コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ダークシャドウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダークシャドウ
欧字表記 Dark Shadow
香港表記 夜之影
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2007年2月17日(17歳)
登録日 2009年6月25日
抹消日 2015年4月29日[1]
ダンスインザダーク
マチカネハツシマダ
母の父 Private Account
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 飯塚知一
調教師 堀宣行美浦
厩務員 斉藤裕[2]
競走成績
生涯成績 27戦5勝
中央)26戦5勝
UAE)1戦0勝
獲得賞金 3億7526万7000円
WTR 121I / 2011年[3]
121L / 2012年[4]
勝ち鞍
GII 毎日王冠 2011年
GIII エプソムC 2011年
テンプレートを表示

ダークシャドウ: Dark Shadow夜之影)とは日本競走馬である。主な勝ち鞍は2011年エプソムカップ毎日王冠

経歴

[編集]

デビュー前

[編集]

2007年7月、「マチカネハツシマダの2007」の名でセレクトセールに出され、2500万消費税別)で取引される[5]。競走馬名は父・ダンスインザダークの名前から連想した“暗い”に馬主の飯塚知一が使用する冠名“シャドウ”を組み合わせて付けられた。

2010年(3歳)

[編集]

体質の弱さから[6]春のクラシックシーズンに間に合わず、2010年4月24日東京競馬場2000メートルの3歳未勝利戦がデビュー戦となった。スタートで4馬身出遅れた[7]が、上がり3ハロン33秒5を記録して差しきり勝利を収め[7][8]、続く5月末の3歳500万円以下も差しきって[9]2連勝とした。その後も間隔を開けてレースを使われた[6]が、約3か月後の8月に臨んだ札幌競馬場の支笏湖特別では単勝1番人気に推されるもスタートで出遅れ[10]、気性の若さも出して[11]4着[10][11]。続く中山競馬場セントライト記念でも5着に敗れ[12]、クラシック最終戦となる菊花賞への出走はならなかった。

2011年(4歳)

[編集]

1月、京都競馬場の許波多特別にて、短期免許制度を利用して中央競馬に遠征してきていたフランシス・ベリーが初めて騎乗。このときは最後の直線で物見をして2着に敗れた[13]が、2月の東京の調布特別では1番人気に応え、2着に3馬身差を付けて3勝目を挙げる[14]

4月、阪神競馬場で1600万円以下条件の難波ステークスに出走予定であったが除外され[15]、同じ日に阪神で行われた重賞大阪杯に格上挑戦した。このときから騎手が福永祐一に替わる。競馬場への輸送に際して東日本大震災の影響を受け体重を大きく減らし[16]、15頭立て8番人気の評価であったが、のちに天皇賞(春)を制することとなるヒルノダムールにハナ差の2着となった[15][17]。その後疲れが出たものの立て直し[6][18]、約2か月後に出走したエプソムカップでは5番手の好位に付け、2着に2馬身2分の1差、1番人気に応えての重賞初勝利となる[18]

4か月の休養を経て挑んだ毎日王冠では後方3番手の位置取りから進め[19]、最後の直線で馬群をさばくのに手間取りながらも差しきり[19][20]、重賞を連勝するとともに、東京競馬場での成績を5戦5勝とした[20]

迎えた天皇賞(秋)では2番人気に支持された[21]。馬主の飯塚は福永の騎乗を希望していた[19][20]が、福永がトゥザグローリーに騎乗する先約を優先した[22]ため、秋にふたたび短期免許で来たベリーが騎乗[23]。中団から馬群を割って伸びたがトーセンジョーダンとの叩き合いに敗れ、2分の1馬身差の2着に終わる[21]

2012年(5歳)

[編集]

緒戦の京都記念に1番人気で出走、中団追走から直線で懸命に末脚を伸ばすもののトレイルブレイザーの2着。3月31日ドバイデューティーフリーに出走、中団の外めを追走するが直線で伸びきれず9着に敗れた。帰国後8月19日の札幌記念に1番人気で出走、フミノイマージンの2着に敗れた。天皇賞(秋)は直線伸びるも4着に終わる。 続くジャパンカップは後方から猛然と追い上げ4着、有馬記念は中団追走も直線伸びを欠き6着に敗れ、国内で初めて掲示板を外した。

