出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第63回菊花賞(だい63かいきっかしょう)は、2002年10月20日に京都競馬場で施行された競馬競走である。10番人気のヒシミラクルが優勝した。
同年の牡馬クラシック戦線は混戦状態だったが、そこから一歩抜け出したのはノーリーズンだった。ノーリーズンはトライアルの神戸新聞杯で東京優駿2着のシンボリクリスエスに敗れたものの、シンボリクリスエスは菊花賞ではなく天皇賞(秋)に回った為、骨折からの復活が期待され1番人気に支持された。
他には、ラジオたんぱ杯2歳ステークス3着後、骨折で長期休養を強いられ、休み明けのセントライト記念で2着に入ったアドマイヤマックス、東京優駿・神戸新聞杯4着のメガスターダム、宝塚記念3着のローエングリン、前年の2歳王者で札幌記念4着のアドマイヤドン、セントライト記念の勝ち馬バランスオブゲームなどが有力馬に挙げられた。
- 第50回神戸新聞杯
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
シンボリクリスエス |
牡3 |
岡部幸雄 |
1.59.1 |
|
2 |
ノーリーズン |
牡3 |
武豊 |
1.59.5 |
2馬身1/2
|
3 |
ナムラサンクス |
牡3 |
橋本美純 |
1.59.8 |
2馬身
|
- 第56回セントライト記念
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
バランスオブゲーム |
牡3 |
田中勝春 |
2.12.9 |
|
2 |
アドマイヤマックス |
牡3 |
後藤浩輝 |
2.13.1 |
1馬身1/2
|
3 |
マイネルアムンゼン |
牡3 |
嘉藤貴行 |
2.13.2 |
1/2馬身
|
ダービー馬のタニノギムレットが故障で回避、シンボリクリスエスが天皇賞(秋)へ路線変更等、有力馬の回避があった。
着順 |
枠番 |
馬番 |
競走馬名 |
タイム |
着差
|
1 |
1 |
2 |
ヒシミラクル |
3.05.9 |
|
2 |
4 |
7 |
ファストタテヤマ |
3.05.9 |
ハナ
|
3 |
7 |
14 |
メガスターダム |
3.06.0 |
1/2馬身
|
4 |
2 |
3 |
アドマイヤドン |
3.06.4 |
2馬身1/2
|
5 |
8 |
16 |
バランスオブゲーム |
3.06.5 |
クビ
|
6 |
5 |
9 |
レニングラード |
3.06.6 |
3/4馬身
|
7 |
7 |
13 |
バンブーユベントス |
3.06.7 |
3/4馬身
|
8 |
4 |
8 |
ダンツシェイク |
3.07.0 |
1馬身3/4
|
9 |
5 |
10 |
ヤマノブリザード |
3.07.2 |
1馬身1/4
|
10 |
1 |
1 |
ナムラサンクス |
3.07.4 |
1馬身1/2
|
11 |
8 |
18 |
アドマイヤマックス |
3.08.1 |
4馬身
|
12 |
3 |
5 |
キーボランチ |
3.09.7 |
10馬身
|
13 |
6 |
11 |
タイガーカフェ |
3.10.1 |
2馬身1/2
|
14 |
8 |
17 |
マイネルアムンゼン |
3.11.0 |
5馬身
|
15 |
7 |
15 |
シンデレラボーイ |
3.11.7 |
4馬身
|
16 |
6 |
12 |
ローエングリン |
3.13.8 |
大差
|
17 |
2 |
4 |
ダイタクフラッグ |
3.35.5 |
大差
|
中止 |
3 |
6 |
ノーリーズン |
|
|
スタート直後、1番人気ノーリーズン鞍上の武豊が落馬。これで110億円以上の馬券がわずか3完歩、1.5秒で露と消えた。1番人気の落馬という大波乱で始まったレースは、ローエングリンとダイタクフラッグが逃げる展開。人気のアドマイヤマックス、メガスターダムは後方待機策。3コーナーを曲がるとメガスターダムがまくり、先頭に躍り出る。そして2番手にヒシミラクルとヤマノブリザード。逃げたローエングリンは後退。直線に入ると、徐々にメガスターダムとヒシミラクルが抜け出し、ヒシミラクルが先頭に立ち勝負決したかと思われたが、大外からファストタテヤマが急追。2頭並んで入線した。勝ったのはヒシミラクルだった。
1000m通過タイム |
58.3秒(ローエングリン)
|
2000m通過タイム |
124.7秒(ローエングリン)
|
上がり4ハロン |
48.0秒
|
上がり3ハロン |
35.4秒
|
優勝馬上がり3ハロン |
35.2秒
|
最速上がり3ハロン
|
34.8秒(ファストタテヤマ)
|
単勝式 |
2 |
3660円
|
複勝式 |
2 |
880円
|
7 |
2250円
|
14 |
330円
|
枠連 |
1-4 |
8390円
|
馬連 |
2-7 |
96070円
|
ワイド |
2-7 |
20170円
|
2-14 |
3680円
|
7-14 |
12170円
|
馬単 |
2-7 |
182540円
|
3連複 |
2-7-14 |
344630円
|
本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者
- 角田晃一騎手は菊花賞初制覇。GI8勝目。
- 佐山優調教師は1995年スプリンターズステークス以来GI2勝目。クラシック初勝利。
- 大きく離れた17着のダイタクフラッグは鼻出血を発症していた。
- サッカーボーイ産駒は1999年のナリタトップロードに次ぐ菊花賞2勝目を挙げたが、サッカーボーイ自身はステイヤーではなく、マイルから中距離路線で活躍していた。
- 1番人気のノーリーズンが落馬した菊花賞当日から10日後の東海菊花賞では、2番人気と同じく人気を集めていた、安藤勝己騎乗のレジェンドハンターも落馬した。
- 当競走は芝3000mのレースであったが、出走馬の中にはこのレースの後に路線転向し大活躍を収めた馬も多い。アドマイヤドンは当競走から中1週で出走したJBCクラシック圧勝をきっかけにダート路線の頂点に上り詰め、アドマイヤマックスはマイル・短距離路線に転向、2005年の高松宮記念を勝つに至った。他にもGII最多勝記録を更新することになるバランスオブゲームや、8歳で重賞やオープン特別で勝ち鞍を挙げ、息の長い活躍を続けるローエングリン・ファストタテヤマ・タイガーカフェ等がいた。
|
---|
1930年代 | |
---|
1940年代 | |
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|