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ジャック・パランス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャック・パランス
Jack Palance
Jack Palance
1954年
本名 Volodymyr Palahniuk(ウォロディミル・パラニューク)
生年月日 (1919-02-18) 1919年2月18日
没年月日 (2006-11-10) 2006年11月10日(87歳没)
出生地 ペンシルベニア州Hazle Township
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
活動期間 1947年 - 2004年
配偶者 Virginia Baker (1949-1968)
Elaine Rogers (1987-2006)
受賞
アカデミー賞
助演男優賞
1991年シティ・スリッカーズ
ゴールデングローブ賞
助演男優賞
1991年『シティ・スリッカーズ』
その他の賞
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ジャック・パランスJack Palance, 1919年2月18日 - 2006年11月10日)は、アメリカ合衆国俳優。本名はVolodymyr Palahniuk、ペンシルベニア州出身で両親はウクライナからの移民[1][2]

生涯

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軽蔑』(1963年)

1940年代はプロのボクサーであった。第二次世界大戦中はB-24のパイロットとして従軍、火災で怪我を負って顔に整形手術を受けている。大戦後にスタンフォード大学で演劇を学んだ。

1950年に映画デビューし、1952年の『突然の恐怖』と、翌年の『シェーン』でアカデミー助演男優賞にノミネートされる。その強烈なアクの強い個性は、たちまちハリウッドを席巻し、世界中からも注目の的となっていく。その背景には、戦災によって顔を整形したという影響が少なからず関係しているといえ、奇しくもコンプレックスとなるはずが、怪我の功名に転じた。

1950年代後半は、異色戦争アクション『攻撃』に主演。売出し中のアンソニー・パーキンスと共演した『ロンリー・マン』もヒット作となる。以降は、残忍な悪役ばかりではなく、精悍な指揮官役やクセのあるヒーローなど、他の俳優が演じられないような難しい役柄をこなしていく。

1960年代は、一時ヨーロッパに招かれ、フィルムノワールヌーヴェルヴァーグ系の映画に出演。ゴダールの『軽蔑』をはじめ、異色作に意欲を見せ、性格俳優としても開眼する。

1970年代、刑事物の人気TVドラマ『刑事ブロンク』シリーズで主演し、日本でもお茶の間で親しまれた。その後は、しばしばB級作品やビデオ映画、チープホラーなどに主演していたが、1987年、パーシー・アドロン監督作『バグダッド・カフェ』で久々に復活。ヒロインに想いを寄せ、老いてもなお生きる活力を求めようとする老画家役を演じた。その後もコミカルな役柄など、これまでにないキャラクターに挑戦。新境地を開いていく。

1991年の『シティ・スリッカーズ』でアカデミー助演男優賞を受賞した。その際、腕立て伏せを披露するパフォーマンスは語り草となっている。3年後には同作品の続編でも顔を出した。

2000年代に入ってからもTV、映画両面で活動を精力的に続け、『潮風のサラ3/冬の終わり』や『ナイトビジョン』などでは、ミステリアスな老人役を演じた。

2006年11月10日老衰のためカリフォルニア州の自宅で死去。87歳没。

作家チャック・パラニュークの遠縁の叔父にあたる[3]

サム・ペキンパー監督スティーブ・マックイーン主演の『ゲッタウェイ』でアル・レッティエリが演じたルディ役は、当初はパランスが予定されていたが、ギャラの問題などで実現しなかった[4]

主な出演作品

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日本語吹替は主に大塚周夫小林清志納谷悟朗らが分け合う形で担当した。