2013年(6歳)

[編集]

この年は大阪杯から始動。果敢に2・3番手でレースを進めたが、直線伸びを欠きオルフェーヴルの5着に敗れた。 次走は自身初のマイル戦、安田記念に5番人気で出走したが、同じく別路線から参戦してきたロードカナロアらに差し切られ6着。 秋初戦の毎日王冠は末脚切れるも、前も止まらず5着、次走に天皇賞(秋)を予定していたが、調教中に側溝にはまり負傷し回避[24]マイルチャンピオンシップに矛先を向け出走したが、スライド出走が影響したか直線全く伸びずに16着と大敗した。

2014年(7歳)〜2015年(8歳)

[編集]

この年の始動戦は中山記念。稍重の馬場も影響したかまたもや11着と二桁着順に大敗。続いて大阪杯で巻き返しを狙うも体調が整わないため回避、エプソムカップにスライド出走した。59kgを背負いながら久々に馬券圏内の3着と好走した。 続いて完全復調を目指し函館記念に出走。またもトップハンデ(58kg)を背負いながら、6月下旬に初来日したばかりの豪州の名手・ナッシュ・ローウィラーを背にラブイズブーシェから3/4馬身差の2着に入った。

秋は毎日王冠から始動。3年ぶりにフランシス・ベリーとコンビを組んだが12着に敗れた。続く天皇賞(秋)でもベリーとのコンビで挑んだが、直線で失速し10着に終わった。

その後も惨敗が続き2015年4月29日付けで競走馬登録を抹消、新潟競馬場にて乗馬となる[25]。2016年に誘導馬デビューを果たした[26]

