ref>{{Cite web|url=http://research.rakuten.co.jp/report/20061208/|title=楽天リサーチのインターネット調査。全国18歳から69歳の男女計720人を対象に行った。|website=楽天インサイト(旧:楽天リサーチ)|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111104072827/http://research.rakuten.co.jp/report/20061208/|archivedate=2011-11-04|deadlinkdate=2014-12-27|date=2006-12-08|accessdate=2019-12-02}}</ref>。また子供たちにとってはサンタクロースが[[クリスマスプレゼント|プレゼント]]を持って来てくれる嬉しい日である。 |
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|url=http://research.rakuten.co.jp/report/20061208/ |
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|title=楽天リサーチのインターネット調査。全国18歳から69歳の男女計720人を対象に行った。|市場調査・マーケティングリサーチ会社の【楽天リサーチ】 |
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|website=楽天インサイト(旧:楽天リサーチ) |
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|archiveurl=https://web.archive.org/web/20111104072827/http://research.rakuten.co.jp/report/20061208/ |
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|archivedate=2011-11-04 |
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|deadlinkdate=2014-12-27 |
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|language=ja |
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|date=2006-12-08 |
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|accessdate=2019-12-02 |
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}}</ref>。また子供たちにとってはサンタクロースが[[クリスマスプレゼント|プレゼント]]を持って来てくれる嬉しい日である。 |
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==== 独身者のクリスマス ==== |
==== 独身者のクリスマス ==== |
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<!--批判-->これらの風潮について批判もあり、[[イタリア]]の「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口の僅かしか[[キリスト教徒]]が居ないのに、多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評した<ref>[https://web.archive.org/web/20110203105803/http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010122501000102.html 伊誌、日本のクリスマスを特集 「愛の祭」「教徒わずか」] 共同通信 2010年12月25日。(アーカイブ)</ref>{{efn2|イタリアは言うまでもなくカトリックの総本山・[[バチカン]]を抱える。}}。多くの[[日本人]]は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。 |
<!--批判-->これらの風潮について批判もあり、[[イタリア]]の「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口の僅かしか[[キリスト教徒]]が居ないのに、多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評した<ref>[https://web.archive.org/web/20110203105803/http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010122501000102.html 伊誌、日本のクリスマスを特集 「愛の祭」「教徒わずか」] 共同通信 2010年12月25日。(アーカイブ)</ref>{{efn2|イタリアは言うまでもなくカトリックの総本山・[[バチカン]]を抱える。}}。多くの[[日本人]]は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。 |
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{{See also|クリスマス・イヴ#過ごし方}} |
{{See also|クリスマス・イヴ#過ごし方}} |
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クリスマスに大一番がある時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれることがある。[[中央競馬]]の[[有馬記念]](グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリといわれることがある。 |
クリスマスに大一番がある時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれることがある。[[中央競馬]]の[[有馬記念]](グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリといわれることがある。 |
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== クリスマスにまつわる文化等 == |
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==== 祝日化 ==== |
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=== 文学・演劇 === |
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[[ファイル:Map of Countries that do not recognize Christmas as Public Holiday.png|thumb|300px|12月24日若しくは25日又は1月6日若しくは7日にクリスマスが祝日と定められていない国]] |
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[[File:Childrens Nativity Play 2007.jpg|thumb|[[アメリカ合衆国|米国]]の[[長老派教会]]での[[パジェント|降誕劇]]]] |
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クリスマスは多くの国で祝日となっており、日本でも祝日にしようという動きもある。クリスマスの後に年末年始休暇となるため、有給休暇などを活用すれば、長期休暇が取りやすいという利点がある。しかし、多くの企業にとって、年末はいわゆる「繁忙期・かき入れ時」であることもあり、実現の見通しは全く立っていない。さらに、[[日本国憲法]]が規定する[[政教分離]]の原則から、特定の宗教の記念日を祝日とすることは難しい。 |
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クリスマスを題材にした文学で著名なものとして、19世紀[[イギリス]]の小説家[[チャールズ・ディケンズ|ディケンズ]]の中編小説『[[クリスマス・キャロル (小説)|クリスマス・キャロル]]』がある<ref>『[[#遠藤、大塚1989|クリスマス小事典]]』161-162頁。</ref>。守銭奴{{仮リンク|スクルージ (キャラクター)|label=スクルージ|en|Ebenezer Scrooge}}がクリスマスに悔い改める話で、[[1843年]]に発表され大成功を収めた<ref>「[https://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%AB-56858 クリスマス・カロル]」『[[ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目事典』[[コトバンク]]。2021年9月21日閲覧。</ref>。この小説は[[ハリウッド]]とイギリスの映画会社によるクリスマス映画の中で[[20世紀]]において最も多く映画化された物語となった<ref name="映画クリスマスキャロル">「『クリスマスキャロル』の映画化」『[[#ボウラー2007|図説 クリスマス百科事典]]』159-160頁。</ref>。 |
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『[[人魚姫]]』や『[[裸の王様]]』など多くの童話で知られる[[デンマーク]]の作家[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|アンデルセン]]は<ref>[[山室静]]「[https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3-29424 アンデルセン]」『[[日本大百科全書]](ニッポニカ)』[[小学館]]、[[コトバンク]]。2021年9月21日閲覧。</ref>クリスマス当日の話は書いていないが、[[1845年]]作の[[大晦日|大みそか]]の物語『[[マッチ売りの少女]]』の主人公は寒さに凍えて売り物のマッチに火をつけ、ひとときの楽しいクリスマスの夢を見る<ref>『[[#遠藤、大塚1989|クリスマス小事典]]』164-165頁。</ref>。 |
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なお[[平成]]においては、[[天皇誕生日]]が[[12月23日]]であったため、クリスマスを祝日にした場合は、両日に挟まれた24日が自動的に[[国民の休日]]となり、3連休が発生するケースがあった。[[明仁]]が平成31年([[2019年]])[[4月30日]]で退位したことに伴い、実現しなかった(明治天皇や昭和天皇と違って、[[国民の祝日に関する法律]]の指定が無くなり休日が消滅した)。 |
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[[ベルギー]]の劇作家[[モーリス・メーテルリンク|メーテルリンク]]の『[[青い鳥]]』はフランス語の童話劇で、[[1908年]]に[[モスクワ芸術座]]で[[コンスタンチン・スタニスラフスキー|スタニスラフスキー]]の演出によって上演され大成功を収めた<ref name="小事典166-168">『[[#遠藤、大塚1989|クリスマス小事典]]』166-168頁。</ref>。クリスマスの夜に見た夢の中で1年間にわたって幸せの青い鳥を探すが見つからず、目覚めてみると枕元の鳥かごの中に探していた青い鳥がいたという兄チルチルと妹ミチルの物語で<ref name="小事典166-168" />、英語圏で評価が高い<ref>遠山博雄「[https://kotobank.jp/word/%E9%9D%92%E3%81%84%E9%B3%A5-24078#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 青い鳥]」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、コトバンク。2021年9月21日閲覧。</ref>。 |
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キリスト教が後世に伝来した、日本以外の[[アジア]]諸国は、クリスマスを法定祝日とする国家では、古くから信仰される他教への配慮から、他宗教の記念日も、クリスマスと同等に法定祝日にしている。 |