公開年 邦題
原題
役名 備考
1950 暗黒の恐怖
Panic in the Streets
ブラッキー
地獄の戦場
Halls of Montezuma
レイン
1952 突然の恐怖
Sudden Fear
レスター・ブレイン
1953 シェーン
Shane
ジャック・ウィルソン
第二の機会
Second Chance
ゴードン
アロウヘッド
Arrowhead
トリアノ
熱砂の大脱走
Flight to Tangier
ジル・ウォーカー
1954 異教徒の旗印
Sign of the Pagan
アッティラ
銀の盃
The Silver Chalice
シモン
1955 悪徳
The Big Knife
チャールズ・キャッスル
俺が犯人(ホシ)だ!
I Died a Thousand Times
ロイ
1956 攻撃
Attack
ジョー・コスタ
1957 ロンリー・マン
The Lonely Man
ジェイコブ・ウェイド
0(ゼロ)番号の家
House of Numbers
アーニー/ビル
1959 地獄へ秒読み
Ten Seconds to Hell
エリック
1960 ナポレオン/アウステルリッツの戦い
Austerlitz
General Weirother
カルタゴの大逆襲
The Barbarians
Revak
1961 蒙古の嵐
I Mongoli
Ogatai
ビザンチン大襲撃
Rosmunda e Alboino
Alboino
1962 バラバ
Barabbas
Torvald
戦闘
La guerra continua
ジャック
1963 軽蔑
Le Mépris
ジェレミー・プロコシュ
1965 泥棒を消せ
Once a Thief
ウォルター
1966 プロフェッショナル
The Professionals
ラザ
1967 残酷の沼
Torture Garden
ロナルド
ドラゴン爆破指令
Kill a Dragon
リック・マスターズ
1968 残酷・魔性!ジキルとハイド
The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde
ジキル博士/ハイド氏 テレビ映画
豹/ジャガー
Il Mercenario
カーリー
ラスベガス強奪作戦
Las Vegas, 500 millones
ダグラス
1969 ならず者たち
The Desperados
Parson Josiah Galt
地獄のプラトーン
Hora cero: Operación Rommel
ジョン・ヘストン
マルキ・ド・サドのジュスティーヌ
Marquis de Sade: Justine
Antonin
ゲバラ!
Che!
フィデル・カストロ
激戦地
La legione dei dannati
チャーリー・マクファーソン
1970 マクマスターズ
The McMasters
コルビー
モンテ・ウォルシュ
Monte Walsh
チェット・ロリンズ
ガンマン大連合
Vamos a matar, compañeros
ジョン
1971 ホースメン
The Horsemen
Tursen
1972 チャトズ・ランド
Chato's Land
クインシー・ホイットモア
1973 明日なき夕陽
Blu gang vissero per sempre felici e ammazzati
ヒルマン
オクラホマ巨人
Oklahoma Crude
ヘルマン
1974 凄惨!狂血鬼ドラキュラ
Dracula
ドラキュラ伯爵 テレビ映画
狂気のいけにえ
Craze
ニール
1975 白衣に秘められた幻想
L' Infermiera
Mr. Kitch
1976 極道USA
The Four Deuces
ヴィク
サファリ特急
Safari Express
ヴァン・ダーレン
アフリカ特急
Africa Express
ロバート・プレストン/ウイリアム・ハンター
暴走ひったくり750
Squadra antiscippo
ノーマン・シェリー/リチャード・J・ルッソ
1975-1976 刑事ブロンク
Bronk
アレックス・ブロンク テレビシリーズ、26エピソードに主演
1976 ラスト・エマニュエル/異国の情事
Eva nera
ジュダ・カーマイケル
ザ・シシリアン/復讐の挽歌
I Padroni della città
スカーフェイス
1977 監獄都市ブラッド
Welcome to Blood City
フレンドランダー
1978 死刑は俺の手で
The One Man Jury
ウェイド警部補
1979 ザ・7エンジェルス
Angels' Brigade
マイク・ファレル
ヒットマン
Portrait of a Hitman
ジム・バック
アンディ・ウォーホールのコカインカウボーイ
Cocaine Cowboys
ラファエル
1980 ニンジャリアン
Without Warning
ジョー・テイラー
ホーク・ザ・ストレイヤー/魔宮の覇者
Hawk the Slayer
ボルトン
1982 ジャンク・イン・ザ・ダーク
Alone in the Dark
フランク・ホークス
1987 タイムスリップTOゴア
Gor
Xenos
バグダッド・カフェ
Out of Rosenheim
ルーディ
1988 ヤングガン
Young Guns
ローレンス・G・マーフィー
1989 タイムスリップTOゴア2
Outlaw of Gor
Xenos
1989 バットマン
Batman
カール・グリソム
デッドフォール
Tango & Cash
イヴ・ペレット
1990 クライシス2050
Solar Crisis
トラビス
1991 シティ・スリッカーズ
City Slickers
カーリー アカデミー助演男優賞 受賞
ゴールデングローブ賞 助演男優賞 受賞
1993 サイボーグ2
Cyborg 2
マーシー ビデオ作品
1994 コップス&ロバーソン
Cops and Robbersons
ジェイク・ストーン
トワイライト・ゾーン最終章/ロッド・サーリング・スペシャル
Twilight Zone: Rod Serling's Lost Classics
ジェレミー・ウィートン博士 テレビ映画
シティ・スリッカーズ2/黄金伝説を追え
City Slickers II: The Legend of Curly's Gold
デューク・ウォッシュバーン
1995 バッファロー・ガールズ
Buffalo Girls
バートル・ボーン テレビ映画
1999 潮風のサラ3/冬の終わり
Sarah, Plain and Tall: Winter's End
ジョン テレビ映画
2001 飛べ!プランサー、僕のトナカイ
Prancer Returns
リチャード ビデオ作品

参照

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  1. ^ The Last Role of an American "City Slicker" with a Ukrainian Soul” (2006年12月2日). 2007年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月15日閲覧。
  2. ^ “Veteran western star Palance dies”. BBCニュース. (2006年11月11日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/6138310.stm 2019年5月2日閲覧。 
  3. ^ Chuck Palahniuk answers your questions about everything but his books”. The A.V. Club (2007年6月12日). 2019年5月15日閲覧。
  4. ^ 「『ゲッタウェイ』のあらすじと解説」『午前十時の映画祭7プログラム』キネマ旬報社、2016年、24頁。ISBN 978-4-87376-831-1 

外部リンク

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