「アンドロメダ座」の版間の差分
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| meteorshowers = |
| meteorshowers = アンドロメダ座流星群<br />アンドロメダ座c流星群<br />アンドロメダ座49流星群{{R|NAOJ_meteor}} |
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| bordering = [[ペガスス座]]<br />[[カシオペヤ座]]<br />[[とかげ座]]<br />[[ペルセウス座]]<br />[[うお座]]<br />[[さんかく座]] |
| bordering = [[ペガスス座]]<br />[[カシオペヤ座]]<br />[[とかげ座]]<br />[[ペルセウス座]]<br />[[うお座]]<br />[[さんかく座]] |
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| notes=}} |
| notes=}} |
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{{読み仮名|'''アンドロメダ座'''|アンドロメダざ、{{lang-la|Andromeda}}}}は、[[星座#国際天文学連合による88星座|現代の88星座]]の1つで、[[トレミーの48星座|プトレマイオスの48星座]]の1つ{{R|Ridpath}}。[[カシオペヤ座]]と[[ペガスス座]]の間に位置する。[[古代ギリシア]]の伝承に登場するエチオピアの王女[[アンドロメダー]]をモチーフとしている{{R|IAU_constellations}}。[[アンドロメダ銀河]] (M31) があることで知られている。 |
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'''アンドロメダ座'''(アンドロメダざ、{{la|Andromeda}})は、北天の[[星座]]で[[トレミーの48星座]]の1つ。[[アンドロメダ銀河]] (M31) があることで知られている。 |
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== 主な天体 == |
== 主な天体 == |
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=== 恒星 === |
=== 恒星 === |
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{{See also|アンドロメダ座の恒星の一覧}} |
{{See also|アンドロメダ座の恒星の一覧}} |
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α星、β星、γ星の3つの2等星がある{{R|simbad_alpha|simbad_beta| |
α星、β星、γ星の3つの2等星がある{{R|simbad_alpha|simbad_beta|simbad_gamma01}}。α星のアルフェラッツは「[[ペガススの大四辺形]]」を構成する星の1つで、四辺形の中で北東の角を成している{{Sfn|原恵|2007|p=167}}。また、[[ペルセウス座アルファ星|ペルセウス座α星]]からアンドロメダ座のγ星・β星・α星・[[ペガスス座ベータ星|ペガスス座β星]]と繋いだ曲線は、「秋の大曲線」と呼ばれることもある{{R|Kanai2014}}。 |
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* [[アンドロメダ座アルファ星|α星]]:アルフェラッツ (Alpheratz) は、かつて、[[ペガスス座]]の一部分であり、「ペガスス座δ星」でもあった。この星とペガスス座のα星、β星、γ星の4つの星により形作られる四角形は「[[ペガススの大四辺形]]」と呼ばれる。 |
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* [[アンドロメダ座ベータ星|β星]]:ミラク (Mirach) は「腰布」という意味の[[アラビア語]]に由来する。[[赤色巨星]]<ref name="simbad_beta" />。 |
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* [[アンドロメダ座ガンマ星|γ星]]:対照的な色の美しい[[二重星]]であり、γ{{sup|1}}星の固有名はアルマク。 |
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* [[アンドロメダ座クシー星|ξ星]]:固有名はアディル (Adhil) 。 |
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* [[アンドロメダ座ウプシロン星|υ星]]:固有名はTitawin。最低でも[[太陽系外惑星|惑星]]を3つ持つ。 |
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* [[アンドロメダ座14番星|14番星]]:固有名はVeritate。Speと命名された惑星を持つ。 |
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* [[アンドロメダ座51番星|51番星]]:固有名はネンブス (Nembus) 。かつて[[ペルセウス座]]υ星と呼ばれたこともある。 |
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* [[HD 16175]]:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で[[エチオピア]]に命名権が与えられ、主星はBuna、太陽系外惑星はAbolと命名された{{R|approved}}。 |
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* [[HAT-P-6]]:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で[[オランダ]]に命名権が与えられ、主星はSterrennacht、太陽系外惑星はNachtwachtと命名された{{R|approved}}。 |
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[[2023年]]10月現在、[[国際天文学連合]] (IAU) によって9個の恒星に固有名が認証されている{{R|iaucsn}}。 |
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* [[アンドロメダ座アルファ星|α星]]:[[見かけの等級|見かけの明るさ]]2.06 等のA星と11.11 等のB星の[[二重星]]{{R|simbad_alpha}}。かつては[[ペガスス座]]の一部と見なされ、ペガスス座δ星 (δ Peg) とされたこともあった{{R|simbad_alpha}}。主星のA星から93″([[秒 (角度)|秒]])離れて見える11等星のB星は[[見かけの二重星]]だが、A星自体が2.22 等のAa星と4.21 等のAb星からなる[[分光連星]]であり、約96.7 日の周期で互いに公転している{{R|WDS_alpha}}。2014年の研究では、Aa星の質量は{{Val|3.84|0.29|ul=Solar mass}}(太陽質量)、Ab星の質量は{{Val|1.63|0.26|ul=Solar mass}}であるとされた{{R|Docobo2014}}。Aa星は[[回転変光星]]の分類の1つ「[[りょうけん座アルファ2型変光星|りょうけん座α{{sup|2}}型変光星]] (ACV)」の可能性があると考えられており、約0.96 日の周期で0.04 等の振幅で変光していると見られている{{R|GCVS_alpha}}。Aa星には、[[アラビア語]]で「[[馬]]」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''アルフェラッツ'''{{R|StellaNavigator11}} (Alpheratz{{R|iaucsn}})」という固有名がIAUによって認証されている他、アラビア語で「(馬の)へそ」を意味する言葉に由来する「シラー{{Sfn|原恵|2007|pp=195-199}}(Sirrah{{R|Kunitzsch2006}})」という名称も知られていた。 |
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* [[アンドロメダ座カッパ星|κ星]]:[[アンドロメダ座カッパ星b|直接観測された惑星]]を1つ持つ。 |
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* [[アンドロメダ座ベータ星|β星]]:見かけの明るさ2.05 等、[[スペクトル分類|スペクトル型]] M0+IIIa の[[赤色巨星]]で、2等星{{R|simbad_beta}}。アラビア語で「腰布」を意味する言葉に由来する「'''ミラク'''{{R|StellaNavigator11}}(Mirach{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。この星に非常に近い位置にある[[低電離中心核輝線領域|ライナー]] (LINER, low-ionization nuclear emission line region) 型の[[活動銀河]][[NGC 404]]は、ミラクの眩しさに隠されてしまうため「ミラクの幽霊{{R|sorae20211107}}(Ghost of Mirach{{R|JPL20081031}}, Mirach's Ghost{{R|APOD20211008}})」と呼ばれている。 |