競走成績

[編集]
競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2010.04.24 東京 3歳未勝利 芝2000m(稍) 11 6 7 02.6(1人) 1着 2:04.0(33.5) -0.2 内田博幸 56kg (ゴートゥザミラノ)
0000.05.29 東京 3歳500万下 芝2000m(良) 15 3 4 01.5(1人) 1着 2:01.3(33.9) -0.2 内田博幸 56kg (シルクスチュアート)
0000.08.15 札幌 支笏湖特別 1000万下 芝2600m(良) 11 3 3 02.5(1人) 4着 2:40.4(36.3) -0.8 D.ホワイト 54kg ゴールデンハインド
0000.09.19 中山 セントライト記念 GII 芝2200m(良) 17 6 12 10.5(6人) 5着 2:11.2(35.0) -0.3 四位洋文 56kg クォークスター
2011.01.08 京都 許波多特別 1000万下 芝2200m(良) 11 7 9 03.1(2人) 2着 2:13.4(34.7) -0.1 F.ベリー 56kg マイネルゴルト
0000.02.12 東京 調布特別 1000万下 芝2000m(稍) 14 6 10 02.0(1人) 1着 2:01.8(33.9) -0.5 F.ベリー 56kg サイレントメロディ
0000.04.03 阪神 大阪杯 GII 芝2000m(良) 15 7 13 40.2(8人) 2着 1:57.8(33.9) -0.0 福永祐一 57kg ヒルノダムール
0000.06.12 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 18 2 3 02.4(1人) 1着 1:47.3(35.0) -0.4 福永祐一 56kg (エーブチェアマン)
0000.10.09 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 11 7 8 02.0(1人) 1着 1:46.7(32.7) -0.0 福永祐一 57kg リアルインパクト
0000.10.30 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 4 7 05.7(2人) 2着 1:56.2(34.7) -0.1 F.ベリー 58kg トーセンジョーダン
2012.02.12 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 9 1 1 02.4(1人) 2着 2:12.7(35.1) -0.3 福永祐一 57kg トレイルブレイザー
0000.03.31 UAE ドバイDF G1 芝1800m(Gd) 15 - 7 発売なし 9着 計測不可 福永祐一 57kg Cityscape
0000.08.19 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 14 3 4 01.7(1人) 2着 1:58.8(35.3) -0.1 福永祐一 57kg フミノイマージン
0000.10.28 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 7 13 05.3(4人) 4着 1:57.7(33.6) -0.4 福永祐一 58kg エイシンフラッシュ
0000.11.25 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 17 5 10 18.6(6人) 4着 2:23.5(32.8) -0.4 M.デムーロ 57kg ジェンティルドンナ
0000.12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 5 10 10.8(4人) 6着 2:32.5(35.9) -0.6 R.ムーア 57kg ゴールドシップ
2013.03.31 阪神 大阪杯 GII 芝2000m(良) 14 3 4 10.2(3人) 5着 1:59.5(33.9) -0.5 戸崎圭太 56kg オルフェーヴル
0000.06.02 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 6 12 07.7(5人) 6着 1:31.9(33.9) -0.4 戸崎圭太 58kg ロードカナロア
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 11 1 1 06.7(3人) 5着 1:47.1(32.8) -0.4 戸崎圭太 56kg エイシンフラッシュ
0000.11.17 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 7 15 19.7(9人) 16着 1:34.0(35.0) -1.6 R.ムーア 57kg トーセンラー
2014.03.02 中山 中山記念 GII 芝1800m(稍) 15 2 3 55.8(12人) 11着 1:51.1(36.7) -1.3 内田博幸 56kg ジャスタウェイ
0000.06.15 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 17 2 4 17.7(8人) 3着 1:46.4(33.7) -0.4 戸崎圭太 59kg ディサイファ
0000.07.20 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 16 5 9 13.7(8人) 2着 2:00.2(36.3) -0.1 N.ローウィラー 58kg ラブイズブーシェ
0000.10.12 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 15 7 12 08.2(4人) 12着 1:45.8(33.9) -0.6 F.ベリー 56kg エアソミュール
0000.11.02 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 3 6 88.1(12人) 10着 2:00.2(34.4) -0.5 F.ベリー 58kg スピルバーグ
0000.12.06 中京 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 17 8 17 24.4(8人) 6着 1:59.4(34.7) -0.6 R.ムーア 56kg ラストインパクト
2015.01.25 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 17 1 1 49.3(9人) 10着 2:14.2(34.5) -0.6 F.ベリー 56kg クリールカイザー

血統表

[編集]
ダークシャドウ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ダンスインザダーク
1993 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ダンシングキイ
1983 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Key Partner Key to the Mint
Native Partner

*マチカネハツシマダ
1995 鹿毛
Private Account
1976 鹿毛
Damascus Sword Dancer
Kerala
Numbered Account Buckpasser
Intriguing
母の母
Yousefia
1989 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Foreign Courier Sir Ivor
Courtly Dee
母系(F-No.) コートリーディー系(FN:A4) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×4=12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ [27]
  2. ^ [28]
  3. ^ [29][27]
  4. ^ [27]

