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2021年12月14日 (火) 08:24時点における版
運行管理システム(うんこうかんりシステム)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)がアーバンネットワーク各線に導入している、列車の進路をコンピュータにより自動制御する運行管理機能と旅客に対して運転状況を自動案内する機能をもつ列車運行管理システム (PTC) の一種。近畿圏では、輸送量の多いJR京都・神戸線などに4システムが導入されている。それ以外の奈良線・山陰線などには、信号メーカ製のPRCが導入されている。
なお、初代阪和線システムではSUNTRAS(Safety Urban Network TRAffic System、サントラス)の愛称が付けられていたが、その後導入されたJR京都・神戸線システム以降ではこの名称は用いられておらず、アーキテクチャも大きく異なる。ここでは、初代阪和線システムも含めて近畿圏で導入されている日立製作所製の運行管理システムについて述べる。
概要
このシステムのメリットには、ダイヤ復旧の迅速化などがある。運行状況から信号・ポイント制御などをすべて大阪総合指令所のコンピューターで一元管理し、モニタで列車の在線位置を表示している。ダイヤ乱れの時などダイヤを変更する際は指令所でダイヤ変更を行い、変更後のダイヤもコンピュータにより管理・予測するようになっている。
阪和線では関西空港線開業を機に超高密度運行に対応するために従来の列車集中制御装置(CTC)を発展・統合させた「阪和線運行管理システム」(初代)を導入した[1]。その後、東海道・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)にも阪和線のシステムを改良したうえで、新機能として構築された「線路保守作業管理システム」を統合した「JR京都・神戸線運行管理システム」を導入した[2]。複々線区間を走行する列車種別の違う路線を総合的に管理する点で、阪和線に導入されたシステムよりも高い信頼性が要求された。さらにその後導入された「大阪環状・大和路線運行管理システム」「JR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム」および2013年に更新された「阪和線運行管理システム」(2代)には、トラブル発生時における列車の駅間での停止ならびに列車無線の輻輳を回避する目的で、絶対信号機のない駅(停留所)を中心に「抑止表示器」が新機能として追加されている(後述)。
阪和線では、当時としては最新鋭のシステムであったSUNTRASは鳴り物入りで導入された。しかしながら導入当初はシステム障害やシステムダウンによりたびたび制御不能に陥り、ポイント切り替えを手動で行うなどトラブルが頻発した。2000年代においても2005年10月と2007年7月にシステムの不具合で大規模な障害を引き起こしている。
また、2019年2月に京都神戸線システムを拡張し、湖西線にも導入されている。
導入路線
システム | 路線 | 導入区間 | 導入日 |
---|---|---|---|
阪和線運行管理システム(初代) | 阪和線 | 天王寺駅 - 和歌山駅間 | 1993年(平成5年)7月1日 |
JR京都・神戸線運行管理システム[3] | 北陸本線
東海道本線(2線区間) |
長浜駅 - 米原駅間(坂田駅・田村駅を除く)
米原駅 - 守山駅間 |
2006年(平成18年)10月1日 |
東海道本線(4線区間)
山陽本線(4線区間) |
草津駅 - 西明石駅間 | 2002年(平成14年)7月29日 | |
山陽本線(2線区間) | 大久保駅 - 上郡駅間(有年駅をのぞく) | 2006年(平成18年)10月1日 | |
赤穂線 | 相生駅・播州赤穂駅 | ||
湖西線 | 山科駅 - 近江今津駅間 | 2019年(平成31年)3月2日 | |
大阪環状・大和路線運行管理システム[4] | 大阪環状線 | 全線 | 2009年(平成21年)10月4日 |
