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サンツェッペリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サンツェッペリン
2007年5月27日 東京競馬場
欧字表記 Sun Zeppelin
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2004年4月15日(20歳)
死没 (存命)
テンビー
プラントオジジアン
母の父 オジジアン
生国 日本の旗 日本北海道門別町
生産者 道見牧場
馬主 加藤信之
調教師 斎藤誠美浦
堂山芳則北海道
競走成績
生涯成績 22戦2勝
獲得賞金 1億2961万5000円
勝ち鞍 JpnIII京成杯(2007年)
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サンツェッペリン日本競走馬2007年京成杯JpnIII)の優勝馬である。同年の皐月賞では15番人気で2着に入り、3連単の配当が同競走史上最高の162万3250円という大波乱を巻き起こした。馬名の由来は「太陽 (Sun) +飛行船名(ツェッペリン)」。

戦歴

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2006年6月24日福島競馬場新馬戦ダート1000m)でデビューしたが6着に敗れた。中1週で今度は1200mに出走したが11着であった。なお、この2戦は後に皐月賞で叩き合いを繰り広げたヴィクトリーに騎乗する田中勝春が鞍上だった。その後サンツェッペリンは3ヶ月の休養に入り、休み明けの未勝利では、以後のパートナーとなる松岡正海に乗り替わって初勝利を挙げた。

そして500万下条件戦を2走した後、オープン特別のホープフルステークスでは、松岡が、右腓骨々折で騎乗が不可能になったため、有馬記念で騎乗予定だったホッカイドウ競馬五十嵐冬樹が騎乗し、これまでの先行とは違って後方から差し込み、10番人気を覆してニュービギニングの2着で調子を上げると、続く京成杯では怪我から復帰したばかりの松岡が一転してハイペースで逃げて、重賞制覇を果たした。クラシック路線へ進むと、皐月賞の前哨戦にはスプリングステークスを選択したが、全く自分の競馬ができず8着に敗れた。

皐月賞では、重賞勝ち馬にもかかわらず15番人気という低評価であった。これは逃げて優勝した京成杯がフロック視されたこと、更に父テンビーや母父オジジアンが主に短距離で活躍する産駒を送り出している背景もあり距離が不安視されたこともあった。しかし、スタートから先頭に立つと第2コーナーでヴィクトリーに先頭を譲ったものの、共に流れをつかみ、人気馬の仕掛けが遅くなるのも幸いして、最後の直線では壮絶な一騎撃ちとなった。ゴール直前には人気のフサイチホウオーも一気に襲い掛かり、大接戦となるが、ヴィクトリーに首の上げ下げでハナ差の2着に敗れた。

この2着で東京優駿(日本ダービー)の優先出走権を手にし、3歳馬最高峰を目指すことになったが、迎えた東京優駿では、皐月賞2着ながらも9番人気と評価は低かった。レースでは、先行し、逃げたアサクサキングスを捕らえることはできず、勝ったウオッカなど後続にも交わされはしたが4着に粘り、皐月賞に続いて人気を覆した。レース後は放牧に出され、8月18日に帰厩し、秋は神戸新聞杯から菊花賞に出走を予定し、神戸新聞杯の出走1週間前に栗東トレーニングセンター入りし菊花賞出走後まで滞在する見込みであったが、馬インフルエンザ騒動により移動が規制された為に当初のローテーションが白紙化され、9月23日オールカマーに出走したが、9着に敗れた。さらにその後、第68回菊花賞に出走するものの、14着に大敗した。なお、第1希望で香港ヴァーズ、第2希望で香港カップに予備登録を行っていたが回避した。菊花賞後は第52回有馬記念への出走。しかし、最下位となる15着に敗れた。(16頭の出馬であったがフサイチパンドラが出走取消のため15頭で開催。)

2008年は白富士ステークスから始動。1番人気に支持されるが13着だった。その後、新馬戦以来のダート競走となるマーチステークスに出走するが最下位16着だった。

その後障害に転向し11月29日の障害未勝利戦に出走、結果は7着だった。そして再び平地に戻ってディセンバーステークスに出走するが、9着だった。

2009年はニューイヤーステークスから始動したが、見せ場なく12着に終わった。続くアメリカジョッキークラブカップでも12着と大敗した。レース後に左前脚に屈腱炎を発症、幹細胞移植手術を行った[1]2009年11月25日付けでJRAの競走馬登録を抹消された[2]シンガポールへ移籍の予定であった[2]が実現せず、翌2010年にホッカイドウ競馬へ移籍した。ホッカイドウ競馬では3戦して未勝利に終わり、10月19日瑞穂賞を最後に競走馬を引退する。去勢手術を施された後、日高町のケイズ豊郷分場で余生を送っている。