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;降誕劇(パジェント) |
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== 商業主義に対するローマ教皇の懸念 == |
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[[西方教会]]系統の教会や[[小学校]]・[[幼稚園]]などではしばしば、クリスマスの直前の日曜日([[アドベント]]第4[[主日]])などに、おもに教会の信徒の子供や児童・園児たちによって、「[[パジェント]]」(ページェント)と呼ばれる[[キリストの降誕|キリスト降誕]]の物語の演劇({{仮リンク|降誕劇|en|Nativity play}})が、教会の礼拝中や学校・園の中、はたまた町中などで上演される。 |
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[[File:ChristmasMarketJena.jpg|thumb|[[ドイツ]]・[[イェーナ]]の[[クリスマスマーケット]]]] |
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[[File:Monthly Changes in Currency.jpg|thumb|2000年を特に顕著とし、[[連邦準備制度|米ドルのマネーサプライ]]はクリスマスの買い物シーズンに合わせて毎年増加している。]] |
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第265代ローマ[[教皇]]・[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]は、「[[無原罪の御宿り|無原罪の聖マリア]]の祭日」([[12月8日]])とクリスマスの間の「聖なる降誕祭を準備する期間」([[アドベント]])について[[2005年]]、以下のようなコメントを発している。 |
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{{Quotation|現代の[[消費社会]]の中で、この時期が[[商業主義]]にいわば「[[汚染]]」されているのは、残念なこと。このような商業主義による「汚染」は、降誕祭の本来の精神を変質させてしまう恐れがある。降誕祭の精神は、「[[精神]]の集中」と「落ち着き」と「喜び」であり、この喜びとは、内面的なもので、外面的なものではない。|[https://www.cbcj.catholic.jp/2005/12/11/1540/ 教皇ベネディクト十六世の2005年12月11日の「お告げの祈り」のことば]([[カトリック中央協議会]])}} |
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また[[2012年]][[12月19日]]には、[[フィナンシャル・タイムズ]]へ寄稿し、その中で、以下のように述べた。[[ローマ教皇]]が経済紙に寄稿するのは非常に異例だという<ref>[https://megalodon.jp/2012-1225-0028-00/www.asahi.com/international/update/1223/TKY201212230679.html 「クリスマス、深く内省を」 ローマ法王、経済紙に寄稿] 朝日新聞 2012年12月24日 ローマ支局・石田博士記者</ref>。 |
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{{Quotation|クリスマスには[[聖書]]を読んで[[学習|学ぶ]]べきだ。[[政治]]や[[株式市場]]など[[物質主義|俗世の出来事にどう関わるべきか]]の[[啓示]]は、聖書の中に見つけられる。……<br>……[[貧困]]と闘わなければならない。[[資源]]を[[公平]]に分かち合い、[[社会的弱者|弱者]]を[[チャリティー|助け]]なければならない。[[七つの大罪|強欲]]や[[搾取]]には反対すべきだ。……<br>……クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。私たちはつつましく貧しい[[キリストの降誕|馬小屋の光景]]から何を学べるだろう。|[http://www.ft.com/intl/cms/s/0/099d055e-4937-11e2-9225-00144feab49a.html#axzz2Fvi5CY7d A time for Christians to engage with the world(キリスト者が世界と繋がる時)]}} |
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== 関連作品 == |
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=== 書籍 === |
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*[[パラダイス山元]] 著/監修 『サンタクロース公式ブック~クリスマスの正しい過ごし方~』 小学館、2007年、ISBN 4-09-387748-3(ISBN-13 978-4-09-387748-0)、『サンタクロース、ライフ。』 ヤマハミュージックメディア、2002年、ISBN 4-636-20653-3(ISBN-13 978-4-636-20653-1) |
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*若林ひとみ 著 『クリスマスの文化史』 白水社、2004年、ISBN 4-560-04075-3(ISBN-13 978-4-560-04075-1) |
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*クラウス・クラハト:克美・タテノクラハト共著 『クリスマス どうやって日本に定着したか』 角川書店、1999年、ISBN 4-04-883598-X |
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*『キリスト教神学事典』 教文館、2005年、ISBN 4-7642-4029-7 |
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*[[ジャンニ・ロダーリ]]作・[[杉浦明平]]訳『青矢号のぼうけん』(少年文庫改版で「青矢号―おもちゃの夜行列車」) 岩波書店(岩波ものがたりの本) |
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=== 音楽 === |
=== 音楽 === |
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{{main|クリスマスの音楽一覧|カテゴリ:クリスマス・キャロル|カテゴリ:クリスマスソング}} |
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;楽曲一覧 |
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;楽曲 |
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* [[クリスマス・キャロル]] |
* [[クリスマス・キャロル]] |
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* [[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ]]「[[クリスマス・オラトリオ (バッハ)|クリスマス・オラトリオ]]」 - 元来クリスマスから[[公現祭|エピファニー]]にかけて順に演奏された、[[キリストの降誕|降誕]]物語曲。 |
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* [[クリスマス・オラトリオ (バッハ)]] |
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* [[マルカントワーヌ・シャルパンティエ]]「{{仮リンク|真夜中のミサ (シャルパンティエ)|label=真夜中のミサ|fr|Messe de minuit}}」 - 代表的なクリスマスのための[[ミサ曲]]。 |
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{{see also|クリスマスの音楽一覧|Category:クリスマス・キャロル|Category:クリスマスソング}} |
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* [[アルカンジェロ・コレッリ]]「{{仮リンク|クリスマス協奏曲|en|Christmas Concerto}}」 - “クリスマスの夜のために作曲”{{efn2|{{lang-it|''“Fatto per la notte di Natale”''}}という題辞があり、[[1690年]]に[[バチカン宮殿]]の[[教皇|ローマ教皇]]御前で、[[クリスマス・イヴ]]の[[カンタータ]]において演奏されたと伝わる<ref>{{cite book|last=Marx|first=Hans Joachim|editor=Friedrich Lippman|chapter=Die Musik am Hofe Pietro Kardinal Ottobonis unter Arcangelo Corelli|title=[http://dhi-roma.it/analecta_5.html?&MP=1335-2122 Studien zur italienisch-deutschen Musikgeschichte V]|publisher=Böhlau Verlag||location=Köln, Graz|year=1968|pages=110-111}}{{de icon}}</ref>。}}された[[コンチェルト・グロッソ]](合奏協奏曲)。 |
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* [[ピョートル・チャイコフスキー]]「[[くるみ割り人形]]」 - [[クリスマス・イヴ]]の夜が舞台。 |
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;音楽チャート |
;音楽チャート |
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またビルボードチャートでは、クリスマスアルバムに限定したアルバムチャート「Christmas LP's」「Christmas Albums」「Hoilday Albums」も毎年12月前後に発表されている。 |
またビルボードチャートでは、クリスマスアルバムに限定したアルバムチャート「Christmas LP's」「Christmas Albums」「Hoilday Albums」も毎年12月前後に発表されている。 |
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{{節スタブ}} |
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=== 料理 === |
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[[Image:Yulelog.jpg|thumb|[[ビュッシュ・ド・ノエル]]]] |
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[[Image:Gingerbread landscape.jpg|thumb|[[ジンジャーブレッドマン]]と家]] |
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[[Image:RoastChicken.jpg|thumb|[[ローストチキン]]]] |
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{{see also|カテゴリ:クリスマス料理}} |
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* {{仮リンク|クリスマス料理|en|Christmas dinner}} |
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;ケーキ |
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* [[クリスマスケーキ]] |