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* [[アンドロメダ座S星|S星]]:アンドロメダ銀河内に発見された[[超新星]]。 |
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* [[アンドロメダ座ガンマ星|γ星]]:見かけの明るさ2.10 等、スペクトル型 K2+IIb の[[輝巨星]]で2等星のA星{{R|simbad_gamma01}}と高温の[[主系列星]]2つが[[連星]]を成しているB星とC星{{R|simbad_gamma02}}が見かけの二重星となっており、小望遠鏡で観測すると、オレンジ色のA星と青色のB星の色のコントラストが非常に美しいことで知られる{{R|Kaler_gamma}}。B・Cの連星系は、約63.7年の周期で互いを公転しているだけでなく、B星自体が[[分光連星]]を成しており、未発見の伴星と約2.67 日の周期で互いに公転していると考えられている{{R|Kaler_gamma|WDS_gamma}}。A星には、アラビア語で「[[カラカル]]」を意味する言葉に由来する「'''アルマク'''{{R|StellaNavigator11}}(Almach{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。 |
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<!-- * [[アンドロメダ座RS星|RS星]]:SRA型の[[半規則型変光星]]。 |
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* [[アンドロメダ座クシー星|ξ星]]:[[太陽系]]から約223 [[光年]]の距離にある、見かけの明るさ4.868 等、スペクトル型 K0-IIIb の赤色巨星で、6等星{{R|simbad_ksi}}。アラビア語で「(ローブなどの)すそ」を意味する言葉に由来する「'''アディル'''{{R|StellaNavigator11}}(Adhil{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。 |
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* [[アンドロメダ座RU星|RU星]]:SRA型の半規則型変光星。 |
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* [[アンドロメダ座ウプシロン星|υ星]]:太陽系から約44 光年の距離にある、見かけの明るさ4.10 等、スペクトル型 F9V のF型主系列星で、4等星{{R|simbad_upsilon}}。4つの[[太陽系外惑星]]が存在すると考えられている{{R|EPE_upsilon}}。[[2015年]]に開催されたIAUの太陽系外惑星命名キャンペーン「[[NameExoWorlds]]」で、[[モロッコ]]の都市[[テトゥアン]]の旧市街地で[[ユネスコ]]の[[世界遺産]]に登録された Medina of Tétouan(旧称 Titawin)にちなんだ「'''ティタウィン'''{{R|StellaNavigator11}}(Titawin{{R|iaucsn}})」という固有名が認証された{{R|NameExoWorlds2015}}。 |
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* [[アンドロメダ座RV星|RV星]]:SRA型の半規則型変光星。 |
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* [[アンドロメダ座14番星|14番星]]:太陽系から約248 光年の距離にある、見かけの明るさ5.22 等、スペクトル型 G8III の黄色巨星で、5等星{{R|simbad_14}}。2015年に開催されたIAUの太陽系外惑星命名キャンペーン「NameExoWorlds」で、[[カナダ]]の天文愛好家団体からの提案により、[[ラテン語]]で「真実があるところ」という意味の vēritāte にちなんだ「'''ヴェリタテ'''{{R|StellaNavigator11}} (Veritate)」という固有名が認証された{{R|NameExoWorlds2015}}。 |
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* [[アンドロメダ座WY星|WY星]]:SRD型の半規則型変光星。--> |
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* [[アンドロメダ座51番星|51番星]]:太陽系から約176 光年の距離にある、見かけの明るさ3.57 等、スペクトル型 K3-IIICN0.5 の赤色巨星で、4等星{{R|simbad_51}}。「'''ネンブス'''{{R|StellaNavigator11}} (Nembus{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。[[ヨハン・バイエル]]の『[[ウラノメトリア]]』で[[ペルセウス座]]のυとされたため、ペルセウス座υ星 (υ Peg{{R|simbad_51}}) とされたこともある。 |
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* [[アンドロメダ座GY星|GY星]]:[[りょうけん座アルファ2型変光星|磁変星]]。 |
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* [[HD 16175]]:太陽系から約196 光年の距離にある、見かけの明るさ7.28 等、スペクトル型 G2 の7等星{{R|simbad_HD16175}}。[[2019年]]に開催されたIAUの100周年記念行事「[[NameExoWorlds|IAU100 NameExoWorlds]]」で[[エチオピア]]に命名権が与えられ、主星は '''Buna'''、太陽系外惑星は Abol と命名された{{R|approved}}。 |
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* [[ロス248]]:[[太陽系]]から10.33光年の距離に存在する[[赤色矮星]]。 |
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* [[HAT-P-6]]:太陽系から約895 光年の距離にある、見かけの明るさ10.47 等、スペクトル型 F8V のF型主系列星で、10等星{{R|simbad_HAT-P-6}}。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で[[オランダ]]に命名権が与えられ、主星は '''Sterrennacht'''、太陽系外惑星は Nachtwacht と命名された{{R|approved}}。 |
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このほか、以下の恒星が知られている。 |
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* [[アンドロメダ座カッパ星|κ星]]:太陽系から約163 光年の距離にある、見かけの明るさ4.14 等、スペクトル型 B9IVn の[[準巨星]]で、4等星{{R|simbad_kappa}}。[[2012年]]11月、[[国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡|すばる望遠鏡]]での直接撮像によって[[ガス惑星]]あるいは[[褐色矮星]]と考えられる天体が発見された{{R|Carson2013}}。 |
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* Z星:太陽系から約6,700 光年の距離にある、スペクトル型M2IIIの赤色巨星とB1eq{{efn2|末尾のeqは「P Cygプロファイル」と呼ばれる高温の天体のスペクトルに見られる特徴が連続スペクトル中に確認されることを示す。}}の白色矮星からなる連星系{{R|Shenavrin2011}}で、8等星{{R|simbad_Z}}。「'''[[共生星]]''' (Symbiotic star)」と呼ばれる高温星と晩期型スペクトルを持つ恒星の連星系と高温星の輻射によって励起され広がったエンベロープからなる天体に分類されている。変光星としては、[[激変星]]の分類の1つ「アンドロメダ座Z型変光星」のプロトタイプとされる。[[1901年]]に[[ハーバード大学天文台]]の[[ウィリアミーナ・フレミング]]が[[写真乾板]]上に同年の[[ペルセウス座GK星|ペルセウス座の新星]]や[[1888年]]の[[へびつかい座RS星|へびつかい座の新星]]に似た奇妙なスペクトルを持つ星があることを発見した。この発見はしばらく忘れられていたが、[[1932年]]に[[ポール・メリル]]と[[ミルトン・ヒューメイソン|ミルトン・フメーソン]]がこの星と同様の特徴を持つ赤色巨星を複数再発見した際にその特異性に着目され、[[1941年]]にメリルが共生星という新たな分類を提唱した際にはこの分類を代表する星とされた{{R|aavso_Z}}。 |
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* [[ロス248]]:太陽系から約9.99 光年の距離にある、スペクトル型 M5.0V の[[赤色矮星]]{{R|simbad_Ross248}}。約3万7千年後には太陽系から約2.99 光年まで近付くと考えられている{{R|Bobylev2022}}。 |
