畝本直美
畝本 直美(うねもと なおみ、1962年7月9日 - )は、日本の検察官、法務官僚。女性初の検事長として広島高等検察庁検事長に就任したのち[1]、女性初の東京高等検察庁検事長、女性初の検事総長に就任した。
来歴・人物
[編集]千葉県千葉市出身[2]。1981年千葉県立千葉高等学校卒業、1985年中央大学法学部卒業、1988年東京地方検察庁検事任官[3]。1989年名古屋地方検察庁豊橋支部検事[2]。1991年名古屋地方検察庁検事。1993年浦和地方検察庁検事。1995年東京地方検察庁検事。1996年東京地方検察庁検事兼法務省民事局付兼法務省人権擁護局付。1999年東京地方検察庁検事兼法務省刑事局付兼法務省人権擁護局付。2000年横浜地方検察庁検事。2001年最高裁判所司法研修所教官、東京地方検察庁検事[4]。2004年東京地方検察庁検事兼法務省大臣官房秘書課付、法務大臣秘書官事務取扱[5]。2005年東京地方検察庁検事。2006年東京地方検察庁検事兼法務省大臣官房司法法制部参事官兼法務省大臣官房付[6][7]。2007年辞職、日本司法支援センター本部事務局次長兼法務省法教育推進協議会委員。2009年東京高等検察庁検事兼法務省人権擁護局総務課長兼法務総合研究所教官[8]。2012年法務省刑事局公安課長[9]。同年東京地方検察庁総務部長[10]。2014年東京地方検察庁立川支部長[7]。
2015年には高知地方検察庁トップの検事正に女性として初めて就任。全国の検事正としても史上10人目の女性検事正となった[7]。2016年から最高検察庁検事[11]、法務省保護局長を務め[3]、2018年には東宮御所で皇太子徳仁親王及び皇太子徳仁親王妃雅子に、更生保護の進講を行った[12][13]。
2019年最高検察庁監察指導部長[14]。同年最高検察庁総務部長[15]、下級裁判所裁判官指名諮問委員会委員。2020年1月司法試験委員会委員[16]。5月最高検察庁総務部長兼公判部長[17]。7月最高検察庁公判部長。
2021年6月、広島高等検察庁検事長就任。女性初の検事長となった[18][19][20][1]。
2023年1月10日付で女性初となる東京高等検察庁検事長に就任[21]。高検検事長として、自民党派閥の裏金事件や洋上風力発電事業をめぐる汚職事件の捜査を指揮した[22][23]。
2024年7月、就任から2年が経過したため、慣例により[24]、退任した検事総長・甲斐行夫の後任として[25]、戦後33代目にして女性初となる検事総長に就任した[23][26][27][28]。
2024年10月8日、袴田事件の再審において控訴を断念することとした談話を発表[29]。再審無罪が確定した袴田巌に対して「袴田さんが犯人だと言っているに等しい表現が多々ある。名誉毀損に該当する恐れもある」として、同弁護団(小川秀世事務局長)から非難された。同弁護団からは、談話の撤回、袴田への直接謝罪、自白を強要する取り調べや証拠の捏造など冤罪を作った原因を明らかにし、二度と繰り返さないため捜査、公判手続き全般の厳正で真摯な検証を求める旨を、抗議・要請書において要請されている[30]。
発言
[編集]- 2016年
- (法務省政府参考人として地域生活定着支援センターについて)「平成21年度(2009年度)から、特別調整という枠組みで、高齢者、障害者のうち、特に適当な住居がない方々につきまして、センターの方が障害者入所施設あるいは介護保険施設等の受け入れ先の確保等を行って」いる。[31]
- 2018年
- (法務省政府参考人として)「平成27年度(2015年度)から、刑務所出所者等を雇用して指導に当たる雇用主に対して年間最大72万円を支給する刑務所出所者等就労支援金支給制度を導入して、これを効果的に活用しながら、出所者等の雇用の拡大あるいは職場定着を図っている」。[32]
家族
[編集]脚注
[編集]- ^ a b “全国初の女性検事長が就任「男女が能力生かせる職場に」”. 朝日新聞DIGITAL. (2021年8月3日) 2021年8月3日閲覧。
