ソングオブウインド
ソングオブウインド | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
第67回菊花賞 | ||||||
欧字表記 | Song of Wind[1] | |||||
香港表記 | 風之歌[2] | |||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||
性別 | 牡[1] | |||||
毛色 | 青鹿毛[1] | |||||
生誕 | 2003年2月20日[1] | |||||
抹消日 | 2007年1月14日[3] | |||||
父 | エルコンドルパサー[1] | |||||
母 | メモリアルサマー[1] | |||||
母の父 | サンデーサイレンス[1] | |||||
生国 | 日本(北海道追分町)[1] | |||||
生産者 | 追分ファーム[1] | |||||
馬主 | (有)社台レースホース[1] | |||||
調教師 | 浅見秀一(栗東)[1] | |||||
厩務員 | 山吉一弘[4][5] | |||||
競走成績 | ||||||
生涯成績 |
10戦3勝(中央競馬) 1戦0勝(日本国外) [1] | |||||
獲得賞金 |
2億743万8000円(中央競馬) 1214万6100円(日本国外) [1] | |||||
|
ソングオブウインド(欧字名:Song of Wind、2003年2月20日 - )は、日本の競走馬、種牡馬[1]。
馬名の由来は小説家・村上春樹の第1作目の長編小説『風の歌を聴け』から。クラブ法人「社台サラブレッドクラブ」が、一口馬主を募集した価格は2200万円(1口55万円×40口)。
競走馬時代
[編集]2006年1月29日、京都競馬のダート1800メートルの新馬戦でデビュー。鞍上に武豊を迎え単勝1番人気に推されるも、2着に敗れる。その後勝ち切れないレースが続くが、5戦目の未勝利戦、4戦目から手綱を取った武幸四郎を鞍上に初勝利を挙げた。
初勝利のあと、初の芝レースで2着と好走し芝への適性を示し、次の夏木立賞で2勝目を挙げると、続く初重賞挑戦となったラジオNIKKEI賞 (GIII) では2着に入った。秋はダービーグランプリにも選出されたが、結局神戸新聞杯から始動、ドリームパスポート、メイショウサムソンに次ぐ3着に入り菊花賞への優先出走権を獲得する。
菊花賞では後方待機策から直線で一気に差し切り、重賞初制覇をGI勝利で飾った。このときのタイム3分2秒7は、京都競馬場芝3000メートルのコースレコードを0秒1、菊花賞レースレコードの3分3秒2(1998年のセイウンスカイ)を0秒5更新するものであった。2002年に亡くなった父のエルコンドルパサーはこの馬の世代がラストクロップであるため、最後のクラシック制覇のチャンスで初のGI産駒が誕生したことになる。
菊花賞後は香港ヴァーズに出走し、遠征などで体調があまりよくなかったものの4着に入った。レース翌日に右前肢の腱を負傷したと香港ジョッキークラブから発表されていたが、帰国後の12月22日に着地検査先でのエコー検査の結果、右前浅屈腱炎であったことが判明し、北海道に放牧に出されて休養。そのまま引退し種牡馬入りすることが決まった。
競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.comの情報[6] に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006. 1.29 | 京都 | 3歳新馬 | ダ1800m(良) | 13 | 4 | 5 | 2.0 (1人) | 2着 | 1:54.5 (37.1) | 0.2 | 武豊 | 56 | シロキタベガ | 492 | |
2.18 | 京都 | 3歳未勝利 | ダ1800m(稍) | 16 | 2 | 4 | 1.2 (1人) | 3着 | 1:54.3 (38.1) | 0.3 | 武豊 | 56 | メイショウシャフト | 478 | |
3.12 | 阪神 | 3歳未勝利 | ダ1800m(重) | 14 | 6 | 9 | 2.1 (1人) | 3着 | 1:56.4 (38.3) | 0.6 | 武豊 | 56 | パーフェクトラン | 476 | |
3.26 | 阪神 | 3歳未勝利 | ダ1400m(良) | 14 | 3 | 3 | 1.5 (1人) | 2着 | 1:27.0 (38.3) | 0.2 | 武幸四郎 | 56 | サミーデザート | 480 | |
4. 9 | 中山 | 3歳未勝利 | ダ1800m(良) | 11 | 1 | 1 | 1.5 (1人) | 1着 | 1:57.7 (40.8) | -0.1 | 武幸四郎 | 56 | (ハタノスティング) | 478 | |
4.29 | 京都 | 3歳500万下 | 芝1800m(良) | 14 | 4 | 5 | 14.0 (5人) | 2着 | 1:48.0 (33.8) | 0.2 | 武幸四郎 | 56 | ソリッドプラチナム | 472 | |
5.13 | 東京 | 夏木立賞 | 500万下 | 芝2000m(良) | 13 | 5 | 6 | 6.2 (2人) | 1着 | 2:01.7(34.7) | -0.2 | 北村宏司 | 56 | (サクラマジェスティ) | 470 |
7. 2 | 福島 | ラジオNIKKEI賞 | GIII | 芝1800m(重) | 16 | 5 | 10 | 5.5 (2人) | 2着 | 1:50.8 (37.3) | 0.3 | 田中勝春 | 54 | タマモサポート | 468 |