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* [[WASP-1]]:太陽系から約1,250 光年の距離にある、見かけの明るさ11.31 等、スペクトル型 F7V の[[F型主系列星]]で、11等星{{R|simbad_WASP-1}}。[[木星]]よりわずかに軽い[[ホット・ジュピター]]「[[WASP-1b]]」が主星から0.04 [[天文単位]] (au) の[[公転軌道]]を約2.52 日の周期で公転している{{R|EPE_WASP1b}}。WASP-1bは、[[太陽系外惑星の発見方法#トランジット法|トランジット法]]による太陽系外惑星探索プロジェクト「[[スーパーWASP]] (SuperWASP)」による最初の太陽系外惑星検出事例として、2006年9月26日に[[WASP-2b]]とともに公表された{{R|SuperWASP20060926|Stempels2007}}。 |
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* [[アンドロメダ座S星|SN 1885A]]:[[1885年]]に[[アンドロメダ銀河]]内で発見された突発天体で、[[Ia型超新星]]と見られている{{R|de Vaucouleurs1985}}。[[天の川銀河]]の外で発生した[[超新星]]として史上初めて発見されたもので、かつアンドロメダ銀河内に発見された唯一の超新星である{{R|SEDS_SN1885A}}。 |
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=== 星団・星雲・銀河 === |
=== 星団・星雲・銀河 === |
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有名なアンドロメダ銀河を始め、[[メシエ天体]]に数えられる銀河が3つ位置している{{R|SEDS_Messier}}。また、3つの天体が{{仮リンク|パトリック・ムーア (天文学者)|label=パトリック・ムーア|en|Patrick Moore}}がアマチュア天文家の観測対象に相応しい星団・星雲・銀河を選んだ「[[カルドウェルカタログ|コールドウェルカタログ]]」に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。 |
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[[File:M31bobo.jpg|upright=1.2|left|240px|thumb|アンドロメダ銀河 (M31)]] |
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* [[アンドロメダ銀河|M31]]:'''アンドロメダ銀河'''の通称で知られる[[渦巻銀河]]で、天の川銀河が属する[[銀河群]]である[[局所銀河群]]で最大の[[銀河]]{{R|SEDS_M31}}。見かけの明るさは3.44 等{{R|simbad_M31}}と[[肉眼]]で見えるほど明るく、[[アブドゥル・ラフマーン・スーフィー|アブド・アッ=ラフマン・アッ=スーフィー]] (Abd-al-Rahman Al Sufi) の『[[星座の書]]』によると、[[905年]]あるいはそれ以前から[[イスファハン]]のペルシア人天文学者には知られていたとされる{{R|SEDS_M31}}。天の川銀河との距離は算出手法によって約238万 光年(731 [[パーセク|キロパーセク]] (kpc)){{R|Wagner-Kaiser2015}}から約267万 光年 (0.82 [[パーセク|Mpc]]){{R|Karachentsev2016}}と大きな差が残るものの、およそ250万 光年前後の距離にあると考えられており、[[肉眼]]で見ることのできる天体の中で最も遠いものの1つとされる{{R|SEDS_M31}}{{efn2|「肉眼で見える最遠天体」には異論がある。たとえば、同じ[[局所銀河群]]に属する[[さんかく座銀河]] (M33) も肉眼で見える銀河であり、どちらか遠くに位置しているかは定かではない。また、約1200万 光年とこれらの銀河よりもはるか遠くに位置する[[おおぐま座]]の[[M81 (天体)|ボーデの銀河]] (M81) も、恵まれた観測条件であれば肉眼で見ることができるとする報告もある{{R|SEDS_M81}}。}}。天球上では、アンドロメダ座β星からμ星へと結んだ線分をμ星方向にほぼ等距離伸ばした位置に見ることができる{{R|StarWalk2022}}。100 [[メートル毎秒|キロメートル毎秒]]の速度で天の川銀河に接近しており{{R|SEDS_M31}}、40億-50億年後に天の川銀河と衝突した後に合体して1つの巨大な[[楕円銀河]]を形成すると予想されている{{R|NASA20120531}}。この将来生じるとされる巨大楕円銀河には「'''[[ミルコメダ]]'''{{R|sorae20210823}}({{Lang-en-short|Milkomeda}})」という仮称で呼ばれている{{R|NASA20120531}}。[[2020年]]の研究では、43億年後に最初の接近遭遇が生じて、それから10億年以上かけて1つの銀河となると予測している{{R|Schiavi2020}}。 |
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* [[M32 (天体)|M32]]:M31の[[伴銀河]]で、局所銀河群に属する楕円銀河{{R|simbad_M32}}。1749年に[[フランス]]の天文学者[[ギョーム・ル・ジャンティ]] (Guillaume-Joseph-Hyacinthe-Jean-Baptiste Le Gentil de la Galaziere) が発見した{{R|SEDS_M32}}。M31の渦状腕の外側と重なって見えるが、M32のほうが手前側にあるとされる{{R|SEDS_M32}}。かつては現在より大きな銀河だったが、過去にM31に接近遭遇したことによって星や星団がM31に剥ぎ取られてしまったと考えられている{{R|SEDS_M32}}。年老いた[[星の種族#種族II|種族II]]の星が多く、新たな星を形成するダストレーンやガス雲、[[中性水素]]などの構造も、[[散開星団]]のような若い星の集団もないことから、M32では新たな星形成は起きてないとされる{{R|SEDS_M32}}。 |
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* [[M32 (天体)|M32]]:M31の[[伴銀河]] |
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* [[M110 (天体)|M110]]:M31の伴銀河で、局所銀河群に属する楕円銀河{{R|simbad_M110}}。1773年に[[シャルル・メシエ]]が発見した{{R|SEDS_M110}}。メシエのオリジナルのカタログには入れられていなかった天体で、1966年に[[ウェールズ]]の[[アマチュア天文家]]{{仮リンク|ケネス・グリン・ジョーンズ|cy|Kenneth Glyn Jones}}によって[[メシエカタログ]]に加えられた{{R|SEDS_M110}}。 |
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* [[M110 (天体)|M110]]:M31の伴銀河 |
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* [[NGC 7662]]:太陽系から約5,700 光年の距離にある[[惑星状星雲]]{{R|simbad_NGC7662}}。コールドウェルカタログの22番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。[[1784年]]に[[ハノーファー]]生まれの[[イギリス]]の天文学者[[ウィリアム・ハーシェル]]が発見した{{Sfn|Mobberley|2009|pp=56-57}}。英語では「青い雪玉」を意味する Copeland's Blue Snowball{{R|simbad_NGC7662}}や Blue Snowball{{Sfn|Mobberley|2009|pp56-57}} という通称で呼ばれているが、日本語ではなぜか「'''青い雪だるま星雲'''{{R|nng20121018}}」と訳されている。小口径の望遠鏡では灰緑色の楕円形のリングに見える{{Sfn|Mobberley|2009|pp56-57}}。 |
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* [[NGC 752]]:散開星団 |
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* [[NGC 891]]:天の川銀河から約2,900万 光年の距離にある渦巻銀河{{R|simbad_NGC891}}。コールドウェルカタログの23番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。1784年10月6日にウィリアム・ハーシェルが発見した{{R|SEDS_NGC891}}。[[銀河円盤]]をほぼ真横から見た「エッジオン銀河」であるため、銀河中心部の構造を直接見ることは難しいが、[[分子雲]]のダイナミクスによる研究から中心部に棒状構造が存在する可能性が高いとされている{{R|Garcia-Burillo1995}}。 |
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{{clear}} |
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* [[NGC 752]]:太陽系から約1,500 光年の距離にある[[散開星団]]{{R|simbad_NGC752}}。コールドウェルカタログの28番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。[[1654年]]以前に[[シチリア島]]の天文学者[[ジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナ]]が発見した記録が残っているが、彼の発見は1980年代に入るまで知られておらず、[[1783年]][[9月29日]]にウィリアム・ハーシェルの妹[[カロライン・ハーシェル]]が発見したものとされていた{{R|SEDS_NGC752}}。誕生から約11億7000万 年が経過していると考えられている{{R|Spina2021}}。 |