競走成績

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年月日 競馬場
競走名



着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上がり3F
(障害1F平均)
タイム
1着馬(2着馬) 馬体重
2006. 6. 24 福島 2歳新馬 11 6 6 5 6着 田中勝春 54 ダ1000m(良) 1:02.0 (37.7) 2.3 トロピカルライト 472
7. 8 福島 2歳未勝利 15 7 13 7 11着 田中勝春 54 芝1200m(良) 1:12.4 (38.1) 2.1 マイネバイレ 470
10. 22 東京 2歳未勝利 8 3 3 6 1着 松岡正海 55 芝1800m(良) 1:51.1 (34.9) -0.2 (リンガスビート) 466
11. 4 東京 百日草特別 500万 8 5 5 2 2着 松岡正海 55 芝1800m(良) 1:47.6 (34.4) 0.1 アサクサキングス 466
12. 9 阪神 エリカ賞 500万 8 5 5 5 5着 本田優 55 芝2000m(良) 2:02.5 (34.7) 0.4 ダノンジュンコウ 470
12. 24 中山 ホープフルS OP 15 5 9 10 2着 五十嵐冬樹 55 芝2000m(良) 2:01.3 (36.2) 0.2 ニュービギニング 470
2007. 1. 14 中山 京成杯 JpnIII 12 7 10 3 1着 松岡正海 56 芝2000m(良) 2:01.6 (35.0) -0.3 (メイショウレガーロ) 470
3. 18 中山 スプリングS JpnII 11 2 2 4 8着 松岡正海 56 芝1800m(良) 1:49.7 (36.7) 0.7 フライングアップル 474
4. 15 中山 皐月賞 JpnI 18 5 9 15 2着 松岡正海 57 芝2000m(良) 1:59.9 (35.7) 0.0 ヴィクトリー 466
5. 27 東京 東京優駿 JpnI 18 6 12 9 4着 松岡正海 57 芝2400m(良) 2:25.3 (35.0) 0.9 ウオッカ 476
9. 23 中山 オールカマー GII 16 5 9 2 9着 松岡正海 54 芝2200m(良) 2:13.6 (36.1) 1.1 マツリダゴッホ 472
10. 21 京都 菊花賞 JpnI 18 5 9 8 14着 松岡正海 57 芝3000m(良) 3:06.8 (37.6) 1.7 アサクサキングス 472
12. 23 中山 有馬記念 GI 15 5 9 14 15着 北村宏司 55 芝2500m(稍) 2:37.4 (40.0) 3.8 マツリダゴッホ 474
2008 2. 9 東京 白富士S OP 14 3 4 1 13着 松岡正海 56 芝2000m(良) 2:01.3 (35.4) 0.7 ヨイチサウス 478
3. 30 中山 マーチS GIII 16 7 14 11 16着 田中剛 57 ダ1800m(良) 1:56.2 (42.4) 4.6 ナナヨーヒマワリ 472
11. 29 東京 障害3歳上未勝利 14 5 8 2 7着 横山義行 60 障3000m(重) 3:26.8 (13.8) 3.3 カズノダンシング 494
12. 20 中山 ディセンバーS OP 11 8 10 8 9着 松岡正海 55 芝1800m(良) 1:48.3 (36.3) 0.8 トウショウシロッコ 488
2009 1. 10 中山 ニューイヤーS OP 14 6 10 7 12着 柴山雄一 55 芝1600m(良) 1:35.7 (36.6) 0.8 マヤノツルギ 486
1. 25 中山 AJCC GII 13 4 5 10 12着 柴山雄一 57 芝2200m(良) 2:16.5 (38.4) 2.6 ネヴァブション 486

※競走成績は2009年1月25日現在

エピソード

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サンツェッペリンの母プラントオジジアンは未勝利馬であり、父のテンビーも種牡馬成績が伸び悩み海外に再輸出されている。そういった理由もあり、サンツェッペリンの生後の評価はあまり高くなく、当歳時のセリ市では買い手がつかず主取り(販売者がそのまま引き取る)となる。その後現在の馬主である加藤信之に約100万円の値でようやく取り引きされた。[1]このためか加藤はクラシック登録を行なわなかったが、京成杯で優勝したため、追加登録料200万円を支払って皐月賞に出走することができた。

主戦騎手の松岡は、育成牧場時代からサンツェッペリンの騎乗を直訴し、調教をつけていた[2][3]

血統表

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サンツェッペリン血統ニジンスキー系ノーザンダンサー系) / Hail to Reason5×4=9.38% Princequillo5×5=6.25%) (血統表の出典)

*テンビー
Tenby
1990 鹿毛
父の父
Caerleon
1980 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Foreseer Round Table
Regal Gleam
父の母
Shining Water
1984 鹿毛
Kalaglow Kalamoun
Rossitor
Idle Waters Mill Reef
Midsummertime

プラントオジジアン
1999 栗毛
*オジジアン
Ogygian
1983 鹿毛
Damascus Sword Dancer
Kerala
Gonfalon Francis S.
Grand Splendor
母の母
*キクカローバート
1987 栗毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Old Grenada Pronto
Fiorita F-No.22-b


脚注

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  1. ^ 『優駿』2010年11月号、138頁。 
  2. ^ a b サンツェッペリン号が競走馬登録抹消”. JRA (2009年11月25日). 2009年11月25日閲覧。

外部リンク

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