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キャットクイル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キャットクイル
原語表記 Catequil[1]
品種 サラブレッド[2]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1990年5月22日[1]
死没 2014年1月9日(24歳没)[3]
Storm Cat[1]
Pacific Princess[1]
母の父 Damascus[1]
生国 カナダの旗 カナダ[1]
生産者 Windfields Farm[1]
馬主 Sheikh Mohammed[2]
調教師 James Fanshawe(イギリスの旗 イギリス[2]
競走成績
生涯成績 2戦0勝[1]
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キャットクイルCatequil1990年5月22日 - 2014年1月9日[3])は、カナダ生産、イギリス調教の競走馬[1][2]半姉パシフィカスを持ち、日本繁殖牝馬としてファレノプシスキズナサンデーブレイクを生産した。

経歴

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1990年5月22日、カナダオンタリオ州ウインドフィールズファームで誕生した[4]。父にストームキャット[注 1]、母にデラウェアオークス英語版(G1)優勝馬パシフィックプリンセス[6]母父ダマスカスを持つ牝馬競走馬として、馬主シェイク・モハメドによって所有され、イギリスジェームズ・ファンショー英語版調教師に預託された[2]。現役時は1993年に2回出走してそれぞれ4着、3着に終わり、通算2戦0勝の成績を残した[1][2][5]

1993年暮れのセールで繁殖牝馬として売りに出された本馬を購入したのは、自家生産馬でGI競走を勝ちたいという夢を持っていた日本の馬主である前田幸治だった[5]。本馬は、ビワハヤヒデおよびナリタブライアンを生産した繁殖牝馬パシフィカスと母を共有しており、その半妹にあたる[7]。折しも1993年の日本競馬ではビワハヤヒデが菊花賞を、ナリタブライアンが朝日杯3歳ステークスを勝利しており、さらに翌1994年春を迎えるとビワハヤヒデが天皇賞(春)および宝塚記念を、ナリタブライアンが皐月賞および東京優駿を勝利した[5][8][9]

本馬の甥にあたる競走馬の活躍を受け、前田がビワハヤヒデの調教師である浜田光正と相談した結果、初年度の1994年の種付けには種牡馬ブライアンズタイムが選ばれ、翌1995年に本馬は「ナリタブライアンのいとこ(3/4同血)」[5]となる初仔ファレノプシスを生産[5][10]。ファレノプシスは1998年に桜花賞秋華賞、2000年にエリザベス女王杯GI競走を3勝した[11]。その後フォーティナイナーとの配合で、1999年に第3仔サンデーブレイクを生産[12]。アメリカで調教されたサンデーブレイクは2002年にベルモントステークスを3着したほか、G2競走を優勝し、種牡馬としてはイスパーン賞優勝馬ネヴァーオンサンデーなどを輩出した[13][14]。さらに不受胎や流産、死産を経て、ディープインパクトとの配合で、20歳[注 2]を迎えた2010年にキズナを生産[12][16]。キズナは2013年に東京優駿を制し[17]、種牡馬として複数の重賞馬を輩出している[18]、「父ディープインパクト、母父ストームキャット」のニックスを代表する1頭である[7]

2014年1月9日、死亡した[3]

血統表

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キャットクイル血統 (血統表の出典)[§ 1]

Storm Cat
1983 黒鹿毛
父の父
Storm Bird
1978 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
父の母
Terlingua
1976 栗毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Crimson Saint Crimson Satan
Bolero Rose

Pacific Princess
1973 鹿毛
Damascus
1964 鹿毛
Sword Dancer Sunglow
Highland Fling
Kerala My Babu
Blade of Time
母の母
Fiji
1960 栗毛
Acropolis Donatello
Aurora
Riffi Mossborough
Khanum
母系(F-No.) (FN:13-a) [§ 2]
5代内の近親交配 Nearco 5×5=6.25% [§ 3]
出典
  1. ^ [19]
  2. ^ [19]
  3. ^ [19]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1992年と93年にアメリカの3歳リーディングサイアー。その後、1999年と00年にはアメリカのリーデングサイアー[5]
  2. ^ これは高齢での出産で、動物寿命の評価は難しいものの、「数え年の4倍」という単純な年齢換算に従うと人間の76歳に相当すると表現することも可能である[15](低く見積もったものでは60歳相当という意見もある)。ファレノプシスとキズナとの間には15歳という年齢差があったが、この差は「GI馬の兄弟の年齢差」においてバレークイーンが生産したフサイチコンコルドアンライバルドとの間の13歳差の記録を更新するグレード制導入以来の日本最長記録であった[16]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l キャットクイル(CAN)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年5月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Catequil | Progeny | Racing Post”. www.racingpost.com. 2022年5月23日閲覧。
  3. ^ a b c キャットクイル(CAN)”. www.studbook.jp. 2022年5月23日閲覧。
  4. ^ Catequil (ON)”. www.equibase.com. 2022年5月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 『優駿』2005年7月号 p.51
  6. ^ Pacific Princess (KY)”. www.equibase.com. 2022年5月21日閲覧。
  7. ^ a b 『優駿』2021年9月号 p.119
  8. ^ ビワハヤヒデ”. JBISサーチ. 2022年5月23日閲覧。
  9. ^ ナリタブライアン”. JBISサーチ. 2022年5月23日閲覧。
  10. ^ 2013年03月23日 毎日杯 G3 | 重賞ウイナーレポート”. 競走馬のふるさと案内所. 2022年5月21日閲覧。
  11. ^ ファレノプシス”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。
  12. ^ a b 繁殖牝馬情報:牝系情報|キャットクイル(CAN)”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。
  13. ^ サンデーブレイク”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。
  14. ^ キズナの半兄サンデーブレイクが18歳で死亡(フランス)[生産]”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022年5月21日閲覧。
  15. ^ “「人間で言うと何歳なの?」この質問もうウンザリ 動物の“寿命”をどう評価するかは難しい”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. https://www.chunichi.co.jp/article/278614 2022年5月23日閲覧。 
  16. ^ a b 有吉正徳. “第28回 母と子の絆 | 2013年 | 第5コーナー ~競馬余話~ | JBISコラム | お楽しみ”. JBISインターネット情報サービス. 2022年5月23日閲覧。
  17. ^ キズナ”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。
  18. ^ 種牡馬情報:種牡馬成績 |キズナ”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。
  19. ^ a b c 血統情報:5代血統表|キャットクイル(CAN)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年5月21日閲覧。

外部リンク

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