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* Mayall II:天の川銀河から約254万 光年 (0.780 Mpc) の距離にある、M31に属する[[球状星団]]{{R|simbad_Mayall II |
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}}。[[1953年]]に{{仮リンク|ニコラス・メイオール|en|Nicholas U. Mayall}}と[[オリン・エッゲン]]が[[1948年]]に[[パロマー天文台]]で撮影された写真乾板から発見した{{R|Ma2007}}。局所銀河群最大の球状星団{{R|SEDS_M31}}で、天の川銀河最大の球状星団[[オメガ星団]]の2倍の質量があると考えられている{{R|Ma2007}}。 |
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{{Gallery |
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| Andromeda Galaxy (51791412854).jpg | [[局所銀河群]]最大の[[渦巻銀河]][[アンドロメダ銀河]] (M31)。M31の左下に見える銀河は[[M110 (天体)|M110]]、M31の核の右に重なるように見える銀河は[[M32 (天体)|M32]]。 |
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| Caldwell 22.jpg | [[2000年]]に[[ハッブル宇宙望遠鏡]] (HST) の[[広視野惑星カメラ2]] (WFPC2) で撮像された[[惑星状星雲]][[NGC 7662]]。Blue Snowball nebula という通称で知られる。 |
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| NGC891 iotw2023a.jpg | [[2020年]]に[[キットピーク国立天文台]]の4メートル Nicholas U. Mayall 望遠鏡で撮影されたエッジオン銀河[[NGC 891]]。 |
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| NGC 752 PanS.jpg | [[パンスターズ]]で撮影された[[散開星団]][[NGC 752]]。 |
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| Mayall II (HST-Judy Schmidt-JPG).jpg | HSTの[[広視野カメラ3]] (WFC3) の撮像データから合成された、局所銀河群最大の[[球状星団]]{{仮リンク|メイヨールII|en|Mayall II}}。 |
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| Mirach and "Mirach's Ghost" by Giuseppe Donatiello.jpg | β星ミラク(右の輝星)と「ミラクの幽霊 (Mirach's Ghost)」ことNGC 404(中央上部)。 |
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== 流星群 == |
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アンドロメダ座の領域内に[[放射点]]がある流星群のうち、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、{{仮リンク|アンドロメダ座流星群|en|Andromedids}}、アンドロメダ座c流星群 (c Andromedids)、アンドロメダ座49流星群 (49 Andromedids)の3つである{{R|NAOJ_meteor}}。アンドロメダ座流星群は[[11月13日]]頃に極大を迎える流星群で{{R|NAOJ_meteor}}、[[19世紀]]半ばに分裂・消滅した[[周期彗星]][[ビエラ彗星]] (3D/Biela) が[[母天体]]であると考えられている。[[1872年]]と[[1885年]]に1時間に数千個の流星雨を降らせるなど顕著な活動を見せた{{R|Wiegert2013}}が、20世紀以降は活動が衰えており、放射点もアンドロメダ座に隣接する[[さんかく座]]と[[うお座]]に至るまで拡散している{{R|AmericanMeteorSociety20121105}}。アンドロメダ座c流星群は[[2012年]]8月に追加された流星群で、[[7月13日]]頃に極大を迎える{{R|NAOJ_meteor}}。アンドロメダ座49流星群は2015年8月に追加された流星群で、[[7月17日]]頃に極大を迎える{{R|NAOJ_meteor}}。 |
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== 由来と歴史 == |
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[[ファイル:And bode.jpg|thumb|360px|ドイツの天文学者[[ヨハン・ボーデ]]の星図『ウラノグラフィア』に描かれたアンドロメダ座。]] |
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[[紀元前3世紀]]前半の[[マケドニア]]の詩人[[アラトス|アラートス]]の詩篇『ファイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』 |
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や、紀元前3世紀後半の天文学者[[エラトステネス|エラトステネース]]の天文書『[[カタステリスモイ]] ({{Lang-grc-short|Καταστερισμοί}})』では、アンドロメダーは生贄にされたときと同じように両腕を広げて鎖で繋がれた姿で星座となっていると伝えられている{{R|Ito2007|Condos1997}}。 |
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アンドロメダ座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や[[1世紀]]初頭の[[古代ローマ]]の著作家[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス]]の『天文詩 ({{Lang-la-short|De Astronomica}})』では20個、[[帝政ローマ]]期の2世紀頃の[[クラウディオス・プトレマイオス]]の天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース ({{Lang-grc-short|ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας}})』、いわゆる『[[アルマゲスト]]』では23個とされた{{R|Condos1997}}。 |
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[[1922年]]5月に[[ローマ]]で開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は '''Andromeda'''、略称は '''And''' と正式に定められた{{R|IAU_list}}。 |
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=== 中東 === |
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[[紀元前500年]]頃に製作された粘土板文書『{{仮リンク|ムル・アピン|en|MUL.APIN}} (MUL.APIN)』では、アンドロメダ座東部の星が「牡鹿」、18・31・32 が「虹」、βが「抹殺者」の星座とされていたと考えられている{{R|Kondo2021}}。 |
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=== 中国 === |
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ドイツ人宣教師{{仮リンク|イグナーツ・ケーグラー|en|Ignaz Kögler}}(戴進賢)らが編纂し、[[清|清朝]][[乾隆帝]]治世の[[1752年]]に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、アンドロメダ座の星は、[[二十八宿]]の[[玄武|北方玄武]]七宿の第六宿「[[室宿]]」、第七宿「[[壁宿]]」、[[白虎|西方白虎]]七宿の第一宿「[[奎宿]]」、第二宿「[[婁宿]]」に配されていたとされる{{Sfn|伊世同|1981|p=132}}。 |