桜島線(JRゆめ咲線) | 全線 | ||
梅田貨物線 | 梅田~福島間 | ||
関西本線(大和路線) | JR難波駅 - 加茂駅間(平城山駅をのぞく) | ||
おおさか東線 | 放出駅(構内をのぞく) - 久宝寺駅間 | 2008年(平成20年)3月15日 | |
片町線支線 | 正覚寺信号場 - 平野駅間 | ||
JR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム[5] | 福知山線(JR宝塚線) | 尼崎駅(構内をのぞく) - 新三田駅間 | 2011年(平成23年)3月8日 |
JR東西線 | 尼崎駅構内をのぞく全線 | ||
片町線(学研都市線) | 京橋駅 - 祝園駅間
(大住駅・JR三山木駅・下狛駅・西木津駅をのぞく) | ||
おおさか東線 | 新大阪駅(構内をのぞく) - 放出駅間 | ||
阪和線運行管理システム(2代) | 阪和線 | 天王寺駅 - 和歌山駅間 | 2013年(平成25年)9月28日 |
主な機能
この節は旅客案内機能に偏った記述となっており、その他の機能(運行管理機能や線路保守手続管理機能など)の説明がなされていません。記事の発展への協力をお願いします。(2013年4月) |
機器構成
初代阪和線システムでは、従来のCTC装置が中央から各駅の進路制御を行っていたのに対し、各駅に進路制御装置を設置し中央からあらかじめ毎日のダイヤを送っておき変更が生じたときだけ中央から変更の指示を送る、駅分散方式を採用している。この方式は中央装置の負荷を低減することが可能で、列車の運転密度が高い線区でも適応可能となる特徴があり、後に中央快速線を皮切りに首都圏に導入されたATOSも駅分散構成となっている。京都・神戸線システムも分散構成を踏襲したが、その後導入された大阪環状・大和路システムや宝塚・東西・学研線システムでは伝送速度の向上などを背景に集中方式を採用している。2013年に使用開始した阪和線システムも集中構成としているが、その理由として「指令所~各駅の伝送路がメタルから光になり、短い周期での伝送が可能になったこと」「CPU処理速度向上により進路制御出力に要する時間が短縮」が挙げられている[6]。
機能の比較
機能 | 阪和線システム (初代) |
阪和線システム (2代) |
JR京都・神戸線 システム |
大阪環状・大和路線 システム |
JR宝塚・JR東西・ 学研都市線システム |
湖西線運行管理 システム |
---|---|---|---|---|---|---|
予想ダイヤ機能 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
列車遅延・ 運休などの案内 |
×[7] | ○ | ○ | ○ | ○ | 〇 |
抑止表示器の設置 | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
列車遅延の案内
次の電車が何分遅れで到着するか即座に計算し、各駅の旅客案内情報処理装置 (PIC) を通じて発車標には遅れ時分が、3分以上2時間未満の場合は「遅れ約30分」「30 minutes behind」など、2時間以上の遅れの場合は「遅れ120分以上」「120 minutes over」と表示され、また駅自動放送でも「約30分遅れて運転しております。(到着まで、約○分です。)ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください」と案内される。事故や天災などで大幅な遅れが出ている場合はこれに加えて「到着まで約15分」「15 min. until arrival」などと表示する。この表示の時には、時刻の表示欄が空白となる。また、乗務員区所の運行情報表示装置 (TID) にも表示を自動で行う。 また、近年では一斉配信機能により運行情報の配信を各駅に行い、発車標の下段にてその情報をスクロール表示する他、湖西線システムではそれに加えて合成音声による放送もされている。
抑止表示器
