コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

Epic Games

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Infinity Bladeから転送)
Epic Games
現地語社名
Epic Games, Inc.
以前の社名
  • Potomac Computer Systems
  • (1991年 - 1992年)
  • Epic MegaGames, Inc.
  • (1992年 - 1999年)
種類
非公開会社
業種 情報通信業
事業分野 コンピュータゲーム
設立 1991年 (33年前) (1991)
創業者
本社 620 Crossroads Blvd.座標: 北緯35度45分21.4秒 西経78度44分1秒 / 北緯35.755944度 西経78.73361度 / 35.755944; -78.73361
主要人物
製品 Unreal Engine
売上高 60億USD (2022年[1])
所有者
従業員数
4000人以上 (2023年[3])
子会社
  • Chair Entertainment
  • Cloudgine
  • Epic Games Berlin
  • Epic Games Brasil
  • Epic Games China
  • Epic Games Cologne
  • Epic Games Japan
  • Epic Games Korea
  • Epic Games UK
  • Psyonix 他
ウェブサイト https://www.epicgames.com/

Epic Games(エピックゲームズ、: Epic Games.)は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置くコンピュータゲームソフトウェアの開発及び、販売企業。主にアクションゲームの開発を手がけている。

概要

[編集]

Epic Gamesの前身は、1991年にティム・スウィーニーによってPotomac Computer Systemsとして設立した[4]。設立当初は、メリーランド州ポトマックにある実家を拠点としていた。同年に最初の作品『ZZT英語版』をリリース、1992年初頭にEpic MegaGames, Inc.へと改組し、ビジネスパートナーとしてマーク・レインを招き入れた[4]。1999年に本社をノースカロライナ州ケーリーに移し、社名をEpic Gamesへと簡略化した[5]

Epic Gamesは、ゲームエンジンの「Unreal Engine」を開発している。このエンジンは『フォートナイト』や『Unreal』『Gears of War』『Infinity Blade』など自社で開発したコンピュータゲームにも採用している。商用利用も可能であり、2014年にはギネス世界記録によって「最も成功したゲームエンジン」に選ばれた[6]

Epic Games Japan合同会社

[編集]
Epic Games Japan合同会社
Epic Games Japanの入るみなとみらいセンタービル
種類 合同会社
本社所在地 日本の旗 日本
220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番1号みなとみらいセンタービル18階
北緯35度27分27.3秒 東経139度37分59.6秒 / 北緯35.457583度 東経139.633222度 / 35.457583; 139.633222
設立 2009年 (15年前) (2009)
業種 情報・通信業
法人番号 6020003006664
代表者 河崎高之
所有者 Epic Games, Inc.
テンプレートを表示

同社は子会社として、コンピュータゲーム開発企業であるChair Entertainment英語版Psyonix英語版クラウドベースのソフトウェア開発企業であるCloudgine英語版を所有している。また、ワシントン州シアトルイングランドベルリン横浜ソウルにおいてサブスタジオを運営している。スウィーニーが発行済み株式の過半数を所持している。年時点2017年に『フォートナイト』の人気モードがリリースされた後、同社はさらに多くの投資を受け、Unreal Engineの提供の拡大や、『フォートナイト』を中心としたeスポーツイベントの確立、Epic Gamesストアを立ち上げることができた。2020年8月には、同社の評価額が173億米ドルに達した[7][8]

2024年6月現在、後述のAppleとの係争問題を受けて、iOSでは同社ソフトの配信を行っていない状態が続いている。しかし、同月12日に他の事業者がアプリストアを提供することや他の課金システムを利用することを妨げる行為を禁止する「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が第213回国会において、可決・成立したことを受けて、2025年後半に『フォートナイト』並びに『Epic Gamesストア』アプリを再リリースすることを発表した[9]

テンセントとの関係

[編集]

テンセントはEpic Gamesのサービスモデルをゲームに移行させる目的で、契約の一環として2012年6月に同社の40パーセントの株式を3億3000万ドルで取得した[10]

テンセントは2020年末より米当局の対米外国投資委員会(CFIUS)と株式の継続保有について交渉していることがロイターにより明らかとなった[11]。CFIUSはEpic Gamesとライアットゲームズのユーザー個人情報取り扱い状況が国家安全保障リスクに当たる場合は、株式の売却を命じる権限を持つとされている。

2020年代に入って以降、ソニーグループによる出資比率が高まっており、2022年6月時点で4.9パーセントを取得している[12]

歴史

[編集]