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室宿では、[[アンドロメダ座3番星|3]]・[[アンドロメダ座7番星|7]]・[[アンドロメダ座8番星|8]]・[[アンドロメダ座ラムダ星|λ]]・ξ・κ・[[アンドロメダ座イオタ星|ι]] の7星が空を飛ぶ蛇身の怪物を表す[[星官]]「[[螣蛇]]」に配された{{Sfn|伊世同|1981|p=132}}{{R|Osaki1987_1}}。壁宿では、α が[[壁]]あるいは宮廷の[[図書館]]を表す星官「壁」に、[[アンドロメダ座シータ星|θ]]・ρ・σ の3星が天の厩舎を表す星官「天厩」に配された{{Sfn|伊世同|1981|p=132}}{{R|Osaki1987_1}}。奎宿では、[[アンドロメダ座イータ星|η]]・[[アンドロメダ座ゼータ星|ζ]]・65・[[アンドロメダ座イプシロン星|ε]]・[[アンドロメダ座デルタ星|δ]]・[[アンドロメダ座パイ星|π]]・[[アンドロメダ座ニュー星|ν]]・[[アンドロメダ座ミュー星|μ]]・β の9星が天の兵器庫を表す星官「奎」に、[[アンドロメダ座ファイ星|φ]] が軍の南門を表す星官「軍南門」に配された{{Sfn|伊世同|1981|p=132}}{{R|Osaki1987_1}}。婁宿では、γ・51・49・χ・υ・[[アンドロメダ座タウ星|τ]]・56 の7星が天の牢獄を表す星官「婁」に配された{{Sfn|伊世同|1981|p=132}}{{R|Osaki1987_1}}。 |
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== 神話 == |
== 神話 == |
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[[ファイル:And bode.jpg|thumb|[[ヨハン・ボーデ|ボーデ]]星図に描かれたアンドロメダ]] |
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{{See also|アンドロメダー}} |
{{See also|アンドロメダー}} |
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[[帝政ローマ]]最初期の詩人[[オウィディウス]]の『[[変身物語]]』や[[アポロドーロス| |
[[帝政ローマ]]最初期の詩人[[オウィディウス]]の『[[変身物語]]』や[[アポロドーロス|伝アポロドーロス]]の『[[ビブリオテーケー]]』では以下の物語が伝えられている{{R|Metamorphoses}}。 |
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[[アンドロメダー]]は、[[エチオピア]]{{efn2| |
[[アンドロメダー]]は、[[エチオピア]]{{efn2|この「エチオピア」が示す地域は、[[地中海]]の南東岸、現在の[[イスラエル]]から[[ヨルダン]]、[[エジプト]]付近全体のことを指すとされる{{R|Ridpath}}。}}の王[[ケーペウス]]と王妃[[カッシオペイア]]の娘である。カッシオペイアが「自分の美貌は海の[[ニュムペー]] [[ネーレーイス]]に優る」と自惚れたことに腹を立てたネーレーイスたちは[[ポセイドーン]]に訴え出た。それを聞き入れた[[ポセイドーン]]は、エチオピアに海の怪物[[ケートス]]を遣わし、災害を引き起こした。困ったケーペウスが神託を立てたところ、「災害を止めるにはアンドロメダーをケートスに生贄として捧げなければならない」とされたため、アンドロメダーは[[ヤッファ|ヨッパ]]の海辺の岩に鎖で縛られ、ケートスに捧げられた{{R|Ridpath}}。そこに、[[ゴルゴーン]]の一人[[メドゥーサ]]を退治して帰る途中の[[ペルセウス]]が通りかかり、事情を聞いた。ペルセウスは、ケートスを倒して彼女を救うことができたら彼女との結婚を認めることをケーペウスに約束させると、ケートスを[[ハルパー]]で切って倒してアンドロメダーを救った{{R|Ridpath}}。こうしてアンドロメダーはペルセウスの妻となることとなったが、婚約者であったケーペウスの弟[[ピーネウス#アンドロメダーの婚約者|ピーネウス]]はペルセウスを除こうと謀を巡らせた。これに気付いたペルセウスは、メドゥーサの首をピーネウスとその共謀者たちに見せて彼らを石に変えて難を逃れた{{R|Takatsu2021|PDL_Apollodorus_2_4_3}}。アンドロメダーはペルセウスとの間にペルセスを始めとして6人の子を設けたとされる{{R|Ridpath|Takatsu2021|PDL_Apollodorus_2_4_5}}。アンドロメダーは、後に[[アテーナー]]{{efn2|古代ローマの伝承では[[ミネルウァ]]。}}により天に上げられた{{R|Condos1997}}。 |
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エラトステネースの『カタステリスモイ』とヒュギーヌスの『天文譜』では、[[紀元前5世紀]]の古代ギリシアの劇作家エウリピデースの戯曲『アンドロメダー』に記された話として、ペルセウスに助けられたアンドロメダーはケーペウスとカッシオペイアの懇願を振り切ってペルセウスと共に[[アルゴス]]へ向かったと伝えている{{R|Condos1997}}。 |
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そこに、[[ゴルゴーン]]の一人[[メドゥーサ]]を退治して帰る途中の[[ペルセウス]]が通りかかり、事情を聞いた。ペルセウスは、ケートスを倒して彼女を救うことができたら彼女との結婚を認めることをケーペウスに約束させると、ケートスを[[ハルパー]]で切って倒してアンドロメダーを救った{{R|Ridpath|eiyuroku}}。 |
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[[19世紀]][[イギリス]]のアッシリア学者[[アーチボルド・セイス]]は、[[バビロニア神話]]の創世叙事詩『[[エヌマ・エリシュ]]』で語られる[[マルドゥク]]による[[ティアマト]]退治の物語が、ペルセウスとアンドロメダの物語の基礎となった、と主張している{{R|Allen2013}}。 |
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以後若干の紆余曲折はあったが、アンドロメダーはペルセウスの妻となり、6人の子を成した。後に[[アテーナー]]により天に上げられ、星座になったとされる{{R|Ridpath}}。 |
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== 呼称と方言 == |
== 呼称と方言 == |
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世界で共通して使用されるラテン語の学名は Andromeda、日本語の学術用語としては「'''アンドロメダ'''」とそれぞれ正式に定められている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。 |
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明治期より「アンドロメダ」という訳名が使われており{{R|Rakushi}}、明治末期以降数度行われた星座の訳名見直しでも他の呼び名が採用されることはなかった{{R|AH191002|1944jutsugo|AH195210}}。これに対して[[京都帝国大学]]系の研究者[[山本一清]]は「日本語で「アンドロメダ」とするよりも「アンドロメ」に止めた方が女性らしい優しみの感じを與へる{{R|Yamamoto1934_1}}」という見解を持っており、1928年に[[東亜天文学会|天文同好会]]の編集により[[誠文堂新光社|新光社]]から刊行された『[[天文年鑑]]』の第2号では、この星座を「アンドロメ」と表記させた{{R|nenkan1929}}。 |
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明治初期の[[1874年]](明治7年)に[[文部省]]より出版された[[関藤成緒]]の天文書『星学捷径』では「'''アンドロメダ'''」という読みと「'''縛セラレタル公主'''」という解説が紹介された{{R|Sekito1874}}。また、[[1879年]](明治12年)に[[ノーマン・ロッキャー]]の著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「'''アンドロメダ'''」と紹介された{{R|Rakushi}}。30年ほど時代を下った明治後期でも「'''アンドロメダ'''」と呼ばれていたことが、[[1908年]](明治41年)4月に創刊された[[日本天文学会]]の会報『天文月報』の第1巻1号に掲載された「四月の天」と題した記事で確認できる{{R|AH190804}}。この訳名は、[[東京天文台]]の編集により[[1925年]](大正14年)に初版が刊行された『[[理科年表]]』にも「'''アンドロメダ'''」として引き継がれ{{R|Rika_1925}}、[[1944年]](昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「'''アンドロメダ'''」が継続して使用されることとされた{{R|1944jutsugo}}。 |
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[[アンドロメダ座デルタ星|δ]]、β、γの3つの星が作る線を、升に盛った穀類の盛り上がった部分を平らにならす「斗掻き」に見立てて「とかきぼし」(斗掻き星)と呼んだことが伝えられている{{R|Kitao2018|Nojiri1986}}。アンドロメダ座は、その領域の多くが[[二十八宿]]の1つ「[[奎宿]]」の領域に含まれており、[[江戸時代]]には奎宿に「トカキボシ」と訓があてられることもあった{{R|Nojiri1986}}。また[[新潟県]][[三条市]]には、[[玄米]]から[[糠]]を落として[[白米]]にする作業に使う「米搗き」に見立てた「こめつきぼし」(米搗き星)という呼び名が伝えられている{{R|Kitao2018|Nojiri1986}}。 |
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{{seealso|[[星・星座に関する方言#アンドロメダ座|アンドロメダ座の方言]]}} |