異常時などのダイヤ乱れで、列車が駅間で長時間停車することを回避させるために設置されている。通常は無表示(右上に点のみ点灯している)の状態であるが、乗務員への通告には抑止・連絡・解除・整理(整理の場合、調整時間が交互に表示。例えば、2分の場合は2'00と表示)が表示される。また、時間調整が秒単位で指示される。設置線区は以下の通り。
- おおさか東線:新大阪駅・放出駅・久宝寺駅をのぞく各駅
- 大阪環状線:全駅
- 関西本線(大和路線):JR難波駅・天王寺駅・平野駅・久宝寺駅・柏原駅・王寺駅・奈良駅・木津駅・加茂駅をのぞく各駅
- 片町線(学研都市線):木津駅・祝園駅・JR三山木駅・同志社前駅 - 長尾駅・四条畷駅・住道駅・放出駅・鴫野駅をのぞく各駅
- 福知山線(JR宝塚線):尼崎駅・塚口駅・北伊丹駅・川西池田駅・宝塚駅・新三田駅をのぞく各駅
- 阪和線(2013年以降):美章園駅・南田辺駅・長居駅・浅香駅・新家駅・和泉鳥取駅・山中渓駅・六十谷駅・紀伊中ノ島駅[8]
-
抑止表示器(抑止)
-
抑止表示器(運転整理)
旅客案内装置
運行管理システム導入線区では、これと連動した自動放送装置、発車標などを設置して、旅客への案内を充実させている。
自動放送装置は予告放送・接近放送・到着放送・停車中放送・出発放送・啓発放送を自動で行う。到着列車の遅れや運転休止、行先・のりば変更なども自動で案内する。予告放送・接近放送・停車中放送については英語放送に対応しており、一部の主要駅で行っている[9]。発車放送はシステムにより自動的に作動するタイプと車掌が押ボタンを押下するタイプがある。
発車標は今後の列車の種別や行先、時刻等の情報を表示する。列車の走行位置や先着案内、接続案内などに対応している線区もある。形状は駅の規模に応じてさまざまであるが、おおむね2列車~6列車が表示されるようになっている。
なおこれらの自動放送や発車標は全駅には導入されておらず、郊外を中心に従来のまま(または未設置)の駅が残っている。一方でこれらの装置を導入している駅では、運行管理システムを導入していない路線においても稼働している場合がある。なお、大阪駅・京橋駅・天王寺駅は線区ごとに異なるシステムの装置が採用されている。またシステム未導入区間においても、主要駅を中心に類似の案内放送や発車標が採用されている場合がある。
各システムにおける自動案内放送の声は以下の通り。
阪和線システム(初代)
初代阪和線システムでは、予告放送(和歌山駅のみ)・接近放送・停車中放送(天王寺駅・鳳駅のみ)・発車放送の冒頭にいずれも同じメロディが流れていた。大阪支社管内は2000年頃まで、和歌山支社管内は2002年頃まで、2打点チャイムが用いられていた。また入線時にもメロディが使用されていたが、停車列車と通過列車でメロディが使い分けられていた。
接近放送は各駅で行われていたが[10]、発車放送は待避列車など長時間停車する列車のみ[11]行われていた。
当システムでは遅延・運休等の案内放送や英語での放送が行われなかった一方、停車駅・先着列車・回送列車などに関する情報が、発車標に英語で表示されていた。
放送の内容は各駅で大きく異なっていたほか、列車によっても内容が異なった。美章園駅・杉本町駅・上野芝駅・津久野駅の放送は行先案内が固定、あるいは省略された簡易型タイプだった。普通列車の放送は、美章園駅・南田辺駅・長居駅・我孫子町駅・上野芝駅・津久野駅は「普通」、それ以外の駅は「普通列車」と言いまわしが異なっていた[12]。なお、かつては「各駅停車」という言い回しを行う駅もあった。先着案内は、堺市駅では接近放送時に、天王寺駅と鳳駅(上りのみ)では停車中放送時に行われていた(接近放送時に先発列車となっている場合、先着案内は接近放送時に行われる場合があった)。下りの関空快速・紀州路快速の場合は停車駅の案内が省略され、それぞれの乗車位置案内が行われていた。一部の駅は「○両で」の部分が無く、「○○行きがまいります(または、はいります)」という放送になっていた。また列車によっては停車駅や乗車位置の案内が省略される場合もあった。のりば案内は「○番線」という言い回しになっていた。和歌山駅では特急列車の自由席、指定席などの案内が予告放送時に流れていた。また天王寺駅では到着時に乗り換え案内の放送[13]が流れていた。