参考文献

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ ダークシャドウ引退、新潟競馬場で乗馬に”. ラジオNIKKEI. 2022年6月19日閲覧。
  2. ^ 【マイルCS】(15)ダークシャドウ外傷の影響なし”. スポーツニッポン. 2022年6月19日閲覧。
  3. ^ 2011 World Thoroughbred Rankings” (PDF). 日本中央競馬会. 2013年5月3日閲覧。
  4. ^ 2012 World Thoroughbred Rankings” (PDF). 日本中央競馬会. 2013年5月3日閲覧。
  5. ^ セレクトセール2007 セール結果 [上場No順全取引結果]”. 日本競走馬協会. 2011年11月3日閲覧。 “338 マチカネハツシマダの2007”
  6. ^ a b c 【エプソムC】ダークシャドウ鋭伸!一頓挫も「態勢整った」”. スポーツニッポン (2011年6月10日). 2011年11月3日閲覧。
  7. ^ a b 和田美保 (2011年10月30日). “最後の大物ダークがブエナ超える/天皇賞”. 日刊スポーツ. 2011年11月3日閲覧。
  8. ^ 次走狙い馬 ダークシャドウ(2010/04/24東京6R・3歳未勝利・1着)”. コラム. 馬三郎 (2010年4月27日). 2011年11月3日閲覧。
  9. ^ 次走狙い馬 ダークシャドウ(2010/05/29東京7R・3歳500万下・1着)”. コラム. 馬三郎 (2010年6月1日). 2011年11月3日閲覧。
  10. ^ a b 「減った体も戻った」素質馬ダークシャドウ/エプソムC”. 週刊Gallop (2011年6月11日). 2011年11月3日閲覧。
  11. ^ a b 【支笏湖特別】(札幌)?ゴールデンハインド 逃げ切りV”. ラジオNIKKEI (2010年8月15日). 2011年11月3日閲覧。
  12. ^ 【セントライト記念(GII)】(中山)?末脚爆発、クォークスターが制す”. ラジオNIKKEI (2010年9月19日). 2011年11月3日閲覧。
  13. ^ 【許波多特別】(京都)?マイネルゴルトが通算3勝目”. ラジオNIKKEI (2011年1月8日). 2011年11月3日閲覧。
  14. ^ 【調布特別】(東京)?ダークシャドウが3馬身差の快勝”. ラジオNIKKEI (2011年2月12日). 2011年11月3日閲覧。
  15. ^ a b 【大阪杯】ダークシャドウ末恐ろし!格上挑戦で2着”. スポーツニッポン (2011年4月4日). 2011年11月3日閲覧。
  16. ^ 【エプソムC】ダークシャドウ、得意コースだ”. スポーツニッポン (2011年6月8日). 2011年11月3日閲覧。
  17. ^ 【産経大阪杯】(阪神)?ヒルノダムールが念願の初重賞V”. ラジオNIKKEI (2011年4月3日). 2011年11月3日閲覧。
  18. ^ a b 【エプソムC】ダークシャドウ圧巻V!秋の主役だ!”. スポーツニッポン (2011年6月13日). 2011年11月3日閲覧。
  19. ^ a b c 【毎日王冠】ダークシャドウ盾へ“こじ開けた””. スポーツニッポン (2011年10月10日). 2011年11月3日閲覧。
  20. ^ a b c 森田実 (2011年10月9日). “【毎日王冠】ダークシャドウ重賞連勝!盾制覇へ大きく前進”. 週刊Gallop. 2011年11月3日閲覧。
  21. ^ a b 【天皇賞・秋】力示したダーク2着”. サンケイスポーツ (2011年10月31日). 2011年11月3日閲覧。
  22. ^ 田中恵一 (2011年10月13日). “【最新リポート】福永騎手「2度目はキッチリ乗りたい」/秋華賞”. 週刊Gallop. 2011年11月3日閲覧。
  23. ^ ダークシャドウはフランシス・ベリー騎手で天皇賞・秋出走”. 週刊Gallop (2011年10月14日). 2011年11月3日閲覧。
  24. ^ 【天皇賞・秋】ダークシャドウは回避 調教中に内柵越えて外傷”. スポーツニッポン. 2021年11月13日閲覧。
  25. ^ ダークシャドウ号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2015年4月29日). 2015年4月29日閲覧。
  26. ^ 誘導馬紹介:新潟競馬場”. 日本中央競馬会. 2017年8月4日閲覧。
  27. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ダークシャドウ”. 日本軽種馬協会. 2017年8月4日閲覧。
  28. ^ ダークシャドウの血統データ”. 競馬ラボ. Do Innovation. 2017年8月4日閲覧。
  29. ^ 平出貴昭 著、競馬道OnLine編集部(企画・編集) 編『覚えておきたい 日本の牝系100』スタンダードマガジン〈競馬道OnLine新書〉、2014年、144-145頁。ISBN 978-4-938280-64-2 
  30. ^ 373 マチカネハツシマダの2011” (PDF). 日本競走馬協会 (2011年). 2011年11月3日閲覧。
  31. ^ ナリタポセイドン”. 日本軽種馬協会. 2017年8月4日閲覧。

外部リンク

[編集]