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テイエムオーシャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テイエムオーシャン[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1998年4月9日(26歳)[1]
死没 存命
登録日 2000年5月18日
抹消日 2003年12月4日[2]
ダンシングブレーヴ[1]
リヴァーガール[1]
母の父 リヴリア[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 川越敏樹[1]
馬主 竹園正繼[1]
調教師 西浦勝一栗東[1]
競走成績
生涯成績 18戦7勝[1]
獲得賞金 4億7225万7000円[1]
勝ち鞍
GI 阪神3歳牝馬S 2000年
GI 桜花賞 2001年
GI 秋華賞 2001年
GII 札幌記念 2002年
GIII チューリップ賞 2001年
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テイエムオーシャン(欧字名:T.M. Ocean1998年4月9日 - )は日本競走馬繁殖牝馬[1]。競走馬時代はデビューから引退まで一貫して本田優が騎乗している。

主な勝ち鞍は2000年阪神3歳牝馬ステークス2001年桜花賞秋華賞。2000年JRA賞最優秀3歳牝馬、2001年JRA賞最優秀3歳牝馬馬齢表記改正にともないJRA賞の部門名も改称されたため、2000年に受賞したのは現在のJRA賞最優秀2歳牝馬にあたる)。

デビュー前

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母は桜花賞優勝馬エルプスの仔であった。現役時代1勝しかできなかったが、繁殖入りしてダンシングブレーヴとの間に生まれたのが本馬である。生誕して10日後、川越牧場に赴いた馬主の竹園は偶然みかけたオーシャンを「小柄な馬だったが走りそうな馬」と感じ同行していた数人の調教師の反対を押し切り購入を決断した[3]

競走馬時代

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2000年8月、旧馬齢(数え年)3歳時に札幌競馬場でデビュー。新馬戦・500万下条件戦を連勝し、札幌3歳ステークスでは後の東京優駿(日本ダービー)優勝馬であるジャングルポケットの3着に終わるものの、その後2ヵ月半の休み明けで出走した阪神3歳牝馬ステークスを制し、この年の最優秀3歳牝馬(現・最優秀2歳牝馬)に選ばれた。

翌2001年は、緒戦となった桜花賞トライアルチューリップ賞を4馬身差で勝利した後、桜花賞では2着のムーンライトタンゴに3馬身差をつけて優勝。祖母、での桜花賞制覇となった。続く優駿牝馬(オークス)ではレディパステルローズバドに続く3着と敗れた。この時「直線で引き離していればオーシャンが勝っていた」との声もあり、鞍上の本田優騎手に対する批判の声もあった。牝馬三冠最終戦の秋華賞では、逆に両馬を封じ込め桜花賞に続き牝馬二冠馬に輝く。なお、優駿牝馬から直行での秋華賞制覇は、歴代秋華賞およびその前身のエリザベス女王杯優勝馬としても初めてだった。

その後古馬との初対決となったエリザベス女王杯ではトゥザヴィクトリーの5着、有馬記念ではマンハッタンカフェの6着と敗れたが、この年の最優秀3歳牝馬に選ばれた。

なお2001年から日本の競馬の馬齢表記が変更され、同時にJRA賞の旧『最優秀3歳牝馬』は『最優秀2歳牝馬』へ、旧『最優秀4歳牝馬』は『最優秀3歳牝馬』へ、それぞれ名称変更された。このためテイエムオーシャンは『最優秀3歳牝馬』という名称の賞を2000年と2001年の2年連続で受賞する形となった。

4歳となった2002年は、緒戦の札幌記念を+38kgという大幅な馬体増にもかかわらず2着トウカイポイントに1馬身1/2差をつけ優勝。陣営はその後、エリザベス女王杯などの牝馬路線には進まず、天皇賞(秋)からジャパンカップ、有馬記念と進むが13着、9着、10着と敗れる。

5歳となった2003年緒戦となったマイラーズカップで3着に入るが、次走の金鯱賞では9着に敗れた。その後は牝馬限定競走のマーメイドステークスクイーンステークスに出走して2着、3着となるが、エリザベス女王杯出走に向けて調整を行っていた同年10月、調教中に右後脚の骨折が判明し、引退し繁殖入りした。