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* [[ホワイト・クリスマス (洋菓子)]] |
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* [[ビュッシュ・ド・ノエル]] |
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* [[クグロフ]] |
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* [[シュトレン]] |
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;菓子類 |
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* [[クリスマスプディング]] |
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* [[レープクーヘン]] |
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* [[ジンジャーブレッドマン]] |
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* [[キャンディケイン]] |
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;飲みもの |
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* [[グリューワイン]] |
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* [[クリスマスビール]] |
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* [[ユールムスト]] |
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;ごちそう |
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* [[ローストチキン]] |
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* [[シチメンチョウ]]([[w:Turkey as food]]) |
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{{節スタブ}} |
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=== 商工業 === |
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[[file:ChristmasMarketJena.jpg|thumb|300px|[[ドイツ]]・[[イェーナ]]の[[クリスマスマーケット]]]] |
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[[file:Julkalender_-_2021.jpg|thumb|[[スウェーデン]]の紙製立体型[[ユーレカレンダー]]]] |
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;クリスマスにまつわる伝統的な商工業 |
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* [[クリスマスマーケット]] |
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** [[ニュルンベルク]] - クリスマスマーケットで有名、[[グリューワイン]]の名産地。 |
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** [[ドレスデン]] - [[シュトレン]]や、一説にはクリスマスマーケットの発祥地とされる。 |
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** [[ローテンブルク・オプ・デア・タウバー]] - [[:de:Käthe Wohlfahrt|一年中クリスマス商品を売る店]]がある<ref>{{cite web|url=https://www.bayern.jp/kaethe-wohlfahrt-rothenburg-ob-der-tauber|title=ケーテ・ウォルファルトは一年中クリスマス (Käthe Wohlfahrt)|publisher=[[バイエルン州]]観光局|accessdate=2021-09-25}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.wohlfahrt.jp/|title=ケーテ・ウォルファルト|accessdate=2021-09-25}}</ref>。 |
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** {{仮リンク|ザイフェン|de|Seiffen/Erzgeb.}}([[エルツ山地]]) - [[くるみ割り#くるみ割り人形|くるみ割り人形]]など[[木工]][[玩具]]の名産地。 |
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* [[アドベントカレンダー]]/[[ユーレカレンダー]] |
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;経済 |
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* {{仮リンク|クリスマスの経済|en|Economics of Christmas}} |
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* [[クリスマス商戦]] |
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file:Monthly Changes in Currency.jpg|2000年を特に顕著とし、[[連邦準備制度|米ドルのマネーサプライ]]はクリスマスの買い物シーズンに合わせて毎年増加している。 |
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{{節スタブ}} |
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== 批判 == |
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=== クリスマスの狂騒に対する批判 === |
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クリスマスに関する[[消費主義]]や人々の馬鹿騒ぎに対する批判の淵源は、古代にまで遡ることができる。[[古代ローマ]]で行われていた12月の祭である[[サートゥルナーリア祭|サトゥルナリア祭]]について、[[4世紀]]には[[キリスト教徒]]ではない[[ギリシャ人]]の思想家[[リバニオス]]が、「消費への衝動がすべての人を捕らえている。1年じゅう金を貯め(て)(中略)いた者が、突然、消費に走る。」と批判したと伝わる<ref>「消費主義」『[[#ボウラー2007|図説 クリスマス百科事典]]』299-300頁。</ref>。 |
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このサトゥルナリア祭に代わって真冬の祭りとなったクリスマスに対して、[[17世紀]]のある文書は「クリスマスを祝う人々の大部分は、キリストの御名(みな)をひどく汚すような仕方でこの祭りを行なっている。(中略)この祝日は酒宴、(中略)馬鹿騒ぎ、(中略)狂気じみた歓楽などに費やされている。(中略)この祭りは(中略)サトゥルナスマスとか(中略)いっそのことデビルマスという名で呼ばれる方がふさわしいのである。」と批判している<ref>「サトゥルナリア」『[[#ボウラー2007|図説 クリスマス百科事典]]』234-235頁。</ref>。現代の研究者は、クリスマスにおける世俗の酒宴的気分について、サトゥルナリア祭などのキリスト教以外の祭りの名残を指摘している<ref>[[由木康]]「クリスマス」『[[キリスト教大事典]]』改訂新版、[[教文館]]、1968年、350-351頁。</ref>。 |
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第265代[[教皇|ローマ教皇]]・[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]は、「[[無原罪の御宿り|無原罪の聖マリア]]の祭日」([[12月8日]])とクリスマスの間の「聖なる降誕祭を準備する期間」([[アドベント]])について、[[2005年]]に以下のようなコメントを発した。 |
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{{Quotation|現代の[[消費社会]]の中で、この時期が[[商業主義]]にいわば「[[汚染]]」されているのは、残念なこと。このような商業主義による「汚染」は、降誕祭の本来の精神を変質させてしまう恐れがある。降誕祭の精神は、「[[精神]]の集中」と「落ち着き」と「喜び」であり、この喜びとは、内面的なもので、外面的なものではない。|[https://www.cbcj.catholic.jp/2005/12/11/1540/ 教皇ベネディクト十六世の2005年12月11日の「お告げの祈り」のことば]([[カトリック中央協議会]])}} |
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また[[2012年]][[12月19日]]には、[[フィナンシャル・タイムズ]]へ寄稿し、その中で、以下のように述べた。[[ローマ教皇]]が経済紙に寄稿するのは非常に異例だという<ref>[https://megalodon.jp/2012-1225-0028-00/www.asahi.com/international/update/1223/TKY201212230679.html 「クリスマス、深く内省を」 ローマ法王、経済紙に寄稿] 朝日新聞 2012年12月24日 ローマ支局・石田博士記者</ref>。 |
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{{Quotation|クリスマスには[[聖書]]を読んで[[学習|学ぶ]]べきだ。[[政治]]や[[株式市場]]など[[物質主義|俗世の出来事にどう関わるべきか]]の[[啓示]]は、聖書の中に見つけられる。……<br>……[[貧困]]と闘わなければならない。[[資源]]を[[公平]]に分かち合い、[[社会的弱者|弱者]]を[[チャリティー|助け]]なければならない。[[七つの大罪|強欲]]や[[搾取]]には反対すべきだ。……<br>……クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。私たちはつつましく貧しい[[キリストの降誕|馬小屋の光景]]から何を学べるだろう。|[http://www.ft.com/intl/cms/s/0/099d055e-4937-11e2-9225-00144feab49a.html#axzz2Fvi5CY7d A time for Christians to engage with the world(キリスト者が世界と繋がる時)]}} |
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=== 宗教的中立とそれに対する批判 === |
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{{see also|ポリティカル・コレクトネス}} |
