青空フリーパス
青空フリーパス(あおぞらフリーパス)とは、東海旅客鉄道(JR東海)の名古屋地区における特別企画乗車券の一つである。
当項目では、かつて発売されていた姉妹品の青空ワイドフリーパス(あおぞらワイドフリーパス)をはじめとするJR名古屋地区の一日乗車券についても併せて解説する。
概要
[編集]土曜日・休日などにJR東海の名古屋地区在来線において、快速・普通列車が1日乗り降り自由である。
乗車区間によっては普通乗車券や他の特別企画乗車券(名古屋往復きっぷなど)を利用した方が安くなることがある。
利用可能な範囲
[編集]- 東海道本線:二川駅 - 米原駅・大垣駅 - 美濃赤坂駅(美濃赤坂線は全線)
- 飯田線:豊橋駅 - 飯田駅
- 武豊線:大府駅 - 武豊駅(全線)
- 関西本線:名古屋駅 - 亀山駅(JR東海管内全線)
- 紀勢本線:亀山駅 - 紀伊長島駅
- 伊勢鉄道伊勢線:河原田駅 - 津駅(全線)
- 名松線:松阪駅 - 伊勢奥津駅(全線)
- 参宮線:多気駅 - 鳥羽駅(全線)
- 中央本線:名古屋駅 - 木曽平沢駅
- 太多線:多治見駅 - 美濃太田駅(全線)
- 高山本線:岐阜駅 - 下呂駅
上記範囲外に跨って利用する場合は、範囲内の終端駅から範囲外の降車駅までの普通運賃が別途必要になる。例えば、上記範囲内から浜松駅まで行きたい場合、二川から浜松までの運賃(おとな片道510円)を別途支払うことになる。なお、さわやかウォーキング開催日には、利用可能区間を臨時に拡大する措置がとられることがある[1]。
利用できる列車
[編集]快速・普通列車の普通車自由席。
- 快速「みえ」などの普通車指定席は、別途指定席券が必要。
- ホームライナーは、別途乗車整理券が必要(過去に運行されていたセントラルライナーも同様)[注釈 1]。
- グリーン車は、別途グリーン券が必要。
- 特急券・急行券を購入すれば特急列車・急行列車も利用可能。
有効期間
[編集]購入
[編集]- 利用日の1ヶ月前から可能。
- 一部の駅では、当日分に限り自動券売機で購入できた。2014年春から不可能になった[2]が、2015年6月末から指定席券売機での購入が可能になっている。
- 2009年春頃から、静岡地区の「休日乗り放題きっぷ」の発売駅でも「青空フリーパス」のフリー区間の入口駅(二川駅等)までの乗車券等を同時購入または提示すれば購入できるようになった。
- 米原駅は在来線がJR西日本の管轄駅だが、新幹線駅はJR東海が管轄しているためJR東海の「JR全線きっぷうりば」と指定席券売機での購入ができる。
発売額
[編集]2,620円(こども1,310円、2019年10月以降)。伊勢鉄道線も追加額無しで利用できる。
その他
[編集]- 自動改札機を利用できる。
- ただし、米原駅以外のJR西日本の自動改札機にあらかじめ用意した他の乗車券と重ねて挿入し出場すると、回収され無効券となる為、注意が必要。
歴史
[編集]当商品は2006年3月まで旧「青空フリーパス」と、利用可能範囲を広げた「青空ワイドフリーパス」の2種類が発売されていた(後述)。
- 1993年4月1日 - 発売開始[3]。発売額は青空フリーパスが2,000円、青空ワイドフリーパスが3,500円(こども半額。以下同様)。マルス券の他に常備券もあった。
- 1997年4月 - 消費税率改定に伴い価格改定。価格はそれぞれ2,040円、3,570円となる。
- 2006年3月17日 - 旧青空フリーパス、青空ワイドフリーパスの販売を終了。この日発売の券は4月16日まで有効。
- 2006年3月18日 - 旧青空フリーパスと青空ワイドフリーパスを統合し、利用可能範囲を拡大。価格は2,500円(こども1,250円)。これに伴い、青空ワイドフリーパスとオプション券(伊勢鉄道フリーきっぷ)は廃止された。
- 2010年10月20日 - 年末年始の利用期間を12/30 - 翌年1/3に拡大。