システム導入当時には運行されていなかったダイヤの案内も行うため、アクセントが不自然な放送が多かったほか、音声の違う文言をつなぎ合わせている部分もあり、関空快速の単独列車での「関空快速」の部分など、音程が変わる放送もあった。
2012年3月14日頃から順次、接近放送での「危険ですからホームの内側にお下がりください」という文言が、一部駅をのぞいて「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」へ変更された。
これらの放送は、日根野駅では関西空港線、和歌山駅ではきのくに線・和歌山線の列車に対しても同様に行われていたが、鳳駅では羽衣線の列車に対しては行われなかった。
2012年10月の時点で発車標が設置されていた駅は、天王寺駅・南田辺駅[14]・鶴ケ丘駅・長居駅[14]・我孫子町駅[14]・堺市駅・三国ケ丘駅・津久野駅[15]・鳳駅(5番のりばをのぞく)・和泉府中駅・熊取駅・日根野駅・和泉砂川駅・紀伊駅・六十谷駅・和歌山駅のみであった。
JR京都・神戸線システム
システム対応の案内装置は、上郡駅、播州赤穂駅、相生駅 - 米原駅間の各駅、長浜駅に設置されている[16]。
予告放送・接近放送の本文の前に、JR神戸線では「さざなみ」のメロディが[17]、JR京都線・琵琶湖線(大阪駅・島本駅をのぞく)ではかつて西武鉄道の西武秩父駅や池袋駅でも使用されていたメロディの音色違いが流れる[18]。また、接近放送のあとにもメロディまたはチャイムが流されるが、停車列車と通過列車でメロディは分けられていない。なお、以下の駅の接近メロディは他の駅とは異なり、その駅でのみ使用されている。
- 大阪駅:大阪環状・大和路線システムと同じメロディ(ただし半音低い)
- 島本駅:小林亜星作曲の「人間みな兄弟〜夜がくる」のアレンジ曲
- さくら夙川駅:コブクロの楽曲『桜』のアレンジ曲(2010年3月1日で終了[17])
- 須磨海浜公園駅:「かもめの水兵さん」のアレンジ曲(2014年7月15日で終了[19]。「さざなみ」のメロディも音質見直し版を先行導入)
導入当初、「黄色い線までお下がりください」の後に「電車が(列車が)まいります(通過します)。ご注意ください」という放送であったが、2006年12月20日ごろより「○番のりばに(○番のりばを)電車が(列車が)まいります(通過します)。ご注意ください」に、2011年3月26日頃より「黄色い線までお下がりください」から「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」に変更されている。
2015年3月12日から接近メロディが音質見直し版に変更された[20]。
次の停車駅が終点の特急列車でも自由席・指定席などの案内放送があり「お待たせいたしました」という放送も流れる。駅到着後に回送列車になる列車でも、「乗り降り の際 足元にご注意下さい」という放送が流れていたが、2012年3月17日のダイヤ改正を期に「お降り の際は 足元にご注意下さい」へと修正された。また、一部の駅では先着案内[21]が行われる。
特急・急行・回送列車の場合は、電車であっても「列車」と案内される。逆に姫路駅の姫新線ホームでは、気動車普通列車でも「列車」と案内される。新快速・快速の通過の場合は、発車標では「列車」、自動放送は「電車」となる。このほかドア付近に段差がある場合は予告放送の後にその旨が、乗車券のほかに特急券などが必要な列車の場合も駅によって放送される。
なお以下の駅では、ほかの駅とは異なった案内放送を行う。
- 京都駅:駅名連呼等、列車到着時に流れる通常の放送に続いて、乗り換え路線(他社局路線および特急「はるか」への乗り換え案内を含む)の案内を行っている。システム導入前の自動放送で乗り換え案内が入っていたため、それを引き継がせたものといえる。なお、午後11時以降は乗り換え案内を行わない代わりに、八条東口の営業時間終了についての案内を行う。