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[[アメリカ合衆国]]をはじめとする欧米諸国などでは、[[1990年代]]後半頃以降、[[宗教的中立性]]と[[政教分離原則|政教分離]]の観点から、クリスマスを祝わない立場の人に配慮して{{efn2|[[ユダヤ教]]の祭日「[[ハヌカー]]」がほぼ同じ時期である。また[[イスラム教]]では、イエス([[イスラームにおけるイーサー|イーサー]])は[[預言者]]の一人とされているものの、「[[クルアーン]]と[[福音書|聖書]]はどちらも12月25日がイエスの誕生日ではないという証拠を示している」といった理由から、クリスマスを祝わない<ref>{{cite web|url=https://www.alhakam.org/why-muslims-do-not-celebrate-christmas/|title=Why Muslims do not celebrate Christmas|publisher=Al Hakam|date=2021-04-10|accessdate=2021-09-26}}</ref>。}}、公共の空間に飾られた[[クリスマスツリー]]を「ホリデーツリー」、「メリー・クリスマス」({{lang|en|Merry Christmas}})という挨拶の代わりに「ハッピー・ホリデーズ」({{lang|en|Happy Holidays}}:「楽しい休日・祝日を」)などと言い換えるケースが出てきたが、[[キリスト教右派]]団体からは批判を受けている。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* {{Cite book| 和書|author = 遠藤紀勝、大塚光子| title = クリスマス小事典| year = 1989| series = [[現代教養文庫]]| publisher = [[社会思想社]]| isbn = 4390113178|ref =遠藤、大塚1989}} |
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*『クリスマス どうやって日本に定着したか』[[クラウス・クラハト]]/[[克美・タテノクラハト]]著、角川書店、1999年、{{ISBN2|978-4048835985}} |
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* [[クラウス・クラハト]]/[[克美・タテノクラハト]]『クリスマス どうやって日本に定着したか』[[角川書店]]、1999年、{{ISBN2|978-4048835985}} |
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*{{Cite journal |和書|author=藤高 邦宏 |authorlink= |title=英米文化の背景 英米人の迷信・俗信考(18)4 年中行事(その7)クリスマス(キリスト降誕祭)(1) |date=2010 |publisher=倉敷芸術科学大学図書館 |journal=倉敷芸術科学大学紀要 |volume=15 |issue= |naid= |pages=143-152 |ref=fujitaka2010 }} |
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* {{Cite journal|和書|author=藤高 邦宏|authorlink=|title=英米文化の背景 英米人の迷信・俗信考(18)4 年中行事(その7)クリスマス(キリスト降誕祭)(1)|date=2010 |publisher=倉敷芸術科学大学図書館|journal=倉敷芸術科学大学紀要|volume=15|issue=|naid=|pages=143-152|ref=fujitaka2010 }} |
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* {{Cite book| 和書|author = ジェリー・ボウラー| title = 図説 クリスマス百科事典| year = 2007| publisher = 柊風舎| translator = 笹田裕子・成瀬俊一| others = 中尾セツ子 日本語版監修| isbn = 9784903530147|ref =ボウラー2007}} |
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== 関連文献 == |
== 関連文献 == |
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* [[カトリーヌ・ルパニョール]]『サンタクロースとクリスマス』[[渡辺義愛]]監修、[[今井裕美子]]他訳、[[東京書籍]]、1983年、{{ISBN2|978-4487760138}} |
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*『サンタクロース伝説の誕生』 |
* [[コレット・メシャン]]『サンタクロース伝説の誕生』[[樋口淳]]/[[諸岡保江]]編訳、[[原書房]]、1991年、{{ISBN2|978-4562022670}} |
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* |
* [[クロード・レヴィ=ストロース]]『サンタクロースの秘密』[[中沢新一]]訳・著、[[せりか書房]]、1995年、{{ISBN2|978-4796701952}} |
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: (改題新版)『火あぶりにされたサンタクロース』中沢新一訳・解説、[[KADOKAWA]]、2016年、ISBN 978-4044002206 |
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*『クリスマス |
* [[ポール・L・マイヤー]]『最初のクリスマス』[[山田直美]]訳、[[日本キリスト教団出版局]]、1992年、{{ISBN2|978-4818401211}} |
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* |
* [[オスカー・クルマン]]『クリスマスの起源』[[土岐健治]]/[[湯川郁子]]訳、[[教文館]]、1996年、{{ISBN2|978-4764260238}} |
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* 若林ひとみ『クリスマスの文化史』[[白水社]]、2004年、ISBN 4-560-04075-3、ISBN 978-4560040751 |
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* [[堀井憲一郎]]『愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか』[[講談社現代新書]]、2017年、{{ISBN2|978-4062884013}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[アドベント]](待降節/降臨節) |
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* [[クリスマス・イヴ]] |
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* [[主の割礼祭]] |
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* [[十二夜 (民俗行事)]] - 戯曲『[[十二夜]]』 |
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* [[日本のクリスマスは山口から]](日本でのクリスマス行事発祥を記念したイベント) |
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* [[クリスマス・ファシズム]] |
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* [{{NDLDC|767859/42}} 『欧洲の風俗』][[1887年]]:「クリストマス(クリスマス)」の紹介あり [[国立国会図書館]] |
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* [{{NDLDC|824414/1}} 『久里寿満寿(クリスマス)』]([[1895年]])国立国会図書館 |
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* [http://www.sutv.zaq.ne.jp/osaka-orthodox/icon/koutansai.htm 主の降誕祭]{{リンク切れ|date=2021年9月}} - [http://www.sutv.zaq.ne.jp/osaka-orthodox/index.htm 大阪ハリストス正教会]{{リンク切れ|date=2021年9月}}内のページ |
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2021年9月26日 (日) 09:43時点における版
クリスマス(英語: Christmas)は、大多数のキリスト教教派が行う、イエス・キリストの降誕[注 1]を記念する祭[1]。キリスト降誕祭(単に降誕祭とも)、降誕日[2]、聖誕祭、ノエル(仏: Noël)などとも呼ばれる[3]。「クリスマス」という英語は「キリスト(Christ)のミサ(Mass)」という意味に由来する[4]。
ほとんどの教派で、教会暦上の12月25日に祝われる(例外後述)。
あくまでキリストの降誕を記念する日であり、イエス・キリストの誕生日というわけではない[5]。
位置付け
新約聖書にはキリストの降誕について、『ルカによる福音書』第2章1-20節および『マタイによる福音書』第1章18節-第2章18節に記述があるが、誕生日を特定する記述は無い。
クリスマスは、「降誕を記念する祭日」と位置付けられているのであって、「イエス・キリストの誕生日」とされているのではない[6]。イエス・キリストが降誕した日がいつにあたるのかについては、古代からキリスト教内でも様々な説があった(例えば3世紀の初め頃には、アレクサンドリアのクレメンスは5月20日と推測していた)[5]。
また、キリスト教で最も重要な祭と位置づけられるのはこの祭ではなく、復活祭(イースター/パスハ)である[7][8][9][10]。
起源
クリスマスの日付の候補と決定
西暦325年の第1ニカイア公会議において、キリストの降誕を祝う日について議論された。日付の候補は、おもなものだけでも、1月6日、2月2日、3月25日、3月28日、4月2日、4月19日、4月29日、5月20日、11月8日、11月17日、11月18日、12月25日があった[11][12]。
このうち、古代共和政ローマ時代の「ローマ暦」において冬至の日とされていた12月25日が、「降誕を祝う日」として次第に定着していった。12月25日に降誕祭を行う風習は、遅くとも354年には西方教会で始まり、4世紀末には東方教会の多くにも広まった[13]。
古代ローマの宗教のひとつミトラ教では、12月25日は「不滅の太陽が生まれる日」とされ、太陽神ミトラスを祝う冬至の祭であり、これから派生してローマ神話の太陽神ソル・インウィクトゥスの祭ともされていた。これが降誕祭の日付決定に影響したのではないかとも推察されている[注 2]。
古式を守るアルメニアの降誕祭
12月25日を降誕祭とする風習が定着する以前には、アルメニアやギリシアなどで1月6日説が採用されており[14]、また、「キリストの降誕」の記念と同時に「キリストの洗礼」(ヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けたこと)の記念を祝っていた[13]。
現在でもアルメニア使徒教会(東方諸教会・非カルケドン派正教会に分類される)においては、教会暦上の1月6日(アルメニア本国などではグレゴリオ暦を使用、エルサレムのアルメニア総主教区においてはユリウス暦を使用するためグレゴリオ暦の1月19日にあたる。「世界のクリスマス」:「#イスラエル・パレスチナ」も参照)に、「キリストの降誕」の記念(降誕祭)と同時に「キリストの洗礼」の記念(神現祭)が祝われる[13]。1月6日はアルメニア共和国の法定祝日となっている[15]。
教会暦における日付・期間
「降誕日」の日付
「降誕日」は、大多数のキリスト教教派では毎年12月25日に祝われるが、東方教会のうちユリウス暦を教会暦として使用する教会では、ユリウス暦12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦1月7日にあたる[注 3])に祝われる[16][17](後述)。また例外的に、アルメニア使徒教会では教会暦上の1月6日に祝われる(前述)。
キリスト教に先立つユダヤ教の暦、古代ローマの暦、およびこれらを引き継いだ教会暦では、現代の常用時とは異なり、日没を一日の境目としているので、クリスマス・イヴと呼ばれる12月24日の夕刻から12月25日朝までも、教会暦上はクリスマスと同じ日に数えられる[18]。したがって、教会暦ではクリスマス(降誕日)は「12月24日の日没から12月25日の日没まで」である。12月24日の昼間は「クリスマス・イヴ」ではなく、24日の日没以降がクリスマス・イヴである。
