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線路は続くよどこまでも

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
みんなのうた
線路は続くよどこまでも
歌手 西六郷少年少女合唱団(*1)
海援隊(*2)
作詞者 佐木敏(訳詞)
作曲者 アメリカ民謡
編曲者 小林秀雄(*1)
三保敬太郎(*2)
映像 実写(*1)
アニメーション(*2)
映像制作者 菊田武勝(*2)
初放送月 1962年12月 - 1963年1月(*1)
1975年8月 - 9月(*2)
再放送月 2013年12月(*2、お楽しみ枠
2021年4月(*1、ラジオのみ)
2022年4月 - 5月(*2、ラジオのみ)
その他 1968年1月1日の『みんなのうた特集』で(*1)を放送。
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線路は続くよどこまでも』(せんろはつづくよどこまでも、原曲名 I've Been Working on the Railroad)は、アメリカ民謡日本では佐木敏作詞の歌詞が付けられ、明るく楽しい汽車旅を歌っている。

『Carmina Princetonia』(1898年版)所収の「堤防の歌」

原曲について

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文献上は1894年版の『Carmina Princetonia』(プリンストン大学グリークラブ用の曲集)に「堤防の歌」(Levee Song)のタイトルで載せられているのがもっとも古い[1]。歌詞は黒人英語で「I been wukkin' on de railroad」になっている[2]。実際には出版よりもずっと古く、1830-1840年代までさかのぼる可能性がある[1]。本来は黒人労働者による堤防工事についての歌だったが、時代による労働内容の変化によって鉄道労働者の歌になったと考えられる[1]。現在では子供むけの童謡になっている[1]

曲の由来ははっきりしないが、フランツ・フォン・スッペ詩人と農夫』序曲の最初の方に出てくるチェロ独奏の旋律に由来する可能性がある[3]

歌詞

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I've Been Working on the Railroad

I've been working on the railroad 俺は線路で働いている
All the livelong day まる一日中
I've been working on the railroad 俺は線路で働いている
Just to pass the time away あっという間に時間が過ぎてゆく
Don't you hear the whistle blowing 警笛が鳴り響くのが聞こえるだろ
Rise up so early in the morn こんな朝っぱらから起きろってさ
Don't you hear the captain shouting 親方の叫び声が聞こえるだろ
Dinah, blow your horn ダイナ、警笛を吹き鳴らせってさ
Dinah, won't you blow ダイナ、吹き鳴らしてくれ
Dinah, won't you blow ダイナ、吹き鳴らしてくれ
Dinah, won't you blow your ho-o-orn ダイナ、吹き鳴らしてくれ、お前の警笛を
Dinah, won't you blow ダイナ、吹き鳴らしてくれ
Dinah, won't you blow ダイナ、吹き鳴らしてくれ
Dinah, won't you blow your horn ダイナ、吹き鳴らしてくれ、お前の警笛を
Someone's in the kitchen with Dinah 誰かがキッチンにダイナと居る
Someone's in the kitchen I kno-o-o-ow 誰かがキッチンに居る、俺は知ってるんだ
Someone's in the kitchen with Dinah 誰かがキッチンにダイナと居る
Strummin' on the old banjo! あの古いバンジョーをかき鳴らしてるんだ!
Singin' fi, fie, fiddly-i-o 歌ってやがるぜ、フィ、フィー、フィドリーオって
Fi, fie, fiddly-i-o-o-o-o フィ、フィー、フィドリーオー
Fi, fie, fiddly-i-o フィ、フィー、フィドリーオ
Strummin' on the old banjo あの古いバンジョーをかき鳴らしながらな
Someone's makin' love to Dinah 誰かがダイナと愛し合ってる
Someone's making love I know-o-o-o 誰かが愛し合ってる、俺は知ってるんだ
Someone's making love to Dinah 誰かがダイナと愛し合ってる
'Cause I can't hear the old banjo あの古いバンジョーが聞こえないからな

ダイナ (Dinah) は列車のあだ名として女性の名前で呼んでいるもの。後半部分(Someone's in the kitchen with Dinah以下)はもともと別の曲だったのが後ろに加えられたものである[4](日本語版では歌われない)。

楽譜

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\relative {
    \set Staff.midiInstrument = #"piano"
	\key c \major
	\time 4/4
	\tempo 4 = 120
    \new Voice \relative c' {
	c'4. g8 c8. g16 c8. d16 e2 c2 f4. f8 c4 d4 e2. r4 \bar "|" \break
    c4. g8 c8. g16 c8. d16 e2 c2 d4. d8 d4 e4 d2. r4 \bar "|" \break
    d4. d8 cis8. d16 e8. d16 c2 g2 f'4 f4 c4 d4 e2. r4 \bar "|" \break
    a,4. b8 c8. b16 c8. a16 g4. g8 c2 e4. f8 e4 d4 c2. r4 \bar "|."
    }
}

