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松岡正海

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
松岡正海
第137回目黒記念パドック(2023年5月28日)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県川崎市
生年月日 (1984-07-18) 1984年7月18日(40歳)
身長 162.9cm
体重 50kg
血液型 B型
騎手情報
所属団体 JRA
所属厩舎 フリー(美浦)
初免許年 2003年
免許区分 平地[1]
重賞勝利 38勝(中央34勝、地方4勝、海外2勝)
G1級勝利 5勝(中央2勝、地方1勝、海外2勝)
ヴィクトリアマイル(2007年)
天皇賞(春)(2009年)
JBCスプリント(2008年)
クイーンエリザベス2世カップ(2019年)
香港カップ(2019年)
通算勝利 12120戦856勝(中央)
308戦19勝(地方)
経歴
所属 前田禎(美浦)→相沢郁(美浦)→フリー(美浦)
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松岡 正海(まつおか まさみ、1984年7月18日 - )は、JRA(日本中央競馬会)の騎手美浦前田禎厩舎所属でデビューし、2005年10月に同調教師が死去し厩舎解散になったあとは相沢郁厩舎に所属。2013年からはフリーとなっている。妻は元ファッションモデルの杉浦美帆

来歴

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神奈川県川崎市出身[2]。小中学生の時に野球をやっていた[3]。小学校低学年のころから競馬のテレビを見て騎手を志す[4]

2003年3月1日中山競馬第12競走でプラチナウィンクに騎乗しデビュー(14着)。同年3月23日の中山競馬第12競走でデュエットシチーに騎乗し初勝利を挙げる。

デビュー年は11勝にとどまったが、2年目の2004年は28勝と勝利数が上昇。夏には北海道競馬に参戦し、函館競馬で初の特別競走勝ちを収めるなどの活躍をした。

その後2005年のダイヤモンドステークスでウイングランツに騎乗し重賞初制覇。美浦所属の2003年デビュー組のなかで一番乗りでの重賞初制覇であった(栗東所属も含めると、前年の長谷川浩大福島記念優勝)に次いで2人目)。そしてこの年の桜花賞GI初騎乗を果たすなど、グレード競走にも徐々に名を連ねるようになり、最終的に49勝をマークした。

2006年4月1日にはJRA通算100勝を挙げ、同年6月12日からはマイケル・キネーン騎手の紹介により、アイルランドの有力な調教師ジョン・オックス厩舎のもとで約3か月間の国外出張を行った。現地では騎乗は2レースのみ(6着、8着)だったが、馬の身の回りの世話や日本との違いなどを肌で感じ取った。松岡自身も、「この時の経験が、自分の競馬に対するスタンスを変えた」と語っている。このアイルランドでの修行を経て、2006年9月16日の中山競馬よりJRAのレースに騎乗を再開した。

日本復帰後はプリサイスマシーンマイネルレーニアサンツェッペリンアイルラヴァゲインと重賞勝ちを積み重ね、勝負強さを際立たせた。

2007年5月13日に12番人気コイウタヴィクトリアマイルを制し、JpnI(GI)初勝利を挙げた。また4月15日の皐月賞でも15番人気のサンツェッペリンをハナ差の2着に持ってきており、ともに大波乱を演出する。

地方競馬での騎乗にも積極的で、2008年11月3日、公営園田競馬場で開催されたJBCスプリントバンブーエールで制覇し、交流Jpn競走初勝利を挙げた。

2009年5月3日天皇賞・春では、前走の日経賞アルナスラインの2着にもってきたマイネルキッツに引き続き騎乗し、12番人気という低評価を覆し、八大競走初制覇。前走敗れたアルナスラインに競り勝った。

2009年9月30日には、大井競馬場で行われた第43回東京盃でふたたびバンブーエールで勝利した。

2010年12月4日、中山12Rでヒットジャポットに騎乗し1着となり自身初となるJRA年間100勝を達成した。

2011年からは落馬負傷による戦線離脱が相次いでいる。8月28日に左腓骨11月19日には右鎖骨を骨折。明け2012年には1月5日京都金杯マイネルラクリマで制覇し1年ぶりの重賞勝ちとなった直後の京都競馬第12競走で競走中に落馬。検査の結果左足関節内果骨折、左手関節捻挫と診断された。2020年には2月8日の東京競馬第6競走にて騎乗していたゴールドミッションの故障による転倒で落馬し、左大腿骨骨折と診断された。同年10月に復帰するも患部の状態が思わしくなく、12月の香港カップでのウインブライト騎乗を最後にふたたび休養に入った[5]。翌2021年11月6日東京競馬第7Rで328日ぶりの復帰を果たした[6]

2019年4月28日香港沙田競馬場にて開催されたクイーンエリザベス2世カップウインブライトにて勝利し海外G1レース初制覇。勝利後の現地メディアによるインタビューには流暢な英語で応対した。

地方競馬場では、とくに南関東公営競馬では交流競走以外に条件競走・特別競走・地元重賞を問わず、地元馬にも多く騎乗している[7]

エピソード

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評価

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  • 週刊Gallopや自著「藤田伸二の男ラム」で、藤田伸二が「最近の若い騎手は覇気がない」と言いつつも「正海はいいね」と発言したことがある。
  • 一方、田原成貴は、松岡について注目する若手騎手とし[18]つつも「いい意味でのヤンチャとただ荒々しいことを取り違えているんじゃないかと疑いたくなるほどもつれた場面で危険な乗り方をしているレースがある」との懸念も表明している[19]