- ^ a b 「週報」- 高知ロータリークラブ
- ^ a b 法務省矯正局長に富山氏日本経済新聞2016/6/14 11:57
- ^ 官報平成13年本紙第3091号 9頁
- ^ 官報平成17年本紙第4229号 10頁
- ^ 官報平成18年本紙第4381号 10頁
- ^ a b c 「高知地検に初の女性検事正」NHKニュース2015年(平成27年)1月27日[火曜日]
- ^ 法教育推進協議会 第19回会議 議事録法務省
- ^ 「人事、法務省 2012/1/17付」日本経済新聞
- ^ 「人事、法務省 (2012/12/21 5:00)」日本経済新聞
- ^ 官報平成28年本紙第6801号 9頁
- ^ 2018.2.3 06:00更新【皇室ウイークリー】(524)両陛下、明治150年講義お受けに 皆既月食を御所の来客とご観察産経ニュース
- ^ 「【譲位まで1年】皇太子さま、「新天皇像」深化の1年 「水問題」も取り組み、ご進講テーマ広く2018.4.30 08:00」産経ニュース
- ^ 人事 法務省会員限定有料記事 毎日新聞2019年1月9日 東京朝刊
- ^ “人事、法務省”. 日本経済新聞 (2019年7月16日). 2019年7月17日閲覧。
- ^ 官報令和2年本紙第165号 11頁
- ^ “法曹界人事 ― 日本法総合オンラインサービス[ウエストロー・ジャパン]”. 2020年5月31日閲覧。
- ^ 首相官邸「定例閣議案件」。令和3年6月25日。
- ^ 関西 NEWS WEB 大阪高等検察庁 新検事長に曽木徹也氏起用へNHK2021年06月25日 10時08分
- ^ 畝本直美氏が初の女性検事長に就任 東京高検検事長は甲斐氏毎日新聞 2021/6/25 18:32
- ^ 女性初の検察ナンバー2毎日新聞 2022/12/23 13:53
- ^ “検事総長に畝本直美氏起用 33代で初の女性 主要ポストを経ず就任の背景に「本命の失脚」 - スポニチ Sponichi Annex 社会”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年6月29日閲覧。
- ^ a b “検事総長に畝本直美氏が就任へ 法曹界で「女性トップ」次々誕生:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年6月28日). 2024年6月29日閲覧。
- ^ 47NEWS (2023年1月30日). “検察トップの検事総長、「次」は初の女性就任が有力に 1月の幹部人事から読み取れた、安倍政権下の「黒川騒動」の影響 | 47NEWS”. 47NEWS. 2024年6月29日閲覧。
- ^ 首相官邸「定例閣議案件」。令和6年6月28日。
- ^ “政府 検事総長に東京高検の畝本直美検事長 女性初の起用へ”. NHKインターネットサービス/NHK (2024年6月28日). 2024年6月30日閲覧。
- ^ “本学卒業生の畝本直美氏が女性初の検事総長に就任(7月9日付)”. 中央大学 (2024年6月28日). 2024年6月30日閲覧。
- ^ “最高検察庁幹部一覧”. 最高検察庁. 2024年7月9日閲覧。
- ^ “検事総長談話” (2024年10月8日). 2024年11月17日閲覧。
- ^ “袴田さん無罪…なのに検事総長コメントは「犯人に等しい表現」 弁護団が撤回を要求「反省の弁がない」:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年11月9日閲覧。
- ^ [1]。平成28年11月16日。
- ^ 第196回国会法務委員会議事録、平成30年4月13日
- ^ スクープ! 女性初の検事総長「畝本直美」誕生へFACTA2021年9月号 DEEP
- ^ (ひと)畝本直美さん 全国初の女性検事長として広島高検に着任した朝日新聞デジタル2021年9月8日 5時00分
外部リンク
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