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これに対して、[[東亜天文学会|天文同好会]]{{efn2|現在の[[東亜天文学会]]。}}の[[山本一清]]らは異なる読みを充てていた。天文同好会の編集により[[1928年]](昭和3年)4月に刊行された『[[天文年鑑]]』第1号では、星座名 Andromeda に対して「'''アンドロメダ'''」の読みを充てた{{R|nenkan1928}}。しかし、翌1929年(昭和4年)刊行の第2号ではこれを「'''アンドロメ'''」と改め{{R|nenkan1929}}、以降の号でもこの表記を継続して用いた{{R|nenkan1937}}。これについて山本は東亜天文学会の会誌『[[天界 (雑誌)|天界]]』1934年4月号の「天文用語に關する私見と主張 (2)」という記事の中で以下のような見解を開陳していた{{R|Yamamoto1934}}。{{Quotation|例へば,筆者は今まで時々 Andromeda 星座の俗名として『アンドロメ』を用ゐたことがある.之れを見て嘲ふ人も世の中にはあるやうであるが,筆者は決して徒らに語を弄んでゐるのではない.元々,筆者が此の俗語を用ゐ始めたのは,かつて大庭濱子女史の歌の中に「あんどろ{{Ruby|女|め}}女」とあるのから暗示を與へられ,多少のユーモアを含んで之れを用ゐてゐるのであつて,『アンドロメは不可である,是非アンドロメダとしなければならない』などと主張する人々は,アンドロメダといふのが,<u>日本語</u>といふよりも,むしろ,<u>ラテン語の發音</u>を正しく冩すことにのみ腐心してゐられる點を反省して貰へば好いのである.尚ほ,ラテン語の<u>發音</u>を<u>より正しく</u>冩すのならば,アンドロメダよりも寧ろアンドロメーダとする方が好いのだ.<br /> |
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因みに,Andromeda は女性の人名だが,之れを日本語で「アンドロメダ」とするよりも「アンドロメ」に止めた方が女性らしい優しみの感じをを與へる點に於いて,詩人大庭夫人の直覺はすぐれたものだと思ふ.西洋人は,しかし,語尾の -a によつて女性の聯想を呼び起す.|山本一清|「天文用語に關する私見と主張 (2)」『[[天界 (雑誌)|天界]]』1934年4月号{{R|Yamamoto1934}}{{efn2|文中の下線も山本の記述に従う。}}}} |
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この山本の主張は受け容れられず、戦後も継続して「アンドロメダ」が使われ続けた{{R|Rika_1949}}。[[1952年]](昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=316}}とした際も Andromeda の日本語名は'''アンドロメダ'''が維持され{{R|AH195210}}、以降も継続して '''アンドロメダ''' が用いられている。 |
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現代の中国では、'''仙女座'''{{Sfn|伊世同|1981|p=131}}{{R|Osaki1987_2}}と呼ばれている。 |
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=== 方言 === |
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{{See also | [[星・星座に関する方言#アンドロメダ座|アンドロメダ座の方言]]}} |
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[[アンドロメダ座デルタ星|δ]]、β、γの3つの星が作る線を、升に盛った穀類の盛り上がった部分を平らにならす「斗掻き」に見立てて「とかきぼし」(斗掻き星)と呼んだことが伝えられている{{R|Kitao2018|Nojiri1986|Nojiri2018}}。アンドロメダ座は、その領域の多くが[[二十八宿]]の1つ「[[奎宿]]」の領域に含まれており、[[江戸時代]]には奎宿に「トカキボシ」と訓があてられることもあった{{R|Nojiri1986}}。また[[新潟県]][[三条市]]には、[[玄米]]から[[糠]]を落として[[白米]]にする作業に使う「米搗き」に見立てた「こめつきぼし」(米搗き星)という呼び名が伝えられている{{R|Kitao2018|Nojiri1986|Nojiri2018}}。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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| title=Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus |
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== 参考文献 == |
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2024年11月3日 (日) 22:20時点における最新版
Andromeda | |
---|---|
属格形 | Andromedae |
略符 | And |
発音 | IPA: [ænˈdrɒmɨdə]、属格 /ænˈdrɒmɨdiː/ |
象徴 | アンドロメダー[1] |
概略位置:赤経 | 22h 57m 51.7s - 02h 39m 32.5s[2] |
概略位置:赤緯 | +53.19° - +21.68°[2] |
20時正中 | 11月下旬[3] |
広さ | 722.278平方度[4] (19位) |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 65 |
3.0等より明るい恒星数 | 3 |
最輝星 | β And(2.05等) |
メシエ天体数 | 3 |
確定流星群 |
アンドロメダ座流星群 アンドロメダ座c流星群 アンドロメダ座49流星群[5] |
隣接する星座 |
ペガスス座 カシオペヤ座 とかげ座 ペルセウス座 うお座 さんかく座 |
主な天体
[編集]恒星
[編集]α星、β星、γ星の3つの2等星がある[7][8][9]。α星のアルフェラッツは「ペガススの大四辺形」を構成する星の1つで、四辺形の中で北東の角を成している[10]。また、ペルセウス座α星からアンドロメダ座のγ星・β星・α星・ペガスス座β星と繋いだ曲線は、「秋の大曲線」と呼ばれることもある[11]。
2023年10月現在、国際天文学連合 (IAU) によって9個の恒星に固有名が認証されている[12]。
- α星:見かけの明るさ2.06 等のA星と11.11 等のB星の二重星[7]。かつてはペガスス座の一部と見なされ、ペガスス座δ星 (δ Peg) とされたこともあった[7]。主星のA星から93″(秒)離れて見える11等星のB星は見かけの二重星だが、A星自体が2.22 等のAa星と4.21 等のAb星からなる分光連星であり、約96.7 日の周期で互いに公転している[13]。2014年の研究では、Aa星の質量は3.84±0.29 M☉(太陽質量)、Ab星の質量は1.63±0.26 M☉であるとされた[14]。Aa星は回転変光星の分類の1つ「りょうけん座α2型変光星 (ACV)」の可能性があると考えられており、約0.96 日の周期で0.04 等の振幅で変光していると見られている[15]。Aa星には、アラビア語で「馬」を意味する言葉に由来する[16]「アルフェラッツ[17] (Alpheratz[12])」という固有名がIAUによって認証されている他、アラビア語で「(馬の)へそ」を意味する言葉に由来する「シラー[18](Sirrah[16])」という名称も知られていた。
- β星:見かけの明るさ2.05 等、スペクトル型 M0+IIIa の赤色巨星で、2等星[8]。アラビア語で「腰布」を意味する言葉に由来する「ミラク[17](Mirach[12])」という固有名が認証されている。この星に非常に近い位置にあるライナー (LINER, low-ionization nuclear emission line region) 型の活動銀河NGC 404は、ミラクの眩しさに隠されてしまうため「ミラクの幽霊[19](Ghost of Mirach[20], Mirach's Ghost[21])」と呼ばれている。
- γ星:見かけの明るさ2.10 等、スペクトル型 K2+IIb の輝巨星で2等星のA星[9]と高温の主系列星2つが連星を成しているB星とC星[22]が見かけの二重星となっており、小望遠鏡で観測すると、オレンジ色のA星と青色のB星の色のコントラストが非常に美しいことで知られる[23]。B・Cの連星系は、約63.7年の周期で互いを公転しているだけでなく、B星自体が分光連星を成しており、未発見の伴星と約2.67 日の周期で互いに公転していると考えられている[23][24]。A星には、アラビア語で「カラカル」を意味する言葉に由来する「アルマク[17](Almach[12])」という固有名が認証されている。
- ξ星:太陽系から約223 光年の距離にある、見かけの明るさ4.868 等、スペクトル型 K0-IIIb の赤色巨星で、6等星[25]。アラビア語で「(ローブなどの)すそ」を意味する言葉に由来する「アディル[17](Adhil[12])」という固有名が認証されている。
- υ星:太陽系から約44 光年の距離にある、見かけの明るさ4.10 等、スペクトル型 F9V のF型主系列星で、4等星[26]。4つの太陽系外惑星が存在すると考えられている[27]。2015年に開催されたIAUの太陽系外惑星命名キャンペーン「NameExoWorlds」で、モロッコの都市テトゥアンの旧市街地でユネスコの世界遺産に登録された Medina of Tétouan(旧称 Titawin)にちなんだ「ティタウィン[17](Titawin[12])」という固有名が認証された[28]。
