ヤマニンパラダイス
この記事は「旧馬齢表記」が採用されており、国際的な表記法や2001年以降の日本国内の表記とは異なっています。 |
ヤマニンパラダイス | ||||||
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第28回マイラーズカップ出走時(1997年3月2日) | ||||||
欧字表記 | Yamanin Paradise[1] | |||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||
性別 | 牝[1] | |||||
毛色 | 鹿毛[1] | |||||
生誕 | 1992年4月25日[1] | |||||
死没 | 2018年12月7日(26歳没)[2][3][4] | |||||
登録日 | 1994年6月16日 | |||||
抹消日 | 1997年7月2日 | |||||
父 | Danzig[1] | |||||
母 | Althea[1] | |||||
母の父 | Alydar[1] | |||||
生国 | アメリカ合衆国[1] | |||||
生産者 | H.Alexander & H.Groves[1] | |||||
馬主 | 土井商事(株)[1] | |||||
調教師 |
浅見国一(栗東) →浅見秀一(栗東) [1] | |||||
競走成績 | ||||||
タイトル | JRA賞最優秀3歳牝馬(1994年)[1] | |||||
生涯成績 | 17戦4勝[1] | |||||
獲得賞金 | 1億5649万3000円[1] | |||||
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ヤマニンパラダイス(欧字名:Yamanin Paradise、1992年4月25日 - 2018年12月7日)は、アメリカ合衆国で生産された日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。
1994年に阪神3歳牝馬ステークス(GI)を優勝し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。
戦績
[編集]3歳時
[編集]父にダンジグ、母に米GI2勝しケンタッキーダービーで1番人気(19着)に支持されたアルセア(父にアリダー、半弟にトワイニング)という世界的良血[5]の本馬は浅見国一に見出されキーンランドのセールで80万ドルで落札された。 その後、浅見厩舎に入厩しデビュー前から調教・血統ともに話題を集め、1994年9月10日に中京の新馬戦で武豊を鞍上に迎え、圧倒的人気に応え1分8秒2レコードで快勝した[5][6]。1分8秒2のタイムは、1994年に限ってみればそれよりも早いタイムを記録したのがニホンピロプリンスとエイシンワシントンだけという驚異的なものだった[5]。続くいちょうステークスでも牡馬相手に2戦連続のレコードタイム、1分34秒7のタイムで快勝[5][6]。迎えた阪神3歳牝馬ステークスは1.2倍という圧倒的大本命に支持された[5][6]。レースはエイシンバーリンのハイペースな逃げに引っ張られる展開となり、最後の直線で先行して粘るエイシンバーリンを捕らえて、食い下がるスターライトマリーを振り切って1分34秒7のレースレコード(当時)で勝利し、無敗かつ3戦連続レコード勝ちを達成した[5][6][7]。
4歳以降
[編集]故障(骨折)等もあり、外国産馬はクラシックに出られないため、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスから始動したが1番人気を裏切り6着に惨敗。またも故障を発症し休養に入った。1996年3月に戦線に復帰したものの3歳時の輝きは失われており馬券にも絡めないレースが続いた。12月のオープン特別ポートアイランドステークスで2年ぶりの勝利をあげ、翌年の京都牝馬特別2着、マイラーズカップ・京王杯スプリングカップ3着と復活の兆しは見せたものの、6月、マーメイドステークスの追い切り中に骨折を発症し引退。繁殖入りした。
競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.com[8]およびJBISサーチ[9]に基づく。
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭数 | 枠番 | 馬番 | オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 (kg) |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
1994 | 9. | 10 | 中京 | 3歳新馬 | 12 | 7 | 10 | 1.3 | (1人) | 1着 | 武豊 | 53 | 芝1200m(良) | R1:08.2 (35.1) | -0.3 | (サツキムスメ) | |
10. | 30 | 東京 | いちょうS | OP | 8 | 1 | 1 | 2.1 | (2人) | 1着 | 武豊 | 53 | 芝1600m(良) | R1:34.7 (34.8) | -0.4 | (タイガーチャンプ) | |
12. | 4 | 阪神 | 阪神3歳牝馬S | GI | 10 | 8 | 9 | 1.2 | (1人) | 1着 | 武豊 | 53 | 芝1600m(良) | R1:34.7 (35.7) | -0.1 | (スターライトマリー) | |
1995 | 6. | 4 | 東京 | NZT4歳S | GII | 12 | 2 | 2 | 2.2 | (1人) | 6着 | 武豊 | 54 | 芝1600m(重) | 1:35.8 (35.3) | 0.5 | シェイクハンド |
1996 | 3. | 23 | 阪神 | 陽春S | OP | 14 | 1 | 1 | 4.8 | (2人) | 7着 | 武豊 | 54 | 芝1200m(良) | 1:09.1 (33.3) | 0.8 | エイシンワシントン |