伝統的には、クリスマス・イヴの夕刻~晩には「晩課」(「晩祷」、「夕の礼拝」などとも)を行って降誕の喜びの先取りとし、羊飼いが天使から降誕のみ告げを受けたとされる夜中[19](古来は12月25日の0時前後)には「深夜ミサ」あるいは「徹夜祷」などと呼ばれるミサ/聖餐式(西方教会)・奉神礼(東方教会)を行う。そして、25日の午前には改めて降誕を祝うミサ/聖餐式/聖体礼儀を行う。
「降誕節」の期間
西方教会
西方教会では、「降誕節」(ラテン語: Tempus Nativitatis, 英語: Christmas season, Christmas days)は12月24日の日没から始まり、1月6日に「東方の三博士の来訪」を記念する公現祭(顕現日、エピファニー)を祝って[注 4]。より正確にはエピファニーの前日1月5日の日没「十二夜」までが降誕節で、「クリスマスの12日」(英語: Twelve Days of Christmas)と呼ばれる。あるいは、現代のカトリック教会では、「主(しゅ)の洗礼」を記念する公現祭後の主日(日曜日)[注 5]までを降誕節とする[23][24]。
そして降誕節の期間中、降誕日から数えて8日目にあたる1月1日は、「イエスの命名・割礼」[注 6]を記念する「イエスの聖名の祝日」[注 7]として祝われる。あるいは、現在のカトリック教会では1月1日を「神の母聖マリアの祭日」として祝い、併せてイエスの命名も記念される[20][注 8]。
また、12月24日の4週間前(11月27日から12月3日の間)の主日から始まるアドベント(待降節/降臨節)をクリスマスの準備期間として祝う。
多くの聖堂(教会堂)の内部あるいは戸口際で、アドベントからエピファニーまでの間、キリスト降誕時の情景を表した模型「降誕場面」(イタリア語: Presepio, プレゼピオ/フランス語: Crèche, クレーシュ/英語: Crib, クリブ)が飾られ、それを見て人々はその出来事に想いを馳せる。
東方教会
東方教会のうち、ギリシャ正教とも呼ばれる東方正教会では、エルサレム総主教庁、ロシア正教会、セルビア正教会、ウクライナ正教会、グルジア正教会など、そして東方諸教会・非カルケドン派正教会に分類されるコプト正教会[27]などは、ユリウス暦(正教では「旧暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦1月7日にあたる)に降誕祭を祝うが、いわゆるギリシャ正教のうち、コンスタンティノープル総主教庁、ギリシャ正教会、ブルガリア正教会、ルーマニア正教会などでは、修正ユリウス暦(正教では「新暦」と呼ばれる)の12月25日(21世紀現在、グレゴリオ暦の同日にあたる)に執り行う[28]。非カルケドン派正教会に分類されるアルメニア使徒教会では、教会暦上の1月6日に行う(前述)。
正教会では、降誕祭と、「主の洗礼」を記念する「神現祭」(降誕祭の12日後、ユ暦1月6日/グ暦1月19日に行われる)とは奉神礼として一連のものであり、構造は同じである。降誕祭の祭前期には「聖列祖の主日」で原祖アダム以来のキリストの肉に縁る先祖を[29]、「聖世祖の主日」では神の祖父母イオアキムとアンナら歴代の義者を記念する[30]。そして降誕祭の期間中の1月1日(ユリウス暦の1月1日は、21世紀現在、グレゴリオ暦1月14日にあたる)には、「主の割礼祭」を祝う。
誤解されがちなこととして、「東方教会ではエピファニーの日[注 9]に降誕を祝う」と言われることがある。年月を経るごとにユリウス暦は、本来の太陽年とそれに近いグレゴリオ暦からずれが生じて、20世紀~21世紀の今[注 3]たまたまユリウス暦12月25日がグレゴリオ暦1月7日(グ暦1月6日はユ暦12月24日:クリスマス・イヴ)になっているだけであり、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いはあれど、あくまで12月25日が降誕日なのである。ただし、1つ例外としては、アルメニア使徒教会では1月6日に降誕祭と神現祭を同時に祝う風習がある(前述)。
名称
教会における名称
東方正教会(ギリシャ正教)では、正式なフルネームとしては「主神(しゅ-かみ)我が救世主イイスス・ハリストスの降誕祭」[32][注 10](英語: “The Nativity of our Lord God and Savior Jesus Christ”[33], ロシア語: “Рождество Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа”[34])などと呼ばれる。
西方教会(おもにローマ・カトリック教会)では、ラテン語: “Festum Nativitatis Domini nostri Jesu Christi”[35][注 11](私たちの主(しゅ)イエス・キリストの降誕祭)、それを短縮した羅: “Festum Nativitatis Domini”[36](主の降誕祭)、あるいは特に「降誕日」を指して、羅: “Dies Natalis Jesu Christi”[37][注 12](イエス・キリストの降誕日)などと呼ばれる。
各国語と語源
日本語での当祭の呼び方には、英語の "Christmas" に由来する「クリスマス」の他に、「降誕祭」、「降誕日」、「聖誕祭」、「聖夜」などがある。
英語の "Christmas" は、「キリスト(Christ:クライスト)のミサ(Mass:マス)」に由来する。これは、古英語の "Crīstes mæsse"(初出 1038年)が、中英語において "Cristemasse" となり、現在につながる[38][39]。
ヨーロッパ各国語では、「キリストの誕生」あるいは、"キリストの" にあたる部分を省略した「誕生」を指す言葉(転訛含む)で当祭を指す例がよく見られる。以下の表において「誕生」は、日本語におけるキリスト教用語の「降誕」と書き表す。
言語 | 表記 | 由来 | 発音 | ||
---|---|---|---|---|---|
国際音声記号 | 音声ファイル | 片仮名音写[* 1] | |||
ギリシア語 | Χριστούγεννα | キリストの降誕 | [xɾiˈstuʝena][* 2] | フリストゥーイェナ | |
ラテン語 | Christi Natalis | [ˈkristi naˈtaːlis][* 3] | クリスティ・ナターリス | ||
イタリア語 | Natale | 降誕 | [naˈtaːle] | 音声 | ナターレ |
フランス語 | Noël | [nɔɛl] | ノエル | ||
スペイン語 | Navidad | [naβiˈða(ð)] | 音声 | ナビダー | |
([naβiˈðaθ][* 4]) | (ナビダース[* 4]) | ||||
イベリアポルトガル語 | Natal | [nɐˈtaɫ] | ナタ(ー)ル | ||
ブラジルポルトガル語 | [naˈtaw] | ナタ(ー)ウ | |||
ロシア語 | Рождество | [rəʐdʲɪstˈvo] | 音声 | ラジュディストヴォー | |
ポーランド語 | Boże Narodzenie | 神の降誕 | [ˈbɔʐɛ ˌn̪arɔˈd͡zɛ̃ɲɛ] | 音声 | ボージェ・ナロゼーニャ |
英語 | Christmas | キリストのミサ | [ˈkrɪsməs] | 音声 | クリスマス |
オランダ語 | Kerstmis | [ˈkɛrs(t)məs] | 音声 | ケルストゥミス | |
ドイツ語 | Weihnachten | 聖夜[* 5] | [ˈvaɪˌnaxtən] | 音声 | ヴァイナハテン |
デンマーク語 | Jul | 冬至祭 (ユール) |
[juːl] | ユール | |
ノルウェー語 | Jul | [jʉːl] | 音声 | ユール | |
スウェーデン語 | Jul | [jʉːl] | 音声 | ユール | |
フィンランド語 | Joulu | [jou̯lu] | ヨウル |
- ^ 太字はアクセント位置を表す。
- ^ 中世~現代ギリシア語読み。古代ギリシア語では「クリーストーゲンナ」(Χρῑστοῦγέννᾰ [kʰriːs.tôː.ɡén.na])。
- ^ 教会ラテン語読み。古典ラテン語では「クリースティー・ナーターリス」(Chrīstī Nātālis [ˈkʰriːstiː naːˈtaːlis])。
- ^ a b マドリード首都圏での発音。
- ^ 複数形であることに注意。つまり、クリスマス・イヴからエピファニーにかけての「降誕“節”」を指す意味もある。
東方教会では、ローマ・カトリック教会に由来する「Mass」という語[注 13]を含む「Christmas」という語を避けて、英語では「Nativity」[注 14]という語が用いられる[40][41][42]。
略記
英語「Christmas」を略記する際には、「キリスト」の語源であるギリシア語: Χριστός[43](Khristós)の頭文字である「Χ」(希:ケー、キー、ヒー、英:カイ)、または、それと形が同じラテン文字「X」(羅:イクス、英:エックス)を「Christ」の省略形として用いている。
そのような例は、中英語では「Χρ̄es masse」が見られる[39]。また、現代の英語圏では「Xmas」や「X-mas」が頻繁に見られる(これらはスタイルガイドでは推奨されていないとされる[44])。
他に、アポストロフィーを付けた「X'mas」[45]、Christ の末字 "t" を添えた「Xtmas」[46]や「Xtmas」、Χριστός の頭二文字をラテン文字に置き換えた「Xpmas」などもある。
かつて日本ではアポストロフィーを用いた「X'mas」「X'Mas」の表記が和製英語とする俗説[47]や、アポストロフィーを付するのは誤りとする説、現在はアジア圏でのみの使用とする説などがあった。「Engrish」の代表との誤解もある[48][49]。しかし、歴史的に和製英語でないことは、19世紀の書籍でも確認できる[50]。現在の英語圏でも出版物などで一般的に使用されており[51][52]、Twitterにおいても米国のラジオ局が発信したツイートや、英米の著名人・一般人のツイートにも見られる(2012年現在)。
ロシア語での略記は、「Рождество Христово」[注 15](ハリストスの降誕)[注 10]の頭文字からとった「РХ」で表される。ロシアでは、聖堂などに「РХ」とネオンサインで表示する様子がしばしば見られる[要出典]。(「世界のクリスマス」:「#ロシア」も参照)
世界のクリスマス
欧米諸国全般
ヨーロッパやアメリカ州などでは、クリスマスは基本的に自宅で家族と過ごすものである。英国や米国などではクリスマスのずいぶん前から(教会暦の概念があるキリスト教会ではアドベント開始日に合わせて)一緒にクリスマスリースやクリスマスツリーを作ったり、家や教会を飾り付けるなどの協同作業をすることで、家族や信徒同士で一緒に過ごす喜びを確認する。そしてクリスマスの当日には家庭料理を味わうのが一般的であり、あえて外出するのは、クリスマスあるいはクリスマス・イヴのミサ/礼拝に参祷するため教会に行くくらいである。
キリスト教圏の中でもカトリック教会の影響の強いイタリア、フランス、スペイン、ポーランドなどでは、クリスマス(降誕節)は教会暦どおりクリスマス・イヴ(12月24日の晩)に始まり、1月6日の公現祭(エピファニア)に終わる。クリスマスの飾り付けは12月23日頃に行う。24日はクリスマス・イヴとして夜を祝う。大人たちは、12月初旬からクリスマスにかけて、愛情を込めた言葉を記したクリスマスカードを郵送しあう。子供達がクリスマスプレゼントをもらうのは、東方の三博士が幼子イエスを訪ねて贈り物を献げたことを記念する公現祭にあやかって1月6日である。クリスマスの飾り付けは1月6日を過ぎてから取り払われる。
イギリス
イギリスでは、サンタクロース(Santa Claus, Father Christmasとも)が12月25日にプレゼントを持って来るとされる。クリスマスの日には台所周辺にヤドリギが飾られる。19世紀のイギリスを中心に、ヤドリギの下に偶然女性が立った場合、その女性にキスをしてもよいとする習慣があった[53]。
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ドイツ語圏・ベネルクス
ドイツの一部地域やオランダなどでは、12月6日が聖ニコラウスの日で、子供達は聖ニコラウスからプレゼントをもらうか、ニコラウスが連れてくるクネヒト・ループレヒトに罰を与えられる。プレゼントを貰えるのは、それまでの1年間に良い子だった子供だけで、悪い子は石炭を与えられたり、木の枝で打たれることになっている地域もある。さらに12月24日のクリスマス・イヴにもプレゼントが配られる。ドイツ語圏で24日にプレゼントを持ってくるのは、北部ではヴァイナハツマン(Weihnachtsmann:「聖夜の男」)、南部ではクリストキント(Christkind:「幼子キリスト」)とされている。
ドイツやオーストリア各地の町では、アドベントからクリスマスにかけて、町の中心部の広場にクリスマスマーケット(ヴァイナハツマルクト)が建ち、クリスマスプレゼントや、家庭でのクリスマスの祝いに備えた食品や飾りなどを買ったり、グリューワイン(クローブ、シナモンなど甘い香りのするスパイスで香りを付け、熱燗にしたワイン)を飲んで温まる。他にもドイツは、クリスマスツリーやアドベントリース(アドベントクランツ)、アドベントカレンダーなど、西方教会圏の多くに伝わるクリスマスの諸風習の発祥地とされる。近年では日本でもドイツ風のクリスマスマーケットが催されることがある[54][55][56]。(「#商工業」も参照)