- 吹田駅:最寄施設への出口案内の放送を行っている。吹田駅中央改札口は南側にしか出口がなく、吹田年金事務所・吹田市民病院など北側にある施設へは遠回りとなるため、北側にも出口のある東改札口(吹田北口)から出場するよう案内している。
大阪環状・大和路線システム
システム対応の案内装置は、平城山駅を除く全駅に設置されている。
基本的にJR京都・神戸線システムと同じ放送を行っているが、接近放送のメロディは停車列車と通過列車で異なる。また、「(回送・当駅止まりの)電車(列車)がまいります(通過します)。ご注意下さい。」は2回繰り返す。なお、2011年3月から順次、「黄色い線までお下がり下さい」から「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がり下さい」に変更されている。気動車列車は「列車」と案内される。快速などの通過の場合は、発車標・自動放送とも「電車」となる。
発車放送は、「○番のりばから、普通 ○○行が発車します。ドアが閉まります。ご注意下さい」と「ドアが閉まります。ドアが閉まります。ご注意下さい」と使い分けられており、大阪環状線の全駅・大和路線の一部の駅・おおさか東線の全中間駅では後者の放送となっている[22]。大和路線(一部のぞく)・おおさか東線・JRゆめ咲線の発車放送は前者のものでシステムにより自動的に放送されているものの、大阪環状線の各駅では回送列車の発車時をのぞき、これまで通り車掌扱いによる押ボタンを押下することにより行われている。
奈良駅および木津駅では、加茂行き列車が加茂駅で伊賀上野・柘植・亀山行き列車に連絡している場合、予告放送や発車標にてその旨の案内を行う。
また、各行先への当日最終列車については、その旨を案内したうえで、乗り遅れのないように促す放送が流れる。
2015年3月12日[23]から接近メロディが音質見直し版に変更された。
JR宝塚・JR東西・学研都市線システム
システム対応の案内装置は、西木津駅・下狛駅・JR三山木駅・大住駅を除く全駅に設置されている。
大阪環状・大和路線システムとは異なり、当駅止まりの電車や回送列車の場合でも「電車(列車)がまいります。ご注意ください」を2回繰り返す。接近メロディは大阪環状・大和路線システムと同じものを使用している。予告放送では、快速から普通への連絡案内や女性専用車の案内が追加されている。JR宝塚線内の快速停車駅においては、篠山口行きが終点の篠山口駅で福知山行き電車に連絡している場合、予告放送にてその旨の案内を行う(JR京都・神戸線システムを採用する大阪駅および尼崎駅でもこれと同様の放送が行われる)。快速などの通過の場合は、発車標・自動放送とも「電車」となる。
京橋駅および放出駅の発車放送は手動で、押ボタンを車掌が押下すると、乗車促進ベル鳴動後に「ドアが閉まります、ドアが閉まります。ご注意ください」と放送される。なお、導入当初の「黄色い線までお下がりください」という言い回しは、2011年3月下旬に、北新地駅をのぞいて「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」に改められ、さらに2012年3月には大阪天満宮駅も北新地駅と同じ言い回しに改められている[24]。
放出駅3・4番のりばでは、到着放送時に乗り換え案内を行う。また、宝塚駅2番のりばおよび四条畷駅1番のりばでも、当駅折り返しの電車に限り、到着放送時に乗り換え案内を行っている。
2017年3月7日から接近メロディが音質見直し版に変更された。[25]
阪和線システム(2代)
システム更新に合わせて、案内装置が全駅に設置され[26]、既設のものについても更新が行われた。
メロディは初代阪和線システムのもの(音程はやや低くなっている)を使用している。ただし、停車中放送[27]・発車放送時のメロディはシステム更新時に廃止された。のりば案内は「○番のりば」という言い回しに変更された。杉本町駅の1・3番のりば(通過専用ホーム)にはホーム柵があり、点字ブロックがないため、列車通過前には「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」の代わりに「危ないですから、ホームの内側にお下がりください」と放送される。
