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カンタベリー大主教の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カンタベリー大主教の一覧(カンタベリーだいしゅきょうのいちらん)では、歴代のカンタベリー大主教、ならびにカンタベリー大司教の一覧を提示する。

16世紀イングランド国王 ヘンリー8世ローマ教皇と袂を分かつことによって、ローマ・カトリック教会の影響下にあったイングランド教会は、イングランド国教会として独立する。この歴史的な事件を挟んで、Archbishop of Canterburyと呼ばれている地位の政治的な意味合いが一変する。イングランド教会とイングランド国教会、どちらとも英語ではChurch of Englandであるが、その最高位聖職者という意味においてである。まだいずれも、その大司教座(大主教座)は、カンタベリー大聖堂にある。

  1. カンタベリー大司教とは、カトリック時代に教皇によって任命されたイングランドにおける教会組織の長のことである[注 1]
  2. カンタベリー大主教とは、イングランド国教会とその世界的組織である聖公会の最高位聖職者を指す。

カンタベリー大司教(カトリック)

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在位期間 大司教名 付記・それまでの経歴
597年 - 604年5月26日*注1もしくは605年 アウグスティヌス *注1:通説。聖アンドレアス修道院長。在位中死亡。聖人
605年 - 619年2月3日 ラウレンティウス 在位中死亡。聖人。
619年 - 624年4月24日 メリトゥス英語版
(Miletus)
ロンドン司教から転任。聖人。聖メリトゥス。
624年 - 627年11月10日 ユストゥス ロチェスター司教から転任。在位中死亡。聖人。聖ユストゥス。
627年 - 653年9月30日 ホノラトゥス
(ホノリウス)
在位中死亡。聖人。
655年 - 664年7月14日 デウスデディトゥス
(アデオダトゥス)
初のサクソン人大司教。在位中病死。聖人。
664年 ウィガード ウィタリアヌスによって指名。聖別前にペストで死亡。
664年 アドリアヌス ウィタリアヌスによって指名されたが、辞退した。
664年 - 668年 空位  
668年 - 690年9月19日 タルソスのテオドルス 聖人。
693年 - 731年 ベルトヴァルト
(Brihtwald)
レカルバー修道院長。聖人。
731年 to 734年 Tatwin
(Tatwine)
カンタベリー大司教にして全イングランドの首席司教。聖人。
735年 - 740年 ノートヘルム
(Nothelmus)
聖人。
741年 - 758年 カスバート英語版 ヘレフォード司教から転任。聖人。
759年 - 764年 ブレグウィン 聖人。
766年 - 791年8月11日もしくは12日 イェンバート
(Lambert; Genegberht; Jambert; Janbriht; Janibert; Lanbriht)
聖オーガスティン修道院長。聖人。
793年 - 805年5月12日 Æthelhard
(Ethelhard)
ウィンチェスター司教から転任。聖人。
805年 - 832年 ウルフレッド カンタベリーの修道士
832年 - 832年 Syred すべてを相続する前に死去。
832年 - 832年 Feologild
(Theolgild)
カンタベリー大修道院長
833年 - 870年 Ceolnoth カンタベリー首席司祭
870年 - 889年 Æthelred ウィンチェスター司教から転任。
890年 - 914年 Plegmund アルフレッド大王の書記官
914年 - 923年 Athelm
(Adelmus)
ウェルス司教から転任。
923年 - 941年 Wulfhelm
(Wolfhelmus)
ウェルス司教から転任。
942年 - 958年 Odo
(Odo Severus; Oda the Severe)
ウィンチェスター司教から転任。聖人。
959年 - 959年 Alfsige
(Alfsin)
 