The Eyes of Texas

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1903年に作られたテキサス大学オースティン校の学園歌「The Eyes of Texas」はこの曲の替え歌になっている[5]。歌詞は、「いかなる時も、テキサス全体が君達に注目し、期待を寄せている。 逃げ出してはならない。」という内容になっており、多くの州民や学生、特に全米屈指の強豪であるフットボール部を中心としたスポーツチーム、ロングホーンズにとって、誇りある伝統の一つになっている。

The eyes of Texas are upon you,
All the live long day.
The eyes of Texas are upon you,
You cannot get away.
Do not think you can escape them,
At night, or early in the morn'.
The eyes of Texas are upon you,
'Till Gabriel blows his horn!

日本語版の歴史

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1955年に日本でも『線路の仕事』の題名で比較的忠実に紹介された。

この曲が日本で大いに広まったのは、まず1960年テレビドラマ「テキサス決死隊」“Tales of the Texas Rangers”の主題歌としてであった。「テキサス決死隊」はアメリカで製作されたテレビドラマで、モノクロ30分、製作本数52本、ウィラード・パーカー、ハリー・ローターの主演。1955年から1957年に放送され、日本では1960年6月1日よりKRT(現:TBSテレビ)系・サンスターシオノギ(現:サンスター)一社提供で放送された。番組のオープニングとエンディングに、出演者が歌う主題歌「見よ!テキサス決死隊」“We are the Texas Rangers”が、“I've Been Working on the Railroad”の替え歌で、「あれが西部の荒くれ者と…」[6]と子供達に歌われた。

そして1962年NHKみんなのうた』の中で、『線路はつづくよどこまでも』(NHK版では『つづくよ』は平仮名)として紹介されて以降、ホームソング、童謡として愛唱されるようになった。

線路の仕事

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『線路の仕事』は津川主一(1896-1971)訳。歌詞は、英語の内容を比較的よく伝えている[7]。誤解される事が多い[要出典]が、歌い出しは「線路は続くよ どこまでも」ではなく「線路の仕事は 何時迄も」である。合唱編曲もなされている。

みんなのうた版

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前述の通り、この歌はNHKの『みんなのうた』で歌われたが、初回は1962年12月で、歌は西六郷少年少女合唱団だった。作詞者は、佐木敏であり、これは『みんなのうた』の二代目のディレクターであった後藤田純生(2004年死去)のペンネームである。しかし、作詞は氏の単独作業によるものではなく、「ノッポさん」こと高見映による原案を元に、当時の番組スタッフの共同作業により作り上げられた。

それから12年強後、1975年8月にカラーアニメ版によるリメイク版が放送、この時は海援隊が歌った。カラーリメイク版はテンポがマーチからフォークソング風に変わり、1番→2番→1番(転調)の順で放送、各番の間の部分は省かれた。

1968年1月1日放送の『みんなのうた特集』で初版を再放送後は、双方とも再放送されなかったが、「みんなのうた発掘プロジェクト」でリメイク版の映像と音楽が提供され、2013年12月に「みんなのうたお楽しみ枠」で実に38年3ヶ月ぶりに再放送、再放送では歌手・映像製作者・歌詞の各テロップがニュープリント化されて放送した。その後初回放送版の音楽も提供され、2021年4月にラジオのみで58年4ヶ月ぶりに再放送された。

なお1990年8月20日放送した『愉快にオンステージ』(当時NHKで放送された公開バラエティ)のスペシャル版『特集・愉快にオンステージ』で、『愉快に』のレギュラー出演者である堺正章木の実ナナ山田邦子西田敏行南こうせつ武田鉄矢(元「海援隊」)が集まっての「みんなのうたメドレー」で、武田鉄矢がこの歌を歌った事があった。

使用

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  • 1970年代以前から、キャンプソングとして食事前後に『ごはんだごはんだ』という替え歌が歌われる。食前には待ち望んだ食事をいただくことを感謝する1番、食後には食事をいただいたことの感謝と後片付けを奮起する2番が歌われる。歌詞は地域やグループ、年代によっていろいろなバージョンがある。
  • 山本正之『100点シュッパツマンの歌』(アルバム『山本正之'89 少年の夢は生きている』に収録)の間奏に、短調化されたものを使用。
  • タイガー魔法瓶のタイガーIH炊飯ジャーでごはんを炊くとメロディが流れる。
  • 漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」において、柱の男ワムウと対峙した主人公ジョセフ・ジョースターがこの歌を歌うシーンがある。直後、ジョセフは鉄球を利用してワムウを攻撃した。