9.24 | 中京 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2000m(良) | 16 | 6 | 11 | 42.3 (6人) | 3着 | 1:58.2 (35.4) | 0.1 | 武幸四郎 | 56 | ドリームパスポート | 476 |
10.22 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 8 | 18 | 44.2 (8人) | 1着 | R3:02.7 (33.5) | -0.0 | 武幸四郎 | 57 | (ドリームパスポート) | 476 |
12.10 | 沙田 | 香港ヴァーズ | G1 | 芝2400m(良) | 10 | 6 | 9 | 4着 | 2.27.3 | 0.2 | 武幸四郎 | 55 | Collier Hill | 計不 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す。
種牡馬時代
[編集]2007年、当初社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬となったが、種付け希望が多く社台スタリオンステーションに移動となった。その後7月13日には優駿スタリオンステーションへ移動した。初年度産駒の初勝利は中央競馬では2010年6月20日にコットンフィールド(福島・2歳新馬)が、地方競馬では2010年5月26日にモルフェソングエル(ホッカイドウ競馬のルーキーチャレンジ)が挙げている。
2014年12月4日付で用途変更、種牡馬を引退[7]。追分ファームで功労馬として余生を送っていた[8]が、まだ若かったこともあり、茨城県水戸市の中島トニアシュタールで乗馬に転向した[9]。
2018年、中央競馬所属時にアンタレスステークス2着などの実績を挙げたアイファーソングが後継種牡馬となった。
主な産駒
[編集]ブルードメアサイアーとしての主な産駒
[編集]血統表
[編集]ソングオブウインドの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系/ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 * エルコンドルパサー 1995 黒鹿毛 |
父の父 Kingmambo1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Miesque | Nureyev | |||
Pasadoble | ||||
父の母 * サドラーズギャルSaddlers Gal 1989 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | ||
Fairy Bridge | ||||
Glenveagh | Seattle Slew | |||
Lisadell | ||||
母 メモリアルサマー 1998 青毛 |
* サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
母の母 サマーワイン1990 黒鹿毛 |
* トニービン Tony Bin |
カンパラ | ||
Severn Bridge | ||||
シヤダイマイン | * ヒッティングアウェー | |||
* ファンシミン | ||||
母系(F-No.) | ファンシミン系(FN:9-f) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Special、Lisadell 12.50% 5・5・4(父内)、Northern Dancer 9.38% 5・4(父内) | [§ 4] | ||
出典 |
4代母のファンシミンを始祖とする牝系からはアドマイヤマックス、ラインクラフト、ローゼンカバリーなど活躍馬多数。スターロツチ系やスカーレットインク系、シラオキ系などと並ぶ日本国内有数の名牝系出身である。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ソングオブウインド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月6日閲覧。
- ^ “風之歌 (H623) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “ソングオブウインド 引退”. ラジオNIKKEI. 2022年4月29日閲覧。
- ^ “【香港ヴァーズ】ソングオブウインドは引き運動のみ”. ラジオNIKKEI. 2022年12月11日閲覧。
- ^ “少頭数なら我が意をエタリオウ 「競馬巴投げ!第176回」1万円馬券勝負”. スポーツナビ. 2022年12月11日閲覧。
- ^ "ソングオブウインド". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2019年12月28日閲覧。
- ^ 2014年供用停止種雄馬一覧
- ^ 追分ファーム(公式)のツイート - Twitter、2022年8月6日閲覧
- ^ 追分ファーム(公式)のツイート - Twitter、2022年8月6日閲覧。
- ^ “サンデンバロン”. JBISサーチ. 2018年1月4日閲覧。
- ^ a b c “ソングオブウインドの血統表”. netkeiba.com. 2017年9月1日閲覧。
- ^ “ソングオブウインド - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年2月11日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ソングオブウインド - 競走馬のふるさと案内所