先着放送については初代より詳細になったほか、新たに快速から普通への連絡案内が追加されている。
天王寺駅降車専用ホームおよび鳳駅羽衣線ホームでは、到着放送時に乗り換え案内を行う。鳳駅3番のりばでも、当駅折り返しの天王寺行き到着時に限り乗り換え案内を行う。
2017年3月7日から接近メロディが音質見直し版に変更された。
湖西線システム
旅客案内装置は蓬萊駅・志賀駅・比良駅・北小松駅・近江中庄駅・マキノ駅・永原駅を除く全駅に設置されている。(なおこれらの駅とシステム対応放送導入駅である新旭駅には列車の接近を知らせる行灯タイプの表示機が設置されている)。
歴史
- 1993年(平成5年)7月1日 - 阪和線の天王寺駅 - 和歌山駅間に「阪和線運行管理システム」(初代)を導入。
- 2002年(平成14年)7月29日 - 東海道本線・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)の草津駅 - 西明石駅間に「JR京都・神戸線運行管理システム」を導入[28][29]。
- 2006年(平成18年)10月1日 - 「JR京都・神戸線運行管理システム」が北陸本線・東海道本線(琵琶湖線)の近江塩津駅 - 草津駅間、山陽本線(一部の区間はJR神戸線)の西明石駅 - 上郡駅間および赤穂線の相生駅 - 西浜駅[30]間に拡大。
- 2007年(平成19年)3月18日 - ダイヤ改正に合わせて、米原駅 - 相生駅間各駅および長浜駅・播州赤穂駅・上郡駅にて駅自動放送を更新。
- 2008年(平成20年)3月15日 - おおさか東線の放出駅 - 久宝寺駅間の部分開業にあわせて「大阪環状・大和路線運行管理システム」が先行導入[31][32]。
- 2009年(平成21年)10月4日 - 大阪環状線・桜島線・大和路線で「大阪環状・大和路線運行管理システム」が本格運用開始。
- 2011年(平成23年)3月8日 - JR宝塚線・JR東西線・学研都市線で「JR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム」が運用開始[33]。同時に接近メロディを導入。
- 2013年(平成25年)9月28日 - 阪和線の天王寺駅 - 和歌山駅間の「阪和線運行管理システム」を2代目のものに更新[34]。
- 2015年(平成27年)3月12日 - JR神戸線・大阪環状線・桜島線・大和路線・おおさか東線の接近メロディを音質見直し版に変更。琵琶湖線・JR京都線(島本駅を除く)に接近メロディを導入。
- 2017年(平成29年)3月7日 - JR宝塚線・JR東西線・学研都市線・阪和線の接近メロディを音質見直し版に変更。
- 2019年(平成31年) - 湖西線の山科駅 - 近江塩津駅間に運行管理システムを導入。
- 2020年(令和2年)1月21日 ー 一部路線の接近表示を橙地に黒字と黒地に橙字で書かれた「電車がまいります」から橙地に黒字の「電車がまいります」表示と黒地に橙字の「Train Approaching」表示に変更。ただし通過列車の場合は橙地に黒字の「電車が通過します」表示と黒地に橙字の「Train Approaching」表示になる。
脚注
- ^ 日立評論 1994年5月号 (PDF) - 日立製作所 p.42 - p.43
- ^ 日立評論 2003年8月号 (PDF) - 日立製作所 p.43 - p.46
- ^ “湖西線PRC装置の更新プロジェクトについて”. 鉄道と電気技術 30: 38-41. (10 2019).
- ^ “大阪環状・大和路線運行管理システムの導入”. 鉄道と電気技術 (日本鉄道電気技術協会) Vol.20: 42. (8 2009).
- ^ “JR宝塚・JR東西・学研都市線運行管理システム導入”. 鉄道と電気技術 Vol.22: 11. (7 2011).
- ^ “阪和線運行管理システムの更新について”. 鉄道と電気技術: 20. (9月 2013年).