ナチス・ドイツ時代
ナチス・ドイツにおけるクリスマスは、ナチ党のイデオロギーと整合させるための努力の賜物であった。ユダヤの出自を持つ、ユダヤ人の救世主イエスの誕生を記念する行事であるクリスマスは、ナチスの人種主義と折り合いをつけるのが困難な催しであった。そのため、1933年から1945年まで政府当局は民間行事としてのクリスマスからそうした宗教的側面を排除し、キリスト教の出現以前から催されてきたゲルマン人伝統の祝祭(ユール)であることを強調しようとした。その流れの中で賛美歌の歌詞やクリスマスの飾り付けは世俗化されたが、教会や家庭における祝われ方は本来のキリスト教的な様式のままであった。
イタリア
イタリアのほとんどの地域では、プレゼントを持って来るのは魔女のベファーナとされる。
この節の加筆が望まれています。 |
北欧
スカンディナヴィア諸国を中心とする北欧のクリスマスは「ユール」と呼ばれ、12月13日の聖ルチア祭から始まる。古代ゲルマン人の冬至祭の影響を色濃く残しており、ユール・ゴート(ユールブック)と呼ばれる、ワラで作ったヤギを飾ること、妖精がプレゼントを持って来てくれることなど、独自の習慣が見られる。また、クリスマスの時期は真冬であるため、小鳥たちがついばめるように、ユールネックという麦の穂束を立てる習慣もある[57]。
ポーランド
ポーランドのクリスマスはキリスト教世界の多くの国と同じく、もっとも大きな年間行事の一つである。クリスマスの儀式は古代から何世紀にもかけ徐々に発展してきた。カトリック教会によるポーランドのキリスト教化が行われる中で、一部の非キリスト教の古い宗教的な習慣が結びつき、その後、地域の伝承や様々な民俗文化と相互に影響を与えながら広まった。クリスマス・イヴの日には装飾され光るクリスマスツリーが居間に飾られ、また大抵は教会の外や公共スペースにおかれる[58]。ポーランドにおいて、クリスマスは「Boże Narodzenie」(ボジェ・ナロゼニェ、神の誕生)と呼ばれる[59]。
ロシア
正教会圏に含まれるロシアでは、クリスマスは俗称「冬祭り」(「Зимние фестивали」[注 16])、サンタクロースは「マロース爺さん」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれており、スネグーラチカ(雪娘)を連れているとされる。ロシア正教会、セルビア正教会など、ユリウス暦を使う正教会の降誕祭は、1月7日(ユリウス暦での12月25日)である(前述)。そのため、グレゴリオ暦の大晦日~元日は(1918年2月14日に改暦以降)クリスマスの前祝い的な位置付けとなっている。
ロシア正教会では「Христос Рождается!」「Славите (Его)!」[注 17](「ハリストス生まる!」[注 10]「崇め讃(ほ)めよ!」[60][注 10])が教会におけるクリスマスの挨拶である。世俗的には、 「(ハリストスの)降誕とともに」を意味する「С Рождеством (Христовым)!」[注 18]という挨拶がよく用いられる[61]。
ソビエト連邦時代のロシアでは、クリスマスは伝統的な祭りとして禁止こそされなかったものの政府側は良い顔を見せず、キリスト教的な考えを壊そうとするソビエト共産党の意向に沿ったものにするなど、政治色の強いものとなっていた。特にヨシフ・スターリンの時代では、クリスマスがスターリンの誕生日の四日前ということもあり、クリスマスツリーにスターリンの写真をつるすといったことも行われた。子供は、サンタクロースに手紙を書く代わりにクレムリンに平和への感謝を記した手紙を書くように強いられた[62]。宗教弾圧が行われていたソビエト社会主義共和国連邦は、表向き大々的に降誕祭が祝われることはなかったが、ソビエト連邦の崩壊後の旧ソ連諸国では、再び降誕祭が大々的に祝われるようになった。
ルーマニア
正教徒が多数派を占めるルーマニアだが、ルーマニア正教会では修正ユリウス暦を採用しているため、21世紀現在は西方教会と同日の12月24日~25日に祝われる主要な年次の祝祭である。クリスマスの祝賀はルーマニアのキリスト教化後に導入されたが、社会主義時代 (1948年—1989年) には宗教、イエス・キリスト、教会の概念は禁止された。民主化ともにルーマニアのクリスマスは再開され、よりお祭り色を強めた。クリスマスの祝祭シーズンは11月30日の使徒聖アンデレの日から始まり、1月7日の洗礼者ヨハネの祭日に終わる。この期間に祝われる主要な祝祭日として、12月1日の統一記念日、聖ニコラオスの日、聖イグナティオスの日、クリスマス・イヴ、クリスマス当日、聖ステファノの日、主の割礼祭(大晦日~元日)、神現祭がある。
イスラエル・パレスチナ
ユダヤ教とイスラム教が多数派のイスラエル・パレスチナだが、パレスチナ人(アラブ語話者)やアルメニア人などのキリスト教徒も古くから住んでいる。キリスト降誕の地とされるベツレヘムや、聖墳墓教会が建つエルサレム旧市街、オリーブ山などが含まれる東エルサレムは、パレスチナ自治政府(パレスチナ国)の領域である。またイスラエル直轄地にも、ナザレやガリラヤ湖畔が含まれるガリラヤ地方などは、やはりキリスト教徒が多く住む。
聖誕教会などがある聖地ベツレヘムでは、クリスマスの祝祭は3つの異なる期間に執り行われている。12月25日にはカトリックや聖公会など西方教会によって、1月7日(ユリウス暦12月25日)には正教会(ギリシャ正教)・コプト正教会・シリア正教会など東方教会の多くによって降誕祭が祝われ、さらに1月19日(ユリウス暦1月6日:神現祭の日)にはアルメニア使徒教会によって、キリストの降誕と洗礼が同時に祝われる(前述)[63]。
アメリカ
アメリカ合衆国ではイギリス流のクリスマスが一般的で、日本のクリスマスも英国・米国流を受け継いでいる。この日の前に、クリスマスの挨拶にとクリスマスにちなんだ絵はがきやカード(グリーティングカード)を送る習慣がある。また、プレゼントを家族全員で交換し合う習慣がある。
1960年代からアフリカ系アメリカ人の間で、クリスマスの翌日からアフリカ民族の伝統を祝うクワンザーという行事を家庭で行うことが増えている。
近年では、宗教的中立の観点による配慮と、それに対するキリスト教側の一部からの批判が問題となっている(「#宗教的中立とそれに対する批判」を参照)。
メキシコ
メキシコのクリスマスは12月初旬から1月6日にかけて祝われる。また、これに関連する最後のイベントは2月2日に行われる。クリスマス期間中はキリストの降誕を人形で再現したものや、ポインセチア、クリスマスツリーなどを見ることができる。クリスマスのシーズンは、メキシコの守護聖人であるグアダルーペの聖母にちなんだ祝祭や、それに継いでラス・ポサダスやパストレラ(クリスマス劇)などの伝統的な行事が行われる。ミサや祝祭はクリスマス・イヴからはじまり、東方の三博士が訪問する1月6日の公現祭を経て、2月2日に「幼子イエスの神殿奉献」(エルサレム神殿へのいわば初宮参り)を記念する聖燭祭(ニノ・ディオス)を祝って終わる。これらの伝統的行事は、スペイン植民地時代に入植以前からの伝統とスペインの伝統が混ざり合ったもので、後にはドイツやアメリカの伝統を取り入れ形成された。
ハワイ
ハワイのクリスマスは、西欧諸国と同様、毎年行われる重要な祝祭の一つである。
ハワイにおける祝祭としてのクリスマスは、この地を訪れたプロテスタントの宣教師が紹介したもので、1820年以降に始まったと考えられている[64][65]。その伝統的な要素のほとんどは宣教師が持ち込んだものである[66][67]。ハワイの住人が今日のような形でクリスマスを祝う以前には、マカヒキという祭りがあった。このマカヒキが催される4カ月の間、すべての争いは禁じられていた。当時からすでに「あらゆる人へ平穏と善意があるように」という祝祭としてのクリスマスのエッセンスがあったといえる[64]。
南半球
オーストラリアや南米など南半球の国々では、クリスマスは真夏となる。そのためクリスマスパーティーは、屋外やプールなどで開催されることも多い。
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インドネシア
インドネシアのクリスマスは、現地ではポルトガル語でクリスマスを意味するナタル (Natal) と呼ばれる。インドネシアでは約2500万人のキリスト教徒(うち約3割がカトリック教徒)が存在し、全国各地で様々な伝統を持ってクリスマスが祝われる[68]。キリスト教徒(プロテスタントやカトリック)が多い地域では、祝祭や地域の料理でクリスマスが祝われるが[69]、その他にも大都市のショッピングセンターなどでは、プラスチック製のクリスマス・ツリーやシンタクラース (Sinterklaas)の飾りつけが行われる。テレビ各局ではクリスマスの特別番組が組まれ、毎年恒例のクリスマス音楽コンサートや政府主催のクリスマスの祝祭が放送される。クリスマスには伝統的な食べ物の他、ナスター(パイナップルタルトの一種)、カステンゲル、プトリサルジュなどのお菓子が供される[70]。
クリスマスの風習と由来
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クリスマスツリー
クリスマスツリー(常緑樹で、モミ、トウヒ、松などを使用する)の習慣は、中世ドイツの神秘劇でアダムとイヴの失楽園物語を演じた際に使用された樹木に由来している[71]。またクリスマスツリーに飾りつけやイルミネーションを施す風習は、19世紀以降のアメリカ合衆国で始まったものである[71]。
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サンタクロース
イギリスやアメリカなどのクリスマスではサンタクロースが強調されるが、この原型はオランダの民間伝承の「シンタクラース」、またさらに遡ると古代アナトリアに実在した聖人・ミラのニコラオスだと考えられている。
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クリスマスの法定祝日
ヨーロッパやアメリカ州などキリスト教徒が多数派の国々、さらに東アジアでは大韓民国、香港、マカオでも、クリスマスは法定祝日である。
西欧諸国(ヨーロッパの西方教会圏)の多くでは、12月24日(クリスマス・イヴ)から1月1日(元日)までクリスマス休暇が続く(曜日配列の関係で12月22日もしくは12月23日から始まったり、あるいは1月2日もしくは1月3日まで続く年もある)。12月25日(24日の終電から26日の始発まで)は、ロンドン地下鉄やロンドンバスは全線運休になる[72]。
一方、米国では12月25日と1月1日だけが祝日で、あとは個人で各々有給休暇を取得して休むのが一般的である[73][74]。軍も休暇となり、基地や宿営地は閉鎖され、派兵中でない兵士達は自宅へ帰宅する。
キリスト教が近現代に伝来した諸国のうち、クリスマスを法定祝日とする国・地域では、古くから信仰される他宗教への配慮から、他宗教の記念日もクリスマスと同等に法定祝日にしているところが多い。
日本でもクリスマスを国民の祝日にしようという動きもある。クリスマスの後に年末年始休暇となるため、有給休暇などを活用すれば、長期休暇が取りやすいという利点がある。しかし、多くの企業にとって、年末はいわゆる「繁忙期・かき入れ時」であることもあり、実現の見通しは全く立っていない。さらに、日本国憲法が規定する政教分離の原則から、特定の宗教の記念日を祝日とすることは難しい。
なお平成年間においては、天皇誕生日が12月23日であったため、クリスマスを祝日にした場合は、両日に挟まれた24日が自動的に国民の休日となり、3連休が発生する可能性があった。明仁が平成31年(2019年)4月30日で退位したことに伴い、実現しなかった(明治天皇や昭和天皇と違って、国民の祝日に関する法律の指定が無くなり休日が消滅した)。
日本のクリスマスの歴史・行事
歴史
明治維新以前
1552年(天文21年)に周防国山口(現在の山口県山口市)において、カトリック教会(イエズス会)の宣教師・修道司祭であるコスメ・デ・トーレスらが、日本人信徒(キリシタン)を招いて降誕祭のミサを行ったのが、日本で初めてのクリスマスである[注 19]。しかし、その後江戸幕府の禁教令によってキリスト教が禁止されたので、明治の初めまでの200年以上の間、隠れキリシタン以外には受け入れられることはなかった。
一部の例外として、長崎出島のオランダ商館に出入りするオランダ人たちは、キリスト教を禁止する江戸幕府に配慮しつつ、自分たちがクリスマスを祝うため、オランダの冬至の祭りという方便で「オランダ正月」を開催していた。これには幕府の役人や、蘭学者などオランダ人と付き合いのある日本人も招かれた。また、長崎に住むオランダ通の日本人たちの間でも、これを真似て祝うことがあった。オランダ商館の者たちは江戸に出仕することもあったが、彼らを迎え入れる江戸の役人たちは、オランダ正月を参考に、オランダの料理や文物などを用意して、オランダ人たちをもてなしたと伝わる。
明治・大正時代