- 14番星:太陽系から約248 光年の距離にある、見かけの明るさ5.22 等、スペクトル型 G8III の黄色巨星で、5等星[29]。2015年に開催されたIAUの太陽系外惑星命名キャンペーン「NameExoWorlds」で、カナダの天文愛好家団体からの提案により、ラテン語で「真実があるところ」という意味の vēritāte にちなんだ「ヴェリタテ[17] (Veritate)」という固有名が認証された[28]。
- 51番星:太陽系から約176 光年の距離にある、見かけの明るさ3.57 等、スペクトル型 K3-IIICN0.5 の赤色巨星で、4等星[30]。「ネンブス[17] (Nembus[12])」という固有名が認証されている。ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』でペルセウス座のυとされたため、ペルセウス座υ星 (υ Peg[30]) とされたこともある。
- HD 16175:太陽系から約196 光年の距離にある、見かけの明るさ7.28 等、スペクトル型 G2 の7等星[31]。2019年に開催されたIAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でエチオピアに命名権が与えられ、主星は Buna、太陽系外惑星は Abol と命名された[32]。
- HAT-P-6:太陽系から約895 光年の距離にある、見かけの明るさ10.47 等、スペクトル型 F8V のF型主系列星で、10等星[33]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でオランダに命名権が与えられ、主星は Sterrennacht、太陽系外惑星は Nachtwacht と命名された[32]。
このほか、以下の恒星が知られている。
- κ星:太陽系から約163 光年の距離にある、見かけの明るさ4.14 等、スペクトル型 B9IVn の準巨星で、4等星[34]。2012年11月、すばる望遠鏡での直接撮像によってガス惑星あるいは褐色矮星と考えられる天体が発見された[35]。
- Z星:太陽系から約6,700 光年の距離にある、スペクトル型M2IIIの赤色巨星とB1eq[注 1]の白色矮星からなる連星系[36]で、8等星[37]。「共生星 (Symbiotic star)」と呼ばれる高温星と晩期型スペクトルを持つ恒星の連星系と高温星の輻射によって励起され広がったエンベロープからなる天体に分類されている。変光星としては、激変星の分類の1つ「アンドロメダ座Z型変光星」のプロトタイプとされる。1901年にハーバード大学天文台のウィリアミーナ・フレミングが写真乾板上に同年のペルセウス座の新星や1888年のへびつかい座の新星に似た奇妙なスペクトルを持つ星があることを発見した。この発見はしばらく忘れられていたが、1932年にポール・メリルとミルトン・フメーソンがこの星と同様の特徴を持つ赤色巨星を複数再発見した際にその特異性に着目され、1941年にメリルが共生星という新たな分類を提唱した際にはこの分類を代表する星とされた[38]。
- ロス248:太陽系から約9.99 光年の距離にある、スペクトル型 M5.0V の赤色矮星[39]。約3万7千年後には太陽系から約2.99 光年まで近付くと考えられている[40]。
- WASP-1:太陽系から約1,250 光年の距離にある、見かけの明るさ11.31 等、スペクトル型 F7V のF型主系列星で、11等星[41]。木星よりわずかに軽いホット・ジュピター「WASP-1b」が主星から0.04 天文単位 (au) の公転軌道を約2.52 日の周期で公転している[42]。WASP-1bは、トランジット法による太陽系外惑星探索プロジェクト「スーパーWASP (SuperWASP)」による最初の太陽系外惑星検出事例として、2006年9月26日にWASP-2bとともに公表された[43][44]。
- SN 1885A:1885年にアンドロメダ銀河内で発見された突発天体で、Ia型超新星と見られている[45]。天の川銀河の外で発生した超新星として史上初めて発見されたもので、かつアンドロメダ銀河内に発見された唯一の超新星である[46]。
星団・星雲・銀河
[編集]有名なアンドロメダ銀河を始め、メシエ天体に数えられる銀河が3つ位置している[47]。また、3つの天体がパトリック・ムーアがアマチュア天文家の観測対象に相応しい星団・星雲・銀河を選んだ「コールドウェルカタログ」に選ばれている[48]。
- M31:アンドロメダ銀河の通称で知られる渦巻銀河で、天の川銀河が属する銀河群である局所銀河群で最大の銀河[49]。見かけの明るさは3.44 等[50]と肉眼で見えるほど明るく、アブド・アッ=ラフマン・アッ=スーフィー (Abd-al-Rahman Al Sufi) の『星座の書』によると、905年あるいはそれ以前からイスファハンのペルシア人天文学者には知られていたとされる[49]。天の川銀河との距離は算出手法によって約238万 光年(731 キロパーセク (kpc))[51]から約267万 光年 (0.82 Mpc)[52]と大きな差が残るものの、およそ250万 光年前後の距離にあると考えられており、肉眼で見ることのできる天体の中で最も遠いものの1つとされる[49][注 2]。天球上では、アンドロメダ座β星からμ星へと結んだ線分をμ星方向にほぼ等距離伸ばした位置に見ることができる[54]。100 キロメートル毎秒の速度で天の川銀河に接近しており[49]、40億-50億年後に天の川銀河と衝突した後に合体して1つの巨大な楕円銀河を形成すると予想されている[55]。この将来生じるとされる巨大楕円銀河には「ミルコメダ[56](英: Milkomeda)」という仮称で呼ばれている[55]。2020年の研究では、43億年後に最初の接近遭遇が生じて、それから10億年以上かけて1つの銀河となると予測している[57]。
- M32:M31の伴銀河で、局所銀河群に属する楕円銀河[58]。1749年にフランスの天文学者ギョーム・ル・ジャンティ (Guillaume-Joseph-Hyacinthe-Jean-Baptiste Le Gentil de la Galaziere) が発見した[59]。M31の渦状腕の外側と重なって見えるが、M32のほうが手前側にあるとされる[59]。かつては現在より大きな銀河だったが、過去にM31に接近遭遇したことによって星や星団がM31に剥ぎ取られてしまったと考えられている[59]。年老いた種族IIの星が多く、新たな星を形成するダストレーンやガス雲、中性水素などの構造も、散開星団のような若い星の集団もないことから、M32では新たな星形成は起きてないとされる[59]。
- M110:M31の伴銀河で、局所銀河群に属する楕円銀河[60]。1773年にシャルル・メシエが発見した[61]。メシエのオリジナルのカタログには入れられていなかった天体で、1966年にウェールズのアマチュア天文家ケネス・グリン・ジョーンズによってメシエカタログに加えられた[61]。
- NGC 7662:太陽系から約5,700 光年の距離にある惑星状星雲[62]。コールドウェルカタログの22番に選ばれている[48]。1784年にハノーファー生まれのイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが発見した[63]。英語では「青い雪玉」を意味する Copeland's Blue Snowball[62]や Blue Snowball[64] という通称で呼ばれているが、日本語ではなぜか「青い雪だるま星雲[65]」と訳されている。小口径の望遠鏡では灰緑色の楕円形のリングに見える[64]。
- NGC 891:天の川銀河から約2,900万 光年の距離にある渦巻銀河[66]。コールドウェルカタログの23番に選ばれている[48]。1784年10月6日にウィリアム・ハーシェルが発見した[67]。銀河円盤をほぼ真横から見た「エッジオン銀河」であるため、銀河中心部の構造を直接見ることは難しいが、分子雲のダイナミクスによる研究から中心部に棒状構造が存在する可能性が高いとされている[68]。
- NGC 752:太陽系から約1,500 光年の距離にある散開星団[69]。コールドウェルカタログの28番に選ばれている[48]。1654年以前にシチリア島の天文学者ジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナが発見した記録が残っているが、彼の発見は1980年代に入るまで知られておらず、1783年9月29日にウィリアム・ハーシェルの妹カロライン・ハーシェルが発見したものとされていた[70]。誕生から約11億7000万 年が経過していると考えられている[71]。
- Mayall II:天の川銀河から約254万 光年 (0.780 Mpc) の距離にある、M31に属する球状星団[72]。1953年にニコラス・メイオールとオリン・エッゲンが1948年にパロマー天文台で撮影された写真乾板から発見した[73]。局所銀河群最大の球状星団[49]で、天の川銀河最大の球状星団オメガ星団の2倍の質量があると考えられている[73]。
-
β星ミラク(右の輝星)と「ミラクの幽霊 (Mirach's Ghost)」ことNGC 404(中央上部)。
流星群
[編集]アンドロメダ座の領域内に放射点がある流星群のうち、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、アンドロメダ座流星群、アンドロメダ座c流星群 (c Andromedids)、アンドロメダ座49流星群 (49 Andromedids)の3つである[5]。アンドロメダ座流星群は11月13日頃に極大を迎える流星群で[5]、19世紀半ばに分裂・消滅した周期彗星ビエラ彗星 (3D/Biela) が母天体であると考えられている。1872年と1885年に1時間に数千個の流星雨を降らせるなど顕著な活動を見せた[74]が、20世紀以降は活動が衰えており、放射点もアンドロメダ座に隣接するさんかく座とうお座に至るまで拡散している[75]。アンドロメダ座c流星群は2012年8月に追加された流星群で、7月13日頃に極大を迎える[5]。アンドロメダ座49流星群は2015年8月に追加された流星群で、7月17日頃に極大を迎える[5]。