- ^ 2009年に六十谷駅に設置された発車標には、列車遅延時に遅れ時分が行先欄に表示されていたが、阪和線内では発車標の表示形式の個体差が駅ごとに大きく、運行管理システムによるものなのかは不明である。
- ^ これら以外の停留所であった駅は、踏切長時間鳴動対策のため、駅前後にある既存の閉塞信号機を絶対信号機とすることで対応している。
- ^ 特急列車などのみに限定している駅もある。
- ^ 一部の駅では、21時以降は接近放送が流れなかった。
- ^ 鳳駅では5番のりばをのぞくすべての列車で使用されていた。
- ^ 杉本町駅は種別・行き先を言わない簡易型放送だった。
- ^ 1・2番のりば到着時は詳細型、5・6・9番のりば到着時は簡易型の乗換案内であった。
- ^ a b c かつて大阪環状線や大和路線の一部の駅に設置されていた、種別・行先・在線位置のみを表示する簡易型タイプがホーム上にあり、コンコースには詳細表示タイプの機種が設置されていた。
- ^ 詳細表示の可能な機種であるが、表示内容については、改札口付近に設置されているものは行先表示が省略されており、またホーム上に設置されているものは列車接近表示・自社の案内広告・啓発案内などに限られていた。
- ^ ただし有年駅は2017年の駅舎改築以前は、駅舎内に小型の発車標が設置されていた。
- ^ a b 著作権料高かった? さくら夙川駅メロディー廃止 - 神戸新聞 2010年4月14日
- ^ 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します - 西日本旅客鉄道プレスリリース、2015年3月11日
- ^ 消えゆく独自メロディー JR須磨海浜公園駅「かもめの水兵さん」お別れ - 神戸新聞NEXT
- ^ ただし、予告放送については、一部駅をのぞいて2015年3月12日に実施されたメロディ音質の見直し後も、JR神戸線・山陽本線の各導入駅と播州赤穂駅・京都駅では「さざなみ」のメロディ、JR京都線・琵琶湖線内(大阪駅・京都駅をのぞく)では4打点チャイムが、音質を変更されないまま引き続き使用されている。
- ^ この場合、当該駅に止まらない列車に乗り換えた場合が先着となるケースでは緩急接続駅ではなく先着列車が停車する直近の駅で乗り換えるようにアナウンスが入る。
- ^ おおさか東線は、開業当初は発車時の放送もJR京都・神戸線システムと同じく、前者の放送となっていた。
- ^ 天王寺駅のみ同年2月24日
- ^ 北新地駅および大阪天満宮駅にはホームドアがあるため、「危ないですから、ホームのドアから離れてお待ちください」に変更された。
- ^ 宝塚駅は同年3月7日以降も接近メロディの変更は行われていない。
- ^ 鳳駅羽衣線ホームは放送のみ。
- ^ 停車時間によるが停車中放送は時間をおいて繰り返し流される。
- ^ 『JR気動車客車情報』'03年版 ジェー・アール・アール 2003年 ISBN 4-88283-124-4
- ^ 日立評論 2003年1月号 (PDF) - 日立製作所 p.75
- ^ JR西日本2006年9月定例社長会見(インターネットアーカイブ)によれば米原駅 - 近江塩津駅間の延長は2006年10月1日、赤穂線は相生駅 - 備前福河駅間の導入であるが、「データで見るJR西日本」では、相生駅 - 西浜信号場間となっている。なお、西浜駅から先は、導入区間外の日生駅まで閉塞の境界がない。
- ^ 大阪環状・大和路線運行管理システムの使用開始について - 西日本旅客鉄道プレスリリース(インターネット・アーカイブ)
- ^ 日立評論 2010年1月号 (PDF) - 日立製作所 p.60 - p.61
- ^ 2011年2月定例社長会見 - 西日本旅客鉄道プレスリリース(インターネット・アーカイブ)
- ^ 2013年9月定例社長会見 - 西日本旅客鉄道プレスリリース
関連項目
- 運転指令所
- 列車運行管理システム (PTC)
- 東京圏輸送管理システム (ATOS) - JR東日本の首都圏在来線列車運行管理システム
- 新幹線運行管理システム (COMTRAC) - 東海道・山陽新幹線の列車運行管理システム
- 名古屋圏運行管理システム (NOA) - JR東海の在来線列車運行管理システム