日本でクリスマスが受け入れられたのは、1900年(明治33年)に明治屋が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機であった。
大正時代になると、児童向け雑誌や少女雑誌の12月号には、表紙をはじめとしてクリスマスにまつわる話や挿絵がたくさん導入された。1925年(大正14年)に日本で初めてクリスマスシール(結核撲滅の寄附金付切手)が発行される。1922年(大正11年)発行の『言泉:日本大辞典』には、「耶蘇降誕祭」という漢字表記が見られる[75]。
昭和(戦前)
明治以来、皇位継承に伴って日が変更される休日には天長節(天皇誕生日)と先帝祭(先帝崩御日)の2つがあった。1926年(大正15年)12月25日の大正天皇崩御に伴い、1927年(昭和2年)3月4日に当時の休日法「休日ニ関スル件」が改正され、昭和時代の先帝祭にあたる大正天皇祭(12月25日)が設定された。日本でクリスマスの習慣が広く普及したのは12月25日が休日となっていたこの時代からとされている。1928年(昭和3年)の朝日新聞には「クリスマスは今や日本の年中行事となり、サンタクロースは立派に日本の子供のものに」と書かれるまでに普及していた[76]。
昭和初期の頃、銀座、渋谷道玄坂から浅草にいたるまでの多くのカフェや喫茶店においては、クリスマス料理の献立を用意し、その店員はクリスマスの仮装をして客を迎えた。この様子を1931年(昭和6年)12月12日の都新聞は、「七千四百余のカフェと二千五百余の喫茶店に華やかにクリスマスが訪れサンタ爺さん大多忙を来たす」と報じた。
第二次世界大戦の最中、1944年に撮影された『加藤隼戦闘隊』では、前線部隊の食堂でクリスマスツリーが飾られているシーンが映っている。
昭和(戦後)~現代
1948年(昭和23年)7月20日に「国民の祝日に関する法律」が施行され、大正天皇祭は休日から外されたが[注 20]、以降もクリスマスは年中行事として定着し、行事も盛大に行われるようになった。また、12月23日生まれである明仁が皇位にあった平成年間には、クリスマス・イヴが天皇誕生日の振替休日となる年もあった(1990年・2001年・2007年・2012年・2018年)。
ショッピングセンターでは、早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセールが行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店ではクリスマスケーキが販売される。街中では街路樹に豆電球(2010年代以降は省エネルギーに配慮してLED照明)が飾り付けられる(イルミネーション)。庭のある家庭では、庭木や家屋に電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イヴに、イベントを開くことがある。
イギリスおよびイギリス連邦諸国では、12月26日に使用人や配達人にプレゼントを渡すボクシング・デーがあり、1月6日までをクリスマス期間ともしているのに対して、日本では12月26日になると、クリスマスの飾りが一転して門松などの正月飾り(日本の神道式)に付け替えられたり、小売店などでも正月準備用や大掃除用商品の陳列・販売が中心となる、BGMも『お正月』が流れる、という点が世界的に見て特徴的である。これは「クリスマス」を神聖な宗教行事としてではなく、商業行事としてみなすだけで、正しい理解を示さないがために起こる状況である[注 21]。近年では、1月1日の「カウントダウンイベント」が盛んになる12月31日深夜まで、イルミネーションがそのままにされているところも出てきている。
日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場のキリスト教圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。2014年に旅行サイトのスカイスキャナーが発表した「宗教的あるいは個人的、思想的な理由などでクリスマスを祝う習慣がなく、クリスマスの大騒ぎを避けたいと思っている」人に勧める「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、イスラム国家のサウジアラビア、アルジェリア、イランや、仏教国のタイ、社会主義国家の中国や北朝鮮などを押さえ、日本が1位となっている[77]。「サンタをたまに見かけるかもしれないが、日本はクリスマスが祝日でなく、12月25日も人々は普段通り仕事をする」ためである[77]。
ファーストフードでクリスマスを祝う風潮は日本独自のものであり、海外では「キリストの降誕祭を安価なファーストフードで祝うのは如何なものか」という見方が主流[78][79]。
個々の場合
教会でのクリスマス
キリスト教の教会は多くの場合、キリスト教徒・またその教派の信徒であるか否かを問わず門戸を開いており、信徒でない人もクリスマスの礼拝に出席することが可能である。日本各地の、正教会の晩祷・聖体礼儀や、カトリック教会のミサ、聖公会の前夕礼拝・降誕日聖餐式に、信徒でなくても参祷することができる[注 22]。またプロテスタントの諸教会でも、非信徒の参祷を歓迎しているところが多い(各教会堂の掲示板に「クリスチャンでない方もお気軽にどうぞ」と掲示が出る)[注 23]。
家庭のクリスマス
日本人男女を対象とした2006年(平成18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位(66%)となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった[80]。また子供たちにとってはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日である。
独身者のクリスマス
家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である[81]。
しかし、1930年代から、パートナーのいる人にとっては着飾ってパートナーと一緒に過ごしたり、プレゼントを贈ったりする日となっている。1931年(昭和6年)には、パートナーのいない"不幸な青年たち〔ママ〕"独身者には方々のレストランが「一円均一」のクリスマスディナーを売り出すなどして歓迎した、とも報じられた[82](現在の相場に換算すると約3,000円。例えば、朝日新聞朝刊購読料が昭和6年で約1円の時代)。
2005年(平成17年)11月に行われた1都3県の20~39歳の独身男女計474名のインターネット利用者を対象とした調査では調査対象者の約7割が「クリスマスは恋人と過ごしたい」と考えていると回答した[81]。
2006年(平成18年)、インターネットリサーチ会社、DIMSDRIVE『クリスマスの過ごし方』に関するアンケートでは、30歳代女性の43.5%が「自宅でパーティーなどをする」と回答している[83]。
これらの風潮について批判もあり、イタリアの「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口の僅かしかキリスト教徒が居ないのに、多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評した[84][注 24]。多くの日本人は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。
教育機関のクリスマス
クリスマス行事は幼稚園・保育所・小学校などでも行われることがある(通常冬休みの直前に行うため、12月24・25日ではないことがほとんどである)。祈りを伴った正式の形で行われるのはいわゆる“ミッション系”に限られている。
スポーツの場合
クリスマスに大一番がある時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれることがある。中央競馬の有馬記念(グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリといわれることがある。
クリスマスにまつわる文化等
文学・演劇
クリスマスを題材にした文学で著名なものとして、19世紀イギリスの小説家ディケンズの中編小説『クリスマス・キャロル』がある[85]。守銭奴スクルージがクリスマスに悔い改める話で、1843年に発表され大成功を収めた[86]。この小説はハリウッドとイギリスの映画会社によるクリスマス映画の中で20世紀において最も多く映画化された物語となった[87]。
『人魚姫』や『裸の王様』など多くの童話で知られるデンマークの作家アンデルセンは[88]クリスマス当日の話は書いていないが、1845年作の大みそかの物語『マッチ売りの少女』の主人公は寒さに凍えて売り物のマッチに火をつけ、ひとときの楽しいクリスマスの夢を見る[89]。
ベルギーの劇作家メーテルリンクの『青い鳥』はフランス語の童話劇で、1908年にモスクワ芸術座でスタニスラフスキーの演出によって上演され大成功を収めた[90]。クリスマスの夜に見た夢の中で1年間にわたって幸せの青い鳥を探すが見つからず、目覚めてみると枕元の鳥かごの中に探していた青い鳥がいたという兄チルチルと妹ミチルの物語で[90]、英語圏で評価が高い[91]。
- 降誕劇(パジェント)
西方教会系統の教会や小学校・幼稚園などではしばしば、クリスマスの直前の日曜日(アドベント第4主日)などに、おもに教会の信徒の子供や児童・園児たちによって、「パジェント」(ページェント)と呼ばれるキリスト降誕の物語の演劇(降誕劇)が、教会の礼拝中や学校・園の中、はたまた町中などで上演される。
音楽
- 楽曲
- クリスマス・キャロル
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「クリスマス・オラトリオ」 - 元来クリスマスからエピファニーにかけて順に演奏された、降誕物語曲。
- マルカントワーヌ・シャルパンティエ「真夜中のミサ」 - 代表的なクリスマスのためのミサ曲。
- アルカンジェロ・コレッリ「クリスマス協奏曲」 - “クリスマスの夜のために作曲”[注 25]されたコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)。
- ピョートル・チャイコフスキー「くるみ割り人形」 - クリスマス・イヴの夜が舞台。
- 音楽チャート
アメリカのビルボードチャートでは、クリスマスソングに限定したシングルチャート「Christmas Singles」が、1963年~1973年、1983年~1985年の12月前後に発表されていた(なお1963年~1972年はクリスマスソングはレギュラーのBillboard Hot 100のランキング対象外であった)。2011年からは「Christmas Singles」チャートの事実上の復活といえる楽曲チャート「Holiday 100」が毎年12月前後に発表されている。
またビルボードチャートでは、クリスマスアルバムに限定したアルバムチャート「Christmas LP's」「Christmas Albums」「Hoilday Albums」も毎年12月前後に発表されている。
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料理
- ケーキ
- 菓子類
- 飲みもの
- ごちそう
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商工業
- クリスマスにまつわる伝統的な商工業
- 経済
-
2000年を特に顕著とし、米ドルのマネーサプライはクリスマスの買い物シーズンに合わせて毎年増加している。
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批判
クリスマスの狂騒に対する批判
クリスマスに関する消費主義や人々の馬鹿騒ぎに対する批判の淵源は、古代にまで遡ることができる。古代ローマで行われていた12月の祭であるサトゥルナリア祭について、4世紀にはキリスト教徒ではないギリシャ人の思想家リバニオスが、「消費への衝動がすべての人を捕らえている。1年じゅう金を貯め(て)(中略)いた者が、突然、消費に走る。」と批判したと伝わる[95]。
このサトゥルナリア祭に代わって真冬の祭りとなったクリスマスに対して、17世紀のある文書は「クリスマスを祝う人々の大部分は、キリストの御名(みな)をひどく汚すような仕方でこの祭りを行なっている。(中略)この祝日は酒宴、(中略)馬鹿騒ぎ、(中略)狂気じみた歓楽などに費やされている。(中略)この祭りは(中略)サトゥルナスマスとか(中略)いっそのことデビルマスという名で呼ばれる方がふさわしいのである。」と批判している[96]。現代の研究者は、クリスマスにおける世俗の酒宴的気分について、サトゥルナリア祭などのキリスト教以外の祭りの名残を指摘している[97]。
第265代ローマ教皇・ベネディクト16世は、「無原罪の聖マリアの祭日」(12月8日)とクリスマスの間の「聖なる降誕祭を準備する期間」(アドベント)について、2005年に以下のようなコメントを発した。
現代の消費社会の中で、この時期が商業主義にいわば「汚染」されているのは、残念なこと。このような商業主義による「汚染」は、降誕祭の本来の精神を変質させてしまう恐れがある。降誕祭の精神は、「精神の集中」と「落ち着き」と「喜び」であり、この喜びとは、内面的なもので、外面的なものではない。 — 教皇ベネディクト十六世の2005年12月11日の「お告げの祈り」のことば(カトリック中央協議会)