960年 - 988年 ドゥンスタン ロンドン司教から転任。
988年 - 989年 Athelgar
(Ethelgarus)
セルジー司教から転任。
990年 - 994年 Sigeric
(Sigeric the Serious)
ウィンチェスター司教から転任。
995年 - 1005年 Ælfric
(Elfric; Aluricius)
ウィンチェスター司教から転任。
1006年 - 1012年4月19日 Alphege
(Ælfheah; Elphege)
ウィンチェスター司教から転任。聖人。
1013年 - 1020年6月12日 Lyfing
(Leovingus; Livingus; Elstan)
ウェルス司教から転任。
1020年 - 1038年10月29日 Æthelnoth
(Æthelnotus; Ethelnoth; Egelnodus; Ednodus)
カンタベリー首席司祭
1038年 - 1050年 Edsige
(Eadsige; Eadsimus; Eadsin)
聖人。エドワード懺悔王に戴冠した。
1051年 - 1052年 Robert of Jumieges
(Robert Gemeticensis)
イングランドから逃亡し、廃位された。
1052年 - 1070年 スティガンド ウィンチェスター司教。シモニアにより両司教位を剥奪された。
1070年 - 1089年 ランフランクス ノルマンディー公カーンの修道院長。在位中死亡。聖人。
1089年 - 1093年 空位 叙任権闘争のため。
1093年 - 1109年4月21日 アンセルムス ル・ベック修道院長。在位中死亡。聖人。
1109年 - 1114年 空位  
1114年 - 1122年 Ralph
(Ralph d'Escures; Rodolphus; Ralph de Turbine)
ロチェスター司教から転任。在位中死亡。
1123年 - 1136年 William de Corbeil
(William Corbois; William Corbyl)
聖オシス修道院英語版長。在位中死亡。
1136年 - 1139年 空位  
1139年 - 1161年4月18日 シオボルド・オブ・ベック英語版 ベック修道院長。在位中死亡。
1161年 - 1162年 空位  
1162年 - 1170年 トマス・ベケット カンタベリー助祭長。ビバリー大聖堂首席司祭。大法官。暗殺。聖人。
1174年 - 1184年 Richard
(Richard of Dover)
ドーバー修道院長。在位中死亡。
1185年 - 1190年 Baldwin
(Baldwin of Exeter)
ウスター司教から転任。十字軍に従軍中死去。
1191年 - 1191年 Reginald Fitz Jocelin ウェルス司教から転任。在位中死亡。
1191年 - 1193年 空位  
1193年 - 1205年7月13日 ヒューバート・ウォルター ソールズベリー司教から転任。大法官。在位中死亡。
1205年 - 1206年 レジナルド英語版 副院長。修道士によって選ばれたが、教皇インノケンティウス3世に退けられた。
1206年 - 1207年 ジョン・グレイ
(John de Grey)
ノリッジ司教。修道士によって選ばれたが、教皇インノケンティウス3世に退けられた。
1207年 - 1228年7月9日 枢機卿ステファン・ラントン英語版 在位中死亡。
1229年 - 1231年 Walter d'Eynsham
(Walter de Hempsham)
選出されたものの、ヘンリー3世および教皇グレゴリウス9世により退けられた。
1229年 Richard le Grant  
1231年 Ralph Neville  
1232年 John of Sittingbourne  
1232年 John Blund  
1233年 - 1240年11月16日 Edmund Rich ソールズベリーの聖職者。在任中死亡。聖人となった最後のカンタベリー大司教。
1240年 - 1270年7月14日 ボニファス
(Boniface of Savoy)
在位中死亡。
1270年 - 1270年 William Chillenden
(Adam of Chillenden)
選出されたものの、教皇により退けられた。
1273年 - 1278年 Robert Kilwardby 枢機卿となり、退位。
1278年 - 1278年 Robert Burnel バースおよびウェルズ司教から転任。選出されたものの、教皇ニコラウス3世により退けられた。
1279年 - 1292年 John Peckham
(John Pecham)
リヨンの司祭。フランシスコ会のイングランド管区長。在位中死亡。
1294年 - 1313年 Robert Winchelsey エセックスの助祭長。オックスフォード大学総長。在位中死亡。
1313年 - 1313年 Thomas Cobham ヨークの音楽主任司祭。選出されたものの、教皇クレメンス5世に承認されなかった。
1313年 - 1327年 Walter Reynolds ウスター司教から転任。大法官、財務相。在位中死亡。
1328年 - 1333年 Simon Mepeham
(Simon Meopham)
チチェスターの聖職者。在位中死亡。
1333年 - 1348年 John de Stratford ウィンチェスター司教から転任。大法官。在位中死亡。
1348年 - 1349年 John de Ufford リンカーン主席司祭。大法官。聖別式前に死去。
1349年 - 1349年8月26日 Thomas Bradwardine 在位中死亡。
1349年 - 1366年 Simon Islip セント・ポール大聖堂の聖職者。王の秘書官にして玉璽の保持者。在位中死亡。
1366年 - 1366年 William Edington
(William Edendon)
ウィンチェスター司教から転任。選出されたものの、管区から拒否された。
1366年 - 1368年 Simon Langham イーリー司教から転任。枢機卿となり、退位。
1368年 - 1374年 William Whittlesey
(William Wittlesey)
ウスター司教から転任。在位中死亡。
1375年 - 1381年6月14日 Simon Sudbury
(Simon de Sudbury; Simon Tibold; Simon Theobold)
ロンドン司教から転任。大法官。ワット・タイラーの乱の時に殺害された。
1381年 - 1396年7月31日 William Courtenay ロンドン司教から転任。在位中死亡。
1396年 - 1397年 トマス・アランデル ヨーク大司教。大法官。リチャード2世によって反逆罪に処され、追放。
1398年 - 1399年 ロジャー・ウォールデン  
1399年 - 1414年 トマス・アランデル ヘンリー4世によって復位。在位中死亡。
1414年 - 1443年4月12日 ヘンリー・チチェリー セント・デイヴィッズ司教から転任。在位中死亡。
1443年 - 1452年5月25日 ジョン・スタッフォード バースとウェルズの司教。枢機卿。大法官。大蔵卿。在位中死亡。
1452年 - 1454年 ジョン・ケンプ ヨーク大司教。枢機卿。大法官。在位中死亡。
1454年 - 1486年5月30日 トマス・バウチャー イーリー司教。枢機卿。大法官。在位中死亡。
1486年 - 1500年9月15日 ジョン・モートン イーリー司教。枢機卿。大法官。在位中死亡。
1501年1月 - 1501年1月27日 トマス・ラングストン ウィンチェスター司教。指名後五日後に死亡。
1501年 - 1503年2月15日 ヘンリー・ディーン ソールズベリー司教。在位中死亡。
1503年 - 1532年8月22日 ウィリアム・ウォラム ロンドン司教。大法官。1531年カトリック教会との分裂を受け入れた。
1533年 - 1556年3月21日 トマス・クランマー トーントンの助祭長。1547年からプロテスタントを公言。メアリー1世により焚刑死。
1556年 - 1558年11月17日 レジナルド・ポール 枢機卿。最後のカトリックのカンタベリー大司教。在位中老衰死。