繁殖牝馬時代

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繁殖牝馬となったテイエムオーシャンの交配相手には、オーナーの竹園の意向もあって同じく竹園の持ち馬であるテイエムオペラオーが5年連続で選ばれていた。2004年に同馬との最初の仔を受胎するも翌年流産となったが、2006年2月7日、繋養先の川越ファームで初仔となる牝馬を出産した。この仔馬は「10冠ベイビー」と話題になり、2008年9月25日付でテイエムユメノコとして日本中央競馬会に登録された。2006年もテイエムオペラオーと交配されたが流産、2007年、2008年も同馬と交配され、ともに牡馬を出産した。しかしその後はファンタスティックライトディープスカイといったテイエムオペラオー以外の種牡馬と交配されている。

2020年を最後に繁殖牝馬を引退し、功労馬として引き続き川越ファームで余生を送ることが発表された[4]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
1着馬(2着馬)
2000. 08.05 札幌 3歳新馬 8 3 3 05.4 0(3人) 01着 本田優 53 芝1200m(良) 1:10.6 (34.9) -0.4 ウインラディウス
08.26 札幌 3歳500万下 14 3 4 01.6 0(1人) 01着 本田優 53 芝1200m(重) 1:10.6 (36.1) -1.0 (タックスシェルター)
09.23 札幌 札幌3歳S GIII 13 3 3 02.5 0(1人) 03着 本田優 53 芝1800m(良) 1:49.9 (36.5) -0.3 ジャングルポケット
12.03 阪神 阪神3歳牝馬S GI 18 5 9 04.3 0(1人) 01着 本田優 53 芝1600m(良) 1:34.6 (35.5) -0.3 ダイワルージュ
2001. 03.03 阪神 チューリップ賞 GIII 14 7 11 01.7 0(1人) 01着 本田優 54 芝1600m(良) 1:35.3 (35.4) -0.7 ポイントフラッグ
04.08 阪神 桜花賞 GI 18 4 8 01.3 0(1人) 01着 本田優 55 芝1600m(良) 1:34.4 (34.8) -0.5 (ムーンライトタンゴ)
05.20 東京 優駿牝馬 GI 18 6 12 01.8 0(1人) 03着 本田優 55 芝2400m(良) 2:26.7 (35.1) -0.4 レディパステル
10.14 京都 秋華賞 GI 18 1 2 02.4 0(1人) 01着 本田優 55 芝2000m(良) 1:58.5 (35.4) -0.1 ローズバド
11.11 京都 エリザベス女王杯 GI 15 1 1 03.0 0(1人) 05着 本田優 54 芝2200m(良) 2:11.3 (35.3) -0.1 トゥザヴィクトリー
12.23 中山 有馬記念 GI 13 6 8 26.8 0(8人) 06着 本田優 53 芝2500m(良) 2:33.5 (34.1) -0.4 マンハッタンカフェ
2002. 08.18 札幌 札幌記念 GII 16 7 14 05.1 0(2人) 01着 本田優 56 芝2000m(良) 1:59.5 (34.5) -0.2 トウカイポイント
10.27 中山 天皇賞(秋) GI 18 5 10 04.9 0(1人) 13着 本田優 56 芝2000m(良) 1:59.5 (35.6) -1.0 シンボリクリスエス
11.24 中山 ジャパンC GI 16 6 11 22.4 (10人) 09着 本田優 55 芝2200m(良) 2:13.0 (36.1) -0.8 ファルブラヴ
12.22 中山 有馬記念 GI 14 4 5 33.2 (10人) 10着 本田優 55 芝2500m(稍) 2:34.1 (36.2) -1.5 シンボリクリスエス
2003. 04.19 阪神 マイラーズC GII 13 7 10 03.4 0(2人) 03着 本田優 57 芝1600m(良) 1:32.3 (35.2) -0.4 ローエングリン
05.31 中京 金鯱賞 GII 14 8 13 05.2 0(3人) 09着 本田優 57 芝2000m(稍) 1:59.8 (36.2) -0.9 タップダンスシチー
07.13 阪神 マーメイドS GIII 10 2 2 02.9 0(2人) 02着 本田優 59 芝2000m(重) 2:04.3 (37.9) -0.6 ローズバド
08.17 札幌 クイーンS GIII 11 8 11 04.5 0(2人) 03着 本田優 59 芝1800m(良) 1:47.9 (33.7) -0.2 オースミハルカ