4. | 28 | 京都 | シルクロードS | GIII | 13 | 2 | 2 | 4.5 | (3人) | 4着 | 武豊 | 54 | 芝1200m(良) | 1:08.5 (34.3) | 0.9 | フラワーパーク | |
5. | 11 | 東京 | 京王杯SC | GII | 15 | 5 | 9 | 6.6 | (3人) | 6着 | 柴田善臣 | 54 | 芝1400m(良) | 1:21.6 (34.8) | 0.5 | ハートレイク | |
6. | 9 | 東京 | 安田記念 | GI | 17 | 7 | 14 | 28.9 | (11人) | 8着 | 柴田善臣 | 56 | 芝1600m(良) | 1:33.8 (35.7) | 0.7 | トロットサンダー | |
6. | 23 | 阪神 | マーメイドS | GIII | 14 | 8 | 14 | 4.6 | (2人) | 5着 | 武豊 | 55 | 芝2000m(良) | 2:00.9 (35.9) | 0.3 | シャイニンレーサー | |
7. | 7 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 13 | 8 | 13 | 62.5 | (11人) | 13着 | 河内洋 | 56 | 芝2200m(良) | 2:13.9 (36.0) | 1.9 | マヤノトップガン | |
12. | 8 | 阪神 | ポートアイランドS | OP | 16 | 2 | 4 | 11.6 | (5人) | 1着 | 熊沢重文 | 54 | 芝1600m(良) | 1:34.5 (34.7) | -0.2 | (マイティーフォース) | |
1997 | 1. | 26 | 京都 | 京都牝馬特別 | GIII | 10 | 5 | 5 | 4.9 | (2人) | 2着 | 熊沢重文 | 55 | 芝1600m(良) | 1:35.4 (35.4) | 0.0 | エイシンバーリン |
3. | 2 | 阪神 | マイラーズC | GII | 14 | 8 | 13 | 2.6 | (1人) | 3着 | 熊沢重文 | 55 | 芝1600m(良) | 1:35.1 (35.2) | 0.1 | オースミタイクーン | |
3. | 29 | 阪神 | 阪急杯 | GIII | 16 | 4 | 7 | 5.8 | (3人) | 13着 | 熊沢重文 | 56 | 芝1200m(重) | 1:11.9 (36.8) | 1.4 | シンコウフォレスト | |
4. | 20 | 京都 | シルクロードS | GIII | 16 | 8 | 15 | 14.9 | (5人) | 6着 | 石橋守 | 55 | 芝1200m(良) | 1:08.1 (33.9) | 1.2 | エイシンバーリン | |
5. | 10 | 東京 | 京王杯SC | GII | 16 | 8 | 15 | 15.1 | (7人) | 3着 | 的場均 | 55 | 芝1400m(良) | 1:20.8 (34.2) | 0.3 | タイキブリザード | |
6. | 8 | 東京 | 安田記念 | GI | 18 | 6 | 12 | 29.9 | (9人) | 12着 | 熊沢重文 | 56 | 芝1600m(良) | 1:35.0 (35.7) | 1.2 | タイキブリザード |
引退後
[編集]引退後は北海道の錦岡牧場で繁殖入りし、初仔ヤマニンセラフィムが京成杯勝ち。3番仔のヤマニンアルシオンが阪神ジュベナイルフィリーズ2着と、ある程度の繁殖成績をあげた[6]。2016年に11番仔(ヤマニンアネッリ)を出産後に繁殖生活から引退して、引き続き錦岡牧場で余生を送っていたが、2018年12月7日に26歳で亡くなった[2][3][6][4]。
産駒一覧
[編集]生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 主な勝利競走 | 供用 | 出典 | |
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初仔 | 1999年 | ヤマニンセラフィム | 牡 | 栗毛 | サンデーサイレンス | 土井肇 | 栗東・浅見秀一 | 6戦3勝 | 2002年京成杯 | (種牡馬→乗馬) | [10] |
2番仔 | 2000年 | ヤマニングロリアス | 騸 | 土井睦秋 | 水沢・伊藤和 | (不出走) | [11] | ||||
3番仔 | 2001年 | ヤマニンアルシオン | 牝 | 鹿毛 | 土井肇 | 栗東・浅見秀一 | 15戦1勝 | (繁殖牝馬) | [12] | ||
4番仔 | 2002年 | ヤマニンアリエル | 青鹿毛 | 24戦2勝 | (繁殖牝馬) | [13] | |||||
5番仔 | 2003年 | ヤマニンプレアデス | 牡 | 鹿毛 | 栗東・浅見秀一 →美浦・佐藤吉勝 |
37戦2勝 | [14] | ||||
6番仔 | 2004年 | ヤマニンブルーザー | フレンチデピュティ | 土井睦秋 | 栗東・浅見秀一 →川崎・山崎尋美 |
13戦0勝(うち地方7戦0勝) | [15] | ||||
7番仔 | 2007年 | ヤマニンティアモ | 牝 | キングカメハメハ | 土井肇 | 栗東・浅見秀一 | 5戦0勝 | (繁殖牝馬) | [16] | ||
8番仔 | 2010年 | ヤマニンブルジョン | 牡 | 栗毛 | アドマイヤムーン | 45戦3勝 | [17] | ||||
9番仔 | 2011年 | ヤマニンケルベロス | 鹿毛 | マンハッタンカフェ | 土井睦秋 | 高知・目迫大輔 | 地方1戦0勝 | [18] | |||
10番仔 | 2015年 | ヤマニンディアリー | 牝 | キングズベスト | 土井肇 | 栗東・浅見秀一 | 5戦0勝 | [19] | |||
11番仔 | 2016年 | ヤマニンアネッリ | ベルシャザール | 土井久美子 | 栗東・浅見秀一 →道営・安田武広 →岩手・伊藤和 |
54戦4勝(うち地方51戦4勝) | [20] |
血統表
[編集]ヤマニンパラダイスの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ダンジグ系 |