由来と歴史
[編集]紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスの詩篇『ファイノメナ (古希: Φαινόμενα)』 や、紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースの天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμοί)』では、アンドロメダーは生贄にされたときと同じように両腕を広げて鎖で繋がれた姿で星座となっていると伝えられている[76][77]。
アンドロメダ座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (羅: De Astronomica)』では20個、帝政ローマ期の2世紀頃のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』では23個とされた[77]。
1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Andromeda、略称は And と正式に定められた[78]。
中東
[編集]紀元前500年頃に製作された粘土板文書『ムル・アピン (MUL.APIN)』では、アンドロメダ座東部の星が「牡鹿」、18・31・32 が「虹」、βが「抹殺者」の星座とされていたと考えられている[79]。
中国
[編集]ドイツ人宣教師イグナーツ・ケーグラー(戴進賢)らが編纂し、清朝乾隆帝治世の1752年に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、アンドロメダ座の星は、二十八宿の北方玄武七宿の第六宿「室宿」、第七宿「壁宿」、西方白虎七宿の第一宿「奎宿」、第二宿「婁宿」に配されていたとされる[80]。
室宿では、3・7・8・λ・ξ・κ・ι の7星が空を飛ぶ蛇身の怪物を表す星官「螣蛇」に配された[80][81]。壁宿では、α が壁あるいは宮廷の図書館を表す星官「壁」に、θ・ρ・σ の3星が天の厩舎を表す星官「天厩」に配された[80][81]。奎宿では、η・ζ・65・ε・δ・π・ν・μ・β の9星が天の兵器庫を表す星官「奎」に、φ が軍の南門を表す星官「軍南門」に配された[80][81]。婁宿では、γ・51・49・χ・υ・τ・56 の7星が天の牢獄を表す星官「婁」に配された[80][81]。
神話
[編集]帝政ローマ最初期の詩人オウィディウスの『変身物語』や伝アポロドーロスの『ビブリオテーケー』では以下の物語が伝えられている[82]。
アンドロメダーは、エチオピア[注 3]の王ケーペウスと王妃カッシオペイアの娘である。カッシオペイアが「自分の美貌は海のニュムペー ネーレーイスに優る」と自惚れたことに腹を立てたネーレーイスたちはポセイドーンに訴え出た。それを聞き入れたポセイドーンは、エチオピアに海の怪物ケートスを遣わし、災害を引き起こした。困ったケーペウスが神託を立てたところ、「災害を止めるにはアンドロメダーをケートスに生贄として捧げなければならない」とされたため、アンドロメダーはヨッパの海辺の岩に鎖で縛られ、ケートスに捧げられた[6]。そこに、ゴルゴーンの一人メドゥーサを退治して帰る途中のペルセウスが通りかかり、事情を聞いた。ペルセウスは、ケートスを倒して彼女を救うことができたら彼女との結婚を認めることをケーペウスに約束させると、ケートスをハルパーで切って倒してアンドロメダーを救った[6]。こうしてアンドロメダーはペルセウスの妻となることとなったが、婚約者であったケーペウスの弟ピーネウスはペルセウスを除こうと謀を巡らせた。これに気付いたペルセウスは、メドゥーサの首をピーネウスとその共謀者たちに見せて彼らを石に変えて難を逃れた[83][84]。アンドロメダーはペルセウスとの間にペルセスを始めとして6人の子を設けたとされる[6][83][85]。アンドロメダーは、後にアテーナー[注 4]により天に上げられた[77]。
エラトステネースの『カタステリスモイ』とヒュギーヌスの『天文譜』では、紀元前5世紀の古代ギリシアの劇作家エウリピデースの戯曲『アンドロメダー』に記された話として、ペルセウスに助けられたアンドロメダーはケーペウスとカッシオペイアの懇願を振り切ってペルセウスと共にアルゴスへ向かったと伝えている[77]。
19世紀イギリスのアッシリア学者アーチボルド・セイスは、バビロニア神話の創世叙事詩『エヌマ・エリシュ』で語られるマルドゥクによるティアマト退治の物語が、ペルセウスとアンドロメダの物語の基礎となった、と主張している[86]。
呼称と方言
[編集]世界で共通して使用されるラテン語の学名は Andromeda、日本語の学術用語としては「アンドロメダ」とそれぞれ正式に定められている[87]。
明治初期の1874年(明治7年)に文部省より出版された関藤成緒の天文書『星学捷径』では「アンドロメダ」という読みと「縛セラレタル公主」という解説が紹介された[88]。また、1879年(明治12年)にノーマン・ロッキャーの著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「アンドロメダ」と紹介された[89]。30年ほど時代を下った明治後期でも「アンドロメダ」と呼ばれていたことが、1908年(明治41年)4月に創刊された日本天文学会の会報『天文月報』の第1巻1号に掲載された「四月の天」と題した記事で確認できる[90]。この訳名は、東京天文台の編集により1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも「アンドロメダ」として引き継がれ[91]、1944年(昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「アンドロメダ」が継続して使用されることとされた[92]。
これに対して、天文同好会[注 5]の山本一清らは異なる読みを充てていた。天文同好会の編集により1928年(昭和3年)4月に刊行された『天文年鑑』第1号では、星座名 Andromeda に対して「アンドロメダ」の読みを充てた[93]。しかし、翌1929年(昭和4年)刊行の第2号ではこれを「アンドロメ」と改め[94]、以降の号でもこの表記を継続して用いた[95]。これについて山本は東亜天文学会の会誌『天界』1934年4月号の「天文用語に關する私見と主張 (2)」という記事の中で以下のような見解を開陳していた[96]。
例へば,筆者は今まで時々 Andromeda 星座の俗名として『アンドロメ』を用ゐたことがある.之れを見て嘲ふ人も世の中にはあるやうであるが,筆者は決して徒らに語を弄んでゐるのではない.元々,筆者が此の俗語を用ゐ始めたのは,かつて大庭濱子女史の歌の中に「あんどろ女 女」とあるのから暗示を與へられ,多少のユーモアを含んで之れを用ゐてゐるのであつて,『アンドロメは不可である,是非アンドロメダとしなければならない』などと主張する人々は,アンドロメダといふのが,日本語といふよりも,むしろ,ラテン語の發音を正しく冩すことにのみ腐心してゐられる點を反省して貰へば好いのである.尚ほ,ラテン語の發音をより正しく冩すのならば,アンドロメダよりも寧ろアンドロメーダとする方が好いのだ.
因みに,Andromeda は女性の人名だが,之れを日本語で「アンドロメダ」とするよりも「アンドロメ」に止めた方が女性らしい優しみの感じをを與へる點に於いて,詩人大庭夫人の直覺はすぐれたものだと思ふ.西洋人は,しかし,語尾の -a によつて女性の聯想を呼び起す. — 山本一清、「天文用語に關する私見と主張 (2)」『天界』1934年4月号[96][注 6]
この山本の主張は受け容れられず、戦後も継続して「アンドロメダ」が使われ続けた[97]。1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[98]とした際も Andromeda の日本語名はアンドロメダが維持され[99]、以降も継続して アンドロメダ が用いられている。
方言
[編集]δ、β、γの3つの星が作る線を、升に盛った穀類の盛り上がった部分を平らにならす「斗掻き」に見立てて「とかきぼし」(斗掻き星)と呼んだことが伝えられている[102][103][104]。アンドロメダ座は、その領域の多くが二十八宿の1つ「奎宿」の領域に含まれており、江戸時代には奎宿に「トカキボシ」と訓があてられることもあった[103]。また新潟県三条市には、玄米から糠を落として白米にする作業に使う「米搗き」に見立てた「こめつきぼし」(米搗き星)という呼び名が伝えられている[102][103][104]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 末尾のeqは「P Cygプロファイル」と呼ばれる高温の天体のスペクトルに見られる特徴が連続スペクトル中に確認されることを示す。
- ^ 「肉眼で見える最遠天体」には異論がある。たとえば、同じ局所銀河群に属するさんかく座銀河 (M33) も肉眼で見える銀河であり、どちらか遠くに位置しているかは定かではない。また、約1200万 光年とこれらの銀河よりもはるか遠くに位置するおおぐま座のボーデの銀河 (M81) も、恵まれた観測条件であれば肉眼で見ることができるとする報告もある[53]。
- ^ この「エチオピア」が示す地域は、地中海の南東岸、現在のイスラエルからヨルダン、エジプト付近全体のことを指すとされる[6]。
- ^ 古代ローマの伝承ではミネルウァ。
- ^ 現在の東亜天文学会。
- ^ 文中の下線も山本の記述に従う。
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参考文献
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- 伊世同 (1981-04) (中国語). 中西对照恒星图表 : 1950.0. 北京: 科学出版社. NCID BA77343284
- 文部省 編『学術用語集:天文学編(増訂版)』(第1刷)日本学術振興会、1994年11月15日。ISBN 4-8181-9404-2。