繁殖成績

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誕生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績・用途
2005年 (死産) テイエムオペラオー
2006年 テイエムユメノコ 鹿毛 竹園正繼 栗東・新川恵
荒尾・平山良一
→ 栗東・新川恵
12戦3勝(うち地方3戦3勝)
(引退・繁殖牝馬)
2007年 (流産)
2008年 テイエムモーション 黒鹿毛 栗東・新川恵 2戦0勝(引退・研究馬)
2009年 テイエムオペラドン 鹿毛 栗東・新川恵
→栗東・濱田多實雄
48戦4勝(うち障害21戦3勝)
京都ハイジャンプ2着(J・GII 2017年)
(引退・乗馬(麻布大学馬術部))
2010年 テイエムオーライト 鹿毛 ファンタスティックライト 栗東・新川恵
→栗東・濱田多實雄
11戦0勝(引退)
2011年 テイエムスカイオー 鹿毛 ディープスカイ 栗東・岩元市三 4戦0勝(引退・乗馬)
2012年 (未登録) 鹿毛 ファンタスティックライト
2013年 テイエムダグラス 鹿毛 ディープスカイ 栗東・福島信晴 14戦1勝(引退)
2014年 (流産) キングズベスト
2015年 テイエムイチズオー 鹿毛 メイショウボーラー 竹園正繼 栗東・木原一良 3戦0勝(引退・乗馬)
2016年 カズフォークナー 鹿毛 オルフェーヴル 雅苑興業
→JPN技研
栗東・西浦勝一
兵庫・田中一巧
金沢・宗綱泰彦
16戦4勝(引退)
2017年 トロンビーノ 鹿毛 ロードカナロア 雅苑興業 兵庫・田中一巧
→金沢・加藤和義
29戦3勝(引退)
2018年 (生後直死)
2019年 オーシャンズヨリ 鹿毛 ドゥラメンテ 辻子依旦 美浦竹内正洋 8戦1勝(引退)
2020年 ヨリマル 鹿毛 リアルスティール 栗東・上村洋行 8戦3勝(引退)


血統表

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テイエムオーシャン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 リファール系
[§ 2]

*ダンシングブレーヴ
Dancing Brave
1983 鹿毛
アメリカ
父の父
Lyphard
1969 鹿毛
アメリカ
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Goofed Court Martial
Barra
父の母
Navajo Princess
1974 鹿毛
アメリカ
Drone Sir Gaylord
Cap and Bells
Olmec Pago Pago
Chocolate Beau

リヴァーガール
1991 鹿毛
北海道静内町
*リヴリア
Rivlia
1982 鹿毛
アメリカ
Riverman Never Bend
River Lady
Dahlia Vaguely Noble
Charming Alibi
母の母
エルプス
1982 鹿毛
北海道門別町
*マグニテュード
Magnitude
Mill Reef
Altesse Royale
ホクエイリボン *イーグル Eagle
クインエポロ F-No.12
母系(F-No.) 12号族(FN:12) [§ 3]
5代内の近親交配 Court Martial4×5、Never Bend4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ テイエムオーシャン 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com テイエムオーシャン 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ テイエムオーシャン 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ テイエムオーシャン 5代血統表2017年8月28日閲覧。


脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o テイエムオーシャン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月2日閲覧。
  2. ^ テイエムオーシャン競走馬登録抹消”. ラジオNIKKEI. 2022年4月16日閲覧。
  3. ^ 2000年12月4日日刊スポーツ
  4. ^ 川越ファーム 川越裕樹 氏のツイート - Twitter、2022/3/24閲覧。
  5. ^ テイエムオーシャンの競走成績”. netkeiba.com. 2021年6月16日閲覧。

外部リンク

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