製品・サービス

[編集]

Unreal Engine

[編集]

Unreal Engineは、グラフィカルレンダリングやサウンド処理、物理演算といった機能が用意されており、独自のエンジンをゼロからコーディングする必要がなく、ゲーム開発者のニーズに合わせて幅広く適応できる。このエンジンは、1998年にリリースされたファーストパーソン・シューティングゲームUnreal』で初めて実装された。これまでにUnreal Engine 1、Unreal Engine 2(2.5および2.Xを含む)、Unreal Engine 3、Unreal Engine 4がリリースされ、2022年4月にUnreal Engine 5の正式版がリリースされた[22]

Epic Games Store

[編集]

Epic Games Storeは、Epic Gamesが2018年12月7日に開設したデジタルゲームストア(オンライン配信サービス)[23]。ウェブサイトとゲームのダウンロードとプレイに必要なスタンドアロンのランチャーの両方をローンチ。ストアでは、基本的なカタログや友達リストの管理、マッチメイキングなどの機能を提供している。Epic Gamesはストアの機能をさらに拡張する計画を立てているが、議論フォーラムやユーザーレビューといった他のデジタル配信プラットフォームのように多くの機能を追加する予定はなく、代わりに既存のソーシャルメディアプラットフォームを利用してこれらの機能をサポートしている。

Epic Online Services

[編集]

Epic Online Servicesは、『フォートナイト』で使用されたシステムに基づいた無料のSDKであり、マッチメイキングやフレンドリスト、リーダーボード、実績などの機能をMicrosoft WindowsmacOSPlayStation 4Xbox OneNintendo Switch 向けのゲームに実装できる[24]。2020年5月、全ての開発者向けに提供を開始した[24]

Epic Direct Payment

[編集]

Epic Direct PaymentとはEpic Gamesが提供する独自のiOSGoogle Play上での支払い方法であり、FortniteおよびEpic GamesストアPCMacAndroidでトランザクションを処理するために使用している支払いシステムと同じである。名前の通り、第三者による支払い仲介を通すことなくEpicに直接支払いを行う仕組みである。それによってFortnite内でEpic Direct Paymentを使用する事により、割引となる[25]。セキュリティー面においては、2017年にPCI-DSSに準拠し2020年7月にはRSI SecurityによるPCI-DSS準拠の監査に不具合なしで合格した[26]

騒動・問題

[編集]

AppleとGoogleへの訴訟問題

[編集]

2020年8月にEpicはAppleGoogleに訴訟を起こした。この背景には、Epicがモバイル版『フォートナイト』にApp StoreGoogle Playが提示している30%の手数料を「反競争的な拘束と独占的慣行を使用している」[27]としてそれらを迂回するための独自の課金システム「Epic Direct Payment」を実装[28]したことが挙げられる。Epicの発表を受けて、AppleとGoogleは『フォートナイト』を規約違反としてApp StoreとGoogle Playから削除した。『フォートナイト』の削除を受けて、Epicは両社に訴訟を起こした。Epic GamesのCEO・Tim Sweeney氏は日本時間の12月12日(火)、グーグルのアプリ市場「Google Play」を独占禁止法(反トラスト法)違反で提訴した裁判にて勝訴したことを報告した。