[§ 2] | ||
父 Danzig 1977 鹿毛 |
父の父 Northern Dancer1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco | |
Lady Angela | ||||
Natalma | Native Dancer | |||
Almahmoud | ||||
父の母 Pas de Nom1968 黒鹿毛 |
Admiral's Voyage | Crafty Admiral | ||
Olympia Lou | ||||
Petitioner | Petition | |||
Steady Aim | ||||
母 Althea 1981 栗毛 |
Alydar 1975 栗毛 |
Raise a Native | Native Dancer | |
Raise You | ||||
Sweet Tooth | On-and-On | |||
Plum Cake | ||||
母の母 Courtly Dee1968 黒鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah | ||
Lalun | ||||
Tulle | War Admiral | |||
Judy-Rae | ||||
母系(F-No.) | Courtly Dee系(FN:A4) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Native Dancer 4×4、Nearco 4×5、Nasrullah 4・5(母内) | [§ 4] | ||
出典 |
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “ヤマニンパラダイス(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月6日閲覧。
- ^ a b “ヤマニンパラダイス逝く 26歳 94年の阪神3歳牝馬SV”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2018年12月7日). 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b “ヤマニンパラダイスが26歳で死亡 94年の最優秀3歳牝馬”. サンスポZBAT!競馬. サンケイスポーツ (2018年12月7日). 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b “ヤマニンパラダイス死ぬ、94年阪神3歳牝馬S制す”. ニッカン極ウマプレミアム. 日刊スポーツ (2018年12月8日). 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b c d e f “超一級の血統馬が無傷の3連勝で頂点へ 1994年 ヤマニンパラダイス”. 阪神ジュベナイルフィリーズ 歴代優勝馬ピックアップ. JRA-VAN. 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b c d e f “1994年の2歳女王ヤマニンパラダイス死す”. スポーツ報知 競馬. 報知新聞 (2018年12月7日). 2019年9月7日閲覧。
- ^ “伝説の名レース”. コラム. TOKYO THOROUGHBRED CLUB. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンパラダイスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンパラダイス(USA) 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンセラフィム”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニングロリアス”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンアルシオン”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンアリエル”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンプレアデス”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンブルーザー”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンティアモ”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンブルジョン”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンケルベロス”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンディアリー”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “ヤマニンアネッリ”. JBISサーチ. 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b c “ヤマニンパラダイス(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b “ヤマニンパラダイスの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月7日閲覧。
- ^ 平出貴昭 (2017年11月28日). “Courtly Dee牝系(ワンアンドオンリーなど)”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2019年3月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ヤマニンパラダイス(USA) - 競走馬のふるさと案内所