また2012年12月19日には、フィナンシャル・タイムズへ寄稿し、その中で、以下のように述べた。ローマ教皇が経済紙に寄稿するのは非常に異例だという[98]。
宗教的中立とそれに対する批判
アメリカ合衆国をはじめとする欧米諸国などでは、1990年代後半頃以降、宗教的中立性と政教分離の観点から、クリスマスを祝わない立場の人に配慮して[注 26]、公共の空間に飾られたクリスマスツリーを「ホリデーツリー」、「メリー・クリスマス」(Merry Christmas)という挨拶の代わりに「ハッピー・ホリデーズ」(Happy Holidays:「楽しい休日・祝日を」)などと言い換えるケースが出てきたが、キリスト教右派団体からは批判を受けている。
脚注
注釈
- ^ 多くの教派で、「誕生」ではなく「降誕」という語を用いる。また、「降誕」という語は「キリストの降誕」のみに用いられる。その所以は「キリストの降誕#「降誕」という語の意味」を参照。
- ^ イエス・キリストは、「まことの光」、「世の光」(『ヨハネによる福音書』第1章9節, 第8章12節)、「光よりの光」(ニカイア・コンスタンティノポリス信条)と呼ばれているため、古代の太陽神信仰と親和性があった。
- ^ a b 正確には、グレゴリオ暦1900年3月14日から2100年2月28日までの間、ユリウス暦はグレゴリオ暦から13日の遅れとなる。
- ^ 日本など、1月6日が法定祝日ではなくて信徒が教会に集まりづらい国・地域においては、1月2日から1月8日までの間の主日にエピファニーを祝う場合がある[20]。
- ^ カトリック教会のうち公現祭(エピファニー)が主日にての移動祝日とされている国・地域で、「公現の主日」が1月7日~8日にあたる年には、「公現の主日」の翌月曜日が「主の洗礼」の祝日とされ[21]、これを以て降誕節が終わる[2]。日本聖公会では例外なく、1月6日に顕現日(エピファニー)を祝い、その後の主日(顕現後第1主日)が「主イエス洗礼の日」とされる[22]。
- ^ 典拠:『ルカによる福音書』第2章21節「八日が過ぎ、割礼をほどこす時となったので、受胎のまえに御使が告げたとおり、幼な子をイエスと名づけた。」(口語訳聖書)
- ^ 日本聖公会では「主イエス命名の日」[2]、ルーテル教会では「主の命名日」[25]と呼ばれる。
- ^ これとは別に、1月3日には「イエスのみ名」の記念が「任意の祝日」として定められている[26]が、日本のカトリック教会ではこの日に公祈祷が行われることはほとんどない。
- ^ 東方教会の「神現祭」(希: Θεοφάνια, 英: Theophany)は「主の洗礼」を記念する日であり、同じく教会暦上の1月6日でありながら、西方教会において「東方の三博士の来訪」を記念する「公現祭/顕現日」(羅: Epiphania, 英: Epiphany)とは原語も意味合いも異なる。従って、東方教会について言及する際に「エピファニー」という語を用いることがまずもって不正確である。西方教会では、エピファニー後の主日など(教派・地域・年によって異なる場合もある。「#西方教会」の節を参照。)に「主の洗礼」を祝う[31]。
- ^ a b c d 「イイスス・ハリストス」は、イエス・キリストの中世~現代ギリシア語・教会スラヴ語読み(ギリシア語: Ιησούς Χριστός, [i.iˈsus xɾiˈstos]/教会スラヴ語: Їисоусъ Хрїстосъ, ロシア式発音: [ɪɪˈsus xrʲɪˈstos]/イィスス・フリストース)に由来し、日本ハリストス正教会で用いられる片仮名音写。
- ^ 教会ラテン語式発音:「フェストゥム・ナティヴィターティス・ドミニ・ノストリ・イェーズ・クリスティ」([ˈfɛst̪um nɑt̪iviˈt̪ɑːt̪is ˈd̪ɔmini ˈnɔst̪ri ˈjɛːzu ˈkrist̪i])。
- ^ 教会ラテン語式発音:「ディエス・ナターリス・イェーズ・クリスティ」([ˈd̪iɛs nɑˈt̪ɑːlis ˈjɛːzu ˈkrist̪i])。
- ^ 「ミサ(Mass)」という語は、ローマ・カトリック教会と、一部の聖公会、ルーテル教会等でしか用いられず、東方教会では全く用いない。
- ^ 発音は、英国:「ナティヴィティ」([nəˈtɪvɪti])/米国:「ネイティヴィティ」([neɪˈtɪvɪti])。
- ^ ロシア語発音:「ラジュディストヴォー・フリストーヴァ」([rəʐdʲɪstˈvo xrʲɪˈstovə])。
- ^ ロシア語発音:「ジムニェ・フィスチヴァーリ」([ˈzʲimnʲɪje fʲɪsʲtʲɪˈvalʲɪ])。
- ^ 教会スラヴ語のロシア式綴り。ロシアでの発音は、「フリストース・ラジュダイェッツァ!」「スラーヴィチェ(・イヴォ)!」([xrʲɪˈstos rɐʐˈdajɪt͡sə], [ˈsɫavʲɪtʲe (jɪˈvo)])。「Его」は「彼を」の意。
- ^ ロシア語発音:「ス・ラジュディストヴォーム(・フリストーヴム)」([s‿rəʐdʲɪstˈvom (xrʲɪˈstovɨm)])。
- ^ これを記念し、山口市では1997年より「日本のクリスマスは山口から」というイベントを開催している。
- ^ 先帝祭は休日から外されてしまったものの、宮中祭祀では変わることなく行われている。1989年(昭和64年)1月7日の昭和天皇崩御に伴い、平成時代の先帝祭にあたる昭和天皇祭が、ユリウス暦を採用する正教会のクリスマスと同日の1月7日となり、2代続けてクリスマスにまつわる日となっている。
- ^ そもそも日本はクリスマスに限らず、バレンタインデーやハロウィンにも同じことが言えるように、宗教行事の神聖性を軽視し、おしなべて商業行事として捉える傾向が非常に強い。
- ^ ただし、領聖・聖体拝領・陪餐(「キリストの体と血」とされるパンとぶどう酒を飲食すること)は、ほとんどの場合洗礼を受けたキリスト教徒(さらに教派によっては自教派の信徒)に限られるので注意。聖公会や多くのプロテスタント教会は、キリスト教徒でさえあれば所属教派を問わず陪餐を認めるところが多い。正教会では、領聖の後に行われる「十字架接吻」と、「アンティドル」と呼ばれるパン切れを食べること(「領聖」は司祭の手元から信徒の口で直接受けるのに対して、「アンティドル」は聖堂内に置かれた皿から自由に取るという点が見分け方)は、信徒でなくても与れる。
- ^ ただし、2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症蔓延のため、「直接参加は信徒のみ」という措置を取る教会も出てきた。代わりにインターネットでの動画配信が普及しつつある。
- ^ イタリアは言うまでもなくカトリックの総本山・バチカンを抱える。
- ^ イタリア語: “Fatto per la notte di Natale”という題辞があり、1690年にバチカン宮殿のローマ教皇御前で、クリスマス・イヴのカンタータにおいて演奏されたと伝わる[92]。
- ^ ユダヤ教の祭日「ハヌカー」がほぼ同じ時期である。またイスラム教では、イエス(イーサー)は預言者の一人とされているものの、「クルアーンと聖書はどちらも12月25日がイエスの誕生日ではないという証拠を示している」といった理由から、クリスマスを祝わない[99]。
出典
- ^ 『クリスマス』 - コトバンク
- ^ a b c 『日本聖公会祈祷書』《1990年版》日本聖公会管区事務所、1991年。
- ^ 松村明 編『大辞林 4.0』三省堂、2019年。
- ^ “「クリスマス」の解説”. 精選版 日本国語大辞典(コトバンク). 2021年9月1日閲覧。
- ^ a b 『キリスト教大事典 改訂新版』350~351頁、教文館、1977年 改訂新版第四版
- ^ 八木谷涼子:キリスト教の歳時記 - 知っておきたい教会の文化、p.47、講談社、ISBN 978-4-06-292404-7、2016年12月9日 「イエスがいつ生まれたかを正確に特定できる記録は一切残っておらず、したがって、ナザレのイエスが実際にこの日に生まれた、と主張するクリスチャンは(子供を除いては)存在しない。あくまで12月25日は、イエスの誕生を記念する日なのである。」
- ^ 正教会の出典:正教会の復活祭 2003年復活祭フォトレポート(名古屋ハリストス正教会(アーカイブ)
- ^ カトリック教会の出典:四旬節 断食(大斎・小斎) カーニバル(カトリック中央協議会)
- ^ 聖公会の出典:復活祭を迎える(日本聖公会 東京教区 主教 植田仁太郎)
- ^ プロテスタントの出典:『キリスト教大事典』910頁、教文館、1973年9月30日 改訂新版第二版
- ^ クリスマスってどういう日? チコちゃんに叱られる!、木村正裕による説明、NHK、2018年12月21日放送[信頼性要検証]
- ^ Michael Stevenson (2004年12月16日). “Expose'; Ten Facts About the Christmas Holiday”. Salvation Station. 3. Christmas Instituted by The Council of Nicea in 325AD. 2021年9月24日閲覧。 “In 325 A.D. Emperor Constantine called together the Council of Nicea which was in essence the first council of the Roman Catholic church. At this council meeting, it was decided that December 25th, the well-known pagan holiday dedicated to Mithras the Persian Sun-god, would be re-dedicated to the celebration of the birth of Jesus Christ.”
- ^ a b c Nativity and Theophany of our Lord (Jan. 6)|米国アルメニア教会東部教区 - ウェイバックマシン(2012年3月25日アーカイブ分)
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- ^ “Public holidays in Armenia”. worldtravelguide.net. 2021年9月23日閲覧。
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参考文献
- 遠藤紀勝、大塚光子『クリスマス小事典』社会思想社〈現代教養文庫〉、1989年。ISBN 4390113178。
- クラウス・クラハト/克美・タテノクラハト『クリスマス どうやって日本に定着したか』角川書店、1999年、ISBN 978-4048835985
- 藤高 邦宏「英米文化の背景 英米人の迷信・俗信考(18)4 年中行事(その7)クリスマス(キリスト降誕祭)(1)」『倉敷芸術科学大学紀要』第15巻、倉敷芸術科学大学図書館、2010年、143-152頁。
- ジェリー・ボウラー 著、笹田裕子・成瀬俊一 訳『図説 クリスマス百科事典』中尾セツ子 日本語版監修、柊風舎、2007年。ISBN 9784903530147。
関連文献
- カトリーヌ・ルパニョール『サンタクロースとクリスマス』渡辺義愛監修、今井裕美子他訳、東京書籍、1983年、ISBN 978-4487760138
- コレット・メシャン『サンタクロース伝説の誕生』樋口淳/諸岡保江編訳、原書房、1991年、ISBN 978-4562022670
- クロード・レヴィ=ストロース『サンタクロースの秘密』中沢新一訳・著、せりか書房、1995年、ISBN 978-4796701952
- (改題新版)『火あぶりにされたサンタクロース』中沢新一訳・解説、KADOKAWA、2016年、ISBN 978-4044002206
- ポール・L・マイヤー『最初のクリスマス』山田直美訳、日本キリスト教団出版局、1992年、ISBN 978-4818401211
- オスカー・クルマン『クリスマスの起源』土岐健治/湯川郁子訳、教文館、1996年、ISBN 978-4764260238
- 若林ひとみ『クリスマスの文化史』白水社、2004年、ISBN 4-560-04075-3、ISBN 978-4560040751
- 堀井憲一郎『愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか』講談社現代新書、2017年、ISBN 978-4062884013
関連項目
- アドベント(待降節/降臨節)
- クリスマス・イヴ
- 主の割礼祭
- 十二夜 (民俗行事) - 戯曲『十二夜』
- 公現祭(エピファニー)
- 神現祭(セオファニー)
- クリスマス島 (オーストラリア)
- 日本のクリスマスは山口から(日本でのクリスマス行事発祥を記念したイベント)
- クリスマス・ファシズム
- ナタリー(人名)
- ノエル(人名)
- アントニオ・ディ・ナターレ(固有人名)