カンタベリー大主教(イングランド国教会・聖公会)

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在位期間 大主教名 付記・それまでの経歴
1559年 - 1575年5月17日 マシュー・パーカー リンカーン大聖堂首席司祭。在位中に死亡。
1575年 - 1583年7月6日 エドマンド・グリンダル ヨーク大主教。在位中死亡。
1583年 - 1604年2月28日 ジョン・ホイットギフト ウスター主教。在位中死亡。
1604年10月9日 - 1610年 リチャード・バンクロフト ロンドン主教。在位中死亡。
1611年3月4日 - 1633年8月5日 ジョージ・アボット ロンドン主教。在位中死亡。
1633年 - 1645年1月10日 ウィリアム・ロード ロンドン主教。在位中、私権剥奪法により処刑。
1645年 - 1660年 空位  
1660年9月3日 - 1663年6月4日 ウィリアム・ジャクソン ロンドン主教。在位中死亡。
1663年7月14日 - 1667年 ギルバート・シェルダン ロンドン主教。
1678年1月27日 - 1691年 ウィリアム・サンクロフト セント・ポール大聖堂の首席司祭。ウィリアム3世メアリー2世に忠誠の誓いを行わなかったため位を剥奪された。
1691年4月23日 - 1694年11月22日 ジョン・ティロットソン セント・ポール大聖堂の首席司祭。在位中死亡。
1694年 - 1715年12月14日 トマス・テニソン リンカーン主教。在位中死亡。
1716年 - 1737年1月24日 ウィリアム・ウェーク リンカーン主教。在位中死亡。
1737年 - 1747年10月10日 ジョン・ポッター オックスフォード主教。在位中死亡。
1747年 - 1757年 トマス・ヘリング ヨーク大主教。在位中死亡。
1757年 - 1758年 マシュー・ハットン ヨーク大主教。在位中死亡。
1758年 - 1768年 トマス・セッカー オックスフォード主教。在位中死亡。
1768年 - 1783年 フレデリック・コーンウォリス リッチフィールド主教。男爵家の出身。チャールズ・コーンウォリスのおじ。在位中死亡。
1783年 - 1805年1月18日 ジョン・ムーア バンガー主教。在位中死亡。
1805年2月2日 - 1828年 チャールズ・マナーズサットン ノリッジ主教。在位中死亡。
1828年8月4日 - 1848年2月11日 ウィリアム・ハウリー ロンドン主教。在位中死亡。
1848年2月22日 - 1862年9月6日 ジョン・バード・サムナー チェスター主教。在位中死亡。
1862年10月20日 - 1868年10月27日 チャールズ・トマス・ロングリー ヨーク大主教。在位中死亡。
1868年11月26日 - 1882年12月3日 アーチボルド・キャンベル・テート ロンドン主教。在位中死亡。
1883年1月18日 - 1896年 エドワード・ホワイト・ベンソン トルロ主教。在位中死亡。
1896年 - 1902年12月23日 フレデリック・テンプル英語版 ロンドン主教。在位中死亡。
1903年 - 1928年 ランドル・デイヴィッドソン ロチェスター主教。カンタベリー大主教アーチボルド・キャンベル・テートの娘と結婚。大主教引退の先例となる。
1928年 - 1942年 コスモ・ゴードン・ラング英語版 ヨーク大主教。カンタベリー大主教引退。
1942年 - 1944年10月26日 ウィリアム・テンプル フレデリック・テンプルの次男。ヨーク大主教。在位中死亡。
1945年 - 1961年 ジェフリー・フィッシャー リンカーン主教
1961年 - 1974年 マイケル・ラムゼー ヨーク大主教。大主教引退。
1974年 - 1980年 ドナルド・コガン ヨーク大主教。大主教引退。
1980年 - 1991年 ロバート・ランシー 大主教引退。
1991年 - 2002年 ジョージ・ケアリー バースとウェルズの主教。大主教引退。
2002年 - 2012年 ローワン・ウィリアムズ モンマス主教。12年12月末に大主教引退。
2013年 - ジャスティン・ウェルビー ダラム主教

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ ただし一時期、ヨーク大司教座などと勢力を争ったことがある。また、大司教の「指名」にはしばしばイギリス王室などの政治勢力が絡んだ。

関連項目

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