- 2014年4月 - 消費税率改定に伴い価格改定。
- 2019年10月 - 消費税率改定に伴い価格改定。
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関連するフリーきっぷ
[編集]旧青空フリーパス・青空ワイドフリーパス
[編集]当時の利用可能な範囲は以下の通り。
- 伊勢鉄道線はそのままでは利用できず、別途運賃・料金が必要であった。オプションとして「伊勢鉄道フリーきっぷ」(980円、こども490円)が発売された。
- 青空ワイドフリーパスの範囲内の駅に関しては、旧青空フリーパスの「区間外乗車」という形で普通乗車券を別に購入した方が安くなるケースがしばしば見受けられた。
- また、年末年始は土曜・休日を除き利用できなかった。
利用可能な範囲(旧青空フリーパス)
[編集]- 東海道本線:豊橋駅(後に二川駅まで拡大) - 米原駅
- 大垣駅 - 美濃赤坂駅(美濃赤坂線)は当初含まれなかった。
- 現在と異なり、新幹線の特急券を購入すれば東海道新幹線も利用できた。
- 武豊線:大府駅 - 武豊駅
- 関西本線:名古屋駅 - 亀山駅
- 紀勢本線:亀山駅 - 松阪駅
- 中央本線:名古屋駅 - 中津川駅
- 太多線:多治見駅 - 美濃太田駅
- 高山本線:岐阜駅 - 美濃太田駅
青空ワイドフリーパスは上記に加えて、以下の区間も利用可能であった。
初詣フリーきっぷ
[編集]1993年11月15日より初詣の時期に伊勢鉄道伊勢線をフリー区間に加えた「初詣フリーきっぷ」という姉妹品が別途発売されていた[4]。青空フリーパスの利用可能範囲拡大により、2006年度以降は販売されなくなった。
名古屋おでかけきっぷ
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2023年10月より、EXサービス会員向けにe5489限定で発売されているフリーきっぷ[5]。青空フリーパスとルールはおおむね同じだが、平日にも使用することができる。
利用可能な範囲(名古屋おでかけきっぷ)
[編集]- 名古屋駅から普通運賃で990円となる範囲がフリー区間となっている。
- 東海道本線:三河三谷駅 - 関ケ原駅・大垣駅 - 美濃赤坂駅(美濃赤坂線は全線)
- 武豊線:大府駅 - 武豊駅(全線)
- 関西本線:名古屋駅 - 亀山駅(JR東海管内全線)
- 中央本線:名古屋駅 - 釜戸駅
- 太多線:多治見駅 - 美濃太田駅(全線)
- 高山本線:岐阜駅 - 美濃太田駅
発売額(名古屋おでかけきっぷ)
[編集]- 1,500円(こども750円)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ただし、2023年3月時点では青空フリーパス利用日にはホームライナーが運転されていない。
出典
[編集]- ^ “さわやかウォーキング開催に伴う「青空フリーパス」ご利用エリアの一部変更について” (pdf). 東海旅客鉄道. 2017年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月21日閲覧。
- ^ 中日新聞2014年5月2日付
- ^ 『東海旅客鉄道20年史』東海旅客鉄道、2007年、257頁。
- ^ 『東海旅客鉄道20年史』東海旅客鉄道、2007年、257-258頁。
- ^ 『在来線の特別企画乗車券リニューアル等について』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2023年8月28日、5頁 。2024年2月25日閲覧。
関連項目
[編集]- 休日乗り放題きっぷ (JR東海の静岡地区における1日乗車券)
- 休日おでかけパス (JR東日本の東京近郊地区における1日乗車券)
- 一日乗車券
- 東海旅客鉄道東海鉄道事業本部(管轄区域の一部を除いたのが本乗車券の利用可能区間)