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ Craig, Matt (November 10, 2023). “Epic Games' Unreal Money Engine”. Forbes. オリジナルのNovember 10, 2023時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20231110131132/https://www.forbes.com/sites/mattcraig/2023/11/10/epic-games-unreal-engine-fortnite-game-developers-sypherpk/?sh=7d7c3bee5fd2. 
  2. ^ The US is banning TikTok, could Fortnite and League of Legends be next? | This Week in Business” (英語). GamesIndustry.biz (26 April 2024). 16 August 2024閲覧。
  3. ^ Stewart, Marcus (September 28, 2023). “Epic Games Lays Off Over 800 Employees”. Game Informer. オリジナルのJanuary 10, 2024時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240110091943/https://www.gameinformer.com/2023/09/28/epic-games-lays-off-over-800-employees January 10, 2024閲覧。. 
  4. ^ a b Edwards, Benj (May 25, 2009). “From The Past To The Future: Tim Sweeney Talks”. Gamasutra. February 4, 2017時点のオリジナルよりアーカイブJune 18, 2017閲覧。
  5. ^ Epic Sets up Shop”. IGN. July 13, 2017時点のオリジナルよりアーカイブJuly 13, 2017閲覧。
  6. ^ Most successful videogame engine”. ギネス世界記録. December 22, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ2020年8月26日閲覧。
  7. ^ Kerr, Chris (August 6, 2020). “Fortnite developer Epic Games secures $1.78 billion in funding”. Gamasutra. August 6, 2020閲覧。
  8. ^ Epic Games、17億8000万ドル(1888億円)の資金調達”. Social Game Info. ソーシャルインフォ (2020年8月11日). 2020年8月26日閲覧。
  9. ^ ヨシムネ (2024年6月12日). “『フォートナイト』iOS版が2025年後半に再リリース決定。参議院での新法「スマホソフトウェア競争促進法」可決・成立を受けてEpic Gamesストアアプリも展開予定”. 電ファミニコゲーマー. 2024年6月13日閲覧。
  10. ^ Brian Crecente (2013年3月21日). “Tencent's $330M Epic Games investment absorbed 40 percent of developer [Updated]” (英語). Polygon (Vox Media). https://www.polygon.com/2013/3/21/4131702/tencents-epic-games-stock-acquisition 2023年10月21日閲覧。 
  11. ^ Staff, Reuters「テンセント、米ゲーム2社株式の継続保有求め米当局と交渉=関係筋」『Reuters』2021年5月6日。2021年8月15日閲覧。
  12. ^ ソニー、Epic Gamesに10億ドル(約1254億円)の追加出資”. ITmedia NEWS. 2022年12月5日閲覧。
  13. ^ Spangler, Todd (2020年7月9日). “Sony Invests $250 Million in ‘Fortnite’ Maker Epic Games for 1.4% Stake” (英語). Variety. 2021年8月15日閲覧。
  14. ^ Epic Games、Appleに対し訴訟を提起―課金法巡る『フォートナイト』App Store削除受け「反競争的な拘束と独占的慣行を使用している」”. 2020年8月14日閲覧。
  15. ^ AppleがEpicの開発者アカウントを停止、「Fortnite」再ダウンロード不可能に”. マイナビニュース (2020年8月29日). 2021年1月29日閲覧。
  16. ^ Yamanaka, Taijiro (2021年3月2日). “Epic Gamesが『Fall Guys』開発元Mediatonicを買収。同作のクロスプレイ実装に興味を示す”. AUTOMATON. 2021年3月4日閲覧。
  17. ^ https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2203/03/news075.html
  18. ^ Sal Romano (2023年4月19日). “Epic Games acquires Horizon Chase studio AQUIRIS” (英語). Gematsu. 2023年9月29日閲覧。
  19. ^ “米エピック・ゲームズが830人削減へ、音楽配信サービスも売却”. ニューズウィーク日本語版. ロイター. (2023年9月29日). https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2023/09/465981.php 2023年9月29日閲覧。 
  20. ^ Cecilia D'Anastasio (2024年2月8日). “ディズニー、エピック株式15億ドル相当取得へ-利益見通し予想上回る”. Bloomberg.com. 2024年2月8日閲覧。
  21. ^ ディズニー純利益、49%増 米エピックに15億ドル出資”. 共同通信 (2024年2月8日). 2024年2月8日閲覧。
  22. ^ 久田晴 (2022年4月6日). “「Unreal Engine 5」正式リリース。反射光の表現やモデルのデータ量の調整、オープンワールド形式のマップ制作などを効率化し、ゲーム開発におけるさらなる追求が可能に”. 電ファミニコゲーマー. 株式会社マレ. 2023年7月2日閲覧。
  23. ^ 奥谷海人 (2018年12月7日). “オンライン配信サービス「Epic Games Store」がオープン。Supergiant Gamesの新作「Hades」のアーリーアクセス版などが販売中”. 4Gamer.net. Aetas. 2020年8月26日閲覧。
  24. ^ a b Epic Games、「Epic Online Services」を全デベロッパー向けに提供開始”. Social Game Info. Social Info (2020年5月14日). 2020年8月26日閲覧。
  25. ^ フォートナイト メガプライスダウン – 最大20%の永久割引”. 2020年8月16日閲覧。
  26. ^ モバイルでのEPIC ディレクトペイメントを発表”. 2020年8月16日閲覧。
  27. ^ Epic Games、Appleに対し訴訟を提起―課金法巡る『フォートナイト』App Store削除受け「反競争的な拘束と独占的慣行を使用している」(Game Spark)”. Yahoo!ニュース. 2020年9月5日閲覧。
  28. ^ フォートナイト メガプライスダウン – 最大20%の永久割引”. 2020年8月14日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]