成績

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騎乗成績

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年度 1着 2着 3着 騎乗数 勝率 連対率 複勝率 表彰
2003年 11 13 11 271 .041 .089 .129
2004年 28 34 26 510 .055 .122 .173
2005年 49 47 49 744 .066 .129 .195
2006年 28 33 38 503 .056 .121 .197
2007年 64 59 75 727 .088 .169 .272 中央競馬騎手年間ホープ賞(関東)
2008年 91 73 80 825 .110 .199 .296
2009年 98 82 93 844 .116 .213 .323
2010年 109 105 80 844 .129 .254 .348
2011年 53 70 72 683 .078 .180 .286 フェアプレー賞(関東)
2012年 58 54 63 705 .082 .159 .248
2013年 36 43 58 732 .049 .108 .187
2014年 41 34 49 721 .057 .104 .172
2015年 33 38 43 715 .046 .099 .159
2016年 35 46 45 682 .051 .119 .185
2017年 37 40 40 622 .059 .124 .188
2018年 35 32 28 670 .052 .100 .142
2019年 22 24 38 528 .042 .087 .159
2020年 2 4 8 108 .019 .056 .130
2021年 3 4 0 54 .056 .130 .130
2022年 14 19 27 403 .035 .082 .149
2023年 9 24 13 229 .039 .144 .201
中央 856 878 936 12120 .071 .143 .220
地方 19 27 25 308 .062 .149 .278


日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初騎乗 2003年3月1日 3回中山1日2R 4歳上1000万円下 プラチナウィンク 16頭 11 14着
初勝利 2003年3月23日 3回中山8日12R 4歳上1000万円下 デュエットシチー 16頭 6 1着
重賞初騎乗 2003年12月21日 6回中山6日11R フェアリーステークス コスモキャンドル 16頭 6 11着
重賞初勝利 2005年2月13日 1回東京6日11R ダイヤモンドステークス ウイングランツ 14頭 10 1着
GI初騎乗 2005年4月10日 2回阪神6日11R 桜花賞 マイネコンテッサ 18頭 16 17着
GI初勝利 2007年5月13日 2回東京8日11R ヴィクトリアマイル コイウタ 18頭 12 1着

重賞勝利

表彰

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  • 福島競馬場リーディングジョッキー
2008年第2回12勝
  • 新潟競馬場リーディングジョッキー
2008年第2、3回22勝

脚注

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  1. ^ 平成28年度 騎手免許試験合格者” (PDF). 日本中央競馬会 (2016年2月11日). 2016年4月7日閲覧。
  2. ^ 【第1回】大きいレースを勝つと騎乗依頼は増えますか? 松岡正海 騎手インタビー”. 一般社団法人中山馬主協会. 2023年8月19日閲覧。
  3. ^ F1レーサーに憧れるような感覚で騎手をめざす”. 日本中央競馬会. 2023年8月19日閲覧。
  4. ^ 『優駿』2009年9月号、82-83頁。 
  5. ^ 松岡正海騎手、3度の左足手術乗り越え22日に騎乗再開 早ければ来月レース復帰も”. スポーツ報知 (2021年10月19日). 2021年11月9日閲覧。
  6. ^ 松岡正海騎手が復帰、328日ぶりの実戦(2021年11月6日)|BIGLOBEニュース”. BIGLOBEニュース. 2021年11月9日閲覧。
  7. ^ 内田博幸岩田康誠のように古巣で地元馬に騎乗する例はあるが、JRAデビューの騎手で地元の条件競走にまで騎乗することはめずらしい。
  8. ^ Race-Data.comのデータによると、2006年で約5,000万円、2007年は約1億円の収入がある。
  9. ^ 『競馬最強の法則』2007年11月号・p.78
  10. ^ 優駿』2010年9月号、p.109
  11. ^ 『競馬最強の法則』2009年7月号・p.29
  12. ^ 【NHKマイルC】松岡、パパ初GI獲り! サンケイスポーツ 2011年5月6日付記事参照
  13. ^ 元調教師の西塚十勝の孫で元調教師の西塚安夫の息子。
  14. ^ ノビーズ
  15. ^ https://x.com/tokyonobbys?t=hrsMg5_yFYCTwYzHFsVbOQ&s=09 (東京ノビーズのX)
  16. ^ 箱根駅伝往路でJRAのG1ジョッキーが選手にサプライズ給水!「めっちゃいい顔していたので感動した」”. スポーツ報知 (2024年1月3日). 2024年1月4日閲覧。
  17. ^ 箱根駅伝、TVに映らなかった「豪華すぎる」給水係にファン驚き「その場面の中継なかったの残念」”. THE ANSWER (2024年1月4日). 2024年1月4日閲覧。
  18. ^ 「馬券と闘う方法」 『競馬最強の法則』2008年2月号
  19. ^ 「馬券と闘う方法」 『競馬最強の法則』2008年3月号
  20. ^ 2015年アーリントンカップレース結果 - JBISサーチ 2015年3月2日閲覧

関連項目

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外部リンク

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