映像作品における使用例

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CMにおける使用例

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  • 1987年頃にトヨタ自動車が発売するミドルサイズセダン「コロナ(8代目)」のCMにおいて、使用された。
  • 1990年代前半に東芝が発売するワープロ『Rupo』の唐沢寿明が出演するCMにおいて、替え歌(三行革命)が使用された。
  • 1990年代後半に鳥居薬品の企業CMで替え歌が使用された。
  • ACジャパンのCMでは「話そう!笑おう!メシ食おう!(2004)」と「進学できた。前に進めた。(2013)」に使われた。
  • SOMPOホールディングスのCM、ひまり生命『ゴッホのひまわり篇』で、この曲の替え歌を使用している[8]


スポーツにおける使用例

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  • プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの応援にも使用されている。相手投手交代時には1コーラスが、試合・攻撃開始時、勝利での終了時および打者の出塁や、犠打・得点の際にはサビの部分が演奏される。かつてのチームの親会社が鉄道会社(南海電気鉄道)であったことに由来しており、親会社変更後(ダイエーソフトバンク)も引き続き使用されている。また、2010年のホークスのキャッチフレーズでもある「今年はやらんといかんばい!」に合わせて、藤井フミヤ秋山幸二監督とホークスの選手、カイくんが歌うCMが存在する。南海時代には、これとは別の部分が同球団所属の新井宏昌の個人応援歌として使用されていた。
  • 社会人野球JR東日本東北硬式野球部は、都市対抗野球大会において得点が入った際に、応援団とチアリーダーがステージ上で「ジェンカ」を踊りながら歌う。これも、鉄道会社の野球部ゆえの演出である。
  • Jリーグジュビロ磐田では、試合に勝利した時に『勝利は続くよどこまでも』という替え歌が歌われる。なお、2行目の歌詞に関して、以前は「野を越え 山越え (相手チーム名)越えて」[9]だったが、後に「みんなで掴んだ 歓喜の瞬間」[10]に変わっている。
  • 義大ライノズにて「殺殺歌」という応援歌のひとつとして使われている。この応援歌は誠泰コブラズ~米迪亜ティー・レックスにて使われていたものを同チーム解散後引き継いだものである。
  • ハンファ・イーグルスでも金會成鄭振浩の応援歌に使用されていた。金の場合は冒頭部、鄭の場合は中間部を使う。
  • アメリカのプロレスラー ディック·マードックの新日本プロレス時代の入場テーマ曲。

実際の鉄道における使用例

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脚注

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  1. ^ a b c d April C. Armstrong, The Minstrel Tradition at Princeton University, The Princeton and Slavery Project, https://slavery.princeton.edu/stories/the-minstrel-tradition-at-princeton-university 
  2. ^ Score of "Levee Song", The Princeton and Slavery Project, https://slavery.princeton.edu/sources/score-of-levee-song 
  3. ^ "The Eyes of Texas" History: Origins, Meaning and Debut, The University of Texas at Austin, https://eyesoftexas.utexas.edu/origins-and-debut/ 
  4. ^ I’ve Been Working on the Railroad: About the Song, Ballad of America, https://balladofamerica.org/ive-been-working-on-the-railroad/ 
  5. ^ Here's the history and origins behind UT's 'Eyes of Texas' lyrics, KVUE, (2021-03-09), https://www.kvue.com/article/sports/ncaa/longhorns/eyes-of-texas-lyrics-song-controversy-history/269-667db797-b482-444b-82a5-bb8982e80f5e 
  6. ^ 出だしの1番「荒れた西部(を緑の町に…)」と2番「(無法の)西部の荒くれ者と…」が混同されたもの。
  7. ^ 線路の仕事で全文を読むことができる。
  8. ^ CMギャラリー・提供番組”. SOMPOひまわり生命【公式サイト】. 2023年2月26日閲覧。
  9. ^ ジュビロ磐田 チームチャント、応援歌の歌詞 - スポーツ応援歌の歌詞(2021年8月10日閲覧).
  10. ^ 【勝利は続くよどこまでも】ジュビロ磐田チャント - YouTube(2020年3月29日)2021年8月10日閲覧.
  11. ^ 『大阪環状線改造プロジェクト』進行中 大阪環状線発車メロディ全駅曲目決定! - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2015年3月16日
  12. ^ https://www.youtube.com/watch?v=0HuUrxHeT0c
  13. ^ 音源元は、TOA株式会社が制作したメロディクスと呼ばれる機器のメロディーが収録されたカード(メロディクスカード)「MC-1010」の4番目に収録されている「ごはんの歌(線路は続くよどこまでも)」であり、フルバージョンで流れる。
  14. ^ JR桜木町駅100周年・駅メロ「線路はつづくよどこまでも」 制作しました”. 株式会社スイッチオフィシャルサイト. 株式会社スイッチ. 2019年12月21日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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